富山マネジメント・アカデミー

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東京本社⇒北陸支社への転換の意味するもの(再構成)

2016年04月29日 | Weblog

TMA講師代表:富山新聞の報道によると、これまで北陸は交通の関係で、大阪支社の営業圏に属してきた。小生も、中国書の関係で東方書店と取引があるが、東京本社に買いたい本を申し込んでも、実際は、大阪支社から送本されてくる。これが、北陸新幹線効果により、北陸は東京本社に直属する営業圏に代わる。

この変化は、多くの分野に広がるだろう。ただし、それは東京から日帰り圏の出張を意味するから、富山のあらたなビジネス・ホテルの需要が生まれるわけではない。学生の就活も、関東圏と同じく、東京本社に出かける方式が定着してきた。

それに対応し、比較的に難関とされる人気企業へのチャレンジは、物理的には楽になるが、実際の壁は低くならない。こうした悩みも考えながら、富山マネジメント・アカデミーは、それなりの対応を考えているところだ。

将来、北陸新幹線が京都、大阪と結ばれても、企業や行政機関が、関西の統括から東京の統括に変化すれば、時代は後戻りはしない。北陸でも東京への一極集中が最終的に完結することになる。

大学教員も、これまでは北陸では、関西系がかなり幅を利かせていたが、首都圏の外郭へと姿を変えるので、首都圏に研究拠点のある人材が北陸の高等教育を支える方向軸へと転じていく。これは、大きな趨勢の変化である。

富山の場合、主要な製造業や第3次産業では、すでに東京本社⇒富山工場というスタイルが確立している。本拠を富山に置きながら、営業の中心として、東京本社制がとられており、その本社機能の一部を北陸に移す動きもあるが、まるままの地方移転ではない。こうした流れのなかで、首都圏では何が重視されているのか、そのトレンドを細かく、時間差なしに見極めることが死活問題となってくる。

富山から東京へ、日帰りで仕事をして帰ってくる時代となり、タイムラグがコンテンツの質的な格差として、数日でも遅れていることが許される余地がなくなる。

その場合、現場発の仕事の質において、北陸、富山の現場に一日の長という逆アドバンテージがないと、本社の奴隷となってしまう。では、東京の弱点となると、実は、アジアに弱いという傾向性がある。関西がアジアの玄関という時代が長く続いたからである。

しかし、最近のアジアと日本とは、東京が凝集の核となり、それを地方分散、地方での分業へと再分配される関係が強くなる。だから、地元の大学が、ある意味、首都圏にも、他の地方にもない「小さな聖地」とならないと、北陸は完全に滅んでしまうことになる。

森健二さんのように、東京発のメディアのコンテンツを八尾で製作するという「小さな工房」が自然豊かな環境の産物として生み出す「職人型」にどこまで成長できるか、という課題でもある。

 

 

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