富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

金正恩を動かせたもの:民意?

2018年03月28日 | Weblog

中国側報道の言語を詳しく分析すると、① 金正恩が、民意が朝鮮半島の変化を促し、それを金正恩が率先して変化を加速したこと。②そして、中国と朝鮮の双方の民意と、双方の民生に重きをおく社会主義の新時代のありかたとして、新時代の共同認識が生じたという。ここは、中国国内の「反金世襲政権」へ反発をなだめるくだりが注目される。③ その上で、中朝の軍事同盟の基礎のうえに、朝鮮戦争の完全終結にむけ、北のとる措置と、アメリカ・韓国がとる処置とが「段階的」に「同時的」に実行し、その相互監視のための情報共有化を図るというものである。

中国の文献では、金正恩から習近平への「通情况」だと明記されている<朝鲜半岛局势急速前进,发生不少重要变化,从情义上和道义上,我也应该及时向习近平总书记同志当面通报情况。。この民意は、まず韓国側の民意、南北対話、これに応じた金正恩、そこからの朝鮮半島情勢の急速な前進、少なからない重要な変化の発生として説明している。ここで、民意とか、民生の施策を主体とする「新社会主義」において、中国から先進経験を受け入れることで、ある種の民生のための同盟という関係を構築するとしている。「民意?」「民生?」というワードを用いなくてはならないほどに、北朝鮮国内からの中国との関係改善が求められた。中朝の民衆の生活水準の格差から、国内で民生の重視が求められた内情が透けて見える

 


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中国と北朝鮮、国運を賭けた対米交渉

2018年03月28日 | Weblog

北朝鮮の独自の外交パワーは、中国の50分の1程度の力量しかない。世界経済に占める比重も、全世界が完全に経済封鎖しても、世界に大不況を及ぼすようなものではない。日本の一都道府県よりも、経済世界への影響は小さい。人口が2000万である。中国は、過去に江沢民政権が東北経済に強いため、北朝鮮との蜜月を重ね、便宜供与してきたが、ここに不正の温床、特に国営の石油部門の問題が隠されてきた。習体制の確立により、北朝鮮は一切の過去の裏パイプが塞がれた。中国共産党は、朝鮮戦争に参戦したために、中共の党内には、北朝鮮からのパイプが張り巡らされてきた。この関係が、官僚の悪の温床として、習総書記にみなされた。国連レベルの経済封鎖とは違う、北朝鮮側に味方する中国共産党内の分派が昨年秋の党大会で一掃された。北朝鮮は、経済規模では中国の一つの省、特別自治区よりもランクが低い。強大化した習総書記が、無期限の国家主席への正式就任を「被宗主国」として、最初に慶祝したのが、今回の金正恩の北京への覆面訪問である。

なぜ、習総書記が北朝鮮の関係を改善したのか?それは、和戦両様での準備である。アメリカには、朝鮮戦争の持続、台湾の海峡封鎖という時代錯誤の軍事冒険主義者たちが息を吹き返してきている。最悪、第2の朝鮮戦争、台湾海峡封鎖を警戒するため、中朝の軍事同盟をスリープからウエイク・アップする必要がある。まず、この軍事の備えとして、緊急時に備えた顔合わせ、緊急連絡網、軍事情報の共有という備えがいる。習総書記は、国家中央軍事委員会の主席でもある。こうして、中朝軍事同盟が、改めて再起動できた。この条件を備えたうえで、北朝鮮による朝鮮半島非核化をめぐる対米譲歩の最終ラインを決めたものと思われる。ともかく、中国は望まないのに、北朝鮮が鬼門であり、わずか2000万の部族国家のために大国の国運を左右され、ようやく脱却したのに、改めて北朝鮮問題が、中国の国運を左右しかねない重大問題になってきたのである。


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3月27日(火)のつぶやき

2018年03月28日 | Weblog

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