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ミュータント狩り(第5回)

                                    ミュータント狩り(第4回)  

  第4章

 草いきれでムンムンする。馬の足をおおいかくす高さの草が、地平線の果てまで続いている。馬上から眺めると、とてつもなく広大な緑の海の上を進んでいるようだ。
 その緑の地平線の西方彼方に、かすかに山脈が見える。魔の山バッドバンザだ。六騎はその山に向かう。
 緑の海に波が立った。草叢の中を何かが移動してくる。
「来たな」
 ザックがいった。
 ザワッ!という音ともに七つの影が草叢の中から同時に飛び出した。7本の矢がザックたちを襲った。瞬間、6人は馬上から消えた。矢は正確に、馬上の6人がいた空間を射た。6人は馬の足元に身を隠した。
「突然の歓迎だな」
 スミスがいった。
 一瞬、ザックはスミス目がけてレーザー・ガンを撃った。ビームはスミスの右ほほを掠めた。ドサッ。スミスの背後で額を撃ちぬかれたミュータントが倒れた。同時にスミスもザックを撃った。巨大なマグナム弾はザックの首を掠めた。ザックの背後では、頭を半分吹っ飛ばされたミュータントがくずれ落ちた。
 スミスはニヤと笑いながらザックにいう。
「決闘なら相撃ちだったな」
「俺の勝ちだ。弾丸よりビームの方が速い」
「試してみたいものだな」
「商売道具を遊びに使いたくない」
 キャノンが二人のところにやって来た。
「草むらの中とは・・・・。やっかいな所でのお出迎えだな。やつらは接近戦はめっぽうぞ。カザマ、草を刈ってくれ」
 草を刈り始めたカザマは、カチンと金属の手ごたえを感じた。殺気!。カザマの刀が弾き飛ばされた。巾の広い蛮刀を持ったミュータントが出現した。そいつは上半身裸。胸に四つのヘソを持っている。閃光のスピードで蛮刀がカザマを襲う。紙一重でかわし、カザマも斬りこんだ。刀と刀が合わさった。火花が散った。
「ドップだ。ほかは雑魚だ」
 キャノンがいった。
 カザマとドップの闘い。剣技ではカザマの方がわずかに上だ。ドップはカザマの鋭い太刀さばきに、徐々に圧倒され始めた。
 カザマは大上段から刀を振り下ろした。一瞬、刀が消えたかと思うようなスピード。カザマの勝ち。唐竹割りにされたドップ。
 しかし、ドップは無事であった。カザマの背から白い槍が4本突き出た。ドップの四つのヘソから4本の槍が突き出ている。それはドップの肋骨だ。彼は先の鋭い肋骨を、真っ直ぐに突出させ武器として使う。
 4本の槍がカザマの身体を貫いたままひゅるひゅると、ドップの胸に吸い込まれた。ドップはカザマを抱きながらザックに向かってきた。
 ドン、カザマの死体をザックに突き飛ばした。カザマが当たったザックは体勢を崩した。
 2メートルは優にある白い槍の残像がザックを襲った。とっさに横を向く。槍の2本は背を、2本は腹をかすめた。
 ザックは次の攻撃が襲う前に、横に倒れながら、カザマの身体ごとそいつを撃った。手首をひねった。60度の白く輝く扇形が出現した。カザマの上半身と下半身が分離した。その向こうにドップの姿はなかった。
 ガデムが血相を変えてザックに走り寄った。黒い巨人がザックの首をつかみ、目よりも高くさし上げる。
「なんでカザマを撃った。絞め殺してやる」
 ものすごい怪力だ。
 パーン。ザックは両手でガデムの両耳を張った。締め付ける力が少しゆるんだ。するりとガデムの手を逃れ、ガデムの向こう脛を蹴り上げた。ガデムは前につんのめった。体勢を立て直して、再び突っかかろうとするガデムに鼻先に、ザックはレーザーガンの筒先を突きつけた。
「ガデム落ち着け」
 後ろからキャノンが声をかけた。ガデムはゆっくりとザックから離れた。
「あのドップとかいう奴、必ず俺が殺(や)る」
 ガデムは広大な背中を見せて去った。
「あいつの弱点だ。すぐカッとなる」
「あと5人残っている。一斉に来るぞ」
 草むらに五つの乱れが生じた。そこから、地上すれすれに矢が数本飛んで来た。それに向けてザックとキャノンがレーザーを発射。矢は空中で消滅した。
 ガデムが背中に背負った巨大な筒を肩にかついだ。草むらの中からザックたちを取り囲むようにして、ミュータントたちが姿を現した。
 ドーン。至近距離に落雷したような音がした。衝撃波で周囲がゆれた。ガデムの肩の先から長大な火炎がほとばしった。その瞬間、3人のミュータントが血煙と化し、消えた。
 ガデムの筒は巨大なショットガンであった。銃(ガン)というよりは、大砲(キャノン)というべきだろう。このような代物を撃てば、常人なら反動で後ろへ吹っ飛ばされる。しかしガデムの身体微動もしない。彼はまさしく人間砲台。ミュータントはドップとあと一人となった。
 ガデムの大筒は単発。大あわててで次弾を装填する。ドップにねらいをつける。ドップの胸の四つのヘソから槍が伸びた。それは彼の4本の肋骨である。そのうちの1本がガデムガンの狙いを狂わせ。3本がガデムの身体に突き刺さろうとした。ザックが二人の横に走った。
 レーザービーム一閃。ドップの4本の肋骨が中ほどから切断された。ガデムが短くなったドップの肋骨をつかんで引っ張る。ドップはよろめいて、ガデムに突き当たった。ガデムが抱き締める。ベアハッグ。ドップの顔色がみるみる変る。ミシミシミシ、ボキボキ。異様な音が聞こえ始める。ガデムが手をはなした。ドップはズルズルとその場に崩れ落ちた。
 ガデムはドップの頭に両手をかけ、足で身体を固定し、グイッとねじった。ゴキゴキ。ドップの首が360度回転した。
「逃がすな」
 ドップの凄惨な死に様を見て、生き残った一人が逃げる。
 ザックがレーザーガンのグリップに手をかけた。それより一瞬早くジョン・スミスが拳銃を抜いた。6発のマグナム弾を一呼吸で撃った。逃げたミュータントは、見えない巨大な怪物に引き裂かれたようにズタズタになった。次の瞬間には、スミスは拳銃をホルスターに収めていた。
「どうだ、俺の方が早かったろう」
 ザックは苦笑いしながら馬のほうに歩いた。

                                       次回更新5月9日予定
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せっかく点取ったのに勝てん

 しっかし勝てんな。久しぶりに、金本、マートン、ブラゼルと連打が出て、久しぶりの得点。このトラの子の1点を、榎田が久保田病を発症して同点に追いつかれる。それでも、新井が4番の意地を見せて浅尾から逆転打。あとはこれを藤川が守れば、久しぶりの勝利や思うたんやけど、藤川が打たれて同点。結局、引き分け。ドッと疲れるひきわけやったな。今日の敗因は、8回に出した外野守備の指示。あれベンチの指示やろ。あんな指示出さんかったら、あれマートンが取ったで。
 それにしても、サンテレビさん。広澤を解説によぶな。解説ともいえん、なんら根拠のない思いつきでしゃべる雑談なんぞ聞きとうないわい。
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