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とつぜんSFノート 第29回

 小生は若いころコピーライターをしていた。このころ、小学生向け家庭学習用問題集の編集をやったことは27回に書いた。このコピーライター時代にPR誌の取材記者もやったことがある。
 某クレジット会社のPR誌で、編集は先輩がやっていて、取材はその先輩の部下の女性ライターがやっていた。小生の担当はシャープのPR誌と、日本アルミのSPツールの制作だった。このクレジット会社のPR誌の旅のページを、3回小生が助っ人として担当した。
 旅といって国内旅行で、海外も企画に上がっていたが、実現する前に小生はその広告会社を辞めた。
 最初は四国一周だった。カメラマンとの二人旅である。伊丹から空路高知へ。ガタガタゆれるYS-11で高知へ飛ぶ。空港近くで車を借りた。日産のサニーだった。運転はずっと小生がやった。
 牧野富太郎植物園、高知城を取材。はりまや橋を見る。車の往来が多い道のまんなかにある、なんということもない橋である。ちなみに小生は札幌の時計台も行ったことがあるから、日本3大がっかり名所のうち2ヶ所行ったのだ。別に自慢にはならないが。
 その夜は某クレジット会社が提携している旅館に宿泊。夜は料理の撮影と取材。小生は板長さんに料理の取材をして、料理写真を撮影する。グラビア頁に掲載する写真である。その旅館で一番豪華な料理を並べてもらう。高知だからメインは皿鉢料理だ。本場の鰹のたたきがいっぱい。その他、のれそれ、どろめといった珍味も。
 ひと通り撮影と取材が終ると。どうぞお召し上がりください。と、いうことで、小生とカメラマンの二人でいただく。とても食べきれない。高知の銘酒土佐鶴、司牡丹もいただく。旅館もPRになるから、最高の食材を使って、板さんも腕によりをかけて調理した料理である。こんな仕事をしていると、雫石の仕事ええな。と、同僚にいわれた。「いやあ、仕事やからいっこもええことないで。味なんか判らへん」といったが、帰ったら記事に書かなくてはいけないから、しっか味わっておかなければいけない。それに、やっぱりおいしいのである。
 翌日は高知の朝市を取材して、四国を横断して北へ。途中、ドライブインで昼食。親子丼を食べたが、なんだか石油臭い。文句をいって作り直してもらうが、やっぱり石油の臭いがする。再度文句をいうと、どうも玉ねぎに石油がかかっていたようだとのこと。お金はいいですから、と、店のおばさんにさんざん頭をさげられる。結局、遅い昼食にありつけたのは松山市内に入ってからだったと記憶する。
 道後温泉に行く。温泉本館を撮影取材する。漱石の「坊ちゃん」にも出てきた温泉場で、「坊ちゃんの湯」もあった。道後、松山を歩くと、「夏目漱石」「坊ちゃん」を観光のウリにしているが、「坊ちゃん」を読んだことがある人なら判ると思うが、漱石は四国松山をさんざんバカにしている。雑誌の取材だといって特別に温泉本館の最上階振鷺閣に登らせてもらう。
 その夜の宿は愛媛県民宿協会の協会長の民宿。この協会長、料亭も経営していて夕食はそこで食べる。その時は料理取材はなかったが接待代わりにうんとご馳走してもらう。
 翌日は松山城の取材。その後、宇和島を通って足摺海洋館の海底公園を見る。竜串、見残しを取材撮影の後、土佐清水市役所へ。資料をもらう。南へ走り足摺岬へ。この足摺岬、いかにも最果ての岬に燈台が建っている風景をよく見るが、ブーブー車が往来する国道から5分ほど歩いた所に燈台がある。別に最果てでもなんでもない。その夜は足摺で宿泊。翌日、高知空港までひたすら走って空路関西へ帰る。
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