富山マネジメント・アカデミー

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香港行政長官と台湾総統との共同で北京側の「犯罪者引き渡し条例」改正案の無期延期

2019年06月16日 | Weblog

林鄭表示,考慮到台灣方面多次表示絕不接受特區政府在修訂《逃犯條例》下移交陳同佳,條例草案急迫性不復存在。她說,自己與團隊的修例初心是出於對香港的熱愛及對港人的關心。對於工作不足令香港出現矛盾紛爭,令許多市民失望,林鄭感到難過遺憾。她表示,自己將以最有誠意最謙虛的態度接受批評,繼續與市民同行。(大公文匯全媒體新聞中心供稿)これは、中共側の香港大公報と文匯報の協同のデジタル・ニュースからの引用である。日本人の新聞記者は、繁体字の中国語に疎いので、特に原文を転載し、富山県民に提供する。非常に注目されるのは、この問題でリードしたのは、台湾の蔡英文総統である。彼女からの何度も大陸側の要求を絶対に受け入れてはならないとの忠告を考慮し、改正の緊急性がないという理由で、無期延期すると林鄭行政長官が記者会見で表明したことである。ここには、アメリカをバックにして、台湾と香港のトップが提携したことが、公然と大陸系のメディアも報道せざるを得ないほど、習近平の立場が見切られてきているという状況が読み取れる。これは、極めて重要な東アジア情勢の変化である。


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香港の行政長官:林鄭氏の「半決断」と習近平の「揺れ」

2019年06月16日 | Weblog

記憶が間違っているかもしれないが、女性の姓は、漢族の社会では、父の姓を一生涯名のる。林鄭氏の場合は、鄭が父方の姓である。「林」姓は、嫁ぎ先の夫の姓である。こういうファミリー・ネームの表し方は、シンガポール、香港、台湾で普及している。大陸社会では、夫婦が別姓である。だから未婚か、既婚かは、姓では分らない。林鄭氏というような複姓は、中国大陸の歴史にも存在したが、いまでは海外華人・華僑の慣習となっている。さて、多くの負傷者を出し、犯罪者の引き渡し条例の議決を延期し、かつ、議案を廃案にしないというのは、丁寧な説明で説得可能だと判断したからである。このような迂回に転じたのは、大方の観測のように習近平総書記からの指示であろう。本質的に、習近平個人は「小心」モノで知られている。近未来の中国の針路には、習近平の「放言」「大言」が多いが、現実の政務の判断では、実事求是の眼で慎重に対処する。中国共産党は、無理に中央突破をしないのが伝統である。注目と緊張が高まれば、皆が忘れるまで時期を待つ。今回の若者のデモの背後には、中国共産党とは敵対する政治犯が香港に逃亡し、それが強盗殺人犯ではなく、思想犯の引き渡しを求めていると理解されている。林鄭氏が、大陸から逃亡してきた政治思想犯を大陸に引き渡すことを主目的とするならば、香港行政の独立性を自ら否定することになる。対象となる犯罪の定義があいまいなので、丁寧に説明するとして、今年内の議決を回避した。この「半決断」は、習近平の対米の貿易戦争において、党内の「対外強硬派」を押さえ込むことにおいて、「半決断」さえ下せない心理と重なり合う。ただし、香港では親中国派が多数である。大きな構造変化が生じる可能性は低い。問題の核心は、中国が超大国として、対米対決に踏み切り、「米ソ」冷戦に代わり、「米中」冷戦の時代へと歴史の舞台が大転換するのかどうかである。アメリカにも、中国にも、西側諸国にも、ロシアにも、「米中和解・協調」よりも、この際、「米中」の全面対決を期待する空気がある。日本にとっても、国内の世論を二分するであろうが、日米軍事同盟の枠内に日本経済の制約するのは、得策ではないので、軍事主導の味方と、国民福祉の原資であるGDPの増減にとり最適の選択が求められる。その場合、「円と人民元」の通貨協調と、日米軍事同盟へのアクセルの踏み込みと、極めて高度な調整力が求められる。つまり、「半決断」と「揺れ」は、実は、日本にとっても「歯切れのよいことはしない」という不決断の決断を強いている。情勢を見極める、これしかない局面である。中国との全面対決も、全面協調も、国策としては、単細胞の判断は、あり得ない選択である。


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