蕎麦の散歩道

美味しい蕎麦と、楽しい食の道を歩む。

美舟  荻窪  女性打ち手の細やかな目配り

2011-07-29 18:32:52 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野



中央沿線には行きたい店があって、この日も時間があったので
どこかに行こう、と電車に飛び乗った。
水曜日で嫌な予感はしていたのだが、やはり店の前がお昼なのに暗い。
また、電車に乗りなおして「美舟」に着いた。

お昼の遅い時間で、先客は1人、こちらは女将さんが蕎麦を打って、
配膳も全部こなす店だ。テーブル席と小上がりのお座敷があって1人でやる蕎麦屋の
造りになってはいないから大変だろう、と思った。
客が満席になったらどうしてこなすのだろう、と思いをめぐらせていた。

先客がコップを倒した音がしたら、すぐに駆けつけて片付ける。
厨房からはスムースに客席に来れるようになっていた。

鴨汁せいろ


僕は鴨汁せいろを頼む。蕎麦は二八で切り揃えが綺麗だ。香りは大人しい。
蕎麦湯をもって来てくれた後に田舎をつゆ無しで鴨汁に追加した。
厨房に入ってすぐに鴨汁が冷めただろうかと来てくれて、あたためなおしてくれる。
追加で鴨汁の温めなおしは僕は初めての経験だ。
追加の田舎とそれを持ってきてくれる。
2枚目だと冷めた鴨汁に漬けることになるから、うれしかったね。

田舎は太め

食べ終わると、蕎麦湯もあったかいものを持ってきてくれる。
1人でやりながら、細かいところに配慮がある。
田舎はかなり太い。そのせいかせいろよりは香りが強かった。
腰の感じもこちらのほうが好みだった。

「ずっと、お1人ですか」と知っているのに聞いてしまった。
「そうなんです」
「大変ですね」
「そうなんです。どなたか手伝ってくれないかと」
・・僕でどうでしょうか・・と言いかけて、冗談にもならないので止めた。
僕はこれまで鷹匠、東風庵、ほしのくらいしか女性の蕎麦屋に行き慣れていなかったが
女性が打ち手の蕎麦屋は結構あることを、yukaさんの本で知った。
沢山客を取るのを考えなければ、これからも女性の蕎麦屋が増えてくるのではないか。
細やかに気がつく店は蕎麦屋でなくても飲食店なら客は歓迎するでしょう。
温かい蕎麦湯でつゆを割って、お腹を膨らませて帰った。

杉並区天沼3-29-16 03-5397-2207
12:00~15:00 18:00~20:00(LO) 定休・月曜



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慈玄  恵比寿   ランチはさわやかに食べるに限る

2011-07-27 08:09:09 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野

もう2時は過ぎていたが空いていた。
前から気になっていたお店だったが未訪だった。
テーブルの隅に相当数の銘柄の日本酒が並んでいて
結構珍しい酒が置いてある。

3色蕎麦

変わり蕎麦に紫蘇きりがあったので3色にしてもらう。
蕎麦を3タイプ出すお店はこのところあまり無い。
本陣坊系列、一茶庵系列が多いのだが、それでも最近は
そこを卒業しても田舎とか粗挽きにして、せいろとの2タイプが多いようだ。
手間を考えたら僕なんかでも大変だと思う。東京は意外と変わり蕎麦が出ない。
せいろしか食べないという人が多いからだ。

紫蘇きり
田舎

僕も変わり蕎麦を初めて食べたのは鎌倉一茶庵で、そのときはびっくりしたことを
憶えている。当時の一茶庵の蕎麦の細さは芸術的とさえ思ったもので
そのときの変わり蕎麦は茶蕎麦だったが、その極細さは体験したことがなかった。

年々、蕎麦屋ではそんなショックが少なくなってきている。
成熟時代から行き止まり時代に入ってきているからこそ、何かびっくりするような
ものが現れないかと思ってる。
いくつかの蕎麦屋さんでは常に実験的なことをしていて、それは敬服に値する。
数から質の時代、しかも、その質に新しい価値を加え無くてはいけないということなのでしょう。
悩ましい時代に入ったものです。
あ、いけない。ランチはもう少しさわやかに頂かないと。

東京都渋谷区恵比寿1-24-9 03-3444-7088
11:30~14:30 17:30~22:30(L.O.21:30)  定休・日曜


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ほしの  ひばりが丘  水と米と蕎麦の国なんだ、という想い

2011-07-24 09:53:09 | 都下

久しぶりの「ほしの」で沢山の料理と、沢山の酒を頂いた。
「酒猪口一杯で、色んな銘柄を何種類も、どうでしょうか」
もちろん、僕も連れもすぐにそれにのった。

地元の野菜が飾られた


酒の肴がちょこ、ちょこ、そんな感じで出てくる。その肴もほしのならではのものばかり
である。
食材は地元の農家、北海道の知人、信州などの友人から、季節ごとに入ってくる。
これまでの付き合いの広がりが、御膳に豊かな滋養、バラエティに富んだ旬物に
溢れる。

湯葉や蕎麦寿司



食材が育つ野山の尊さを思わずにはいられない。
酒もまた10銘柄頂いたのだが、香り、甘み、酸味、麹の味がすべて違うことが
よく分かった。



日本の豊かな水が米を育て、空から降り注ぐ雨、雷雲も我々に恩恵を与えてくれる。
その水も各地違い、米もまた風合い、味が違い、作り手の考えも違うから、
日本酒にはそれぞれの特色があるのです。




春や秋には「ほしの」の御膳に時期の山菜に溢れる。それもまた神々が宿る美しい
森の中で育ったものだ。
今年の秋、来年の春には山菜は無事生まれ出てくるのだろうか。



それにも増して秋蕎麦は大丈夫だろうか。会津、茨城の種植えはもうすぐ始まる。
蕎麦栽培をする知り合いの蕎麦屋さんたちの心配な顔が目に見えるようだ。
きれいな水、美味しい米、安息をくれる蕎麦、これをどう、守るか。
食べる側の考え方とその声が一番求められているのかもしれない。



西東京市西原町5-4-19  0424-67-0654  (080-3026-6588) 
昼/夜 予約のみ    禁煙 前回の記事



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旭庵  新小岩  つけとろでこの日も暑さをしのぐ

2011-07-21 17:45:15 | 江戸川・江東・葛飾・新宿・大田区・足立区

久しぶりの更新です。
もう10日前のランチで、暑い日だった。どうしてもさっぱり目のものに
心が動いてしまう。



山芋は摺ってすり鉢であたってあります。こうすると滑らかで
口当たりがよい。
1枚では足りないので最初から2枚オーダーした。
蕎麦は1割くらいのつなぎではないかと思うが、香り、味ともいつも安定している。




旭庵 葛飾区西新小岩4丁目42-14 電話03-3692-0123  前回の記事
11:00~20:30 定休・火曜


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眠庵  神田須田町   トマトがトマトの海でふわふわ浮いてた

2011-07-14 12:55:27 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

少し遅かったが、亭主を励まそう、と蕎麦友と出かけた。
自転車事故で暫く休養していて、もうすっかり怪我が治ったようで忙しく立ち働いていた。
この日は僕らは5時半に入った。口開けの客になるのは僕は結構好きで
店は掃除したての空気が洗われているようで気持ちがよい。

ブロッコリーのすり流し
出汁味が効いていて、暑い日にはすっきりして、気持ちよく胃に流れて行く

定番の大根煮、最近の定番のすり流しはブロッコリー、このところ出汁巻きも欠かせない。
入ってすぐに暑いからビールを珍しく2本飲み、日本酒も随分呑んだような気がした。
連れは酒のジャンルでも長く編集に関わってきて、知識が豊富だ。
感想はぽつり、ぽつりとしか漏らさない。そのくらいの感覚的な言葉のほうが
むしろ分かりやすい。

舌に批評されるものは言葉として紡がれるよりは、
感嘆や短かな動詞のほうが伝わるのかもしれない。
だから、書く事を生業ととするものはそれだけ大変だ。自分が感覚的に受容される
物をまず探さなければならないからだ。それでもなおそれが伝わるかどうかも不明なのだが。

自家製豆腐
大根煮
出し巻き

この日、亭主が珍しいものを作ってくれた。
トマト蕎麦、綺麗なふわふわしたメレンゲのような海に小さなトマトが浮いていた。
その浮き加減がまた彼の工夫を感じる。
味は極めてシンプル、トマトを摺り、かすかに感じる出汁味と塩。

トマト蕎麦
メレンゲのような泡立ち、トマトと僅かな塩と感じない程度の出し汁、実験的な作品

「どうなの?」と僕。
「うん、すっきり」と連れ。
「ふぁ、ふあで、トマトが濃いね」僕。
そのくらいの感想なのだが、これが亭主に一番嬉しいものかもしれない。

「いいトマトがあったので、そうでないと」と帰りに亭主。
素材がよくないと作る気になれないのかもしれない。
蕎麦粉を電子顕微鏡でみるような亭主がつくるトマト蕎麦は、まずはトマトありき
なのだろう。塩や出汁もぎりぎりの投入でトマトの邪魔をしてない。
そこにふわふわの口当たりつくる。これは商品になるのはいつのことだろうか?

このあと常陸秋蕎麦と新潟産の2種盛りを頂く。
蕎麦はデリケートな香りがしていた。蕎麦の香りがたちすぎると
後のものが弱く感じるときがある。これも不思議なものだ。
また、お互いに短い感想を言って、眠庵を再確認した。


千代田区神田須田町1-16-4  03-3251-5300  前回の記事
12:00~14:00(火曜、木曜、土曜のみ)/17:30~21:00
定休日: 日曜、祝日



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ときそば  新橋   サラリーマンの町も変わってきた

2011-07-11 16:20:43 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

昔の仲間が集まって同窓会のようなことになった。
1人は9時20分の新幹線で関西のほうにかえらなくてはいけない。
退職したが、スカウトされて単身赴任だが、今時受けてくれるところが
あるのだから幸せである。

ぴり辛こんにゃくは前からの人気
蛸のぶつきり

「ときそば」なら新幹線にも近いし、皆さん未訪と聞いて、新橋駅から
かいつまんで「辻そば」と「ときそば」の関係の話などしながら歩いた。
席についてから1時間半ほどしかないから、一挙に肴をとり、一挙に
お互いの近況を交換した。
年齢もまちまちで現役もいれば、引退もいる。僕のような何をやっているのか
わからない男もいるから、話があちこちに飛ぶ。

水茄子は生、塩でいただく
肉豆腐
出し巻き、丁度4人分


話が落ち着いたらすぐに蕎麦になる。僕のすすめで、二人が「辻がそば」、
これは大変な好評で大根と蕎麦の食感にみんな驚く。
僕は細切りとふと切りの二色蕎麦にした。
                                細切りとふと切り、これだけ差がある

ふと切り蕎麦をみんなに分ける。これだけ食
感に差があるとこれは食べたかいがある。
今も勤め人、前に勤め人だった人。ここはやはりサラリーマンの町で
サラリーマンが喜ぶ蕎麦屋だった。
ふと見ると、女性の組で親子のような方たちもいた。
女性にもときそばは好評だということか。
帰り、新幹線に乗る友人と急ぐ。新橋の繁華街も女性の姿が
多くなった。立ち飲みにも気軽に寄っている様だ。
変わったな、新橋は。


港区新橋5-33-3 03-5401-1851
11:30~14:00 17:30~21:30(L.O.) 定休・日曜、祝日
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名古屋  高砂  昔の、蕎麦屋のカレーで漬け蕎麦

2011-07-09 13:04:42 | 江戸川・江東・葛飾・新宿・大田区・足立区



赤い暖簾には驚いた。
一度訪問したいと思っていた蕎麦屋で、下町蕎麦屋で
人気があるとブログなどにも書いてあった。

茄子のきのこ汁
出し巻き

お昼、ビールを頂きながら、少し肴をもらう。出し巻きは甘みが
強くて食べやすくしてある。



蕎麦屋のカレーを食べたかった。洋風の香辛料を強くしないで、和風出汁で
小麦粉や片栗粉の入った、そして玉ねぎが崩れていなくてさっくりと食べられる
カレー。これはせいろが合うようだ。


田舎も頼んでみたが、このせいろがくきくきして美味しい。
蕎麦の香りは薄いが、種物には十分な蕎麦で、とにかく量がある。
久しぶりにほっとするような蕎麦屋だった。

東京都葛飾区高砂5-43-8 03-3607-1540
[月~金] 11:30 - 16:00 17:00 - 21:00 定休・木曜

 
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蕎楽亭  神楽坂  辛いのんと甘いのんで、暑さに勝つ

2011-07-08 09:24:25 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

夜は結構、定期的に訪問していたのだが、何年ぶりかの蕎楽亭のランチです。
この時期の定番のトマトそば、これはピリ辛で、イタリアンと和風の
ほどよいコラボになっている。

トマト蕎麦、トマトソースは
創意工夫したトマトペーストに和風出汁もブレンドしてピリ辛と旨みがマッチング


つゆのソースが付いてきますが、蕎麦にのったトマトソースを絡ませる
だけで僕は十分。亭主の話では作るごとに唐辛子や薬味でピリ辛度が
違ってくるそうだが、それはそれでいいのではないかと。


自家製粉で小麦を挽いてひやむぎにする。乾麺から茹で上げるものとは甘みが
大分違う


辛さを感じるものから、甘みを感じるものをもうひとつ。
むぎめおと、これは蕎麦とひやむぎの合い盛り。
自家製粉でつくる、ひやむぎは甘みあってこの時期の暑い日には
特別なものになる。
お昼は並ぶのではないかと思っていたが、客の回転が早くて思いのほか
席に入れる。
胃の中を涼しくして、夕方まで、もうひと踏ん張りです。

蕎楽亭  新宿区神楽坂3-6 03-3269-3233
       11:30~15:00 17:00~21:00 (土11:00~15:00)
        定休日 日曜・祝日 前回の記事




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酷暑のお昼は、長物しか頭に浮かばない

2011-07-04 10:12:04 | ランチ

お昼に暑い日が続いていて、普段でも蕎麦が多いが、
他のものに食欲が向かない。この二週間でお昼は他には饂飩、ソーメンが
一回ずつ。後はそば、長いものばかりだ。

大塚の一文字
東京都豊島区北大塚2-14-2 03-3910-5820

大塚で目当てのところが満杯で、さすがに外で待つのは辛くて
こちらの胡麻だれを頂いた。さっぱりしていてせいろはお代わり。




表参道の麓屋
東京都港区北青山3-9-2 03-5469-2220

表参道は「麓屋」、こちらはフレンチ×蕎麦がうたい文句。
時間が2時半を過ぎていたので、そのフレンチランチセットが売り切れていた。
鴨汁をもらった。
                        鴨じるせいろ


女性客が多い。こちらはフレンチを食べるか、ランチではフレンチセットでないと
意味が無いかもしれない。鴨はこのところの生食騒ぎのせいだろうか、かなり
焼きが強く入っていた。

三店目は亀戸の山水、こちらは鴨汁、これは田舎を付けてもらって食べ終わって
物足りずにせいろを追加したが、もう終わっていたのでそれ一枚にした。
一瞬、亀戸餃子が閃いたが、暑いので歩くのがめんどうになった。
この夏は皆さんランチはどうされているのだろう。

亀戸の山水
鴨汁、こちらはミディアムレアで焼き上げてあった

東京都江東区亀戸6-24-8 03-3684-0543




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