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とつぜんSFノート 第81回

 小生もSFもんの例にもれず、特撮映画が好きだった。子供ころよく観た。さすがに大人になったら特撮もんは観なくなった。SFもんの中には山本弘氏のように少年の心を失わず、特撮もんを大人になっても愛好されている方もいるが、小生は、どうも心身ともオジンになってしまったようだ。
 昭和30年代から40年代にかけて、東宝で盛んに特撮映画が創られていた。円谷英二が特撮を担当し、ゴジラ、モスラ、キングキドラといった怪獣映画がメインだが、怪獣映画以外にも印象に残っている映画があった。小生の場合、「海底軍艦」と「地球防衛軍」だな。
 今は映画鑑賞は主に、神戸は三宮のミント神戸の映画館で見ているが、昭和30年40年代は、各町に邦画大手5社の専門封切館が1つづつあった。小生がそのころ住んでいた神戸市東灘区本山町の場合、大映は2館あった。阪神青木駅近くと、今のJR甲南山手駅近く商業施設セルバのあったところ。東映は、甲南町の国道2号線沿い。そして一番よく行った東宝の映画館は、甲南の十三軒道路沿い、ナダシンの餅屋のはす向かいにあった甲南朝日という映画館だ。「海底軍艦」も「地球防衛軍」も甲南朝日で観た。
「海底軍艦」原作は押川春浪。太古の大昔海底に沈んだムー大陸。そこには強大なムー帝国が健在だった。ムー帝国が地上に脅迫をかけて来る。謎の潜水艦による被害も出始めた。最新鋭の原潜でムー帝国に行くが深度に耐えられなくて沈没。地上世界危うし。そこで登場するのが旧日本帝国海軍が密かに建造した海底軍艦轟天号。この轟天号のデザインが秀逸。潜水艦に戦艦の上部構造がくっつき、艦首にドリルついている。空も飛べる。陸海空に地中も行ける。まさに万能スーパー軍艦である。
「地球防衛軍」原作は丘美丈二郎。メカのデザインは小松崎茂。第5惑星ミステロイドから侵略者が地球にやって来た。エイリアン・ミステリアンは富士のすそ野に巨大なドームを建設して地球侵略の拠点とした。このドームを攻撃するが地球の通常兵器では歯が立たない。巨大なロボット・モゲラも出現した。
 地球側の切り札として、アルファ号ベータ号なる空中戦艦が登場。ドーム対策の兵器として大きなパラボラにキャタピラーがついたモノも。こいつがせっせとドームに光線を当てる。
 開戦前、地球の特使をミステリアンがドームに招きいれるのだが、「中は寒いですからマントを着てください」といったのが印象に残っている。
 子供のころ、甲南朝日で東宝特撮映画を観て、帰りにナダシンのぼたもちや大福を買ってもらって食べるのがなにより楽しみであった。

 


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