富山マネジメント・アカデミー

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富山市の前途:森市長の後

2019年06月29日 | Weblog

引き際の美学というコトバがある。森市長は、歴史に残る市長である。過去の業績のみならず、引き際の美学、白く、鮮やかな梨花に似たり。梨花の園に帰りなん、と。富山県知事へのステップかと、勘繰る向きもあるが、TVで会見を観ていた家内が、梨花の園に帰りなんという爽やかさに感動していた。仮に、100歳、90歳まで生きるとすれば、父の道を改めず、というのは、天地人の道に尽きる。孔子の学派のいう「孝道」である。残りの任期中に、次期の市長後継を育成するという。悪く言えば、院政であるが、そうは思わない。富山市役所を中心に、景観として現代都市に生まれ変わらせた土台にうえに、富山の町がどんな夢を正夢にしていくのか、それは若い世代がどれだけ富山愛を自然に身につけるのか、というところに関わっている。ヒューマン・ライフのための設計図を緻密にする仕事は、物理的な都市の改造では済まない要素がある。さまざまなライフ・デザインが可能な街にするには、ニューリーダーのもとで、新しい人脈のウエーブが必要である。一つは、「ファイン」+の追求である。ケミカル産業でも、金融・保健でも「ファイン」というコンセプトに繋がる「市民の心をデザイン」する感性が求められる。北陸新幹線の開通1週間目に、首都圏からきた父子が、「田んぼ」はどにいけば見れますか、全然、田舎じゃないよ、と不満げに語られた。景観の面で、西欧都市と変わらない風景は、良い意味で首都圏の人の期待を裏切った。このような道筋は、すでに富山藩校が英語学校を備えたときに生まれていたが、他方で、孔子の学派のいう「孝道」により、3世代の同居、近住が、日本で最も色濃く残されているのも富山である。



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