「平成のとやま」の景観を決定的に変えたのは、大規模店舗の出現である。最初は、県内最大級であった高岡サティが先行し、ついで、当時の婦負郡婦中町に2000年10月6日に、婦中のファボーレがオープンした。運営会社は平和堂子会社の富山フューチャー開発。店舗面積37,350m2。オープンから約2年程は、県内最大の店舗面積であった。2002年9月には県西部の高岡市にオープンしたイオン高岡ショッピングセンター(現イオンモール高岡、店舗面積64,534m2)に抜かれるが、ファボーレは県東部では今なお最大級の規模である。別棟の店舗等を含めた総敷地面積は約118,000m²に及び、駐車場は3,650台が収容可能。なお、ハートビル法認定店舗となっているそうだ。これにより、旧態の商店街での小売業が衰退し、戸出町などの近世在郷町の伝統商業の拠点の衰退化が決定的になった。これは、モータリゼーションが富山で深く浸透し、1人1台、県内1日通勤圏という利便性で支えられ、特に広大な駐車場が無料で、長時間、利用できることから、映画を見る拠点施設ともなった。他方、専門店化や、高級品、珍奇品などで旧来の商店街の再活性化が期待されたが、インターネット・ショッピングが普及し、総曲輪商店街や御旅屋通りの将来は、さらに楽観できないものになっている。公共交通によるインバウンド客を狙いにした場合、デパートをコアとする構成が正解かどうか、長野市の善光寺を参考に考えなおす必要があだろう。話はもとに戻るが、昭和のトヤマを変えたのは、婦中に日産化学が誕生したことである。多くのエンジニアなどの知的労働者の流入、定住が、「平成のとやま」の土台となっている。
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