リニア新幹線の、品川・名古屋間の開業は2027年と予定されている。うっかり何十年も先だと思いがちであるが、あと9年である。このブログでは、北陸新幹線を旧幹線と定義し、むしろ、名古屋に到達するリニア新幹線と北陸を繋ぐ条件を早くから検討してきた。福井、石川、富山のうち名古屋との公共交通では、富山が北陸サイドの玄関口になる地勢優位があることを説いてきた。当初は、高速バスでつなぐのが最善なので、その点では、南砺市が玄関口となる。なお、リニア新幹線では人流だけなので、物流に関しては、現行の新幹線を貨物輸送と旅客輸送との併用に転じるとみておいた方が良い。その場合、現行の新幹線が貨物輸送との併用が期待されるのは、北海道と本州との物流である。北陸新幹線が貨物輸送と併用になるのは、全く夢の話ではない。そのためには、富山県内に対応する貨物ヤードを確保できるかどうか、極めて重要である。つまり、トラック輸送が1日往復エリアに縮小する。この北陸新幹線が貨物輸送を併用したとき、最も経済効果が期待できるのは、既存の空港との隣接、海港との連接である。空港貨物に関しては、小松空港の実績があり、白山の車両基地と合わせ、石川県に軍配があがる。また、福井の敦賀港も重要な接点となる。それを見越して、脳力を働かせ先の利をえる必要がある。鉄道貨物はコンテナがスチールなので、航空貨物にするには詰め替えがいる。新幹線の貨物併用には、海上貿易用のコンテナとの規格の適合が重要な決め手となる。さらに、現行の鉄道コンテナは鉄製なので重い。そこで、アルミ合金の高性能のコンテナにより、船舶用のコンテナとの整合ができるのか、このあたりが、富山人の脳の使い方となる。いずれにしても、今回の北海道地震の教訓から、現行の新幹線が貨物併用に転じる転機がうまれ、9年先のリニア新幹線の開通にともなう東海道新幹線の貨物併用に拍車がかかると見たほうがよい。アルミ合金の高品質コンテナの研究は、あきらめない方がよい。造れるのは、富山県が最有力だから。ともあれ、中部圏の日本海側、名古屋の裏口として、中京圏内の人流、物流の戦略研究は、産業面からの地域の更なる活性化に決め手となる策が隠されている。
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