蕎麦の散歩道

美味しい蕎麦と、楽しい食の道を歩む。

岩舟 大塚  ビジネスランチは短めに

2008-05-31 11:03:29 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野
お昼の打ち合わせを、二駅離れた大塚まで足を運んだ。
一時前に「岩舟」に入る。2人だけど、4人席にしてもらった。ビジネスランチで隣り合わせは都合が悪いし、面と向かって話を聞かなくてはいけない。このところ寒くて、温蕎麦に目が行きます。
僕は鴨なん蕎麦、連れは鶏蕎麦、もちろん鶏蕎麦か、葱蕎麦がここは美味いと薦めたわけです。普段なら、自分用にもう一枚せいろなのですが、このところ少しダイエット(気持ちの問題)をしているので、2人でせいろ一枚にした。

大きなレア肉が5枚

連れは途中入社の新入社員で、30代半ばの女性、今キャリアウーマンに育ちつつある。この2ヶ月で大きく化けてきた。
およそ自信を持った女性の行動力は男にはかなわない所がある。ストレートに目的にたどり着く。男はその点、根回しとか、人脈とか、遠回りしながらリスクを避けて到着しようとする。
僕は彼女に危険エリアだけを注意する。後は、彼女に勇気を与えるだけです。勇気を持ったビジネスマンほど強い者はありません。
ほとんどの場合、失敗を心配して、勇気を消失しているビジネスマンがほとんどです。右手に勇気、左手に行動力、結局僕のコンサルティングは、勇気を与える事で、あとのことは、それを納得させるための理論武装にしか過ぎません。

          

鴨なん蕎麦は視覚的に美味しさが伝わってきます。鴨のレアの焼き加減について彼女に語りたくなる。このあたりが蕎麦好きの悪い癖ですが。
鴨を焼いて入れるタイミング、それは蕎麦屋の亭主の一番苦労するところで、客への見栄えと、美味しさをそそる感覚的なところでもあります。ここに神経を使わない蕎麦屋の鴨なんは美味しそうに見えないし、事実美味しくないのが僕のこれまでの経験でした。

しかも、鴨の美味しさが蕎麦汁と合わさっていないと汁自体が生かされない。鴨が全体に影響を及ぼすというわけです。
「最終ゴールが悪いと、駄目という事ですか」
今の仕事の結末をどう飾るかについて彼女が思い当たる。飾り方が大事だと感じたようです。頭のよい女性です。

            鶏蕎麦も人気がある

この一言で打ち合わせが終わったも同然、ビジネスランチの終了というわけです。後は岩舟に何人かで夜いつくるかとか、そんな話に終始します。
なぜか、岩舟は女性の心を酔わせます。しかも、お昼なのに夜来たいと言い出すのですから、それは大きな引力になっています。
設計のコンセプトが元々そうで、それはご亭主の全体を覆う考え方がはっきりしているのでしょう。

舟もりの美しい蕎麦

居酒屋の激戦区、大塚で生きてきた先代の苦楽を見て育ってきた事が生きているのかもしれません。
「必ず、今度夜来ます」
帰り、ご主人に彼女が挨拶した。蕎麦も、お店も気に入ったようです。
オフィスから往復30分も掛けて打ち合わせに来たかいがありました。
後日、岩舟の夜に彼女と彼女の友人の中に僕が入っているかどうか、それは僕の後の楽しみになります。

岩舟  東京都豊島区南大塚3-53-9 03-3987-9266                            12:00~15:00 18:00~22:00 
            定休日・日曜日・第2・4月曜日 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

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美登里 浅草橋  大事に大事に蕎麦を食べる

2008-05-29 21:07:17 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

この日久しぶりに浅草橋をお昼に通る。
時間も1時近くだから「美登里」に急いだ。昼は確か2回目のような気がした。
ここは、お昼はご飯物と蕎麦が選べる。ご飯物は店の前に見本がでています。僕も一応はそれを見て、ご飯と蕎麦と両方を食べられないかをチェックしたが、それはやはり無理なことがわかった。両方食べたら、量がすごいことになる。



客の入れ替わり時のようでカウンターに空席があった。お昼、のんびりした時間、女性客が多く、デザートを食べながら休憩を楽しんでいます。
この日は、この後親戚の不幸があって、郊外のほうに夕方出掛けるだけだから、ビールをいただきました。
この一ヶ月半で身近に不幸が3っつもあった。四十九日の法要を入れると、もっと多い感じがして忙しかった。
これだけ重なると自分の身辺整理も真剣にならざるを得ない。いつか我が身が切実なことになる。



蕎麦が来ました。気持ちがそちらに向いていたから蕎麦の顔を見ると真剣にありがたく思う。
悪い癖で一日0.65食平均で自分の寿命を掛け合わせると、あと何枚蕎麦が食べられるか計算していた。
一日に0.65食は少なそうですが、2日で一枚の勘定ですから、食べていそうでもそんなものだろうと思います。
                 蕎麦にサラダ、稲荷寿司、味噌汁
           

0・6と0・65との差は結構大きい気がした。携帯を取り出して、あと十年の寿命で算出する。総計はなんと、たいしたことがなかった・・。やはり、0・85くらいに上げないといけない。
大事に大事に美味しい蕎麦屋を選びながら食べないといけないと思う。
ロールキャベツがきた。春キャベツの甘みが美味しいからゆっくりと味わいながら、味噌汁まで平らげた。

春のロールキャベツ

気がついたら、この3日ほどのダイエットがほぼ無駄になったようだ。蕎麦は今年に入って、美登里は好調です。
蕎麦の香りも強く、こしが相撲用語で言う二枚腰のようになってきた。柔らかみの中に強いこしを感じさせながら跳ね返す。これでつゆがもう少し強みがあるといいのかなと思うが、それは欲です。

ばねのある二枚こし

水羊羹のデザート

ふと、冷蔵ケースを見ると辛味大根がある。次回の夜は、辛味大根のぶっかけを無理を言って作ってもらおうと考えていた。
“大事に、大事に”今年後半のテーマワードにしよう。


美登里 
台東区浅草橋4-4-6草橋4-4-6 03-3851-5141              11:30~14:0017:00~21:00  定休日 土・日・祝 前回の記事

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おざわ 浅草  かけそばの掛け算

2008-05-28 13:37:11 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

どぜう(どじょう)の飯田屋を右手に見て「おざわ」に入る。
金曜だから念のため予約を入れて、場所がうろ覚えだったので女将さんに道を聞いた。
「前に一度こられましたか?」
顔を見て、名前に特徴があるので憶えていてくれたようです。
おざわには前回一人できて、次回は2人くらいで来ようと思っていた。一人だとおざわの美人葱を頼む勇気が無い。
かなりなボリュームなのでその一点で終わってしまいそうだからです。そのために打ち合わせも兼ねて友人を浅草まで連れてきてしまった。

セゾン・デュポン

僕はベルギービールを頼む。友人は飲めないくちなのでお茶です。
セゾン・デュポン、これは酸味も苦味も甘みもみんなストレートに舌に届いてくるビールです。セゾンというのは季節という意味で、かつては春に仕込んで夏に飲むものだったそうです。
前回楽しんだ、修道院で製造されている「オルバル」はどちらかというと香りが強く、苦味に特徴がありましたが、これはバランスのよい飲み心地が味わえます。

黄身の味噌漬け

玉子だ!、と彼女が声を上げる。僕は玉子好きで、JRで販売されている塩味つきのゆで卵は毎日のように食べているが、彼女も負けず劣らず玉子が好きだそうだ。
世の中には玉子好きは結構多くて彼女の知り合いは1日卵を7個くらいは食べていたそうで、それが因かどうかは定かではないが、体を壊したそうだ。
蕎麦の食べすぎは別にして玉子類の過食は体に悪いでしょう。

「どうして、こんな綺麗な色になるんだろう?」
彼女が女将さんに訊ねる。彼女も卵の味噌漬けには何回もチャレンジしたらしく、女将さんと細かなやり取りをして納得した。
それは、味噌漬けに入れる玉子の黄身のやり方そのものが違っていたようだ。
「それでも、こんなに上手にできるかしら?」
「ここに食べにくれば?」
「そうだね」
             美人葱のおひたしとそば豆腐


料理は美人葱のおひたしやそば豆腐などをいただく。
その合間にまず田舎そばを二人で手繰ります。田舎は固めの打ちあがりでもぐもぐした味わいです。この頃は僕は日本酒をいただいているので、つゆを肴にします。彼女は元々美味しい蕎麦だとつゆが要りません。
ということはかなり気に入ったのでしょう。
                        田舎そば、弾力のある食感


蕎麦を食べてからそら豆の天ぷらをオーダー。大粒のそら豆をカリカリに揚げてあって、これはお茶を飲む彼女のおやつにもよかったようです。
〆は僕がかけそばをいただきました。小椀をもらって彼女にも小分け。しっかりしたそばに汁の旨みがからみます。
           そら豆の天ぷら、下はイカとホタテのさつま揚げ

                 

温かい蕎麦には深みがありました。かけそば単独で客に満足を与えるのが蕎麦屋の醍醐味です。
メニューの温かい蕎麦の最初に、「かけそば」と書く、それは亭主のありようを感じるものだし、客がそれを選らんでくれるのが一番嬉しいものです。
かけそばを食べたくなる店、いくつかそんなお店があることを自分の指で勘定しながら、おざわも間違いなくその指の中にこの日に入った。
かけ蕎麦は他の温そばにも影響を与える。それが美味しいと鴨も、天ぷらも、牡蠣も
、他の種物も食べたくなる。そして、また順繰りに蒸篭が欲しくなる。
かけそばは思いがけない掛け算の仕掛けを作ってくれるというわけです。

             出汁の下味と返しがよいバランス
               

「浅草まできてよかった」
彼女は料理も、田舎もかけそばも気に入ったようで、帰りの道順を確認する。次は僕抜きでも来ようというわけです。どぜう屋があるから間違える恐れも無い。
気分がよく、我々は雷門まで歩いて何かお土産を買おうとしていた。もう時間は10時に近く浅草名物のお土産屋も閉店していた。
だが、どうしても何か甘いものでもと、シャッターの下りた店々に歩きながら彼女が目を走らせる。

美味しい蕎麦を食べても甘いものなどを買いたいというのはまた別な問題のようだ。
それでも雷門近くに甘み屋があって、人で賑わっていた。
彼女はそこの名物餅を二つ買う。それを買えば浅草に来たことで気が済む。
美味しい蕎麦屋と老舗甘味屋、これは満足度が120%を超えていたかもしれない。
女性はやはり、男とはどこか性向が違うなと思った。

おざわ 台東区西浅草2-23-15 03-3841-6450 前回の記事   
             17:30~21:00 お昼は土・日・祭だけ営業 
             定休・月、第一、第二火曜


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案山子 芝  ソースを解く楽しみ

2008-05-27 17:16:21 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

この日は「案山子」に3人で入る。
最初の15分ほどは友人と二人だったが、後にルー君が合流した。ようやく忙しいのが終わったようで顔が少し晴れていた。
およそクリエーターはどうも忙しくしていないと嫌みたいで、その隙間で遊びを楽しみたいようだ。

昨年のような京都遊び、今年に入ってのミシェラン遊びにも勢いが無くなって、何か違うものを我々は模索しているが、方向が定まらない。
先々週から案山子のメニューが変わっていて、友人がそれを見て、感心する。
毎週メニューが変わる。

「全部いっちゃおうよ」僕がメニューを見て、蕎麦と料理を全部食べようと言い出したが、ルー君はそれにはすぐ賛成する。
そんなことが好きな性格です。
「端から端まで」
「京都を思い出すな」
京都の湯豆腐「喜幸」のメニューを平らげそうなこともあった。
                  蒸し鶏とキュウリの甘夏ソース


「昨日、日帰りで京都に行って、三嶋亭に行こうとして」
ルー君が言う。
「行ってきたの?」
「三嶋亭、予約までしたんだけど、ちょっと別件ができてキャンセル」
「京都日帰りですき焼きを食いに行くのは、今的でなく新しいかも」
「参加しますか?」
「考える」
そう答えたが、なかなか日帰りだともう辛いものがあります。
   海老とブロッコリーのサラダマヨ
    キャベツとコーンのエスニック
    ま蛸のみどり酢がけ   
     

案山子の料理の特徴はソースです。どれもソースに変化があっていい味です。
最初、口に含んで3人でアレだ、コレだと言い当てながら、考える。なかなかソースの答えが解けないときは、ご亭主に聞いてみる。
あ、これか、というような素材が使われている。なんだ!と思うが、さて作るとなるとコレがよくわからないから、結局案山子に来て食べればいいが落としどころになる。
この日は茎味噌チーズを完璧に舐めるように食べた。

       蕪の茎味噌チーズ

途中で、この日は田舎そばを頼む。噛みごたえがあって、ざらつき加減が適当で味の濃い田舎です。
つゆはこの田舎だと丁度よい感じがした。
                        田舎蕎麦


最後に、葱そばとせいろを注文した。葱そばは醤油を効かした汁で、割合油は抑え気味にあっさりと作りこんである。
これは最初に食べた田舎がもっと美味いかもしれない。
              葱そばせいろ


大分、メニューが増えてきた。この調子でメニューも増え、客も増えてきたら可愛い花番を置かなくては、手が回らなくなるのではないか。
それは、僕の意見ではなく、三人の一致した見解でした。
これで、焼き味噌を除けば全メニューを平らげたことになる。
当分端から端は、京都でなくて芝でよろしいでしょう。

案山子(かかし) 港区芝2-12-9 03-6272-4416 前回の記事
                  
11:15~14:00 17:15~21:00(土曜12:00~15:00)
                        定休・土曜、祝日

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松翁 猿楽町  蕎麦屋の空気を味わう

2008-05-25 20:32:03 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

入り口の横にある水槽の中には稚鮎が泳いでいる。
美味しそうな地鮎だと思ってしまうのが自分でも恐くなってしまう。
「あ、銀宝だ」連れが網のなかに隔離されているのを、目ざとく見つける。運がいい、まだ銀宝がグロテスクな体で泳いでいた。
銀宝は獰猛だから一緒に放しておくと地鮎を喰い散らかしてしまうから、水槽の中の専用のタモ網のなかに入れられている。
「松翁」の天ぷらの注文を予め頭に入れながら席に着いた。

      濃い出汁が効いた穴子の煮こごり
            

いつもの通り、肴は穴子の煮こごりで始まる。厨房側の壁の桟にご亭主が書く張り紙を見る。これが松翁の楽しみのひとつです。
季節や毎日の仕入れでメニューが変わり、日本酒もその時々で仕入れが変わるから、その都度書き換わる。
真っ白な和紙に黒い墨文字。これが松翁の蕎麦屋然とした空気を作っている。
いつ来ても白い張り紙、一年を通してそれは新しい。

蕎麦屋商売に妥協がない姿勢を僕はそこから感じる。その張り紙の中にご亭主が選別した酒の名前が10数銘柄黒文字で浮かんでいる。
そこから最初の一本を選び出すのはやはり慎重になる。ご亭主と勝負するような、そんな気分にもなってしまうから。

サヨリ昆布締め

季節物は、サヨリの昆布締めを見つける。これはなかなかのものでした。おろしで座布団を作り、盛り方に工夫をしてあります。
サヨリは淡白な肴ですから昆布の甘味を体に移してポン酢で頂くと、複雑な味わいになり酒がすすみます。
      稚鮎に沢蟹、少し遊びたくなる
            
  

目当ての天ぷらがきました。この時期まだ銀宝が残っていたのですから気分もよくなっています。
稚鮎はほんのりした苦味で、沢蟹も楽しい。それを連れが悪戯したが、女将さんが笑っていたから、こんな事には意外と面白がるのだろう。

   ヤングコーンがカリンと、
            アスパラの天ぷら
 春最後の銀宝か

酒も相談すると、一升瓶を席まで持ってきてくれて辛い、甘いなどを説明してくれるのだから、気さくな女将さんの一面を見て得をした。
ワインは多少わかるが、日本酒は銘柄の好き嫌いが極端で幅の広さを僕は余り理解していない。
最近、酒の酸味が大分わかるようになってきて日本酒が楽しくなって来たところです。それまでは糖度や米の果実の芳香くらいにしか喉が反応しなかったのですが、多少進歩したのでしょうか。

地鶏の塩焼き

「蕎麦食べますね?」
酒ばかり飲んでいたら女将さんが心配して聞きに来てくれました。
蕎麦は変わりそばも田舎も無くなっていました。

                     美しい、手摘み早採りじゅんさい


せいろと今が旬のじゅんさい蕎麦をお願いした。じゅんさい蕎麦は秋田のじゅんさいをひやかけにしてあります。
「このじゅんさいは、見た事無いけど?」
いつも食べているじゅんさいと違います。葉を丸めたものではなく、葉が育ちきらない前のものを手摘みで収穫するもので、かなり手間が掛かるそうだ。
このような綺麗な色をしたものは初めて見たし、初めて食べました。
これは、女将さんに質問して聞いたものです。この日はよく女将さんを呼んで色んなことを質問しました。
その質問の答えを聞くたびに、我々はお腹も膨れ、満足も大きくなり、松翁の空気をも味わいつくした。



ひやかけは熱汁蕎麦のものとは違っています。出し汁を効かして、薄口醤油で喉にするする入りようにしてあります。
この冷やかけは、下呂の「仲佐」で味わったものに匹敵するかもしれません。丼は舐めるようにして飲んでありました。

香り高いせいろ

僕が女将さんに色々聞いている間に連れがすっかり処分したに違いありません。
「このじゅんさいはいつまで?」
いつもの悪い癖が出て、聞きそうになったが、その質問を飲み込んだ。
それは客と蕎麦屋の出会いと、季節の巡り合わせにあるから欲というものかもしれない。そうに違いないと思った。
蕎麦屋を味わい尽くす、そんな客に自分は少しでも近づきたい。

手打蕎麦切 松翁 東京都千代田区猿楽町2-1-7 03-3291-3529
                11:30~16:30 17:00~20:00(土)11:30~16:00 
                 定休・ 日、祝  前回の記事

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山水 亀戸  一人客のXを解いてみたい

2008-05-21 15:05:46 | 江戸川・江東・葛飾・新宿・大田区・足立区

錦糸町の「花や」を閉店で失って以来、なかなかこの辺りに適当な蕎麦屋がない。
適当なとは、曖昧な言い方だが、オフィスから家に帰る時に食事を逸する時がある。
そんなとき、帰りの電車のラインに1人で寄れる蕎麦屋があるといいのですが、それが結構難しい。

1人で寄る店には自分なりにアレコレ考える。入りやすい店と入りにくい店もあり、入りやすい店で言うと、帰宅のラインでは浅草橋「美登里」がそうです。
僕としては帰宅のラインでもう一店あると嬉しい。ただ、1人で入りにくいからといって嫌いかというとそうでなく、2,3人では行きたい魅力的な店は沢山あります。
一人だから困ってしまうんです。



「山水」は亀戸です。亀戸も帰宅ラインです。亀戸には駅のセンター街に「一休」があり、山水とは駅を挟んで反対側になります。
ここを知ったのは、蕎麦麩羅座さんのブログで、早速に行く事にした。
11時半に店に着いたがまだ準備中で聞くと12時開店だそうだ。丁度、交差点の近くにドンキーがあって、こんなとき時間潰しに助かる。
普段買えない物があるのだが、ここだとほぼ何でもある。ただ、余計なものまで買ってしまうから難点もある。
12時開店と同時に先客が一名、僕が座ると2名一組が来る。メニューを全部見てからだから注文を出すのがどうしても遅くなる。従って、後から来る客の後塵を浴びることになる。
       

その中で「変わったお蕎麦」というのがあって、「マニア向け」、ともうひとつ「冗談がわかる方の蕎麦」というのがあった。
前者が釜揚げ蕎麦で後者が豚せいろであったが、それぞれどういうわけでそうなかわからないが、僕は釜揚げ蕎麦を頼んだ。
自分ではマニア向け蕎麦は、むしろせいろや、田舎蕎麦ではないかと後悔したが、選んでしまったから仕方がない。
そんな言葉につい引っかかりやすいタイプなのは確かです。蕎麦は蕎麦湯に入ってきた。
   冷たいつゆで、温かい釜揚げ蕎麦を
  

蕎麦湯は多分、一番粉で作った蕎麦湯だと思うがかなり白濁していた。もしかして、蕎麦はこの蕎麦湯に負けているかも知れない。勝つとしたらやはり蕎麦掻きなんでしょうか。
悪い癖でこの蕎麦を自分なりにこうしたら自分好みに変えられるなどのアレンジ方法を色々考えてはみた。
それだけ客に考えさせるのは、よい店になる方向にあるのでしょう。

1人で行く蕎麦屋はこのところ限られてきていて、猿楽町「松翁」、浅草橋「美登里」、神田「まつや」、根津「鷹匠」、銀座「湯津上屋」、新橋「ひろ作」、芝「案山子」などですが、よく考えると特別な条件などというものは無いのに気付いた。

1人で漫然と行くというより、積極的に1人で入りたい蕎麦屋という意味です。その範囲では、共通点が無い。強いてあげると、気分がいい店、これはなんと曖昧な概念だろうか。
コンサルタントしてはこれは考え方が甘すぎるかもしれないです。この気分のよい店、パーソナルな意味での、この気分とお店の関係性を解明しなければならないでしょう。



田舎そばを一枚追加した。一番粉を多めにして細かな粗挽きを配合してあるようです。かなりこしが強く、香りは穏やかな感じです。
この蕎麦を釜揚げに薦められたのを思い出した。せいろよりはこしがあるから確かにこちらのほうが向いているかもしれない。

さらに、一人で入りたい積極的な店の共通点は?と考えていたときに、少し閃いたものがあった。
どうも、それは自分のキャラクターとの相関に思い当たった。そして、お店自体のキャラクターナイズされたものとの相関に思い当たった時に、Xが解けた。

そのXはそのすべてに共通して存在していた。
個は個に対峙し、個を求めるものには個を与えよ。手打ち蕎麦屋はそこからスタートしているのでしょう。
この日は禅問答になりました。許してください。

山水 江東区亀戸6-24-8 03-3684-0543  
       12:00~15:30 17:30~21:30 定休・月

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童心舎 西日暮里  下町の熱い辛汁

2008-05-20 15:48:36 | 世田谷・杉並・練馬・北・荒川・豊島

お昼の始まりは、どっと混む。
1時過ぎになると空きが出るのだが、そうなると蕎麦の売り切れがあるので、それも困る。売り切れは変わり蕎麦、田舎、生粉の順番で、今日は何とか
その変わり蕎麦にありつけた。
                      青海苔が潮の香りを運ぶ

海苔蕎麦は結構珍しい。刻み乾燥海苔を練りこんである。海の匂いがそこはかとなく漂う。
時々、変わり蕎麦はどうしていいかわからないときがある。その香りを楽しみたいときは、つゆにつけないで楽しむのですが、そうなるとせっかくのつゆがもったいない。
柚子きりなどもそうだ。つゆに漬けるとその香りが死んでしまうので、つゆはそば湯で埋めて飲むしかない。変わり蕎麦のときは、皆さんどうしてるのだろうか。

    鶏蕎麦、熱い、辛汁

ついでに鶏蕎麦をオーダーした。メニューに天とじ蕎麦というのがあって散々迷ってこれにした。童心舎では、温かいそばは初めてで、かなりな熱い辛汁になっている。三代ここで蕎麦屋で、下町の醤油を効かしたものにしてあるのかもしれない。
童心舎 荒川区西日暮里6―52―6 03―3893―1879前回の記事
             11:30~14:00、17:00~20:00 定休日・月曜、第3火曜

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坂 恵比寿  蕎麦は赤ワインのように

2008-05-18 07:25:21 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野

打ち合わせが終わって恵比寿に行こうと誘われる。
何故恵比寿なのかわからなかったが、白金女史が「彼」ともそこで落ち合う。 恵比寿駅に自家用車を預けてあるという。
自宅から恵比寿駅までチャリに乗って、この日はあちこち回ったようだ。僕も行きたい店があって直ぐにこの話にのった。
丁羊「坂」という店です。丁羊・・ひのと(火の弟の意味もある)ひつじという、中国の古い難解な年号と月日を記号として持つ蕎麦屋です。


恵比寿の裏通りから「坂」に向かう。途中、オープンカフェやら、オープン居酒屋、倉庫レストラン&バーなど、恵比寿は自分がもう少し若ければ入ってみたいお店が沢山ある。
いくつかのお店はもう僕の年齢をターゲットとしていないお店だとはっきりわかる。
「坂」は開店して一年だという。

夜のメニューは、カジュアルフレンチレストランのようなチョイス式になっている。3700円がコースの基本で、これにメインを3種類(2000円前後) の中からひとつ選び、最後に十割蕎麦(1000円)を付ける。したがって、コースは約6700円前後となる。


特別高いという印象はない。メニューには蕎麦屋の一品ものがありません。玉子焼きや蕎麦掻、焼き海苔といった定番がありません。コース料理から選ぶようになっているから、ふらっと1人で肴を一品頼んで蕎麦を手繰るというスタイルにはなっていません。
「接待にはいいな」
彼がお店の雰囲気とコース料理を見て彼女に言います。白金女史の「彼」のようにお客さんとの付き合いの多い人には丁度良いようです。

じゅんさいの前菜
もずくとすり山芋が上に

前菜は青森の出始まりの“じゅんさい”にもずくがのっています。相当なじゅんさいだと思いました。
これだけ葉がふっくらしていて、トロ水が綺麗なじゅんさいはなかなかお目にかかりません。接待の多い「彼」がうなるのですから、よいものなのでしょう。
             筍とホタテのリゾット、筍は炙り、帆立は半生、生青海苔添え


次は、筍とホタテのリゾットです。これも本格的なものでした。
「料理屋にも、フレンチにも修業に入りました」
どんな料理屋に入ったかという、僕のストレートな質問にご亭主の自信が覗きます。
「蕎麦は独学です」
さりげなくそうも言いました。
たしか豪徳寺の「AMECOYA」も独学だったので、これで連続2店です。「あめこや」の蕎麦はしっかりした蕎麦だったのを思い出しました。
                      鯛、ホウボウ、イサキの作り、イサキは皮目を炙ってある


お造りからは、和食の修業が見えます。刺身の切り口と切り身の巻き方、全体の盛り付け、そして、魚の組み合わせが見事です。
ホウボウの淡白さ、鯛の甘味、癖のあるイサキの炙り、単に旬ものを並べるのではなく、それぞれの持ち味生かしながらのバランスがいいですね。
      イベリコ豚のロースト
      

フレンチがきました。イベリコ豚のローストと野菜です。イベリコ豚はローストするとこりっとした独特の食感が持ち味ですが、噛み心地もあって脂身の感じない赤味肉のような甘味が舌に落ちてきました。
ベビーリーフなどの野菜、空豆やヤングコーンの他、肉の下敷きにキノコ類のプリンとした食感も味わえて本格料理になっていました。

途中、蛤の椀もの

御免なさい・・・肝心の蕎麦の写真を撮り忘れました。
形容すると、姿、形は銀座「流石」の細い蕎麦を0.2ミリ太くしたような蕎麦です。こしは微妙です。
水切れは「無造作」の作為があるような気がしました。
このような蕎麦を初めて食べた彼女が黙々と感想を漏らさず食べています。

「氷で締めないのですか?」帰り、ご主人に質問しました。
「蕎麦は赤ワインと同じだと思うのです。冷たくしません、そのままでお出しします」


道を歩きながら、彼が田舎蕎麦が大好きな女史に、どうなの?と質問しています。
蕎麦の感想を聞いているのですが、彼女が答えません。
初めて氷で締めてない蕎麦を食べた彼女が、その評価を出しようが無いのはわかっていました。
“蕎麦は赤ワイン”と同じという、ご亭主の言葉を彼女も聞いていたはずだろうと思います。
それは、難解な答えです。僕にも答えが容易に出ません。
もしかして、熟成蕎麦の謎がそこにあるのかしら?とも考えていました。次回はワインリストから赤ワイン選んで蕎麦を食べよう。

「ここは接待で使うかな」と彼。
「レストランとして?蕎麦屋として?」
今度は女史が彼に質問します。今度は彼が答えません。 彼が接待でどう使うか迷っているのがわかりました。お店自体も難解なのでしょうか。

「それじゃ!」と、僕に質問が来ないうちに僕は駅に向かって走った。
難しい質問がくるのはわかっていました。これは、逃げるが勝ちです。

丁羊 
渋谷区恵比寿2-8-13 03-5795-1147 18:00~22:00(LO)
定休・日曜

『こだわり蕎麦屋の始め方』

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著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ

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あめこや 豪徳寺 拝んでも手に入らない蕎麦を食す 

2008-05-14 15:07:24 | 世田谷・杉並・練馬・北・荒川・豊島

喫茶店かパスタバーのような顔をしたお店です。
麻布「たじま」で、yukaさんとそば箸さんがこの「あめこや」のことで大いに盛り上がった。正式には「AMECOYA」という。
しかも、そば箸さんのお住まいに近いのだと聞いた。そば箸さんは4,5回チャレンジして入れたのは一回しかなく、そのくらいの人気店なのだそうだ。
yukaさんもおすすめの蕎麦屋だった。



この日、行きたいと思い立ってすぐにそば箸さんに連絡をとって、付き合ってもらうことにした。5時の訪問で玄関の戸口には、もう本日予約で満席の断りがきがある。噂通りでした。
まだ、若いお二人です。ご主人も、女将さんも初々しくて、まだ開店して一年半なんです、と我々を迎えてくれる。
付きだしに胡麻豆腐のセット。ビールをやりながら、メニューを開くと、結構料理が並んでいる。



酒も大好きな鳳凰美田、飛露喜などがある。酒蔵直送の酒を見ると福島「天王山」というのがあって、これはご亭主の実家で造っている酒だという。
なるほど後の何種類かの酒を見てもそれなりのものがあるはずだ。

自家製の熱々のさつま揚げ             山芋味噌漬け


自家製のさつま揚げ、山芋の味噌漬けをオーダーして、その天山から日本酒をスタートさせました。この席以外の予約は、すべて6時半だそうで、なんとそれまでは貸しきり状態だそうです。休日で出足が遅いのでしょうか。
これはなんと気が大きくなりました。
「蕎麦はほぼ独学です」
こんな時でないと聞けないことを沢山質問しました。

さつま揚げは油を落とすために炙る。
ついでに、山芋の味噌漬けも炙るとよい。

料理屋に入って修行をされたそうです。メニューの一品ものに魅力的なものが多いのはそのせいだったのでしょう。
熱々のさつま揚げを少し炙って油を落として食べるのは、女性ばかりか僕などのカロリー過多の男にも嬉しい配慮で、少し焦げ目を付けて醤油が弾くのが楽しい。



石川産のサヨリときゅうりとの酢締めもいい味を出しています。豆腐の揚げだしはそら豆の搾りソースを掛けてある。卵焼きは青唐辛子を包んだものにしてもらったが、たっぷりのだし汁で巻いてありました。青唐辛子のピリ感が少し舌に届くが、玉子の甘味や出し汁の旨みで抑えられてボリュームのある味わいがありました。
酒蔵を実家に持って、よい酒がある。料理は修業を積んでなかなかのものだし、それにお二人の人柄がいい、人気店になったのも頷けます。

そら豆と揚げだし豆腐
青唐辛子玉子焼き


「蕎麦はどうしましょう?」
聞くと福井産と徳島産があるという。徳島産は眠庵の蕎麦八種食べ比べの蕎麦会以来です。
福井産も魅力があったが、稀少なものに惹かれてしまった。
眠庵の蕎麦会では、徳島産は4年のビンテージものでかなり印象度が高くよい蕎麦でした。
この日の徳島産の蕎麦は格調があった。香りがトーンと鼻に抜けます。これほど蕎麦本来の穀物の香りのある蕎麦は、いまの時期には珍しいと思います。よほど保存状態がいいのでしょう。


                      徳島産、手狩り、天日干し
「手刈り、天日干しです」
これは滅多に無い蕎麦を頂きます。手狩り、天日干しなどという蕎麦など僕はかつて打ったことは無いし、打てば緊張で手が震えるでしょう。第一価格が普通の蕎麦より
2倍くらいは高価で、それは拝んでも手に入らないでしょう。
前橋の金砂郷そば「淺川」以来です。

蕎麦に淡いグリーンのフィルターが一枚覆っています。
切りの端麗さもいいですね。独学ですから、どうでしょう?との謙遜が嘘のようです。
相当の修練の力が見えました。しっかりとした水切れ、どこも緩んでない蕎麦の姿かたちでした。
プロの打ち手にありがちの狎れのようなものがありません。
                  福島直送、旬の小女子(こうなご)そば


「美味い」の言葉しか実際には口からでない。
「この蕎麦は、今日が初めて、私もまだ試食してないんです」
女将さんが我々にそば湯を運んでくる。ご亭主は流石に試食はしているだろうが、女将はまだだという。蕎麦を必ず二人で食べて批評しあうのだろう。羨ましい夫婦です。いい蕎麦屋を二人で作れるでしょう。
「あとこの徳島産何キロ残ってますか?」

思わずご亭主に蕎麦の残量を聞いてしまいました。おそらくなかなか手に入らない蕎麦で、この仕入れしかないのではと思いました。
喰い意地の張っている客だと感じて、流石に苦笑気味のご主人。残っているキロ数を教えて頂いたが、次回まで無いかもしれなかった。
同時に福井産の蕎麦も見てみたいと思いましたが、それは次回の楽しみに残しました。
久しぶりに自分に興奮した1日。蕎麦道楽はまだまだ続けたいと思った。

AMECOYA(あめこや)

世田谷区豪徳寺1-46-14 03-3439-3602 
17:00~23:00定休・月曜、第一火曜

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案山子 芝  客が定番をつくる店

2008-05-12 19:57:50 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田
創作料理のメニューを週で変えてしまうという。
先週「案山子(かかし)」に一人で来たばかりなのだが、この日は友人と訪問した。
彼のオフィスから歩いてどのくらい時間がかかるか、計っておこうというのでゆっくりここまで歩いてきた。

5時15分過ぎに着いた。先客は一人います。歩きながら開店時間のことになった。近くの立ち飲みの殿堂「秋田屋」は3時半開店、大門の角の「布屋」は通し営業、駅ビルの中ではワインバーなどが通しでやっている。
案山子は電話したら、5時15分が開店でそれならと早めに彼が行こうと言い出した。オフィスから17分掛かったが、特に歩いた印象がなかった。


最初から、僕は日本酒で彼は焼酎です。二人だと、肴も多く取れるが、見ると先週のものとはガラッと違う。先週、美味しかったものは残したほうが嬉しいと、ご亭主に注文をつけると、他の客からも同じ料理の事でいわれたという。
思う事は皆同じなのだ。
「残そうか、どうか迷ったのですが、とりあえず変えました」
「定番にしたらよかったのに」
もし、その料理を次に出すなら、こうしたらどうだと贅沢な注文をつけた。

         焼き味噌

焼味噌が付きだし代わりに来ました。炙り焼きしたものだが、彼がしきりに旨いという。味噌にブレンドされている蕎麦の実以外の葱が効いてるという。
料理は小品という感じだが、それぞれ下味や調味が吟味されていて酒がすすみます。
      揚げと葱のアーモンドおろし    豚の角煮 
          
                 鶏と茄子のサラダソース

揚げと葱のアーモンドおろし、鶏と茄子のサラダソースは、やはり創作料理を修業してきただけあって、味が複雑で微妙、ゆっくり味わいたいものになっています。酒も変わったものが多く。一升瓶のラベルで面白いものを見つけた。



友人は元デザイナーだから、その「奥」という酒のラベルデザインがなかなかよいというので、その酒を僕が飲むことにした。彼はこれからオフィスでひと仕事だから長居があまりできない。蕎麦を注文する。



「もりだけというのも、潔くていいな」と彼が言う。蕎麦のメニューは、温蕎麦もないし、天ぷら、玉子とじ、辛味なども無い。
迷う楽しみがあるか、それしかない、がいいか。それはこれからなのでしょうが、その週変わりの創作料理に掛かっている。
それに客がよってたかって定番にしてくれると店は愛される。

案山子(かかし) 
港区芝2-12-9 03-6272-4416 前回の記事
11:15~14:00 17:15~21:00(土曜12:00~15:00)
定休・土曜、祝日

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鷹匠 根津  ドストンか、ストトンか、ズストンか

2008-05-10 14:32:51 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野
連休明けの平日ですが、根津界隈が賑やかです。
仕事先から少し迂回して「鷹匠」に来ました。根津神社のつつじ祭りのせいでしょうか。僕も蕎麦を手繰る前につつじでもみようと神社に入りました。
もうつつじは終わりかけでしたが、参拝する人達が沢山押しかけてきています。



花より団子の口です。食べ物屋ばかり気になってしまう。金太郎飴の店を覗き、鯛焼きの行列を見て、鷹匠に向かいました。
鴨そばを食べに来たので、日本酒がないと、それは片手落ちになるでしょう。鷹匠の座りテーブルと板の間は、それでなくとも酒を誘うようにできています。

焼き味噌が面白い器で


焼き味噌がきました。かなり変わった焼き味噌の器の仕立てです。しかし、よく見ると合理的に出来ていて、逆さまにして味噌を焼くのにいい具合の造りになっています。
赤味噌がベースで日本酒に合います。
入り口に近い場所に打ち場があって、そこから蕎麦を切る音が聞こえてきます。
ドストン、ドストン、ドストン・・耳に、ゆっくりした、もどかしいくらいのリズムで、包丁が蕎麦を打ち切ります。多分、助手の方ではないかと思いました。

僕は小上がりの一番奥の席にいるので、打ち手の姿は見えません。音からすると厚みのある田舎そばのようです。田舎そばの厚みをご亭主が打つ厚さに揃えるために慎重な包丁捌きになっています。
細いせいろは、ドストンではなくストトン、というような軽い音がします。
名人たちが打つとズストン、ズストン、という音になり、それに憧れて、僕も日に何回も蕎麦を打っては、包丁捌きを研究したものです。

        鴨じるそば

足の開き具合、腰の構え方、包丁を持つ手首の角度と緩み、指の、特にひとさし指の感じ方、上からの目線・・でも、それは無意識になっていないと、そこばかりが強調されてギクシャクして疲れます。
無意識の中の意識。その打ち方が少し出来たかなという時期は、蕎麦屋を辞める寸前の、一番体がキツイ時期だったような気もします。

蕎麦屋は商売をしている間が修業期間です。出来たかな?と思うと全てに緩みが入ってしまいます。
それは、僕が愛するゴルフのスイングもそうです。精神が高みを見ていないと、低いところに技術は落ちていきます。
打ち場から張り詰めた気持ちが流れてきました。彼はきっと上手な蕎麦打ちになるでしょう。



鴨のつけ汁に、深山(田舎)そばを付けて貰いました。しっかりした切り口で噛むごとによい甘味が舌にのります。
これは、ご亭主なのか、助手の打たれたものなのかわかりませんが、噛み応えが豊かな蕎麦です。
鴨汁の中に、鴨のつみれが入っていて、そのつみれがしっかりと焼かれていて味が濃く、旨みが舌に広がります。
汁は濃いが辛さよりコク味が広がって、鴨の肉汁が程よく滲みこんでいます。

大きなつみれ

あっという間に蕎麦がなくなって、7秒間、せいろの追加で迷い。ダイエットの決意が勝ち、何とか一枚で収めました。
平日、満席の客たちを眺めると、半分以上の席でビールやら酒が並んでいます。

帰り、玄関を出てからも、ドストン、ドストン・・と、包丁の音が耳に残っていて、歩いても心地よく、賑やかな神社帰りの人達の声と混ざりあう。ここまで来てよかったと思う。
蕎麦屋酒をしたくなる、根津ではありました。

鷹匠 前回の記事
文京区根津2-32-8  03-5834-1239 
7:30~9:30 / 12:00 ~ 18:00定休 ・月、火

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サンス エ サヴール 丸ビル ランチの中のサスペンス

2008-05-09 08:14:16 | 中華・エスニック・欧

連休中に友人と都心で食事をした。
友人は元々、外食では日本食を余り好まない。蕎麦も年に2,3回程度だから、僕と会うといっても自分のペースであらかじめ相談も無く、予約した店を指定してくる。
彼と会うときは交互に支払いをするから、僕が誘うときは僕は一応相談はして料理屋を指定するが、蕎麦屋は彼のことを考えてなるべく少なくしている。

丸ビル、35階、「サンス エ サヴール」。本店が広尾「ヒラマツ」の店です。シェフは僕も何かの機会にテレビで見たことがあるが長谷川幸太郎、まだ若いがフランスのコンクールで名前を売った今気鋭の料理人です。
それと、フランスの三ツ星レストランの双子料理長のコラボのお店だそうだ。彼は前菜とワインを飲みながらそのことを僕にすらすらしゃべる。

フォアグラのコロッケ、お通し。

フランス語の名前やレストラン名がよく頭に入っている。僕などは英語の店名や名前すらよく憶えられない。
彼は反対に蕎麦屋や和食店の名前がそれと同じで君にいくら言われても俺は忘れてしまうという。
それは興味があるかどうかで決まるから不思議でもなんでもないのだそうだ。

「今年は泡なんだ」
「泡??」泡がフレンチ料理で流行っているという。日本食で一時期炙りがはやったろう!と、出てきたものを目で合図した。

窒素ガスで泡立てる
空豆のカクテルを泡立た、トマトとバナナのムース

確かに、テーブルに泡を吹いた冷たいカクテルが来た。グリーンの色合いはそら豆なのだが、そこに窒素ガスを吹き込んで泡を作る。
乗っているものはトマトとバナナのムースだ。確かに、泡のせいでそれが浮いているのだから、泡が無ければ沈む。新しい手法の料理だ。

フレンチも今の流行は、もうフレンチとはいえない。わかりやすく言えば、創作料理に近いと、彼が言う。
だから僕なんぞがフレンチを食べられる。日本で評判のフレンチはイメージ的には和食と考えたほうがいいと彼がワインを飲む。

ソースが泡になっている
キノコとムール貝のフリカッセ


また泡がきた。魚介類と季節野菜のソースがけなのだが、そのソースが泡になっている。気泡が舌に瞬間的に消える時の、快感を狙っている。一種の“くすぐり”効果です。
     
泡が三皿
渡り蟹のスープ仕立

メインは地鶏です。これも今流行の真空調理です。
「万人受けはするね」
鳥の柔らかな肉を讃える彼に僕が言った。確かに鶏肉を焼いた料理でこれだけ柔らかなものは初めてに近い。
「ダレもが造れるということか」とも僕が言った。
僕は真空調理は、元々学食や社食の大人数などの保存料理や衛生面から発達した調理法だとは知っていた。真空で調味が簡易にできて低温で食材を調理できる。人件費、コスト面に道を開いた。

地鶏の真空調理、ポーチドエッググラタン


それが、このところ低温調理の面から、肉のたんぱく質や均質な火通りでにわかに注目されているのだと、彼が言う。その真空料理も腕が無ければ使いこなし切れないとも言う。
「そうかな?」と僕はわざと彼に問題を投げかける。
肉も火の通らないところ、焦げ目がついたところ、赤身の肉汁がこぼれた部分などがあって、その変化が舌や食感に楽しいサスペンスのようなものを与えるんじゃないの?と聞く。
「それじゃ、焼肉だろう?」
「焼肉が美味いのは、むらがあるから」僕が反論する。

大好きなポーチドエッググラタンが出色

「料理にサスペンスを君は求めるのかい」と彼はそれはお前らしいと笑い飛ばす。
「蕎麦屋にロマンを求める気持がわかったよ。蕎麦屋も迷惑してるな」
と彼が続ける。
途中、グラスの赤ワインの追加をした僕らにアラカルトのチーズをワゴンで見せる。当然これだけのチーズを見せられたら欲しくなる。
フレンチはおそらく料理よりワインやこういうものの価格のほうが高くなるのではないか。それにこのチーズもお代わりしたら、最初に飲んだグラスシャンパンよりも高くなるかもしれない。



案の定、彼が払った領収書を見たら、ワインとシャンパンで、二人のコース料理より価格ははるかに超えてしまっている。
それでいいのだと彼がいう。お昼のランチで2万くらいの赤を飲む贅沢を君は知らないと、また笑われる。
蕎麦屋で日本酒をのんでそれだけで二人で2万も使うことは無い。
自分で来るときには、高級フレンチでは、せめて一万円台の赤ワインを揃えてくれないと2本は飲みたいほうだから破産してしまうでしょう。

バナナとキャラメルのムースなど

そうか、それで彼は、僕を誘うときはお昼なのだと気づいた。お昼からワイン二本は空けられない。
僕が誘うときは大概が夜である。グロスで同じくらいになる勘定です。料理より、こちらのほうがよほどサスペンスだった。


サンス エ サヴール 東京駅丸ビル 35階

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新化すること 壁をこわすこと

2008-05-07 13:57:28 | 今週のひと品

久しぶりの「大天門」、この日はどうしたわけか、前の店長が店にいる。
彼は表通りのビア・カフェに常駐のはず。聞くと、ここの店長が休暇らしく助っ人に来たのだという。
     帆立とアスパラの生春巻き


いろいろオーダーした中で帆立とアスパラの生春巻きが出色。これは魚の生とアスパラとの味の変化があり、胡麻ソースのバランスが生きてました。
最後にオーダーした僕の好きなトマトの玉子炒めが塩味がきつかったのでフロアに注文をつけた。店長が飛んできた。
「みんな美味かったけど・・」
「今日は前のセカンドが作ってまして・・」
料理長の次のセカンドが暫く別な店に行って、この日の昼から復帰したという。
「たまたまだろうけど」
「いえ、お昼にもお客様が塩味を、・・気をつけます」
シェフが変わると、やはりその境目が大変です。辛味を抑えて旨みと塩味で料理を作っていくタイプの人なのでしょう。
僕は全体的に彼の味付けは気に入りました。
僕には今月のメニューはこれまでのものとは違った、トライが見えた。


豚の耳と胡瓜、オクラなど        春キャベツ、空豆、新じゃがクリーム和え

春野菜の甘みのよさを生かし、食材の実験的なコラボレーションを試すような料理が並んでいた。
6時半過ぎには2階、一階も満席で、半分以上が予約です。開店当時から来ているからそんなお店の活況を見ると嬉しい。
客をしっかり見る事が大事だという、この店長がいる限り大丈夫でしょう。

大天門 港区浜松町1-24-7 03-3437-7211  前回の記事


もう一品は、饂飩の「七蔵」、ここは3人で沢山オーダーした。
僕の好みでさえずり(鯨の舌)味噌かけ、河豚の卵巣焼き、河豚のたたきなど変化技のものばかり取ってしまった。
この日は接待だったのですが、同じ人をこの前同じ新橋の料理屋に案内して、少しがっかりした。彼はそうでもなかったようだが、それは僕のほうがその思いが強く、結果そう感じた。

さえずり(鯨の舌)味噌かけ

そこは、僕が20代後半に先輩に連れて行ってもらわないと行けないような料理屋で、テレビなどの新橋特集があると必ず撮影されるのだが、もう昔のイメージが無い。それは、多分僕の好みが変わっているのだろうし、料理屋自体が変化していないのかもしれない。

「七蔵」は稲庭饂飩定食と懐石で何年も評判を取って、3年前に、店を移りメニューなども一変させた。飲食店は少しずつ深化するか、一挙に新化するかどちらかを選択する時期があるのでしょう。


河豚の卵巣焼き         河豚のたたき         いつもの白菜(メニュー名)

それは僕がコンサルしている企業や蕎麦屋も全く同じで、それが無いと恐竜のようにじわりじわりとやがては滅びる。
これは、自分自身の課題でもあります。他人の壁は簡単にわかるが、自分の壁は見えないものです。
しかも、それが見えても、自分の壁を壊すのが一番難しい。

稲庭饂飩 七蔵 前回の記事
東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館2階 

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砂場 虎ノ門  老舗への期待の大きさ

2008-05-06 10:08:20 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田
時間がもう3時近い。
神保町の松翁に電話したが連休中の合間で珍しく休みだった。
通しは、堀井、まつやなどが営業しているくらいで、最近は少なくなっている。それではと近いところで久しぶりに虎ノ門砂場に向かった。そこで、友人と待ち合わせすることにした。



3時半に砂場に入る。メニューにある蓬そばと蛤そばを頼むが、この二品が品切れ。前回来た時も食べたい季節物が二品切れていたことがあった。
神田まつやなどは品切れにお目にかかったことが無い。麻布十番の掘井も季節物メニューが楽しみで行くが、必ず用意されている。
松翁などは水槽魚で品切れはたまにあるが、違うものでサービスのように補ってくれる。

     甘味の強い、だし巻き

客席の少ない手打ち蕎麦屋だと品切れは、僕は余り気にした事が無いが、これだけの老舗だと、どうなのだろうか。
更科があったので、ここのが好きだという友人の玉子焼きも頼んでみた。

      辛味ぶっかけ

友人は辛味のぶっかけそば。しっかりした蕎麦で、美味いと言う。少し頂いたが
完成度も高く、こしがあってぶっかけはなかなか美味しい。
玉子焼きは老舗らしく甘味が強く、この玉子焼きのフアンは多いかもしれない。

             綺麗な更科蕎麦

老舗には客は完全に近い期待を掛けて来る。それが名のあるお店に対する敬意だったり、歴史に対する価値の認識だろうと思います。それだけに老舗は今後に対しては、若い蕎麦フアンをもっと掘り起こす義務もあると思う。
かって蕎麦屋を育てた客たちがいたように、それで名を高めた老舗は、蕎麦の需要を開拓し、恩返しする必要がある。
老舗のビジネスはおのずと違う形で考えて欲しいものです。先に書いた、神田「まつや」、麻布十番「堀井」、柏「竹やぶ」などはそれを忘れてはいないと思うし、思いたい。
大きな看板の中に隠した効率性は、今の若い人は簡単に見透かしてしまう。かえって蕎麦屋から逃げ出してしまうかもしれない。
そのあたりをもっと見て欲しい。それが蕎麦マニアの老舗への大きな期待です。

虎ノ門砂場 前回の記事
港区虎ノ門1-10-6 TEL 03-3501-9661 11:00~20:00(土曜日15:00)
定休日・日、祝日

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案山子 芝  美味しいものにも注文をつけたい 

2008-05-05 16:37:47 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

初めてのお店は客も緊張する。
まして、開店して一月もしていないのだから、興味と初物喰いの楽しみがあってわくわくもする。
「案山子」(かかし)という変わった名前です。
浜松町から芝二丁目までくると交通の便が悪そうだが、このあたりは、手打ち蕎麦屋にはよい環境だと思っている。
浜松町、大門近くには本陣房系列が二店、老舗の「布屋」、新規店の「凪」、「本枯れ」、「鶴の屋」、その他芝パークホテル向かいの路地裏に一店があって、もう一店くらいで満席ではないかと思っている。

最近では手打ち蕎麦屋同士の競合状態から他の飲食店との競合に入ってきているから、コンセプトのはっきりしていない店が苦戦しています。かなり思いきったお店を造らないと持たない可能性があります。
一方、芝二丁目近辺はオフィスが多い割には飲食店も少なく、手打ち蕎麦人口が見込めて環境的にも雰囲気がよい路地がまだ残されています。
手打ち蕎麦屋には雰囲気のよい路地と財布余力環境(造語)が必要です。
そこに、蕎麦マニアに対する発信能力があれば当初は成功が約束されます。



この辺りは最近では埼玉から移ってきた「昌平」ともう一店近くにあります。
マーケット的には飲食店自体の需要が見込める場所にもなるでしょう。
案内されたカウンターは古木風磨き一枚板、見渡すと全体は流行の白壁にピンスポット照明、今風のモダン感覚のコンセプトで統一されています。
都心型設計というよりは、郊外型モダニズム設計に多いタイプです。差別化という点では、成功しているのではないかと思います。

ビールと二品ほど肴を取りました。蕎麦はもりしかありません。料理は焼き味噌があって後は創作料理ですから、お店のコンセプトがはっきりしています。
価格設定は抑え気味で、少品種メニュー。これの意図は端的に言うとお客を選別してしまおうという考え方があります。
小規模手打ち蕎麦屋のコンセプトの典型パターンのひとつです。

海老団子(付け合わせはノビル)

肴は蕪の茎味噌チーズと、芝海老団子をオーダーしました。日本酒の追加は自分の好みを言うとご主人が選別してくれた。
「フルーティなもの」僕の注文はいつもそうで、そういうと困る店もあるので、余り本格的でなく辛口でないものともいうことがあります。
酒は比較的軽いお酒で、栃木のものでした。栃木の酒で美味しいものを色々教えていただく。酒にもかなり詳しいようだ。

蕪の茎チーズ、ソースがいい

蕪の茎チーズは味噌などをあわせてあるのか酒と合い、さらに残ったこのソースは最後まで箸で摘みたかったが、その前に片付けられてしまった。
残念・・それだけ美味いと言いたかっただけです。
この料理は付け合わせにフランスパンのようなものが一片あるともっと楽しめる。
最後までソースを塗って食べたい。
美味しい料理にも注文をつけたくなるものです。

  

蕎麦は二八で端麗な姿。こし、風味、歯触りのバランスがよく、つゆも蕎麦にあっていました。
仕事帰り、二人くらいで軽く打ち合わせがてら寄ってみたい店になっています。

案山子
 
港区芝2-12-9 03-6272-4416
11:15~14:00 17:15~21:00(土曜12:00~15:00)
定休・土曜、祝日

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