TMA講師代表の個人研究:
政治、特に選挙となると、マネジメント学はそれなりに有効な科学として応用できる。「民意」は、単純な二分法で選択肢を提示する大衆動員が勝利の方程式となる。単純明快さ、それが選挙での政策の売りとなる。その結果、鹿児島でも、新潟でも、原発の再稼働に反対する「民意」が多数を制した。それは、ある意味で広報として順当な結果である。
ただし、最近、原油価格が上昇してきたので、それを理由とする再稼働論が力を得てくることも考えられる。しかし、民意が原発再稼働を選んだ。とはいえ、廃炉の費用を消費者が支出するということまでの合意ではない。
廃炉の費用をどこから生み出すのか?これを考えなくてよいのならば、誰だって廃炉が望ましいという答えに行き着く。それは、「民意」といっても感情であり、思いである。
年限を限った再稼働により、廃炉の資金を生み出すという「条件つき再稼働論」を選択肢とする考えもありうる。しかし、現在の「再稼働容認」論が、無期限、無条件であるならば、そんな選択肢は支持できない、という深読みも可能である。
新潟県で、最後に大勢を決したのは、高次なリスクの判断ができる「中庸」派の裁定であると分析できる。10%の賢者が、天意を反映する。