蕎麦の散歩道

美味しい蕎麦と、楽しい食の道を歩む。

Mon  芝公園  スペインピザが面白い

2008-08-31 15:43:15 | 今週のひと品

スペイン料理の「Mon」、浜松町「大天門」3店舗目の店です。
この日は二度目で、前回初回の訪問で、これはという料理があって、また直ぐに行くことになった。美味しいワインと炭火焼などを沢山食べた。
料理の最後にスペインピザというのを食べたが、これが独特のピザで美味しい。

モッチリしたスペインピザ

ピザの生地は厚めで食感が米粉を使ったようなモチモチ感があって、生地自体が甘みがあって美味しい。それにサイズがショートで酒の後には丁度良かった。
「炭火焼 スペインバル」日本で言えば炭火焼居酒屋バーといった意味です。炭火焼の料理は前回も頂いて、日本人が食べやすい味付けにしてある。ワインは5千円クラスが充実していて、これも手軽で嬉しい。


左はアンチョビ・ブラックオリーブソースのヒラメ炭火焼。右も炭火焼で
トマト掛け帆立焼き。海鮮の炭火焼がモンの特徴。

この店の良さは大天門譲りの連携の良さだ。シェフが時間があれば客の前に出てくる。料理の質問や疑問は直ぐに厨房に伝わる、シェフ自ら後刻客に答える。
客の要望などにしっかりこたえていく姿勢が見える。開店して2ヶ月、好調な出足になっているようだ。

炭火焼 スペインバル Mon
港区芝公園2-3-1 03-3443-6440 11:00~15:00 17:00~22:15
日曜・定休

『こだわり蕎麦屋の始め方』

NIKKEINET 日経WAgaMAga記事連載中・働く(起業)
ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ
●夢ハメールアドレス・・・toshiharu2214@edogawa.home.ne.jp

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成富 銀座  才能に好かれる人

2008-08-28 15:35:17 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

成富に夜半に来るのは久しぶりです。
この日は白金女史と銀座で外部の方と打ち合わせ後、さらに内部打ち合わせをここで二人でやることにした。
このところ、女史は絶好調で、自分の仕事が面白いように決まりだした。その仕事は自分の好きなジャンルの仕事だから、今は楽しくて仕方ない。

およそ人のそうした高揚感を見ているだけでも、それはこちらも幸せな気分になる。こんな時は、蕎麦料理も蕎麦も不味かろうはずがない。
食べたかった穴子の煮凝りは時間のせいでもう売り切れだったが、なるべくあっさりしたものを頼む。酒は運がいいことに飛露喜があって、すっきりした飲み口にその肴が合うはずです。

プリンのような蕎麦豆腐

蕎麦豆腐、山芋山葵漬け、生湯葉など、彼女が好きそうなものばかりを選んだ。その代わり、飲めない彼女を尻目に僕は酒をやります。だからといって僕が沢山飲もうが彼女は気にしません。

蕎麦豆腐はプリプリしたやや固めのものです。蕎麦豆腐は湯津上屋のもったりした感じのものも好きですが、これはこれで美味しい。甘みもあって蕎麦のプリンのような味わいになっています。
山芋山葵漬けは、自家製かどうか聞き漏らしたが、これも歯ざわりがよくてよい酒のあてになりました。

山芋山葵漬け、色も綺麗で美味しい。右は生湯葉


山芋山葵漬けを食べると京都の喜幸を思い出します。酒の後にご飯と頂くと最高の組み合わせになります。
次回は山芋山葵漬けは錦市場の打田で、宅急便ではなく、樽漬けのものから直接買って持って帰ろうと思う。


天ぷらは薄衣で美味しい。上のズッキーニや、
トマト、アスパラなどが楽しい。

次の蕎麦屋は神楽坂の某店にしたいと彼女が言う。元々蕎麦は好きなほうでしたが僕と仕事をするようになって、火がついたようです。それは僕にすれば蕎麦友が新しくできたようなものだし、まして仕事のパートナーだからこれは言うことがありません。

蕎麦を選んだ。彼女は茄子のぶっかけ蕎麦を食べたいが、茄子やおろしの具材を別盛りにして食べたいと言い出した。
蕎麦はつゆにつけて食べるのが、彼女のこだわりなのだ。
それで、ぶっかけはあまり好みでなく、言ってみれば「吉野家」の牛丼の別盛皿のようにして欲しくて、花番さんに頼んだ。

辛味おろし蕎麦

“ムリじゃないか”と僕は言ったが、その手のムリは彼女は平気だ。やはり、花番さんにやんわり断られたが、そこは素直にすぐに引っ込む。
だが、僕はそれも面白いアイデアで、そんなメニューもありえるのではないか、と思った。
そのくらい彼女は常識から無縁な女で、そこが素晴らしいところで、またそれで周りと摩擦が生まれる。
常識から自由で、世間からは飛んでいる。そんな人でないとまた才能が宿らないのでしょう。才能に好かれる人は、どこか変わってる人です。

運がよく好きな酒があった
先日入った小料理屋では一人一合・・人気が出すぎた


常識的で周りと摩擦を起こさないのはそれは能力のひとつだが、そこには才能が舞い降りてこない。
蕎麦や蕎麦屋の常識を我々はいつも違ったところから見る習慣も身に着けないといけないのでしょう。
蕎麦屋で成功する人はまずその才能を手に入れないといけないから大変です。

先人の何人かはそれを手に入れて、色んな冒険をしてきた。今もやろうとしている人達が居る。
僕ら蕎麦マニアはその人たちの冒険の足跡を辿りたくてうろうろしているのかもしれない。
さて、彼女の足跡を辿ってひたひたと慕ってくる人はいるのだろうか。
それは、また蕎麦とはどうも違うような気がしてきた。

成冨 中央区銀座8-18-6  03-5565-0055
         11:30~15:00 17:00~20:30(土曜は昼のみ)定休 日・祝
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更里 浅草橋  変わり蕎麦の変わり種

2008-08-26 15:06:04 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

シークワーサー切りの文字が目を引いた。
メニューが前回来た時からだいぶ変わったようだ。書き文字も変えてあるから、客からすると気分を一新したような気になる。
カウンターに座ると目の前にご亭主がいるような格好になり、何かあるとつい話したくなる。
「沖縄の柑橘類だと、思ってください」シークワーサーの説明を求めるとそう答えた。沖縄ではみかんでもあり、カボスや青柚子のような香りづけにもつかうもののようだ。

シークワーサー切り


香りはきつくないので訊ねると、加量を少なめにして香りを抑えてある。
「あと変わったのではゴーヤ切りやりました」そのゴーヤーは思いのほか苦味が出なくてやめたそうだ。
ゴーヤは沖縄に日本蕎麦の店があってそこで出していて、苦味もあると聞いたことがあるが、作り方やゴーヤーのどの部分を入れるかで違うのかもしれない。
「もっと変わったのでは、チャプチー、これは客が嫌だと」
さすがにそのチャプチー切りは僕も遠慮したい。現物を食べなくてもだいたい想像がつく。
香りものでも僕はミントを蕎麦に入れ込んだが、そのあたりが限界かもしれない。
コース料理の中で、知り合いの女性の誕生日に記念にその変わり蕎麦を練りこんだものだ。
それは蕎麦の湯がきを別にしないと釜全体の湯に香りが移ってしまうから、滅多にできるものではなかった。

肉が大きくてたっぷりした味わい、かしわ楠


温かい蕎麦はかしわなん蕎麦をもらう。最近は鳥は地鶏で差別化して、かしわと表記する店が少なくなった。
この店の鳥肉はなかなか立派で大きい。甘みがある肉でぷりぷりして美味しい。
鶏肉は最初にフライパンで焼いて焦げ目をつけて煮出すときに焼き汁がでないようにしてあるせいでしょう。
久しぶりお昼に蕎麦を二つ頂きました。これは夜の食事を加減しなくては
いけないでしょう。
更里 台東区浅草橋1-11-3 03-3863-6288  定休・日曜    
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眠庵 神田須田町  東北の気合が奔る、蕎麦

2008-08-22 22:14:13 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

20日からお店を開ける予定が、この日になったそうだ。
彼に頼みごとをしていて昨日行こうと思ったが、伸ばしてよかった。
東北の知り合いの蕎麦屋に宿泊しながらの訪問で、楽しくて休みを一日伸ばしたそうだ。相変わらず休みには蕎麦屋訪問なのだから、心底蕎麦が好きなのだ。



東北には彼は修行時期(彷徨時期)に入って蕎麦打ちをさせてもらった「たまき庵」などがあり、今回もそれらの蕎麦屋のご亭主と多いに語り、
彼らの美味しい蕎麦を食べてきたようだ。



「僕の蕎麦は、まだまだ、だと思いました」
本気にそんなことを言う。
「触発される人がいないとね」
お昼遅い時間だったのでそんな会話になった。
蕎麦に触発されたのか、東北のご亭主たちの言葉や会話に触発されたのか、それは両方だったと、その楽しそうな顔に書いてあった。
そんな人たちがいるだけ彼は幸せで、彼らに刺激される気持ちがあることは心に柔軟な羽根を持っているのだろう。
僕はそんな友人を持っているだろうか、
僕はそんな気持ちを失っていないだろうか、そんなことを振り返ってしまう。

牛肉のバーボン煮

ビールはハートランドです。彼の店にはこのほかサッポロラガーがあって、キリンのクラシックラガーもある。このビールの配置も僕は気に入っている。
日本酒は20銘柄くらいあって、その全てが静岡の蔵元です。この日本酒の配置具合を見ても、彼が尋常な男ではないと思う。

茨城
福井

二種盛りの一枚目は茨城産です。二枚目は福井産でした。
蕎麦はいつもより、そう・・・0.1mmくらい細いかも知れない。いい蕎麦に仕上がっています。東北の刺激が乗り移ったのか。

福井産の蕎麦顔

特に福井産が色合い、香り、こしが独特の食感で嬉しくなりました。
十割のようなポキンとしたこしで、粘りがあってもぐもぐできて(まるでがじゅたん)
変わったそばでした。
いつに無く僕は蕎麦をたっぷりつゆにつけて食べていました。
東北帰りのご亭主の気合が入った蕎麦を食べた。これは儲けました。

眠庵 東京都千代田区神田須田町1-16-4  03-3251-5300  前回の記事

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松翁 猿楽町  初秋を「はつあき」を読んで笑われる

2008-08-21 15:31:29 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

例によって、「松翁」の入り口の水槽を覗く。
この日は岩牡蠣が沢山水槽の底に重なるように潜んでいる。かなり殻も厚くて
これは身が大きそうだ。夏の最盛期を過ぎる頃、牡蠣が美味しくなってくる。
それは少し秋が近づいてきた証拠です。


冬瓜の含め煮             穴子の煮凝りは定番

冬瓜の薄煮のつきだしが来て、我々もその岩牡蠣と穴子の煮こごりで、渡舟を
二合頼んでお互い手酌でやりだす。
夏の暑い時期は9月、10月の遊びの計画になる。僕の方はやや仕事が混み出して
土曜、日曜の日程がままなら無い。新規蕎麦屋の開業相談はどうしても土曜、日曜
などの休みの日になる。東京以外の開店もあって現地に行くことが
多くなっている。
が、連れの手帳を覗き込むと彼はもうすでに旅行や料理会のスケジュールでびっしりだ。
これでは、たまにはみんなで旅行会と言っても無理な事がわかる。

肉厚の岩牡蠣

牡蠣はたっぷりした肉厚の体をしていた。潮を含んでいて、僕はそれを口に
放り込んで一噛みして喉の奥に流す。
「こうやって食べる」牡蠣が苦手な友人にその食べ方を教える。苦手な人ほど何度も
口の中で牡蠣を噛むから、内臓独特の味が口に広がってますます嫌になる。
「どうだ!」
彼の表情を見たが、余り美味しいとは言わない。嫌いなものはどう食べても
駄目なようだ。なんともったいない男だ、こんな美味しいものが解らないとは。
ただ、僕も牡蠣は好きだが、生だとせいぜい二つでそれ以上は要らない。

店の和紙のメニュー札を見ると秋の文字が目を引いた。
酒を運んできた女将さんに声を掛ける。
「はつ、あきの天ぷらって?」
女将が少し笑って、厨房の方に行って、もう一度舞い戻ってくる。
僕がまたそのメニューの名を言いかけると、
「しょしゅう・・と言うのよ」とニコリと笑う。

海老とキス

連れも笑い飛ばす。初秋を「はつあき」といった大人は初めてだろう。
「しょ」という場合と「はつ」という場合の読み方を二人で探し始める。なる
ほど圧倒的に「しょ」と読む言葉が多く、そのほうが風情がある。
その「はつあき」とついでに穴子の天ぷらなどを頼む。
初夏、初秋、初春、初冬・・先駆けの季節にはなんとなく美味い物にありつけそうな
気がして、そんな蕎麦屋に足を運びたくなるのも事実です。

野菜が続く
           
                 穴子
          はぜがほっくりしている

天ぷらはキス、ハゼの初物と穴子ときて、その間に海老や野菜が挟まれます。衣
は薄く、さくりとして蕎麦屋としては揚げが素晴らしいと思う。衣が薄くて
油落ちがいいからくどくない。この日は一番弟子の方が揚げていた様に思うが
それでも上手ですね。

だし汁の後は
楽しみな松茸と鱧をつつく

ついでに初秋もので松茸の土瓶蒸しがあったので、それも楽しんだ。
秋の味覚がもうそこまで押し寄せてきている。
酒は渡舟から九平次、最後が十四代、だんだん本格的なものに移ったが、僕の
好みはすっきりした呑み易い渡舟です。

並蕎麦と芥子きり
           

蕎麦は2色もりにしました。芥子きりの香ばしい変わり蕎麦がなんとなく初秋の
到来を思わせます。
帰りは心無し、風も冷たい粒子を含んでいるような気がしました。
「はつあきか、いいね、それも」まだ負け惜しみを言ってます。

手打蕎麦切 松翁
東京都千代田区猿楽町2-1-7 03-3291-3529
11:30~16:30 17:00~20:00(土)11:30~16:00
定休・ 日、祝  前回の記事

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ファンタスティック 神田須田町  工夫した人のご褒美 

2008-08-19 16:22:57 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区



この日は眠庵が休みなのを忘れていて、前から気になっていた店に入った。
蕎麦と饂飩とパスタとラーメンをミックスしたような、もちもちの食感の蕎麦、とそんな風に書いてある。


鴨蒸篭を頼んだ。蕎麦を噛むとなるほど、もちもちして、固めの食感です。どちらかというと見た目は太打ち縮れ麺ラーメンに似ている。味はもぐもぐしていると蕎麦の味が舌に届いてきた。
確かに蕎麦だが、これはどこにもない、これまで味わったことがないものだ。
若いご主人に聞くと、某有名メーカーの製麺機を調整して、作り上げた蕎麦だと言う。


          
          縮れの平打ち太麺、機械打ちを超えてる

小麦にも結構工夫したようだ。
食感も面白いし、まったくこれまでの機械打ちの蕎麦と似ていないし、工夫次第でなかなか面白いものができるのだと感心した。
つけ蕎麦にするとなかなか美味い。鴨は手を抜いていないし、汁も上等でした。
考えて工夫した人には必ずご褒美がもらえるんだと、思いました。
ファンタスティック 須田町交差点辺り

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大川や 九段  新蕎麦を熟成させる冒険

2008-08-16 22:06:18 | 麻布・六本木・赤坂・白金周辺・千代田区

そば箸さんのブログで、「大川や」の夏の新蕎麦を見て、早速いってきた。
フロアに大川さんがいる。友人を紹介して、新開店の護国寺「蕎介」の様子などの話になる。
兄弟分の西麻布「たじま」にもすっかりご無沙汰で僕も自分の最近の蕎麦歩きの質問もされる。


僕のほうはこのところ蕎麦屋コンサルティングの仕事がようやく軌道に乗り始めたが、それ自体は時間が掛かる仕事なので辛抱強くやるしかない。
蕎麦がゆっくり熟成をするのを待つのと同じで開業される方の蕎麦屋のビジョンが醸成されるのを、団扇であおいで応援するようなものです。
そんな話も大川さんと空いた時間で交わす。
甘み、出し汁のバランスがいい

酒は好みの九平次があり、合いそうな肴を2、3品取る。大川やの料理はどれもレベルが高い。食材もいいものを使ってあるが、料理は色艶があって男っぽい蕎麦屋のニュアンスを変えた功労者だと僕は思っている。

         鴨のロースサラダ
          鴨の蕎麦掻

鴨のロースサラダなども華美ではないがアクセントが効いていて何度オーダーしても飽きない。鴨の蕎麦掻は蕎麦掻の美味しさをしっかり生かすような味わいのある汁が旨みを喉に含ませる逸品です。

熟成2日目

群馬の夏の新蕎麦がきました。香り立ちは少ないが、味わいがあって、噛むと甘みが増してきました。
「こちらのほうは、今日のものです」
大川さんが2枚目の蕎麦をすぐに持ってきて比較できるようにしてくれた。
一枚目のものは熟成2日目で次のものは本日のものです。
僕等は交互にそれを頂く。大川さんの打ちわけ2枚を贅沢に比較していました。

当日打ち1日目

新蕎麦本日ものは香りがありこしがつよくでています。
口に含むとそれは弱々しく名残を惜しむような具合に消えていってします。
2日目熟成は香りは弱いが口に含んで噛むほどに旨みが広がります。こしは熟成がすすんだせいか強くはありませんが、しなやかにこしが残っている。

どちらも、甲乙つけがたい。若さと老獪さを比較しているような印象でした。
「香るね、」
「甘いね、」
蕎麦自体の保管熟成の美味しさを見つけて行こうとする動きも盛んになってきました。新蕎麦のときはそうでもないが熟成が進むと美味しくなる蕎麦があることを見つけた人がいます。
眠庵の柳沢さんですそれは蕎麦が画一的でなく蕎麦にはまだ解明されていない不可思議な領域があることを彼は科学者的な視点から見ています。

大川さんのように実際に打ってからの熟成度合いの研究もされている人もいます。蕎麦屋は開業してからさらに深化していくことを彼等は知っています。
そんな蕎麦屋が生き残っていく事も肌で感じているのでしょう。

玉子とじそば

開業3年、開業6年で曲がり角に来てしまう蕎麦屋を僕は随分見てきました。そこには自らが変化し、熟成するという概念が無いから客から遅れていって崩壊してしまうのです。
まず10年持つ蕎麦屋でなくてはいけない。そのための考え方を僕は必ず開業する人と話し合いをします。
いま持っていることを壊す力が必要なのだともいいます。そのような蕎麦屋が今僕の周りに沢山目に付き始めました。
新しい蕎麦屋が現れていると感じています。

今あることは無いと考える。無いものを造る考え方。それは僕のこれからの生き方でもあります。
大川やさんに触発された日でした。

大川や 前回の記事
千代田区九段南3-4-203-3234-8887
11:00~15:00 17:30~22:00土11:30~21:00定休 日曜・祝日 

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寿司屋の、赤酢と、つめと、魚醤と、からしと

2008-08-13 12:33:15 | 和食

寿司屋は、シャリに入れる赤酢と穴子のつめが命だと聞いたことがある。
この寿司屋に通いだして、そんな話が軽くなってしまった。いや、重くなったのかもしれない。

赤酢は酒粕、白酢は清酒で造ります。一般に我々が使っているのは米をベースに造る米酢ですね。酢はそのほか果実酢がありますね。


同じ鰺を前列は赤酢を塗る、ニ列目は白酢、鮎はつめ

ここでは、こんな形で出てきます。
手前が、赤酢で真ん中が白酢です。後ろは稚鮎で醤油つめです。
この店は醤油はテーブルの上にはありません。基本はつめで、寿司を食べさせます。


前列が白キス、その上が青キス、上は新子の3枚重ね

同じつめでこれは白キスと青キスと新子。青キスは今では幻の魚で魚場も2ヶ所程度しかなく、その魚場でも5,6本しか揚がらない日もあります。
白キスと比べると身が固く甘みも強い。

手前から、蝦夷馬糞雲丹、
赤雲丹、北紫雲丹。

雲丹もまた薄味のつめが塗ってあります。雲丹の種類は三つ、こんな非効率的な事は普通の寿司屋ではしないでしょう。

和がらしと玉ねぎおろしと魚醤

和がらしはおでん屋で使われますが、この寿司屋ではあおもの魚や鰹、若鮪などのつけ汁に和がらしが添えられます。
和がらしはからし菜の種で造りますが、これが普及したのは江戸時代とされていて、当時は鮪などに山葵ではなく、これが一般的なものでした。
当時はこの和がらしは3年ほどしっかり熟成して、毒消しの薬味として重宝されました。
65キロのくえを半身買い
して今日まで二日寝かしたもの、和がらしでいただく。

今ではその3年熟成の和がらしを造るのは京都に一店しかなく、そこから仕入れてさらに熟成させてこの店では使っています。
この日は「くえ」の刺身にこの和がらしをのせて、玉ねぎのすりおろしを添え、魚醤に漬けて食べます。
                                             腸の苦味を発酵させた魚醤と背ごし


魚醤はこの店では30種類以上は作っていて、この鮎の背ごしに漬けて食べるものは、魚醤らしい逸品です。もちろん、この背ごしは稚鮎の時期とはいえ、なかなか得がたいものでした。

鬼もずく鮪出汁澄まし汁

これは、鮪削りの出汁で取る。鰹削りより上品な香りで食材の味を邪魔しない。これとは違って昆布だけを使い、まったく出し汁を使わない料理がある。

三日掛ける鮑冷製スープ

鮑を昆布で巻いて三升の日本酒に1日漬ける。二日目はこの鮑を酒でコトコトと半日煮こんで、三日目に冬瓜と煮合せて、冬瓜をくりぬいたものに入れて、半日冷蔵庫に入れる。やっとその夜食べることになります。なんと手間の掛かることをやってのけるのでしょうか。
味は塩を少し足すが、汁は酒と冬瓜の水分だけです。

頃合いを見て、15分
漬けにして客に出す。くえのづけ
同じく鮪のづけ

寿司は板さんの手から、客の手に移して食べる。大人の親指より少し大きい
程度だから、15カンはいけます。もちろん、つめはその都度違うものです。
魚の産地を大将が語ってくれるがその話を聞いているだけでもすごい。
こんな商売は僕はしたくないし、到底真似ができない。
下目黒のある寿司屋

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まつや 神田  店内の張り紙に注意  

2008-08-12 16:26:54 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

お昼時にまつやはすでに人が並んでいた。前の組が4人だったので、一人だと得な場合もあって、こんなときは先に案内が来る。
当然相席で、隣とは肩も触れ合い、前の人とは顔が近づきすぎて慣れるまで大変だ。ビールを飲みながら携帯のメールをチェックするが、相席の話が否応なく聞えてきてくるが、それは暇つぶしにはよい。


店内の張り紙に注意する。まつやの休みの予定を気にします。お盆は営業して17日から21日まで休みと書いてある。
次に季節ものを見ます。夏らしいメニューで、すだちおろし饂飩があります。
「饂飩を蕎麦にできますか?」焼き鳥を運んできた花番さんにお願いした。
まつやのいいところは大概の頼みは聞いてくれます。
ちから饂飩しかないが、それをちから蕎麦にしてもらう・・・これはしおんさんに聞いた。そのちから蕎麦はしるはうどん用のものだから、これもなかなかよいです。

焼き鳥をほおばる

夏休みだから店内は軽装の客も多いです。突然、椅子が大きく開いたかと思うと、ベビーカーを引っ張って入ってくる若い夫婦もいます。4歳くらいの子供たちを連れた家族も目につきます。そんなところがまつや、だなと思う。
まつやの花番さん達は年齢が高いが、そのくらいの年齢でないとまつやの花番さんは務まらないかもしれない。色んなお客の顔色を見るのは若くては経験が足りないし、忙しさに不満が出るでしょうね。こんなお局さん達を統率している経営者もまた素晴らしいかもしれない。


すだちおろし蕎麦。すだちは半分に切ったものを自分で絞って入れるようにしてあります


日差しはやや弱まったのか、それとも体が暑さに慣れたのか。そろそろ温蕎麦も食べたくなりましたね。夜に来て天丼や親子丼も食べたくなります。ご飯ものもまつやは美味しい。
まつやのメニューを見ながら、次に来る時のまずはそばを決めて帰ります。

神田 まつや
千代田区神田須田町1-13 03-3251-1556                               11:00~20:00(土11:00~19:00)  定休日 日・祝 前回の記事

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岩舟が涼しいようだ

2008-08-11 10:27:55 | ランチ

ぶっかけ蕎麦は、
食材が美しくレイアウトされている。揚げ蕎麦の実が食感に効果的。

お昼のランチに困る。これだけ暑いと歩いて目的の店に行く発想がうまれない。駅から歩いて近い店に入りたい。岩舟は大塚駅から歩いて30秒,日差しから逃げるようにお店に駆け込んだ。

   

夏はぶっかけ蕎麦がありがたい。岩舟のぶっかけは綺麗で美しい。レイアウト次第で涼しげにも見えるから、料理は不思議です。おろし、揚げ茄子、カイワレ、削り節、揚げ蕎麦、海苔などがバランスがよくて、カイワレの長さが1cmにきちんとそろえられており、ご亭主の性格が良くわかる。この至便な蕎麦屋でも、この暑さでは客足が少し落ちるというから、真夏の直射日光は蕎麦屋の敵になります。

この日は岩舟のランチに涼を求めました。

岩舟  東京都豊島区南大塚3-53-9 03-3987-9266                            12:00~15:00 18:00~22:00 
            定休日・日曜日・第2・4月曜日 前回の記事

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眠庵 神田須田町  客をひるませること 客をとりこにすること

2008-08-08 11:00:26 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

眠庵が人気がある理由は何故ですか、と彼に3回聞かれる。
テーブルの上には、旨そうなうるかがあって、鮎の腸の塩辛のこの苦味を持った肴は眠庵の定番のものです。


左が蟹の甲羅を砕いた塩辛、鮎の腸の塩辛、うるか

この日、ルー君と連絡を取り合うと、「眠庵」に行きたいという。
彼は先日のお昼の眠庵の僕のブログ記事を見ていて、すぐにその名前が出た。

彼は眠庵は初めてなのだが、しばらく前に眠庵の暖簾をくぐって、狭い伝いを歩いて玄関の前に立った。そこまで来るにも一人では勇気が必要だったそうだ。
玄関はドアが開いていた。見ると、足かけ段があって、一般の家と同じように上がり口は一段高くなっていて、靴を脱いで上がらなくてはならない。
彼は逡巡した。靴を脱ぐ行為、店の中のこれまで経験したことのない雰囲気、靴を脱ぎかけて後戻りして彼はその場から去った。前回はそうだったという。

おなじみ牛肉バーボン煮

牛肉のバーボン煮、自家製の豆腐がきました。彼はしきりに美味いという。
「このバーボン煮の味は少し意外だった」彼がそれを食べて感想をいう。
それは、バーボン煮の英文字言葉にその大根の色合いがそうだし、味にもギャップを感じたせいでしょう。

自家製豆腐は少人数分を
毎回にがりの量を確認して作る。手間が掛かることをいとわない。

「関東煮のおでんがあるでしょう。このバーボン煮はそれに似ている」
関東の真っ黒なだし汁から出てくるおでんの具材の中で、大根は特に真っ黒だが、これは存外辛くない。むしろ甘みさえ感じる。そんなことを僕が言う。
「これは、一種の発明だね。この料理は他の蕎麦屋ではもう真似ができない。真似したら、<あ、眠庵のバーボン煮だ>と、言われてしまう」
さらに僕らは塩ものをオーダーした。蟹の甲羅を砕いた蟹塩辛、通風持ちの彼といてそんなものばかり頼むのは悪いが、このラインの肴が美味い。
レアな鴨ロース
          山葵二品

「この大雨にも良く客が来ますね」
彼は前の眠庵のブログ記事を読んでいるから、ご亭主が蕎麦の研究に並々ならぬものがあることはわかっているはずです。
粉を顕微鏡で調査する科学的態度と玄蕎麦を齧って味を見つけていく態度を兼ね備えた男など、これまではあまりいなかった、ように思う。

二枚目は鹿児島産
           
           
下の茨城産と比すと、僅かに緑が掛かり粉の
           砕かれ方の特性が明らかに違っている。             

蕎麦は二枚目に入っていた。二種盛りのこの鹿児島産はご亭主が運んできた。
かなり強い芳香が立った。
ルー君の喉が鳴って、彼の最大限の褒め言葉が口から出る。
帰り、ルー君をご亭主にひき合わせる。
「前回は入り口で帰ってしまったんです」
「おや、それは!」ご亭主が笑う。
都会の真ん中で迷う回廊立地、逡巡させる眠庵の入り口、客はまずそれを超えることが必要になる。


「有名化したんだろうな」それが、彼に対する眠庵の答えです。
有名化とはそれまでの僕の蕎麦屋のブランド化の概念にも無かったものです。
「それは方法論があるんでしょうか」
ブランド化は記号化する目標があるとすれば、有名化はむしろ俗っぽく具象化していく作業です。
眠庵の名前そのものも暗示的で、ネーミングはそもそも抽象化して、なるべく記号化したいものだけど、それはまさに俗っぽくあり、人を食ったようなところがある。

一枚目は茨城産
        

「有名化のポジショニングはロジックとしては組み立てられるけど・・」後はその人間の質の問題だったり、蕎麦に対してどのような考えを持つかで決まるだろう、と僕がいい。
人間の質もこれまでのような職人的なものに科学的な実証態度が必要で、蕎麦に対しても畏敬のようなものがないと、そこまで昇華していかないのではないかと
話し合った。

3年前に眠庵を半年もかけてこつこつコツコツ手造りで工作して完成させた、彼の胸の内を思った。
そのことを前に聞いたことがある。“金が無かったからですよ”と彼は言ったが、決してそればかりではないような気がしてきた。
それに、彼はその時の思いは聞いても言わない気がしてきた。
コンコンと板を叩くたびに溢れてくるアイデアで胸の中は溢れていたでしょう。

「今度は誰かを連れてここにきます」彼がご亭主に言う。
高いハードルを越えると、喜びは深いものです。

眠庵 東京都千代田区神田須田町1-16-4  03-3251-5300  前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

NIKKEINET 日経WAgaMAga記事連載中・働く(起業)
ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ
●夢ハメールアドレス・・・toshiharu2214@edogawa.home.ne.jp

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石月 新丸ビル 再トライは方法を変える 

2008-08-06 16:02:28 | 麻布・六本木・赤坂・白金周辺・千代田区

相変わらず、元気に「広樹」さんが、「石月」で頑張っている。
もう新丸ビルも一時期よりは落ち着いたのではないかと、ランチに寄って見ました。
ビルがオープンしてまだ半年していないが、お昼時のあの当時の喧騒がありません。新開発地域は流動的で、人も飽きっぽいですね。

5階のレストランフロアも望むところには入れそうになっています。
石月もランチでは、2000円と3000円のセットメニューができていて、僕は2000円のものを選んで、喉を潤すものも頂きました。
セットメニューはご飯物と言うよりは、鱧いたや鴨ロースがあるから、ビールや酒を飲む人に向いたものでした。
これに、天ぷらが付いたものが3000円になります。これにビールを頂くと4000円にはなるので、これは僕には贅沢すぎます。

                   豆腐、菜、鱧いた、鴨ロースが付く


広樹さんを頭に助手見習いが3名、皆さんこれからという人ばかりなんだそうです。新小岩の「ひろ樹」を畳んでもう2年くらいでしょうか。
ここの若い人の指導をしながら、お昼の部で上がって、今は店舗探しの毎日だそうです。2度目のお店なのでテナントは慎重にならざるを得ないでしょうか。



蕎麦は広樹さんが打ったものです。繊細な蕎麦で香りもよく出ています。
茹でと盛り付けは助手の方のような気がしました。広樹さんだと水切りと盛り付けの感じが違います。
つゆはなかなかいいバランスの味です。鰹がしっかり出ています。
蕎麦湯を足していくとその鰹の出汁の濃くみが残っていました。
早く、彼の新店を見たいものです。
多分これまでの蕎麦屋とは違ったものになるはずです。これは、楽しみです。
6年も蕎麦屋をやり、再トライですから、違った方法論を取るのでしょう。
石月 新丸ビル5階 前記の記事

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大天門 浜松町  腹の中もヒートアイランドにする

2008-08-05 17:22:24 | 中華・エスニック・欧

この暑い中に、熱いもので申し訳ありません。
暑気払いに大天門の火炎鍋はどうか?と大きな声を出したら、2名の方が乗ってくれてそうなりました。ついでにちょうど仕事に区切りが付いたのでその反省会もありました。これだけヒートアイランドになっているのだから、もうついでに腹の中も暑くしてしまおうというわけです。

辛味噌を追加するから真っ赤になる。


この日も2階は貸切で、1階も満席。このところ景気のいい話は無いのに、経営が上手なのでしょう。半年ほど前に新たに大門交差点付近にビアバーを立ち上げ、そこそこの入りだそうです。
1ヶ月前には、これも交差点付近に、もと中華料理屋のあとを大改造して、スペイン料理の店を立ち上げた。

この中華料理の店は結構流行っていたから、その後だからほぼ間違いが無いでしょう。店舗を借りるのは、流行っていたあとか、長い間商売していたあとかが、鉄則で、毎年店が変わる後は立地とスペースに課題があって、なかなか難しいものです。
スペイン料理を日本人的に食べやすくした店で、これも多分人気店になるでしょう。独立資本で3年で3店舗、すべて店のジャンルが違うから、彼のビジネスの勘が鋭いと思う。

トマト、冬瓜、じゅんさいが
良いバランスで、中華味だが、ソフトな味付け。

「塩味が抑え気味になってる」
トマト、冬瓜、ジュンサイのあんかけソースは今日の逸品でした。ここは、気の置けない蕎麦屋と同じで客の趣向を憶えていてくれます。
客の反応や批評はすぐに厨房に伝わる。
味について言えない店や聞こうとしない店はそれだけで客から遅れてしまう。


定番の餅豚、これはかなり美味くなりました。右はひらめ中華ソース。

ここの三店ともフロアーの肝心な部分は、マニュアルで動いていない。客の顔色を見るように訓練されている。
この点は蕎麦屋も見習いたい。特に蕎麦屋こそそれがこれから必要で、客の神経が休まる店を考えて欲しいものです。それに、客はしゃべりたいものであることを、ここの店長はよく知っていてその点も優れている。

熱い鍋を食べて、その後にあつあつのラーメンを食べて、
反省会もヒートアップしました。


大天門 港区浜松町1-24-7 03-3437-7211  前回の記事


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眠庵 神田須田町  蕎麦屋の醍醐味はお昼に限る

2008-08-02 12:20:57 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区
お昼の眠庵は久しぶりです。
週に火曜と木曜の二回だけの営業で夜の賑やかさと比較すると、席はよいペースで埋まるくらいなので居心地がまるで違います。
この日はご亭主にお願い事もあり、ハートランドビールを頂きのんびりランチを頂く事にしました。
「7月のオフ会で訪問した時の写真はデジカメを無くして記事はアップしていません」


自家製のお豆腐が席についてから20分ほどしてから出来上がるというのでそれを待ちながら、日本酒も追加し、蛍烏賊の塩辛をお願いした。
ご亭主とは京都の蕎麦屋や料理屋の話になる。彼は先週、僕はその前の週に京都を訪問している。
さすがにご亭主はその訪問で5店舗くらいを訪問されていた。食べ歩きが趣味だという彼もこのところその回数が減ってそれが悩みだという。


蕎麦屋をしていた頃、僕も人一倍食べ歩きが好きだったので同じように辛かったものです。
「お昼の二日はおまけです」
確かにご主人としては夜だけのお店にしたいでしょう。だけどそのお昼の2日でもこうして馴染みの方や新顔の訪問客があるのだから、なかなかある意味あり難くて止めるわけにも行かないのでしょう。

蛍烏賊の沖漬け。
眠庵は塩物などの肴がよいものが揃ってる。

忙しい合間に蕎麦の打ち分け会も年に数回やり、蕎麦や食材の研究もやるから恐ろしいほどのエネルギーです。
何故眠庵がこうまで人気があるのか、それはマーケティング上からは解明できますが、もっと下地に蕎麦への憧憬と深化欲求があるからでしょう。

自家製豆腐。
出来立ては温かく大豆の甘みが広がる。

先月、柏の竹やぶでご亭主と石神井「菊谷」さんや神奈川「くりはら」さんなどの会話を聞いていると、同じような志向性を感じたものでした。
明らかにビジネスラインとは一線を画したヌーベルバーグの旗手たちが誕生している予感があります。
蕎麦の地を這うような土着性と新しい感性の調和、それがまた蕎麦屋を変えていくでしょう。

モダニズムの巨城「竹やぶ」で、そのモダニズムに距離を置く
彼等とそば会ができたのも不思議な偶然でした。そこで、新しい方向性を示す何人かの人達が居あわせたというのも時代の必然性で、
僕はあの時を思い出して、今少し身震いしています。
蕎麦屋のポストモダンは、ポストという軸抜きで彼等が抜き去っていくことが
僕の胸に膨らんでいます。

一枚目の山形産。
この時期になって噛むと甘みが出てきた蕎麦と聞いた。

蕎麦は2色で山形産と茨城産です。その山形産にも当然ながら地域の特性があります。
新蕎麦の時は香りも平凡ですが、時間の経過で穏やかに空気が抜け湿気に触れてくると、蕎麦本来の特性が開いてくる蕎麦があるそうです。
その山形蕎麦の説明を彼から聞きながら蕎麦を頂きました。
忙しい夜ではなく、彼の話を聞きながら食べられるこの時間にきてよかった。
眠庵の醍醐味に触れるには、それはお昼に限るかもしれない。

眠庵 東京都千代田区神田須田町1-16-4  03-3251-5300  前回の記事

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竹やぶ 六本木  子供心を呼び返そうとしてる

2008-08-01 16:28:16 | 麻布・六本木・赤坂・白金周辺・千代田区
あれは、けやき坂の木を冬のネオンが飾っていた頃だから、しばらく来ていなかった。この日はお客を招いての食事会だから個室でコース料理です。
ビールは僕の好きな銘柄の上にお遊びのラベルが貼ってあります。こんなことだけで座が随分盛り上がります。

あまり蕎麦屋に来られない人なのでそれなりの楽しみにはされていましたが、このラベルには意表をつかれたようです。お願いした二本のビールとも違ったものが貼ってありました。
竹やぶのメニューをお客が眺めて笑っています。そうです、こちらのメニューは悪戯がきのようなイラストや外国の漫画のようなものが書いてあったり、立体物なども貼られてあります。

トマトと胡瓜を包んだ蕎麦掻


乾杯の後、氷を敷いた先付けが来ました。
これは蕎麦掻でした。蕎麦掻は切り口が入っており、その切り口からトマトと胡瓜が見えます。蕎麦掻はトロンとしてプリンのような食感でその中に細かく入ったきゅうりが噛むたびに歯ごたえがいいのです。
野菜が入った蕎麦掻は初めてで、新しいトライは成功していました。この蕎麦掻は夏だけの趣向なのでしょうが、季節を問わずに食べたいものになっていました。
鰊や昆布煮
自家製からすみや味噌豆腐
         
  海老のみそ焼きや鱧練

前菜はお客様をもっと喜ばせます。一点、一点女将が説明をしてくれますが、珍しい食材が並んでいてこれも話に花が咲きます。
鰊と付け合せの昆布や海老のみそ焼きは定番ですが、珍味物が並んでいて見るからに楽しいですね。
前菜の後は、これも定番のホタテと塩辛の鉄板焼きです。ほたては生ですから少し鉄板の上で焦がすくらいが食べ時です。

鱧と塩辛を焼く
     ふわりとした出汁巻き
海老と野菜の天ぷら

塩辛も同じく鉄板において焼いて食べます。コースの終わりにせいろとかけそばが来ます。
「冷たいのと温かいのと両方美味しいのは初めて」今日お客さんをここにお連れした甲斐がありました。


                    

7月の初旬に柏に行き、末には六本木に来て、同じ竹やぶですが、蕎麦のニュアンスがやはり違います。
それは舞台も違うし、演出もちがいますから、その微妙なニュアンスも大きなものに感じます。

六本木の舞台は小さいけど、手作りのメニューやビールのオリジナルラベルなど、その他お店の随所に細かな演出があって客を喜ばせます。
それは自由な子供心を呼び覚まそうとしているかのようです。
それができるのは、蕎麦屋なのだからでしょうか、それとも竹やぶなのだからでしょうか。
竹やぶ 港区六本木6-12-2 六本木ヒルズレジデンスB 3F
03-5786-7500 前回の記事

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