雫石鉄也の
とつぜんブログ
2001年宇宙の旅

監督 スタンリー・キューブリック
出演 キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、HALL9000
小生は1968年の初公開時に大阪梅田は今は亡きOS劇場で観ている。DVDも手持ちを持っているから自宅では時々観ている。しかし、映画館の大きな画面で観るのは、実に42年ぶり。
「午前10時の映画祭」という企画を各地の映画館でやっている。兵庫県では、阪急西宮北口の阪急西宮ガーデン、TOHOシネマズ西宮OSで12月3日までこの「2001年宇宙の旅」をやっている。前から楽しみにしていて、今日、有給休暇が取れたので観に行った。月曜なれど満員。
観た。傑作だ。かような、たわけたことをいってる連中がいるが、この映画が、「スターウォーズ帝国の逆襲」の下にくることなんて、絶対にありえない。今回、あらためて映画館で観て、「2001年宇宙の旅」はSF映画の永遠の名作であることをあらためて認識した。たぶん、この映画を超えるSF映画はできないだろう。
古くなっていないか心配したが、杞憂であった。まったく古びていない。宇宙船のコクピットなんて、2010年の今観ても先進的だ。
1968年に初めて観たときは、ただただ、その映像力に圧倒されて、あぜんとしてシネラマのスクリーンを見つめ、ハッと気が付いたら映画が終わっていた。腰が抜けて座席から立ち上がれなかった。
あれから42年。小生も、馬齢を重ねた。SF者として、それなりの経験も積んできた。だから、今回、あらためて圧倒されつつも、冷静に鑑賞できた。腰も抜けなかった。もう一度いう、この映画は永遠の名作だ。
難解といわれる本作だが、実にわかりやすい映画だ。「何者」かが、謎の石版モノリスを太陽系の3か所に設置した。地球、月、木星近くの空間。400万年前、猿人がモノリスに触れて知能が進んだ。道具を使うことを覚える。その道具=骨は宇宙船にまで進歩した。この空中に放り投げられた骨が、宇宙船に変わるシーンは小生が観た映画で最高のシーンだ。
このあとのスペースシャトルでフォン・ブラウン型宇宙ステーションへ、宇宙ステーションから月への、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」に乗っての宇宙飛行のシーンは最高だ。何度観ても素晴らしい映像だ。初めてこのシーンを観たとき、感動のあまり涙が出た。
月のモノリスも発見された。そして、木星への旅。道中にコンピューターHALL9000の反乱。ただ一人の生存者船長ボーマンは、木星空域に浮かぶモノリスに導かれて、スターゲートをくぐり「何者」かと接触。死にかけの老人となり、そしてモノリスに触発され、新たな「存在」「スターチャイルド」となり地球を見守る。
三つのモノリスに接した人類は、「宇宙」へとデビューしようとしている。
映画の余韻にひたりつつ阪急で三宮に移動。ジュンク堂で眉村さんの「僕と妻の1778話」を購入。
昼食はセンタープラザ地下のカツ丼「吉兵衛」へ。有名な店だからいっぺん味見してやろうと思っていた。行列している。行列の嫌いな小生なれど、がまんして並ぶ。10分ほどで席に着けた。てんこ盛り卵2個を食った。うまい。うまいが、びっくりするほどじゃない。正直、小生のカツ丼と比べて、ごはん、とんかつはあまり変わらない。いや、かんじんのとんかつは小生の方がうまい。見るとこの店のとんかつは揚げて、すぐ客に出していない。あらかじめ揚げてあるのをカツ丼に仕上げている。小生の場合、食べる人は自分と家族だけだから、揚げて、すぐカツ丼にしたてて、すぐ食う。揚げ物は揚げたてが一番うまい。卵のとじ方と、汁の塩梅は、さすがに小生の負け。
丼物で難しいのは汁の量。少なすぎて、丼の下の方のごはんに汁が至ってなかったらダメ。多すぎでごはんを全部食べ終わっても、汁が液体で丼の底に残っていたらダメ。丼の底のごはんの一粒にまで汁で味がついてなくてはいけない。この店のカツ丼はそれができていた。卵のとじ方はさすがだ。
汁の塩梅と卵のとじ方を精進すれば、小生のカツ丼で吉兵衛に勝てるぞ。
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正直、訳がわかりませんでした。
007だけが映画だと信じていたアホ学生でした。
僕もヴァッキーノさんもつい2001年宇宙の旅をお話の中に登場させてしまいます。僕なんかSFなんて数えるほどしか読んでいないのに。
それほど記号化された名画ってことでしょうか。
キューブリックが孤高の偏屈野郎でなかったら、解説ナレーションがストーリーを説明し、ラストで軍事衛星をスターチャイルドが破壊していたんですよね。嗚呼!
記号、暗号論等、難しいですね。
筒井先生が少しわかりやすく、小説等でご紹介去れていましたが‥
この狭い日本、宇宙で別の世界があったらいいなぁ
なんて思います。
はは、、現在鞭打ち症の治療中。
別の宇宙があって、病気も無く、
自然に死んでいけたらいいなぁと思います。
まぁ、人間だからしょうがないですけれど。
アンドロメダとか、別の宇宙、見てみたいと思います。
解説ナレーションは不要だと思います。
セリフも必要最小限だけでいいです。
リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトウストラはかく語りき」と、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」が鳴っているだけで充分です。
キューブリックは正しい演出をしたと思いますよ。
別の宇宙を垣間見たいですね。
ま、そのために私はSFを読んでいるのですが。
鞭打ち症、お大事に。1日も早い全快を祈ります。
私のSFへの目覚めは「未知との遭遇」でしたが、そこからさかのぼって見たSFの中でも、いやSFの枠を超えてすばらしい作品だと思いますね。
宇宙空間がほんとうに静かなことを、ここまで魅せてくれるものはないですから。
最高傑作です。
前半の月へ行くシーンも良かったです。
ほんとうに最高傑作です。
なんです。
2001年にリバイバル上映されて
もちろんそれも最前列で観たし、
ビデオもLDもDVDも(2本)ブルーレイも持ってるんです。
にもかかわらず、時々BSでやってる放送も観たりするし、午前10時からの名画座に2度も行っちゃったりするわけです。
何度見ても、そのあとには、やっぱり『2001年宇宙の旅』みたいなショートショートを書いてしまいます。
ああ、なんなんでしょう?
映画というと「2001年」を基準に考えてしまいます。
映像は「2001年」にせまる、とか、「2001年」におよばないとか。
「2001年」を超えるSF映画を観るのが夢ですが、果たせぬ夢のようです。
記憶、衝撃はいまでも全く薄れません。
冒頭のツアルトゥストラはかく語りきはこの映画のために作曲されたとも思いました。早速にLPを買いに走ったものです。これを超えるSF映画は絶無でしょう。
いままで何回原作を読み映画を見直したでしょう。
小生もブログに載せています。よろしければご覧ください。
http://kenproduction.jp/blog/category/%e6%98%a0%e7%94%bb2/
あの遠い2001年ももう10年が過ぎてしまいました。
前衛的な色の変化とか、気になるシーンも多々ありましたが、これが受け付けない、となると、自分も映画経験がまだまだだ、という事なのでしょうか。
まさに、映像美ではあると思いますし、個人的な独白は、人工知能が担っていましたよね。セリフの少なさはさして気になりませんでした。
前半の地球からフォン・ブラウン型ステーション、ステーションから月まで。一連の宇宙旅行のシーンの圧倒的映像に打ちのめされました。
後半は、いささか前衛的というか、それでも、機械と現在の技術を、スターチャイルドの誕生と絡めて、再び、進化のきっかけを見つけた事と、上手く表現していましたね。猿人から人間への進化、そして、更なるスターチャイルドへの進化とは、どんな凄い新人類を誕生させるのか、続編があっても良いですが、日本でも、エヴァンゲリオンなどへの強いオマージュとなったとのことですね。
これを観ると、進化とは、少数の競争の勝利者が、扉を開け、時間の経過とともに、利益を共有する特定の集団が、社会を改革する事によって、成し遂げられるようですね?スターチャイルドなる「概念」が、市民権を得るまでには、繁殖とか課題はありますが、それを内包するのは、人間社会であり、変化とは利益がもたらすものなのでしょう。競争とは利益による暫定資本主義であり、それは、太古から変わらないと思います。資本とは記号や通貨の事のみを示すとは思いませんので…。
さて、実は拙ブログには秘密の扉がありますので、ここに開示させて戴きます。最新記事やプライベートな内容はそちらに記すようにしています(このコメントを見た方が訪問されるのはオッケーです!)。
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