とつぜん対談 第５６回 エプロンとの対談

　今日の対談相手は女性です。この喫茶店で待ち合わせです。紹介してくれた人によれば、３０代前半、ちょっと色っぽい女性だそうです。専業主婦だそうですが、最近は小説も書かれているとのことです。お名前はエプロンさんです。エプロンさんというお名前から受ける印象では、いかにも所帯づれしたおばさんを連想しますが、どの人でしょう。
　あ、むこうから来るあの人。いかにも専業主婦のおばさんですが、どっちかいうと色っぽいというより、おばさんっぽいですが。ああ、あっちへ行きました。違いました。あ、はい。だれか後ろから肩をたたきました。

雫石
　はい。なんですか。

エプロン
　あたしを呼んだのはあなた？

雫石
　はい。エプロンさん？

エプロン
　そうよ。

雫石
　うわ、びっくりした。

エプロン
　なに、驚いてるのよ。あなたがあたしを呼んだんでしょう。

雫石
　こんなべっぴんとは・・・。

エプロン
　どんな化け物が現れると思ってたの。それにあたしのべっぴんはあたしのせいじゃないわ。

雫石
　専業主婦と聞いてたものですから。モデルか女優さんみたいだから。

エプロン
　悪かったわね。座りましょ。

雫石
　はい。ううっ！

エプロン
　どうしたの。

雫石
　そんな短いスカートで、そんなふうに足を組んで座られると。

エプロン
　あたしが足組むとどうしたの。

雫石
　あの、見えるんです。

エプロン
　なにが？

雫石
　パンティが。

エプロン
　見たくないの。

雫石
　あの、いえ、その。

エプロン
　見たいの。だったら見せてあげるぅ。ほれほれ。

雫石
　うううう。

エプロン
　で、きょうはあたしに何を聞きたいの。

雫石
　あの、ほんとに専業主婦ですか。

エプロン
　あたし、主婦に見えないのかしら。フーゾクのお水に見えるの？

雫石
　は、はい。

エプロン
　あたし、先月離婚したの。あんなダメ男捨ててやったわ。だから、あたし、いま独身。バツイチよ。専業主婦とはいえないわ。

雫石
　エプロン、なんて名前、専業主婦みたいじゃないですか。

エプロン
　名前だからしかたないじゃない。あたしの友だちで毒島米子（ぶすじまよねこ）というのがいるわ。ものすごく不細工であか抜けない子に思えるでしょ。

雫石
　はい。

エプロン
　その子女優やってんの。綾川麗子。知ってる？

雫石
　知ってるもなにも。いま、一番人気の旬の女優さんじゃないですか。うまい、きれい、あいそいい、三拍子そろったべっぴんさん。私も大ファンです。

エプロン
　彼女の本名が毒島米子。

雫石
　へー。

エプロン
　ちょっとごめんなさい。お砂糖を。

雫石
　おおおお。

エプロン
　今度は何よ。

雫石
　そんなに身を乗り出すと、胸の谷間がアラワに。

エプロン
　そう、だったらこれはどう？

雫石
　ドキッ！そんなに胸をはだけたら、先のポッチリまで見えるじゃないですか。

エプロン
　別に減るもんじゃなし。こんなんで良かったら、いくらでも見せてあげる。ほれほれ。

雫石
　やめてください。ムラムラするじゃありませんか。

エプロン
　健康な成人男子である証拠よ。

雫石
　あの、小説、書いてるんですか。

エプロン
　はい。ちょっとタバコ吸わせてね。プハー。

雫石
　ごほごほ。煙たい。

エプロン
　あ、ごめんなさいね。小説、書いてるわ。

雫石
　どんな小説ですか。

エプロン
　ポルノよ。

雫石
　ポルノ。どんなポルノですか。

エプロン
　こんなのよ。あたしの最新作。

雫石
　ちょっと拝見。うう、おおおおお、げげっげ、うわっうわっうわっ！ものすごくリアル。くっさー、えげつなあ、ものすごく猥褻、淫乱、奢侈淫佚、酒池肉林、荒淫無恥の愛欲ぐじゃぐじゃの、ものすごく濃厚じゃないですか。うわ、この本さわっただけで手がねとねとの粘液で濡れそう。

エプロン
　そのお話、全部実際にあたしがやってみて書いたのよ。前の亭主相手に。１か月もするとあいつミイラになったから捨てたわ。で、替わりの男探してたの。あなたどう。

雫石
　うわー。助けてくれ。

エプロン　
　ちょっと、コーヒー代ぐらい置いていきなさいよ。

１点づつ点絞り出してやっと勝ったわい。バレンティンに５６本目打たさず

　なんとか勝ったな。最下位ヤクルト相手やと、バレンティンさえおさえたら勝てるんや。しっかし、９本もヒット打って、ポツリポツリと１点づつとってやっと３点。さんざん苦労して、やっと点を絞り出したちゅう感じや。点取れへん病はしばらく続きそうやな。
　スタンリッジ、良かったな、バレンティンに５６本目打たれいで。さて、できたら藤浪、榎田も打てれんとこな。