TOWプランナーズスクール STAFF通信

超実践型のプランナー養成講座「プランナーズスクール」スタッフが綴る、
日々の出来事とか講義のダイジェストとか諸々です。

卒業演習「プレゼンテーションテクニック」(2)

2009-02-28 17:34:29 | 講義ダイジェスト
あと残り2回で第9期のプランナーズスクールも卒業です。
先週の企画七か条を部屋に貼りましたか?
別に部屋でなくとも愛用のノートとかに書き写すことをしましたかね?
書き写す行為は強く記憶に留めることができますよね。
さて今週はまず初めに清水校長の有能なアシスタント豊田幸美さんの
「パワーポイントの効果的な作り方」という講義が導入部です。

皆さんも企画書作りにPPTを使うケースが多いと思いますが、
企画書には「読ませる企画書」と「スライドショーで見せる企画書」の
2種類がありますね。何か企画書が全てと勘違いしている人もいます。
プレゼンは総合手段です。
企画書もあればプレゼンターもいる、資料や映像を駆使した
エンタテインメントといっても過言ではありません。
だから、プロジェクターを使うPPTのページ構成はシンプルにしなきゃあ。
豊田先生指摘の留意点はこれだゾ!

「PPTはプレゼンターの話をスムーズに聞かせる道具です」
「1枚のスライドに言いたいことは1つ、見出しの1行で心をつかめ」
「イラストや写真はあくまでも脇役、文字の大きさとフォントで勝負」
「スライドショーはドラマ、ストーリーテラーになれ」
「アニメーション機能はタイミングが命」
「わかりやすい、見やすい、心に残せ、の3拍子」


上手なPPTづくりには、構成作家・コピーライター・グラフィックデザイナーの
センスから学びましょうと豊田先生はにこやかにおっしゃってくださいました。


引き継いで清水校長のより具体的な実践的プレゼン手法の講義です。
プレゼンテーション技法は広告業界だけの特技ではありません。
様々なビジネスシーンで行われています。
プレゼンテーションの技法としてアメリカのコンサルタント会社の話は有名です。
清水先生は広範な視野から世界のリーダカンパニーの手法を取り入れ、
日本市場にふさわしい技法をまとめられました。

「プレゼンテーションとは最終的に説得することである」
と先生は言います。
企画書だけで仕事になるわけはない、あなたが企業の担当者であったら
企画者の熱意とか誠意を確認したくなるでしょ?
説得はFace to Face、技術を身につけるということ、テクニックに走る
ということではありません。そこのところに留意して、清水先生のまとめを
拝聴いたしましょう。

①状況を明確にする
a.目的を特定する b.聞き手を分析する
c.見通しを明確にする d.機材・媒体を選ぶ

②プレゼンテーションを設計する
a.メッセージを確定する b.ストーリーラインを念入りに作成する
c.ストーリーボードを作成する

③プレゼンテーションを実施する
a.第一段階のリハーサルを行う  b.第二段階のリハーサルを行う
c.設備機材のセットアップ  d.実行するための技術を利用する
e図表を活用する  f.質問に対応する

項目だけでは判らないでしょうが、
これはどんなシチュエーションのビジネスシーンにも当てはまる作業です。
やはり講義に参加しないと理解できない内容ですね。
最後に、卒業検定プレゼンテーションのための優しいアドバイスをくださいました。

緊張しないためのアドバイス
a.深呼吸を3回 b.アイコンタクトを確立する
c.自然に話す d.声の強弱をフルに活用する
e.両足に体重をかけ、両手は腰の位置にあて、しっかり立つこと
f.スクリーンの脇に立って話す g.不用意にポインターを使わない


さて、来週はいよいよラストのプレゼンです。悔いのないようにがんばりましょう!



KIM談

卒業演習「プレゼンテーションテクニック」(1)

2009-02-21 17:12:06 | 講義ダイジェスト
いよいよ第9期TOWプランナーズスクールの最終講義となりました。
講師は株式会社テー・オー・ダブリュー顧問/プランナーズスクール校長の
清水勝男先生です。清水先生は日本のイベント・プロデュースの最前線で
活躍された伝説的な広告マンです。

「プレゼンテーションの基本はやはり個人のプレゼンスがあるかどうか」で、
まずはテーマ「私のスローガン」の個人プレゼンです。
持ち時間はわずか2分間、使い方に差がでそうです。

全員が終了し先生のコメントは、アメリカの大統領選の例を挙げて
オバマ大統領のスピーチの素晴らしさの説明です。
「右を見て左を見る、これはセンターにプロンプタがあり目がいくと
視線が下がり印象が悪くなるからです。
小泉さんは原稿を見ないでスピーチしていましたね。
僕だったら一人に向けて喋るようにします。」

このスピーチでは、言葉に詰まる人があったり自分でも思い当たることがあります。
「強く話すことだけが良いわけではない。」という先生の励ましで
収録した映像を見ながら反省会です。
まあ、自分の映像は恥ずかしくて見られないものですね。

「やはり練習が重要です。これでもかというぐらいリハーサルをしましょう。
笑いはスベルものと考えて、たとえ話なら自分の経験からエピソードを話しましょう。
人を説得しなければ企画は通らない。
企画が無いのと同じです。仕事では勝たなければ意味を成さないのです。
ゲームではないのですから「勝つ」という意識が大事です。」と清水校長。


具体的なアドバイスをお教えいただく親心溢れる反省会の、
誰にでも役に立つポイントをまとめました。

「書き言葉としゃべり言葉の違いに留意し、伝えやすい言葉を選べ」
「体がぶれないようにする、視線を上目遣いにしない」
「資料はあらかじめ用意しスマートに見せる」
「難しい業界用語などはちゃんと説明しよう」
「100%の理解を求めるのは難しい、訴求ポイントに集中しよう」
「最後のエンディングでポイントを再度伝える」
「基本はゆっくりと、緩急をつけてダイナミックスを演出する」
「身近な話題で共感を!しかし言葉遊びは要注意、不用意に自分で笑わない」
「プレゼンは人に伝える技術、熱意をみせるのがプロ!」
「どんな事柄でも1分で説明するトレーニングをせよ!」




今日のまとめとして清水校長秘伝の
「企画を創る7つのコツ」をこっそりとお教えしましょう。

①良いものを真似する。コピーでなくインスパイアと考える。
②サプライズを仕掛ける。驚かしは愛なのだ。
③楽しい気分でオモシロがってつくること。
④プレミアム・グッズは欲しいものを探せ。貰って困るものはイラナイ。
⑤手当たり次第に情報を集めよ。検索でなく足を使え。
⑥感動人間こそが相手を感動させることができるのだ。
⑦どんな時もどこでも寝ていても勝つことを考えよ。



たった七行の言葉だけれども、業界のトップランナーの言葉として、
何十年も経験を重ね残ってきた言葉としても、
肝に銘じて余りある言葉だと思います。
枕元に貼ったってバチはあたらない!
少なくとも電通鬼の十則よりは三行少ないのだから。


KIM談

【イベントコース】 イベントプランニングの総論(3)

2009-02-07 19:56:59 | 講義ダイジェスト
イベントプランニングも最終回を迎えました。

今回はディベート大会。
受講生を4つのチームに分類し、
トーナメント戦を行いました。

予選①は、Aチーム対Cチーム
『運動会と遠足、義務教育で実施すべきなのはどちら?』

予選②は、Bチーム対Dチーム
『カレーとラーメン、国民食にふさわしいのはどちら?』

そして決勝戦のテーマは、
『人間はいつ、いかなる時でも平等だ』


時間配分は・・・
立論(3分)
立論(3分)
フリートーク(15分)
結論(1分)
結論(1分)
で争います。

勝負の判定を下すのは、
傍聴席にいる残りの2チームと講師である鈴木さん。

予選①の「運動会VS遠足」
運動会を掲げるCチームの言い分は、
社会に出た時に通用する競争心、
義務教育の中では「心体を磨く」ことが大事であると説きます。
一方の遠足を掲げるAチームの言い分は、
自分たちでプランを立てて実行に移す考察力・実行力が身につき、
さらに視野を広める、
遠足の場で起こった出来事を親などに伝えたい欲求が芽生えることで、
表現力や感性が養われると説きます。

勝者は遠足を掲げたAチームでした。



続いて予選②の「カレーVSラーメン」
カレーを国民食に掲げるBチームの言い分は、
国民食の定義付けから入りました。
国民食が何たるかを述べた後、
地域性が根強いラーメンは「国民」という概念では括れないと説きます。
逆に、ラーメンを国民食に掲げるDチームの言い分は、
いまやTV雑誌はもちろん、ネット検索でも圧倒的な数を誇るという
メディアでの「話題」を武器に、戦後日本を復興させた立役者として
ラーメンの価値を力説しました。
さらに、現実問題として若い主婦を中心に、今や家庭料理は
カレーではなくラーメンが多く利用されているという時代の変化を
身近なアンケート調査も交えながら熱く語っていただきましたが、
予選②の結果は、カレーを掲げたBチームの勝利。


予選が終了し、鈴木さんよりディベート時に必要な要素について
アドバイスがありました。

①主張が一貫していること
立論で述べたメッセージを最後の結論まで首尾一貫させるのは
メッセージとして強く、非常に印象に残る。

②相手の質問を予測すること
フリートーク時にどんな質問が相手チームから出てくるかを事前に予想し、
的確に答えられることがディベート時に大切になってくる。

③時には感性で訴えること
傍聴席の同感を得るためには、情緒的に伝えることも時として大切。


そういった点が、予選を勝ち抜いた2チームは長けていました。



そして決勝戦の『人間はいつ、いかなる時でも平等だ』のディベートが
スタートしました。

お題が観念的で難しかったにもかかわらず、
両チームとも、予選を勝ち残っただけツワモノ揃いさらに
さきほどの鈴木さんのアドバイスを受けたこともあり、
レベルの高いディベートとなりました。

平等を肯定するチームは、人間の精神が平等であるという点に着目し、
一方の平等を否定するチームは、人間の能力は不平等であるという点に着目。


接戦の末にBチームが勝利。

カレーで勝利した時と同様、
一貫したメッセージと冷静且つ客観的見解が、功を奏したと言えます。

さあ、次回から卒業演習が始まります。
講師の鈴木さんもアドバイスしたように、
『楽しむ!』姿勢で頑張ってください。









【プロモーションコース】 プロモーションプランニング総論(3)

2009-02-07 16:22:57 | 講義ダイジェスト
「プロモーションプランニング総論:プロモーションの今」3日目

今週のテーマは「携帯できる映像プロジェクターのプロモーション企画」のプレゼンテーションです。
4チームに分かれてプレゼンを行いました。

まず最初に、Dチームの発表です。
ターゲットを20~40代のデジタル高感度世代と設定。
ワクワクするような使い方提案を目指します。
表現キーワードは「新しいコミュニケーション・ツール いつでもどこでも」で、
全国主要都市で同時多発イベント「プレイ・アット・ザ・タウン ガッキーを探せ!」
を仕掛ける企画です。
URLやYOUTUBEを駆使して、東京のメイン会場へ誘導する内容でした。

先生の評価:3人のコンビネーションが良いプレゼンでした。
与件の分析手法は優秀ですね。事前告知ティザーからの流れがスムースです。
ただ、「ガッキー」という言葉が唐突な感じですね。


2番目のCチームのプレゼンです。
20~30代の若い人をターゲットに、「いつでもどこでも」「ちょこっと使って
みる」をキーワードにした「暗闇で遊べ! プロモーション企画」の発表です。
100個以上のスグミエ・プロジェクターを使用して、表参道で異空間を作る
タウンジャックともいえるプランです。新しい映像ソフトを採用した
話題づくりから、作品やアプリを配布し、体験スペースへ誘導する作戦です。
見るだけのプロジェクター機能から参加できる遊びアイテムとして提案するキャンペーンでした。

先生の評価:楽しみながら企画したのでは?楽しさが伝わってきます。
メンバーに映像が得意な人もいて、技術よりの企画となりました。
新しい技術を見つけることも重要です。話題発生型のキャンペーンですね。


つぎはBチームのプレゼンです。
携帯イコール実用性に着目し、あえてビジネスユースを離れてパーソナルユースに
特化した企画です。ターゲットも20代男女携帯ヘビーユーザーに絞り込みました。
トレンディーなミュージシャン「パフューム」や文化人オピニオンリーダーを
採用したイベント体験型プロモーションです。また、フォローとして女性
ユーザーを狙った接触ポイントをファッション流通などに求めた企画です。

先生の評価:ホワイト・ボードを使ったプレゼンが凄いですね。
ビジネスユースからの脱却が良いポイントです。細かいプランなど商品の使い方を
良く伝えていて安定感のある提案でした。


最後にAチームです。
紙芝居型のプレゼンをするというAチーム。
のっけから「スグミエを使ってプレゼンをしようとしたんですが忘れてしまって‥」
とジョークでツカミはOKです。
新たなプロジェクター商品のパイオニア(企業名ではありません)としての
ポジションを狙います。首都の地下鉄網に着目して交通広告をフルに活用した
キャンペーン案です。キャラクターとして「すぐる君」と「ミエちゃん」を
有名タレントで設定し愛の告白ストーリーでオリジナルムービー展開します。
プロジェクターを告白のツールとして設定したのが新鮮です。
ティザ―期の謎かけでBUZZを生む仕組みです。
種明かしとしての使い方提案を行っていきます。また、カリスマ・ビジネスマン
へのモニタリングや、ファミリー層を狙ったフォロー策も充実させました。

先生の評価:実際起こりえるシチュエーション設定が面白いですね。ストーリーが
ある「すぐる」と「ミエ」の視点が共感を呼びそうです。企画書があればすぐ使い
たいぐらいですね。
(笑、種を明かすと口頭とホワイトボードでのプレゼンでした)


みなさん時間のない中で意見をまとまた良いプレゼンでした。
それぞれ個性的な主張があってよいと思いますと先生。
大盛り上がりの中で、講座最後の先生による総括です。


企画には様々な手法ややり方が存在しますが、
基本はやはりサプライズな企画にありといえそうです。
そのためには、論理的な与件フィールドからクリエイティブ・ジャンプし
表現フィールドにどのように着地させるか
がプランナーの腕の見せ所でしょう、
と先生。過去の先生が関わられた具体的作品を見ながら総括は進みました。


最後に先生のモットーである10か条を紹介します。
①逃げない
②ファンを増やせ
③筋を通せ
④よく考えろ、考えすぎということはない
⑤ナメラレルナ
⑥面倒を見ろ
⑦発見・発言・共有
⑧必要なのは知識ではなく知恵
⑨自分が一番
⑩俺って最高、天才かも


来週からはいよいよ卒業検定!?お楽しみに!


KIM談