富山マネジメント・アカデミー

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「道」(みち)から「道びく」から「道(い)う」へ

2018年03月26日 | Weblog

中国古代の文献では、「道」は名詞に起源するようだ。具体名詞の道路という意味から、抽象名詞の「道」という理念が生まれる。孔子の場合、「道千乗之国」というように、「戦車を千乗を擁する国」を「導く」というように、「道」を動詞としても用いている。やがて、「道」を「言う」と意味にも転じてくる。中国の漢語は、太古から現代までの人類史のデータを途切れなく系統的に保存している。漢語の音声は、元王朝の支配を前後に大きく変化した。しかし、表意文字としての意味論に関しては、多義的な発展が良くわかり、また、廃語、死語となった語も確認できる。また同時に、形而下と形而上の関係という哲学的な思考も、漢字運用には含まれる。

ところで、漢和辞典のうちベストは、角川書店の『新字源』である。これに漢語のピンインの索引があれば、中国人で日本語を学ぶのには、極めて便利な字典となる。日本人には、一番に苦手な「助辞解説」は役に立つ。ほぼ覚えたつもりだが、耄碌して絶えず確かめている。老後のために、文字の大きな中国古典を戦略的に選んで正解だった。と同時に、スキャナーからパソコンに取り込み、PDF形式で読むと、拡大鏡の役目は、ソフトとモニターがしてくれる。辞書も「漢語大詞典」は、デジタル版がある。

さて、本題に戻るが、形而上の「道」という概念を「みちびく」という教導の意味に進化させたのは、孔子である。かれは、中国哲学のうえで、最初の「知行学説」の発見者であり、実践者である。この評価軸は、まず動かせないとみてよい。「行いてのち知る」、つまり理論を文字や数式で覚えるまえに、まず、身体に染み込ませる鍛錬が先にたつ、という教導の理論である。

 


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3月25日(日)のつぶやき

2018年03月26日 | Weblog

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