富山マネジメント・アカデミー

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習近平の北朝鮮への訪問の狙い

2019年06月18日 | Weblog

6月20日―21日の日程で、習近平の北朝鮮訪問が実行される。発表したのは、中国外交部ではなく、中共中央の対外連絡部である。つまり、朝鮮労働党委員長の招きに応じ、中共中央総書記の習近平が訪問するという党と党の政党外交の形式である。この場合、主要な議題は、軍事、特に核兵器の問題である。これまでの経緯からみても、北朝鮮からの一方的な非核化の道を拒む路線を習近平が容認することになる。これは、習近平の中共内部での立ち位置が、極東コミンテルンの古いつながりへ両足を移し、香港、台湾、東南アジアでの打開を弱め、海外華人との連携に軸足をおいた統治の書記とは大きくことなる「先祖帰り」を意味する。これは、アメリカを中心とする自由主義陣営が、北京への外交的な包囲網を強めた結果であり、北朝鮮への配慮を重視せざるを得ない変化が表れていると見た方がよい。習近平は、経済改革の波を北朝鮮に送りとどける経済主義の眼で北朝鮮を見てきたが、いよいよ中国の経済は正念場に来ており、伝統的な国際共産主義者の友誼という軍隊を統率する精神主義の鼓舞に転じたとみてよい。中国共産党の内部の経済畑からの習近平への働きかけが後退し、中朝軍事同盟の実態的な復活へと路線転換したとみられる。資料は光明日報網<中共中央对外联络部发言人胡兆明17日在北京宣布:应朝鲜劳动党委员长、朝鲜民主主义人民共和国国务委员会委员长金正恩邀请,中共中央总书记、中华人民共和国主席习近平将于6月20日至21日对朝鲜民主主义人民共和国进行国事访问。>

 


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香港の民主化を台湾の国民党系も支持

2019年06月18日 | Weblog

この写真は、台湾の国民党系のデジタル・メディアからの転載である。最新の写真と思われる。なぜなら、黒い衣装で統一されているからだ。ここにきて、香港民主化の指導者の刑期満了による釈放と運動復帰があり、彼らの目標は、香港行政長官の選出は、普通選挙によると宣言された。台湾の民進党も国民党も、支持が表明された。台湾の自立性と香港の自立性とが同次元で意識された事例では、過去には、今を超える例はない。これが、台湾の2大政党が、少なくとも台湾の自立性を保つという共同の意識を香港から送りとどけていくことになる。しかも、写真で見る限り、相当な教育をうけた青年層が主体となり、肉体を張ってでも戦う先鋭の後ろに、香港の将来は、北京政府にキメてもらうのではなく、自分たちが決めなくてはならないという自覚が読み取れる。1990年代には、長老には逆らわないという温順を徳とする考えがあり、北京にまかせてイギリスから独立するという甘えがあったが、どうやら、僕のような保守的な歴史家の眼にも、SNS時代の青年たちの「決然」を感じる。日本人としては、国家として介入していけないが、未来におこりうる新中華の時代に予感は十分に感じ取られる。


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