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S園の一園生が一番嫌った施設

2018-05-23 10:50:18 | 日記
 それは77年当時の都立の多摩更生園であった。そこも今は改善され、地域に開かれたものになっているが、当時は紛争が起きたなど、ひどかったらしい。


   S園の園生のM氏は断片的に「多摩更生園には行きたくない。そこは園生が完全に管理された生活だから」と語っていたのを覚えている。氏は多摩更生園の事も人伝手に知っていたようだ。

   多摩更生園は僕は高校の時に見学したが、それ以来は行く機会もなく、よく知らないので、詳しい事は語れない。ただし、そこは都の役人が欧米の施設を徹底的に視察して作られた事は早くから聞いている。役人主導の施設だったわけである。ならば、M氏が言ったように、「園生が管理される」状態になるのかもしれない。詳しく書く事もないだろうが、S園とは違った性質の問題があるようだ。混同はしてはいけないと思う。

  もっとも、大きく見れば、役人主導は何も施設関係だけでもないだろう。らい予防法の通り、戦後のハンセン氏病問題とか、優生保護法にも言えるし、更には、1917年の革命後のソヴェトなどの社会主義諸国にも言える。それだが、『資本論』によると、マルクスは革命後は労働者自身が経済活動などを管理する社会を描いていたわけだが、実際はそうならず、役人主導のあのような体制になってしまった。歴史の皮肉だが、そのような事も連想してしまうわけである。

   多摩更生園はその周辺に住む障碍者運動家たちが「おかしい」と声を上げて、改善されていったそうだ。今の社会構造では役人の存在も否定できない以上は、おかしい事があったら人々が述べていき、協力して物事を改善していく事が必要である。又、役人も一般民衆の一員である事を自覚しなければならない。役人全部がおかしいわけでもないと思う。エリート意識を持つ役人が時々現れるから、そのような人たちが人々を管理しようとして、おかしくなっていくのである。「らい予防法」はその典型例であった。同様に、国会議員も、大臣も一般民衆の一人一人である事には間違いないが。政治家たちも変なエリート意識を持つと狂ってくるのかもしれない。蛇足として、思ったわけだが。

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