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とつぜん対談 第58回 ドラム缶との対談

 今回の対談相手は寡黙な方です。あまりおしゃべりになりません。ひょっと
すると、ものすごく面白いお話が聞けるかもしれません。あるいは、期待はずれかもしれません。面白い対談になるかどうかは、私のインタビューしだいです。正直、私も不安です。ひとこともしゃべっていただけなかったらどうしよう。あ、いらしゃいました。ドラム缶さんです。

雫石
 こんにちは。本日はようこそお越しくださいました。

ドラム缶
 うむ。

雫石
 きょうはどこから、お出でになりました。

ドラム缶
 ―。

雫石
 あ、おっしゃりたくない。では、自己紹介をお願いします。

ドラム缶
 ドラム。

雫石
 ドラムさん。それは苗字ですか。

ドラム缶
 ・・・・・。

雫石
 あの、すみません。下のお名前は。

ドラム缶
 缶。

雫石
 缶さん、ですか。どうお呼びすればいいですか。

ドラム缶
 

雫石
 では、ドラム缶さんとフルネームで呼びますが、いいですか。

ドラム缶
 いい。

雫石
 では、ドラム缶さん。どうしてそんなに無口なんですか。

ドラム缶
 ×。

雫石
 はあ、なんとおっしゃいました。

ドラム缶
 ××。

雫石
 あ、無口の理由はおっしゃりたくない。では、私もおつきあいして無口でいきましょう。

ドラム缶


雫石


ドラム缶


雫石


ドラム缶


雫石


ドラム缶


雫石


ドラム缶


雫石
 いけませんね。こんなんじゃ面白くない。せっかくこのブログを訪問してくださる人に悪い。なんとかしゃべってくださいよ。

ドラム缶
 なにしゃべる?

雫石
 あ、ありがとうございます。では、お聞きします。お仕事は何してるんですか。

ドラム缶
 む。

雫石
 ああ、すみません。あなたの身体を見たら判りますね。なんか液体を容れてるんですね。

ドラム缶
 そ。

雫石
 どんな液体ですか。

ドラム缶
 な。

雫石
 え、なんですか?

ドラム缶
 なみだ。

雫石
 なみだ?なみだって?

ドラム缶
 人のなみだ。

雫石
 ドラム缶いっぱいの涙ですか。

ドラム缶
 そ。

雫石
 だれの涙ですか。こんなにたくさん。

ドラム缶
 世界中のひとの。きょうのぶん。

雫石
 きのうの分は。

ドラム缶
 天の川に流す。

雫石
 あなたの後ろの小さな缶は。

ドラム缶
 あれは、うれし涙。

雫石
 するとあなたのは、かなしい涙。

ドラム缶
 そ。かなしい涙の方が多い。

雫石
 だから、あなたは無口なんですね。

ドラム缶
 そ。 
  
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SFマガジン2013年12月号


SFマガジン2013年12月号 №693
                   早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター
1位 ミス・ユニバース誕生! ジャック・ヴァンス 酒井昭伸訳
2位 暗黒神降臨       ジャック・ヴァンス 酒井昭伸訳
3位 世界捻出者       ジャック・ヴァンス 中村融訳
4位 ウンディ        草上仁
5位 パリンプセスト(後編) チャールス・ストロス 金子浩訳

ジャック・ヴァンス追悼特集
 ジャック・ヴァンス年譜
 追悼エッセイ

追悼・金子隆一
追悼エッセイ
「センス・オブ・リアリティ」再録
未発表原稿「中生代のシー・モンキー」

連載
椎名誠のニュートラル・コーナー(第40回)
過去行き、未来行き列車をまちがえると大変ですよ  椎名誠
近代日本奇想小説史(大正・昭和編)(第5回)    横田順彌
SFのある文学誌(第24回)            長山靖生
パラフィクション論序説(第14回)         佐々木敦

 今月は、はからずも追悼特集が2本並んだ。ジャック・ヴァンスと金子隆一。ヴァンスは96歳。金子は57歳。長寿を全うしたベテラン作家と、志し半ばでたおれたサイエンス・ライター。ご両人の冥福を祈る。
 さて、ジャック・ヴァンス。小生、ヴァンスにはあまりなじみはない。記憶に間違いがなければ、ヴァンスの単行本は一冊も読んでない。でも、SFマガジンに掲載されたり、アンソロジーに収録されていたら、素直に読んでいる。読んで別に不満のない作家だ。本棚を探したら銀背の「大いなる惑星」が「とりあえず買い」してあった。昭和42年発行。46年前。ずいぶんと長い「とりあえず」だ。これを機会に読むか。
 追悼特集の3篇。いずれも面白かった。
「ミス・ユニバース誕生!」
カリフォルニア州三百年記念博覧会のイベントとして銀河一の美女を選出するミスコンを開催する。銀河各地から、それぞれの星の基準に沿って選ばれた選りすぐりの美女が集まってきた。
 その星の人間?の目で見たら美女だが、地球人の目で見ればベム。ミスコン会場はベムのオンパレード、と、見える地球人には。もちろん地球代表もいる。こんなミスコンのミス・ユニバースはどうして決めるのか。
「暗黒神降臨」
 老哲学者マグナス・リドルフの前に、ハワード・サイファーなる鉱山主がやってきた。強面でどでかくエラそうなサイファーはリドルフに仕事の依頼。鉱山の作業員が行方不明になる。なぜか調べてくれ。ハードSFといえばハードSFである。
「世界捻出者」超大ベテラン、ヴァンスのデビュー作。ラナークはおたずね者の女イザベル・メイを追う。ところでメイの囚人番号だが本文には、94E-627とあったが、イラストには94E-626とあった。どっちがほんまや。校正はちゃんとやるべし。
 以上、ジャック・ヴァンス追悼特集の3篇は、スペオペ、お笑い、ハードとバラエティに富んでいて、ヴァンスの芸域の広さがよくわかる。
「ウンディ」ミュージシャン、シロウはウンディひき。相棒のウンディの名前はサッコ。サッコのレベルはセブン。本当はイレブンのウンディが必要なんだが、シロウにとってはサッコが最高の相棒。 なかなかの音楽小説。生きた楽器というアイデアが面白い。
「パリンプセスト」ストロスはどうも独りよがりでいかん。
 ショートショートの公募企画である「リーダーズ・ストーリー」が終わった。豊田有恒氏が選者をやっているころから、何年ぐらい続いてたのだろう。もうずいぶん続いていたのではないか。ちゃんと調べていないが、もう30年ぐらい続いた企画ではないだろうか。これだけの長寿企画をなぜ突然打ち切る。なんだか唐突な感じがする。ともあれ、こういう公募企画はぜひ欲しいので、復活を強く願う。選者の星敬氏はどうもご苦労様でした。
「SF挿絵画家の系譜」も終わった。こちらは、もっと唐突な感じが強い。この連載もずっと読んでいた。連載当初は、主だった挿絵画家を一通り紹介したら終わると思っていた。ところがSFのイラストレイターを一通り紹介しても終わらない。昔の画家にまで言及しだした。これは、大橋博之氏は小生が考えていたよりも、もっと大きな構想でこの連載をしていると思っていた。こんな苦言をいったこともあったが期待していた。SF挿絵とはなんだということに迫ることを。で、まず、挿絵とはなんだ、という段階だと思っていた。そしてSFとはなんだ、まで行って、SF挿絵とはなんだ、と、大橋氏なりの結論を出して連載を終わると思っていた。それが突然の連載終了。大橋氏の意向とは違い、SFマガジン編集部の都合で打ち切られたように見える。
「リーダーズ・ストーリー」といい「SF挿絵画家の系譜」といい、終わった本当の理由はなんだ。それに編集後記で、「重大発表もあるかもしれません」と書いてあった。なんだかいい感じはしない。
 
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探偵小説の街・神戸


 野村恒彦           エレガントライフ

 なんと神戸愛と探偵小説愛に満ちた本であることか。探偵小説ファンで神戸を愛する人が読めば、魅了されること間違いなしである。
 著者は神戸探偵小説愛好会代表で、稀代の探偵小説読みである。また神戸生まれで今も神戸在住。中央区の川崎重工本社近くにある横溝正史生誕地碑建立にも尽力された。小生とは、神戸文学館でこういう企画をやった時にごいっしょしたりして、ご厚誼をいただいており、年に何回か酒席をごいっしょする。
 神戸は日本の探偵小説にとっては大変に重要な街。大正11年9月17日。大倉山の神戸市立図書館に三人の男がいた。江戸川乱歩、横溝正史、西田政治。この三人が神戸に集まったことによって、日本の探偵小説は助走を始めた。
 その横溝正史、西田政治、そして山本禾太郎、戸田巽、酒井嘉七といった日本の探偵小説幼年期に欠かせない人たちを神戸は生んでいった。著者は彼らに関わる土地に可能な限り足を運んでいる。生誕の地、住んでいた所、彼らが会合を行った所。記録が残っていないこともある。同じ事柄でも資料によって違う記載がなされていることもある。それに神戸は、大水害、大空襲、大震災と大きな災害に見舞われ、街の様相が大きく変わっている。
 著者は神戸市の古い文書にあたり、存命の関係者、また他界されている場合は遺族に、実際に会われ話を聞き、現在の神戸の土地を特定し写真に収めている。そして、もちろん、往時の彼らの探偵小説への情熱を伝え、それを育んだ土地神戸という都市の魅力も表現している。労作。じつに丁寧な仕事だ。小生(雫石)にとっても、おなじみの場所ばかりで、興味深い。
 横溝正史生誕地碑建立の顛末も書かれていた。この横溝正史生誕地碑建立を記念して毎年11月に記念イベントが行われている。今年は16日に行われる。

 横溝正史生誕地碑建立9周年記念イベント
  日時 11月16日(土) 午後2時~
  場所 東川崎地域福祉センター
     神戸市中央区東川崎町5-1-1 ℡078-652-3866
     内容 講演「横溝正史と私」
     講師 綾辻行人
     参加無料

 後半は、「神戸とミステリー」と題して、神戸を舞台とした、いろんなミステリーを紹介している。神戸は実にミステリーの似合う街だ。神戸市民はもちろん、神戸市民でない人にもお勧め。探偵小説ファンはもちろん、そうでない人にもお勧め。現にSFファンの小生(雫石)が読んでも面白かったのだから。 
 
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オヤジの宝物

 2013年秋。きょうはオヤジの三周忌だ。おふくろは認知症で施設に入っている。もうオヤジが亡くなったことすら判らないようだ。この前、面会に行ったら「あのヒトはきょうはなんで来ない?」なんていっていた。
 オヤジが生前使っていた机は、私がときどき、手紙を書いたりするのに使っている。ふと引き出しの奥を見ると古いノートがあった。オヤジの日記だ。きちょうめんなオヤジで毎日日記を書いていた。なにげなく読んでみた。

平成22年9月10日(火)晴れ
 今日は結婚記念日なり。大阪のHホテルでデナー。こんな立派なホテルで、こんな豪華な食事は、ワシもY子も生まれて初めて。
 メニューを渡されたがよく判らない。どうも牛肉と海老の料理らしい。フランス料理なんかUとこのKの結婚披露宴で食べただけだ。
 最初に、気どった若いのが出てきてワインを選べといった。なんでも、そむりえとかいうらしい。ワシ、飲むのは焼酎ばかりでワインなんか判らん。困ってH子さんに携帯で聞いた。H子さんはS夫と結婚する前、レストランでウェイトレスをしていた。
「『おまかせ』といえばいいのよ。お義父さん」こんなホテルのこんなレストランで「おまかせ」なんていって、どれだけお金取られるか判らないけれど、S夫が5万円持たせてくれた。ワシはそんな贅沢はいらん。回転すしでいいといったが、「お父さん、死ぬまでに一度はフランス料理のフルコース食べたいといってたでしょう。せっかくの結婚記念日なんだから」といった。そしてH子さんがこのホテルのレストランを予約してくれた。
 満足した。ものすごく美味しかった。さすが国産黒毛和牛のステーキ。たっぷりサシが入ってとろけるよう。海老も美味しかった。ワシらスーパーで売ってるブラックタイガーしか食べたことがない。車海老なんか食べたことがなかった。やっぱりブラックタイガーとぜんぜん違う。車海老はさすがに美味しい。
 S夫は親孝行だ。Y子も大満足。こんな立派なデナーを食べさせてもらって、ワシはいつ死んでもいい。

 オヤジはその一ヵ月後に卒中で亡くなった。おりにふれて、結婚記念日のディナーの素晴らしさ、美味しさを語っていた。
 オヤジは、溶接工で工業高校を卒業して、小さな町の鉄工所を転々とした人生だった。経済的に貧しい人生だった。贅沢といえば、ごくたまに焼き鳥屋で焼酎を飲むぐらいだった。
 私も裕福ではないが、なんとか5万円ひねりだして、オヤジ持たせてやった。喜んでもらえて親孝行したと思っている。おふくろも認知が進んでだいたいのことは忘れているが、この時のことは思い出してときどきいっている。この夜のディナーは老父老母にとって宝物となった。
 今日の新聞が手元にある。一面に大きな見出し。
 老舗の名門Hホテルでも食品偽装。
 国産黒毛和牛→脂肪を注入した成型肉
 車海老→ブラックタイガー
 5年ほど前から、メニューに記載されている食材とは違う食材で調理。
 
その新聞をオヤジの遺影から見えない所に持っていった。

         今日の日記は、フィクションの部分もあります。          

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ジョーズ


監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファス

 最近のスピルバーグは、過去の栄光にすがってくだらん映画を創ったりして、完全に旬を過ぎた映画監督だが、この映画を撮っているころのスピルバーグは本当に輝いていた。小生は、この「ジョーズ」がスピルバーグのベストではないかと思っている。あとデビュー作の「激突」か「レイダーズ 失われた聖櫃」かな。
 大ヒットした映画だから、お話はよく知られたモノ。海が売り物の小さな田舎町アミティ。海水浴客でにぎわっている。ある朝女性の死体が上がった。警察署長ブロディはサメに襲われた、海開きはしてはならんと主張。市長は市の収入減となるからブロディの主張を却下。そうこうしているうちに、第2第3の犠牲者が。ブロディはサメの学者フーパーとサメ漁師クイントを雇って、3人でサメ退治に海へ出る。
 動物パニック映画の嚆矢ともいえる映画だ。本作が大ヒットしたから、後年同様の映画が次々創られた。シャチ、大タコ、クマ、ピラニア、巨大ミミズなんてのもあったかな。これら後続の類似映画は、しょせんはこの「ジョーズ」の劣化コピーに過ぎず、本作を超える動物パニック映画は創られていない。
 前半はスピルバーグの怖がらせのテクニックが冴える。サメが出るぞと思わせておいて、サメの背びれのおもちゃだったといったフェイントをかけたり、ホッと安心した所に、突然サメ出現。また、不気味な海底の死体をいきなり登場させてドキッとさせたり、観客をダレさせない。このへんの塩梅は見事である。
 後半はブロディ、フーパー、クイントの3人のサメ退治。前半はホラー、パニック、サスペンス、ちょっとだけスプラッターだったが、後半は海洋冒険活劇。白鯨を思い起こさせる。サメ退治3人組のそれぞれのキャラが面白い。ブロディは海が苦手だが、警察署長という立場上、町民の安全を守る義務感から船に乗る。フーパーは学者バカ。サメを研究対象としてしか見てない。クイントは偏屈頑固狷介な漁師。サメにかかった賞金めあて。第2次大戦中、日本の潜水艦に撃沈されたインデアナポリスの元乗組員。海に投げ出された多くの同僚がサメに食われた。それがトラウマになっている。
 動物パニックというより、パニック映画の代表的な傑作だ。
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海鮮リゾット・トマト味


 リゾットを食べましょう。きょうは海鮮のリゾットです。トマト味の海鮮リゾットです。タコ、イカ、鮭を買い求めました。
 まず、みじん切りにした玉ねぎをオリーブオイルで炒めます。玉ねぎが透明になったら米をいれます。米はそのままでいいです。洗う必要はありません。米も炒めます。ちょっと白ワインを足して風味をつけましょう。水を注いで火にかけておきます。ときどき、アク取りをしましょう。
 具の準備をします。タコはフードプロセッサーにかけて細かく刻んでおきます。ぶつ切りでもいいですが、タコは加熱すると硬くなりますよ。そのへんはは、ま、お好みで。イカはさばいて食べやすい大きさに切って、ごく短時間ゆでます。ゆですぎるとイカも硬くなります。ゆでたイカはワインビネガーをふっておきます。鮭はオリーブオイルをしいたフライパンで焼いて、ほぐしておきましょう。
 さて、米のぐあいがどうですか。アルデンテちょっと手前までいったら、トマトの水煮缶を入れます。しばし煮込みます。水分が少なくなったらトマトジュースを入れます。ここにタコとイカを入れ、塩、こしょうで味を調えます。あとは盛り付け。お皿にリゾットを入れ、鮭のほぐし身をトッピング。イタリアンパセリを飾れば出来上がりです。鮭をタラに代えてもおいしいです。脂の多いブリや、ちょっとクセのあるサバはあわないと思います。
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酸辣湯


 サンラータンである。ちょっとピリ辛で酸っぱい四川のスープだ。漢字で酸辣湯と書く。
 まず、具の用意をしよう。具は鶏ささみ、干し椎茸、春雨、長ネギを用意した。鶏ささみは細く裂いて、酒、おろししょうがに漬けて下味をつけておく、干し椎茸は半日水につけてもどしておく。春雨は熱湯で戻す。長ネギはみじん切りにする。
 次にスープだ。きょうは味覇を使ってスープを作った。「美味しんぼ」が目の仇にしている化学調味料が、どっさり入ったスープの素だが、ま、たまにはいいんじゃないの。雁屋くん。スープを作る水は、干し椎茸の戻し汁を使うとおいしい。
 スープに下準備した具を入れ加熱する。味付けは酒、醤油、塩、黒こしょう。こしょうは白ではなく、黒こしょうをどっさり入れよう。辛いのが苦手な人はひかえめで。次に水溶き片栗粉でとろみをつけて、溶き卵を流し入れる。最後に酢を入れて酸味をつける。

 星群の会ホームページ連載の「SFマガジン思い出帳」が更新されました。どうぞご覧になってください。
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1991年のマトリョーシカ

 雪が降っている。H県の南部内陸部にあるS市で雪が降ることは少ない。今夜はその少ない雪の夜で、クリスマスだ。ホワイトクリスマスとなった。
 鏑木は別にクリスチャンではないが、クリスマスということで、バー海神もそれなりの装いを施してある。といっても、別に大したことはしてない。ドアにリースをかけ、小さなクリスマスツリーを棚の上においてあるだけだ。そのツリーの横に赤いマトリョーシカが置いてある。ロシアの木の人形だ。
「マスター、あのマトリョーシカはなんか意味があるの。確か開店当時は出してなかったな」
 重松が聞いた。彼は海神の近くで医院をやっている老医師だ。海神の古くからの常連である。
「いえ。別になんにもありません。ただ、ずいぶん前のクリスマスの思い出がちょっと」
 鏑木は遠くを見るような目をした。
「この店ももう三十年だな」
「そうですね。先生にもずいぶん飲んでいただきました」
「それにプラスしてくれ」
 ジャック・ダニエルのロックを重松の前に置いた。

 1983年12月24日。ソ連の貨物船ベルーガが新潟港に入港した。日本人船員の鏑木兼三にとって二年ぶりの日本だ。神戸では妻と三つになる娘が待っている。
「カブラギ、娘へのクリスマスプレゼントはどうする」
 この船のコックのユーリー・アントノフが話しかけてきた。ただ一人の日本人船員の鏑木に何かと親切にしてくれる。
「いや、上陸してから何か買うよ」
「これ、もらってくれ」
 ユーリーが赤いマトリョーシカを差し出した。
「これは?」
「ウラジオストックを出港したのは11月17日だったな」
「そうだな」
「おれの誕生日なんだ。娘がプレゼントにくれた」
「そんな大切なものを」
「もう娘には会えない。こんなもの持ってるとつらい。娘を忘れたい」
「どうしたんだ。あんなに子煩悩だったお前が」
「おれはウラジオストックで関わってはいけない事に関わった」
 当時、ウラジオストックにはソ連海軍太平洋艦隊の基地があった。外国人の居住も制限されていたが、ソ連船籍の船の乗組員であった鏑木は特別に居住が許されていた。
 神戸とウラジオストックの二重生活者の鏑木にとって、ユーリーの家に招かれ、妻のニーナの手料理をいただき、夜おそくまでキャビアをつまみにウオッカを飲み、ユーリーの三つの娘ミーシャと遊ぶのが、一番の楽しみだった。
「金が要ったんだ。ミーシャをモスクワの大きな病院に入院させたよ」
「手術は成功したのか」
「判らない。俺は家族と接触できない。KGBに捕まったら殺される」
「判った。とりあえず俺が預かる。お前の代わりにミーシャの健康の回復を祈るよ」
「お前はこれからどうする。俺の友人というだけで迷惑がかかるかも知れんぞ」
「俺は船を降りるよ。どっかで小さな飲み屋でもするよ」 
鏑木は新潟から神戸に移動する間、背後に妙な殺気を感じた。気のせいか知れない。KGBの手の者かも知れない。
 神戸の家は空だった。妻も娘もいなかった。

「マスターとは長いつき合いだが、ずっとあんたは独身と思ってたよ」
 重松がグラスを傾けながらいった。
「今は独身ですよ。妻は男をつくって娘を連れて出て行った。二年も家をあけてたから当然ですね」
「追わなかったのか」
「彼女たちが私の家族でないほうが安全です」
「KGBか。気のせいじゃないのか。ここは日本だぞ」
「かも知れません。でも男は大変いい人とのことです。あいつらのためにはその方がよかったのかも」
「ユーリーはどうした」
「アメリカに亡命しました」
 クリスマスツリーの横のマトリョーシカがカタッと揺れた。
「おかしいな風もないのに」
「娘さんとは、その後会ったのか」
「いえ。どこにいるのか知りません」
 マトリョーシカがまた揺れた。
「1991年からです。あのマトリョーシカを出し始めたのは」
「なんの年だったかな」
「ソ連が崩壊した年です。ユーリーを追っていた国がなくなった年です」
「なぜ私があのマトリョーシカのことを聞いたと思う」
「いえ。おかわりしましょうか」
「うん。それとウオッカを出しとけよ」
「ウオッカ?」
「私の患者が神戸のロシア料理店の常連なんだ。そこのオーナーがマトリョーシカのコレクターなんだ。いろんなマトリョーシカが店に飾ってある。そのうちの一つがあのマトリョーシカそっくりなんだ。ここにのみに来たとき見たんだって」
 ドアが開いた。大きな白人が入ってきた。肩に雪がついている。
「ユーリー」
「鏑木」
 二人は抱き合った。
「鏑木、30年前にはお前にもずいぶん迷惑をかけた。おわびに最高のクリスマス・プレゼントを持ってきた」
 女性が入ってきた。三〇代前半の女性だ。
「1991年、俺はアメリカから日本に引っ越して神戸に住んだ。お前の故郷だ。お前にお詫びがしたかった。俺の友人というだけで迷惑をかけた。俺、お前の娘さんを探したよ」
「おとうさん、―、ですか」
「裕子か」
「はい」
「さあ、鏑木、あのマトリョーシカを裕子さんにプレゼントしろよ」
「いや、もう自由にロシアに行けるんだ。あれはお前がミーシャにやるべだ」
「手術は失敗してた」
「なんといっていいか言葉がない。ニーナは」
「行方不明だ。KGBに拉致されたのだろう」
 ユーリーは鏑木が用意したウオッカを一口飲んだ。
「裕子さん、ミーシャの分まで幸せになってください」
「ありがとうユーリー。裕子、三十年遅くなったけどクリスマスプレゼントだ」
「鏑木、ベルーガのキャビアだ」
 鏑木は、三十年ぶりにユーリーとウオッカを酌み交わした。もちろん裕子も同席した。
 クリスマスの夜はふけていく。雪は降り続いている。 
 
 三〇年間、海神の店に飾ってあったマトリョーシカは、目的を果たして、今はもう海神にない。裕子はそのロシアの木の人形にミーシャという名をつけた。
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SKAT.12


 第50回宣伝会議賞実行委員会編       宣伝会議

 この本は万人にお勧めできる本ではない。広告に興味のない人が読んでも、面白くもなんともない。昨年行われた、第50回宣伝会議賞に応募されたコピーとCMコンテの1次審査通過以上の作品すべてが掲載されている。
 かなりぶっとい本である。475頁。ほとんどの頁をついやしてコピーと、テレビとラジオのコンテが掲載されているだけ。それだけの本である。その数6032点。これだけの数がただひたすら延々と載っている。
 このSKATは毎年発売され、来年も発売されるだろう。この本を楽しく読む一番の方法は宣伝会議賞に応募することである。今年も第51回が行われた。11月1日に締め切られ、小生も何点か応募した。今年は終わったから、興味のある人は来年応募されたらどうか。毎年9月に課題が発表される。
 もちろん、小生もこの50回にも応募した。だから、本書はたいへん面白く読んだ。応募に際して一生懸命に考えた課題に他の人はどんな作品を書いているのか。自分と同じようなコピーを書いた人がいて、なんでこんなのが審査通過で、小生のがボツなのか。憤慨したり。自分では思いもつかないコピーがあって、なるほど、アレはこういう見方があるのか。感心したり。じつに面白い。
 この宣伝会議賞はコピーライターの登竜門としての機能を持った賞であるが、小生は毎年応募している。確かに小生は若いころにコピーライターをやっていた時期もあった。だからといって、この賞に応募してなんらかの賞を受賞してコピーライターに復帰することは考えてない。ひとつのけじめをつける意味もあるが、なんだかんだいっても小生はコピーを書くのが好きなんだな。
 以前は何点か1次審査を通過していたが、第50回は全滅である。今年の第51回にも応募したが、若いころほど数が出なくなった。たぶん来年の第52回にも応募するだろう。
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鬼十則?アホ十則!

 電通鬼十則というのがある。広告代理店電通の4代目社長吉田秀雄がつくった。社員の行動規範とすべきとされていた。これはええ、というんでいろんな企業でまねされた。小生がリストラ後、3社目に入社した尼崎のNP社も、飼い犬の集団、子羊の群れのくせに「士の十則」なんてとんちんかんなことをいっていた。
 電通鬼十則とはこういうものだ。

1.  仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

 お笑い以外何物ではない。

1.仕事は自ら創るべき。
なんのために仕事をするのか。金を稼ぐためだ。遊びやボランティアで仕事やってるんじゃない。生きるため、家族 を養うため仕事してんだ。発注元、客先のない仕事をいくらしても一銭にもならない。アマチュアが趣味でやる仕事なら、いくらでも自ら創れ。

2.仕事とは先手先手と働きかけていくこと。
 タダで働きかけて行けるなら、なんぼでも働きかけたらええ。働きかけるのも金がいるんだぞ。

3.大きな仕事と取り組め。
  仕事が選り好みできるかアホ。小さな仕事をバカにするヤツに大きな仕事はこん。

4.難しい仕事を狙え。
 1でもゆうたけど、ワシは遊びで仕事やっとるんやない。ゲームやったら、難しいほうが面白だろう。しかし、仕事だ。金を得なければならない。だったら、同じ金を得るなら簡単な仕事と難しい仕事のどっちがいい。

5.取り組んだら離すな。
  見込みのない仕事にいつまでもかかわっているほど、ワシらはヒマやない。見込みないと判断したら、早々に次の仕事に取りかかるべし。

6. 周囲を引きずり回せ。
  こんなヤツは即、リストラ。経験者がいうんだから間違いない。

7.計画を持て。長期の計画を持て。
  へー、長期の計画を立てて、その計画を実行する間に、会社がつぶれないと保証してくれるんか。

8. 自信を持て。
 根拠のない自信を傲慢という。なんの裏づけもないのに自信満々なヤツほど始末に悪いヤツはない。

9. 頭は常に全回転。
 こんなことやったら胃に穴あくぞ。経験者がいうんだから間違いない。

10. 摩擦をおそれるな。
こんなヤツは即、リストラ。経験者がいうんだから間違いない。
こんなことやったら胃に穴あくぞ。経験者がいうんだから間違いない。


ま、普通のサラリーマンなら、吉田某なんぞのゆうことを聞かんほうがええ。

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とつぜんコラム №147 日本プロ野球の意地をみせよう

 小生は観なかったが、今年の日本シリーズはなかなか面白かったとのこと。楽天VS巨人という実に新鮮な組み合わせだ。第7戦までもつれこんで、最後はエース田中がしめ、楽天が日本一となった。
 楽天、巨人双方とも、それぞれのリーグの覇者で、楽天が名実とも日本一となった。実に結構なことである。これが下克上とかなんとかいって、3位の借金チームが日本一になれば、蛇足シリーズもなかなか面白いなどという意見が出たりして、存続の方向性が強くなろう。かような144試合半年間の戦いを無にするがごときシリーズは早々に廃止するがよろしかろう。でも、ま、これでリーグ優勝チームが覇権をとって蛇足シリーズの存在意義を薄めたわけだ。
 それはそうと、今年の楽天の日本一は、絶対的エース田中将大の存在を抜きには語れないだろう。日本シリーズ第6戦で負けたとはいえ、シーズン無敗24勝。文句のつけどころのない大エースといっていい。
 その田中のピッチングが来年は日本で観られない公算が大きい。ポスティングシステムを使って、アメリカの球団に移籍するのは確実といわれている。また、一人、日本のプロ野球からスター選手が海外に流出する。松井、松阪、藤川、ダルビッシュ、どんどんアメリカに行ってしまう。
 こういう傾向に対して、張本勲さんらは異を唱えているが、大方は良しとの意向のようだ。向こうに行ってもがんばってくれ、などと励ますお人よしすらいる。なぜ行くなと引き止めないのか。
楽天球団も田中投手本人の意志を尊重したいとのこと。そら、FAで行ってしまわれたら一銭にもならない。一番高く売れる時に売ろうとの算段だろう。
 これじゃ日本のプロ野球はアメリカ野球の下請けである。いっしょうけんめい選手を育てて、スター選手に育ったらアメリカに売り飛ばす。で、アメリカでは使いものにならないポンコツを引き取って使ってやる。日本野球機構のエライさんどもはどう思っているのだろう。
 確かに、アメリカのプロ野球には、野球の盛んな所からいろんな選手が集まってきてる。金銭面などの待遇も日本とは違う。アメリカの方が魅力的だから、可能性があってアメリカ志向の強い選手はかの国に行きたいだろう。
 だったら、なぜ日本のプロ野球を、あらゆる面で、アメリカ野球を凌駕するように努力しない。日本のプロ野球選手がアメリカにあこがれて海を渡る。日本の関係者はこの現状をどう考えている。アメリカの下請けに甘んじていいのか。アメリカの選手が、日本のプロ野球にあこがれて、太平洋を西へ渡る。こういう状態にしようとは思わないのだろうか。こんなんだから、なめられているのだ。今年のWBCも日本は参加はしたが、当初しめされた金銭面の条件は完全に日本をなめたものだった。当時の新井貴浩会長はいったんは不参加の意思表示をしたほどだった。
 確かに、プロ野球の市場規模、動いている金、選手への待遇、個々の選手の能力、いろんな面で日本はアメリカに遅れをとってる面もなきにしもあらずだ。しかし、それに負けまいとする、意地を見ることはできない。もっと意地を見せようではないか。とりあえず、大リーグ、ワールドシリーズなんて呼称はやめよう。アメリカが大リーグなら日本はなんだ。小リーグか。大リーグなんていわないで、アメリカリーグといおう。ワールドシリーズ。アメリカの球団だけでやってなにが世界シリーズだ。日本の新聞まで「上原、世界一」なんて書いてある。何が世界一だ。アメリカ一じゃないの。ワールドシリーズなんていわないでアメリカシリーズといおう。
 
 
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女と男の名誉


監督 ジョン・ヒューストン
出演 ジャック・ニコルソン、キャスリーン・ターナー、アンジェリカ・ヒューストン

 ニューヨークはブルックリンのマフィア、プリッツィファミリーのチャーリーの仕事は殺し屋。チャーリーは結婚式で美しい女性を見て一目ぼれ。その女性はポーランド系のアイリーン。チャーリーとアイリーンは愛し合い結婚する。
 組織の金が何者かにねこばばされた。犯人のめっこはついている。チャーリーは犯人に接触、金は半分だけ取り戻せた。
 おりから警部の妻殺人事件発生。マフィアがからんだ事件だ。身内を殺され警察は面子をかけてマフィアを締め付ける。犯人を挙げなくては警察のしめつけはなくならない。危機感をもった組織は、犯人を死体にしてでも警察に差し出そうとする。警部の妻殺しの犯人殺害を命じられたチャーリーは仕事にかかる。この仕事はチャーリーはやりたくなかった。でも、マフィアの人間として彼はファミリーの名誉と存続を守るため仕事を遂行する。
 大人のラブコメである。結末は苦く非情なものだから、ブラック・ラブコメだ。チャーリー役のニコルソン、アイリーン役のターナーが上手い。この二人の運命に大きく関わる、チャーリーの幼なじみで元婚約者のメイローズ役のヒューストン(実は監督の娘)もいい。
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鮭の幽庵焼き


 秋の晩ご飯のおかず。なにしょうか。迷ったらサンマにしておけば、まず間違いない。たいていの人なら賛成してくれるだろう。秋のサンマはうまいもんだ。そのサンマもそろそろ旬を過ぎつつある。これからは、鮭、サバ、ブリ、タラの季節ではないだろうか。
 今夜はそのうちの鮭にお出まし願う。幽庵焼きにする。料理というほどの料理ではない。実に簡単だ。
 まず、幽庵地を作る。酒、醤油、味醂を混ぜる。1・1・1の割合でいいだろう。これにユズの汁を混ぜる。この幽庵地に鮭の切り身をつけておく。1時間ほど漬け込んだ。あとはこれをグリルで焼いたらできあがり。ユズの香りがして大変おいしい。
 
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スパゲッティ・カルボナーラ


 料理に決まりはない。こうしなければならい、こうしたらダメ、ということはない。どうしようと自由である。魚を煮るとき、冷たい煮汁に魚を入れて煮たらダメという。必ず煮汁を煮立ててから魚を入れるべしとなっている。だからといって、冷たい煮汁に魚を入れて煮てもいい。ただ、煮立てた煮汁に入れた方がうまい煮魚ができる。しかし、100人中1人が冷たい煮汁の煮魚の方がうまいという人がいるかも知れない。で、家族がその一人だったら、小生は冷たい煮汁で魚を煮る。幸い、ウチの家族は99人の方だ。
 スパゲッティ・カルボナーラも卵黄を使うべしとなっている。でも全卵を使ってもいっこうにかまわないはず。ひょっとすると、こっちはこっちで別の美味しさを発見でみるかも知れない。
 で、全卵を使ってスパゲッティ・カルボナーラを作ってみた。スパゲッティ200gに卵は4個つかった。卵にパルミジャーノ・レッジャーノと生クリームを入れてよくかき混ぜる。泡だて器を使って、空気をふくませるように撹拌する。これがソースになる。
 フライパンでベーコン(できたらかたまり)を炒める。いい色になるまでじっくりとベーコンを炒める。
 これと同時進行でパスタをゆでる。ゆであがったパスタをベーコンのフライパンに入れる。すかさずソースを加える。卵がよい具合になったらできあがり。
 で、食べたが、どっちかというと、人それぞれお好みだが、小生は卵黄のみの方が滑らかでお好みだな。やはり白身がぶつぶつする。白身が固まる寸前で火を止めればよかったかな。
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11月になりました


 11月になりました。晩秋です。秋も深まったわけです。今日のお昼の気温は20℃ありました。11月としては少々暑いです。昨年の記録を見ると11月1日の気温は15度でした。今年は暑い晩秋といっていいでしょう。わたし、暑いのには比較的強いですが、寒いのにはめっぽう弱いです。この反動で冬が厳冬になるのを恐れています。
 晩秋というと新そばの季節です。そばは夏の昼食などによくいただきますが、ほんとうは夏は最もそばを食べるには不適当な季節です。そばは秋に収穫されるのです。ですから、夏のそばは去年のそばです。新そばとはいえませんね。11月になって食べるそばが新そばです。昔は、この時期になると、愛車ホンダ・インテグラを駆って出石までそばを食べに行ったものです。「よしむら」というお店によく行きました。
 今はインテグラも手放し、私は車を持っていません。三宮に出石そばが食べられるお店があります。そごうの東隣に「千人代官」があります。ここにそばを食べに行くとしましょう。
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