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座頭市と用心棒


監督 岡本喜八
出演 勝新太郎 三船敏郎 若尾文子 嵐寛寿朗 滝沢修 米倉斉加年 岸田森 

 カツシン、ミフネという昭和の日本映画を代表する大スターの共演。しかも、座頭市、用心棒という双方の代名詞ともいうべきキャラ。なおかつ大映、東宝と、お互いの映画会社の看板ともいうべき役柄。「ゴジラVSガメラ」か「大魔神VSウルトラマン」といったところか。
 だいたいがこの手の「大スター激突」という企画は面白くないことが多い。双方の顔を立て、顔見せだけになることが多々ある。だからこのDVDもあんまり観る気はなかったが、監督が岡本喜八だから観た。なかなか面白かった。両大御所の顔合わせではなく、お互いのキャラを生かせ、からませ、対立させ、一級の娯楽時代劇に仕上がっていた。さすが昭和を代表する、エンタティメントアクションの職人岡本喜八。
 座頭市は座頭市である。用心棒は、黒沢の「用心棒」の桑畑三十郎か。それはネタバレになるのでいわないが、人相風体は桑畑三十郎そのもの。人相は同じ三船が演じているのだからあたりまえ。風体ファッションは桑畑そのもの。ただ、小生は微妙にキャラが違ったように思えたのだが。
 兇状旅に疲れた座頭市は、安らぎを求めて、数年前に訪れた「せせらぎ、そよ風、梅の香り」の里へやって来る。ところが、その里はヤクザが支配する殺伐とした里となっていた。そのヤクザの用心棒に、ガラが悪く強欲な浪人がいる。市と浪人は対面。「ばけもの」「けだもの」とののしりあう。
 虎とライオン、ピラニアと電気うなぎ、アリと猪木、テーズとゴッチ、こう並べると、誰しもどっちが強い、どっちが勝つ、という興味を引かれるだろう。この映画も同じ、だから公開時「座頭市と用心棒」という題名に引かれて映画館に行った客も多かっただろう。で、どっちが強い、どっちが勝つと、興味しんしんでスクリーンを観ただろう。ここで上記に記したごとくの安易なシナリオだと、客は「な~んだしょうもな」で怒る。この映画、座頭市シリーズ最高の観客動員を記録した。もちろん、カツシン、ミフネの大物の初顔合わせという話題性もさることながら、映画といして面白かったからだろう。
 市と用心棒はどうなったかはここでは書かない。知りたければDVDを観られたし。ただ、二人の間に、一人の女と、一人の男が割って入って、ストーリーにからむ。
 勝新太郎、三船敏郎の二人を見事に生かした岡本喜八の職人芸に敬意をはらおう。
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