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織り屋おりん


 篁はるか     風詠社

 京は西陣。機織の音が聞こえる街。何人もの織り屋が機を動かしている。この西陣で、他にマネのできない独創的な帯を織る織り子がいる。若い女性の織り子おりん。創意工夫をこらして織るおりんの帯はすぐ買い手がつく。
 丹後はちりめんの里から、14の時に西陣にやって来たおりん。帯を織るのを天職と定めたおりんは、22歳と若手ながら西陣で知らぬものなき織りの名人である。
 若い女性が主人公の時代劇。織りのことしか頭にないプロ中のプロでありながら、若い女性ならではの悩みも。世話になっている糸問屋の若旦那がおりんに片想い。この若旦那はちょっとうっとおしいが、別段、悪者というわけではない。糸問屋、呉服商、織り子の元締め。おりんを取り囲む人はみんないい人だから、後味の良い時代劇となっている。続編を期待する。
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