江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

全線フル規格と佐賀空港(コメントに対する回答として)

2015-11-17 13:46:00 | 交通機関

FGTはスーパー特急方式への振り戻しも必要かという記事に対していただいた次のコメントについて私の真意をお伝えします。

「Unknown (Unknown)2015-11-16 20:07:14佐賀空港の活用がしたいなら佐賀駅と空港間に鉄道なりを引くべきでしょう。こんなところに新幹線を引っ張ってくる理由が分からないです。ましてやLCC利用者が新幹線で各地に移動するとでも? それなら最初から大手便で福岡なり長崎空港に直接行きますよ。

現在の長崎線の南側は日本有数の軟弱地盤地帯で、海に近づけば近づくほど工事は困難になり割高にもなります。有明湾岸道路の橋脚が沈下して大騒動になったのもその象徴例です。かつて経営分離問題で江北町が強行に反対していたのも、全線フルになる場合は軟弱地盤の問題で肥前山口駅を迂回するからです。(1985年の公式想定ルート)

ここは新幹線ルートには向きません。

そもそもなぜ鳥栖市が長崎ルート問題に口を挟むんでしょうか。すでに新鳥栖駅が作られ、みずほ以外の全列車が停車しています。ハイマットも作られました。これ以上何を望むのですか?

鳥栖市民の一部が楽に佐賀空港に行くためだけに佐賀空港ルートを提唱してるのですか?

最終的に国の税金が使われるのだから、もう少しまともな論議をしてもらいたいです。」

 

まず、なぜ佐賀空港経由で新幹線を走らせたいのかという疑問に対するお答えですが、それは空港(地方国際空港)と高速交通機関との一体的連携は将来伸び行く可能性が高い空港整備のあり方ではないのかという考えからです。福岡空港が大変便利な空港として支持されているのは、新幹線と在来線を有するターミナル駅である博多駅と地下鉄を介して接続していることが大きいと思います。また150万都市である福岡市を筆頭に北部九州圏の玄関口になっていることが大きいのもいうまでもありませんが。

今、福岡空港は滑走路を増設しようとしていますが、MRJ初飛行の話題沸騰の時代、少人数多頻度の航空ダイヤがこれからますます見込まれる中で、福岡空港の一部代替空港として佐賀空港を整備してもいいのではと考えるのは合理的な話かと思います。

山口佐賀県知事は佐賀県の今後を考える上で、佐賀県人である誇り、プライドは持ちつつも福岡県の経済力、活力を上手く取り入れながら佐賀県を発展していく道を探りたいとお話になりました。まったくもって妥当な高い見識だと思うのですが、それに沿えば、長崎ルート新幹線は博多駅を起点として佐賀空港へと乗りいれるのは佐賀県全体の発展にとって利にかなったものです。

何かイベントがあったときニュースになった時佐賀空港のにぎやかな光景を県民の皆さんは映像として記憶されています。しかし、佐賀空港にドライブがてら不意に立ち寄って見てもらうとわかると思いますが、普段は空港関係者と売店の店員さんしかいない空港施設、及び駐車場のゲートバーが上がりっぱなしの無料駐車場の姿を見れば何らかのてこ入れをしなければこの先この県営空港はどうなるのだろうと佐賀県民であれば誰でも不安に思うのではないでしょうか。そうした時、春秋航空、テーウェイ航空という海外のLCCや将来MRJを使った乗り換え地方路線(貨物や機体整備空港としての位置づけも期待されるでしょうが)の拠点として、佐賀空港の将来に希望の光を見出したいと思わざるを得ません。

中部国際空港が海外のLCCで活況を呈しているとの記事を日経新聞で見ました。そうした位置づけが身の丈にあった形で結構ですが九州の佐賀にあってもいいと思います。

 そのそも佐賀空港は有明海より低いところにあります。有明海沿いの堤防に立てばすぐわかることですが、もし堤防が決壊し、潮が満ちてくれば飛行場は浸水することになります。干潟の宿命ですか。そうした時現在の佐賀空港、人が多く集まる施設の場所としてとして最適なのかと考えてしまいます。

私は現在の佐賀空港に新幹線を乗りいれるべきだと言っているわけではありません。コメントにもありましたように有明海沿岸道路の工事からして佐賀平野は軟弱地盤への対処が必要なところであることはよく聞くところです。しかし、だからと言って未来に対するまちづくりの投資を躊躇ってばかりもいられません。堆積作用で形成された沖積平野に人口が集中しているのが日本全国の姿であり、そこに新幹線が既に走っているのが今の日本です。佐賀県だけ取り残される必要もありません。

そこで私の直観として有明海沿岸道路の南側を走る国道444号線がありますがその南側と空港から佐賀市へ行く県道49号線の西側に乗客が乗り降りする空港ロビーと駅とが一体となった佐賀空港駅ターミナルを作るべきではないかと私は思います。そして出発する乗客はそこで飛行機に搭乗し、数キロ沖合の滑走路まで飛行機で移動し、そして大空へ飛び立つというのがいいのかと想定しています。佐賀市中心部にもほどほど近いし、国道444号線沿いには旧来の町が連なります。羽田空港を見ればわかるように飛行機に乗って沖合の滑走路まで移動するというのは皆さんもう慣れた光景です。そしてその移動途中の用地に整備工場のようなものが林立すれば立派な飛行場になりませんか。

また、肥前山口駅が軟弱地盤で新幹線を回避せざるを得ないかどうかまで確認できませんが、肥前山口駅から肥前鹿島駅のどこか長崎本線上に乗換駅を作るというのが地域振興の起爆剤として新幹線駅を使うという趣旨からすれば佐賀県にその効用が広く行き渡り合理的なことだと思います。

 私は鳥栖市議会議員ですが、鳥栖市のためにだけこの議論をしているわけではありません。私は新幹線を佐賀県のために広く如何に活用するかという観点からお話しさせていただいているつもりです。でないと実のある話にならないからです。どこまで持ちこたえられるかの心配な佐賀空港、そして最大の欠点である孤立した佐賀空港を如何に公共交通ネットワークの中に組み込むかという視点は大変重要です。そのための方策の提案です。

 実は佐賀空港に対する遠大なる夢を著名な評論家である竹村健一先生が昔佐賀で語っておられました。有明海に3000m級滑走路を南北に海に向かって新たにつくり、ニューヨークまでジャンボジェット機も飛ばせるような国際ハブ空港にするというお話しでした。それからすると大変ちいちゃな話ではありますが、MRJに期待が集まる新時代へと時も移り、私の提案は現実的で実現可能な話ではないかと思いますし、また竹村健一先生の目にも留まった佐賀空港というロケーションへの期待可能性は私の案に対して国家的な理解も得られる証拠にもなるものだと確信しています。


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