富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

外形でみるか、個票でみるか、双方向からみるか

2019年01月17日 | Weblog

「外形」でみると、極めて小さな規模の企業がある。しかし、個人、個人の年収規模という「個票」でみると、社員の年収の中央値が高い企業がある。反対に、「外形」が極めて大きな基幹産業に属する企業がある。けれども、社員の年収の中央値が低い企業がある。この場合、生涯賃金というか生涯保証という第二年金制度や、従業員の持ち株制度の充実という面から論じると、ファスナー事業のYKKさんが、富山では最優良企業となる。ただし、かなり長期の海外勤務が大前提となる。ただ、技術系となると、YKK工機部は、海外で業務はあるが、基本、黒部事業所の所属である。YKKさんの場合、従業員持ち株が最大の株主なので、会社の命運と社員の運命とは共同体である。外形からも、個票からも、創業家と功労者との関係も安定している。株式非上場は、極めて正しい判断である。上場すると、社内情報を利用し、従業員が自社株を早期に高値で売り抜ける「性悪」を刺激する。不二越の揺れ幅、富山化学の富士フィルムへの吸収などをみると、経営陣の「志学」がないと、伸び悩みや、弱肉化することになる。その点では、YKKさんが程よい。ただし、スター級の社員は育たない。「善の循環」哲学という新興宗教に染め上げられているから、異業種への大胆な進出が妨げられている。IT革命の時代に、創業者の衣食住という3市場論に縛られ、デザインという新産業、国際物流という部門の内製化など、21世紀後半に大きく伸びる余地が少ない。ここは、ゴールドウインさんとYKKさんとは、繊維の世界、娯楽の世界で、人類の新需要を開拓するための新事業を協同開拓する新産業への挑戦が求められる。こうした経営の頭脳は、すでに首都圏にあり、富山では、両者ともに地場産業ではない。ただ、富山では、企業の維持コストやストレスが低いので、企画研究の場としては、ローコスト・ハイリターンが期待される。小矢部に生まれた企業、黒部の企業が交際する基盤は、北陸新幹線による研究開発の人材交流である。戦力価値の低い人材は、外形評価の高いだけの企業に身を任せるほかはない。要は、富山人でも戦力価値の高い、角を立てる人材に才能を生かす場として、富山は新産業を企画し、考える場所としては悪くない。なお、21世紀新産業機構は、もはやお荷物である。富山県の負債構造を象徴する。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現金取引には高い決済コストの負担がある

2019年01月17日 | Weblog

電子マネーは、立ち上げ段階で巨額の設備投資が必要なので、それに踏み切れない銀行が崩壊線上に並び始めた。銀行は、支店を維持する目的は、ITネットワークの外側にいる現金のほかの決済手段をもたない高齢層へのサービスにある。こうした個人客へのサービスは、「ゆうちょ銀行」に委ねて、企業との取引に特化しようとしても、企業と企業とは、すでに手形取引の時代から、企業そのものが与信の範囲内でITネットワークを構築し、銀行による手形割引を必要としなくなった。現金取引には、強奪を防ぐために、行員への監視と、警備会社の利用経費において、現金管理コストが重くのしかかる。このように、電子マネーへの大規模な先行投資の必要と、現金扱いの維持とを同時に進めることは、メガバンクでも厳しいのに、自行の保有資産に絵画を抱え、美術狂い、ゴルフ狂いをした経営トップの「職位を享楽した」人々の愚昧の潜在的な構造負債は、極めて厳しい。前途は非常に厳しいが、富山第一銀行は大胆に次世代型の銀行をめざし、電子決済システムに主軸を置き始めた。現金しか信用できない業界は、古い体質の不動産取引である。///電子マネーは、「信用」の創造が同時に「マネー」の創造となる。日本経済における日銀券の発行残高を引き締めても、取引現場ですでに「電子マネー」が<通貨供給量>を拡張している。この「流通電子マネー」の総額が誰の眼にも見えないので、日本経済の官庁経済統計は、日銀券の発行残高を基準とするから悲観的な材料を提供する。他方、日銀にはある程度まで、マテリアルの動きがよめるから、日銀が安心して、弱気筋に対抗して、日本企業の株券を強気に買ってでる確信がある。つまり、日本の企業人において、悲観派は、実質の通貨供給量と、帳簿上の現金ベースの固定通貨供給量と差額の意味が読めていないといえる。僕は、強気筋を支持する。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする