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妻たちの失敗

2017年07月28日 | Weblog

中国では、権力者の妻の資質は厳しく問われる。江沢民が、権力の座につき、長く影響力を及ぼしたのは、良妻の恩恵である。上海市の市長時代、公用車を使用せずに、公共交通のみを利用した。これは、江沢民の母の教えを守った良妻の賢さである。鄧小平は、ここを評価し、総書記に登用した。今、孫政才という有力な次世代の党官僚は、妻たちの腐敗に足をとられ失脚した。

「妻」への監督責任が厳しく検査されるのは、政治家が私益のワナに陥る最大のポイントであるからだ。中国が皇帝制度を廃棄したのは、皇后が、皇后の一族が権力操作を利益の根源とするためである。アメリカの場合、ファーストレディが大きな誤りを犯したとは聞かない。汚職につながる事件を聞かない。

要は、公人の妻は、私人である。この公私混同の弊害が、中国では、孔子の時代にもすでにある。この公私混同をめぐる倫理が、いつも問い直されるのは、そこに中国社会の大きな欠陥が存在することを意味している。中国の婦人の成熟度、教養の自律性は、必ずしも先進国ではない。家庭内での、妻の役割分担、特に家計の管理、贈答品への対処など、家政から公私の垣根が壊れる。

 

 

 

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