蕎麦の散歩道

美味しい蕎麦と、楽しい食の道を歩む。

竹邑庵太郎敦盛 新橋  恐いもの見たさ

2007-11-30 11:30:48 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田



竹邑庵には、お昼に入るよりも夜が多かった。
前職時代はここから車で4,5分のところにオフィスがあって気の置けない仲間とよく酒を飲みに来ていたものです。

ここの黒い蕎麦を最初見た時は驚きました。お店は極彩色の座布団が敷かれ、テーブル席とお座敷のバランスに頭がクラクラするような違和感がありました。
単純な言い方をすると悪趣味の典型に見えましたが、これが新橋にあると滑稽でもあり、妙にかわいい感じがしてよく来るようになりました。



「どう?悪趣味でしょう?」
と言いながら友人を連れてくるのだから、僕のほうが悪趣味です。
肴も充実していて、お刺身やら、京都風の煮物、卵焼きなども3種類くらいあり、特にニラ巻き卵焼きは気に入っていました。


(九条葱、山芋すりおろし、卵の黄味が椀に一杯)

久しぶりに敦盛蕎麦にした。変わらず大女将が厨房で頑張っている。ここはあまりべたべたしたサービスがなく、どちらかというとそっけない。
そのそっけなさが割合気に入っていたものでした。自分が蕎麦屋などを当時はする気がなかったから商売の目で見るとそれは今は気になる点もある。

敦盛蕎麦はつけ汁にどっさり薬味が出てきて、これは実際にはこの薬味を箸で練りまわす。つゆは蕎麦来てからそこに入れます。
僕は面倒だからもう何にもしないでつゆを入れますが、注意されるときもあります。


(熱々の黒蕎麦が出てきます。量もかなりあるが僕には足らない)

敦盛蕎麦は湯気を立ててきます。つゆはすき焼きのたれのようにまっ黒です。だが、薬味に入れると辛くはありません。
この黒蕎麦に合うようにできていて、これはどこにもない味わいです。この組み合わせは、一種の発明のようなものです。



「のど越しって何でしょう?」
と前に蕎麦屋の女主人に聞かれたことがあって、
「ビールののど越しはよくわかるが」
と答えにならないことを言いましたが、ここの蕎麦はのど越しがよくわかる。それが黒蕎麦の威力です。
江戸蕎麦が目指してきたものとはどうも軸が違った方向を歩いてきていて、江戸蕎麦を信奉する人にはここは埒外かもしれません。
怖いもの見たさという方には一度お勧めします。

竹邑庵太郎敦盛

東京都港区新橋3-15-6 03-5473-8803

『こだわり蕎麦屋の始め方』

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著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

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こだわり蕎麦屋の始め方・あとがき④ビジネスモデルの創造

2007-11-25 10:26:35 | こだわり蕎麦屋の始め方・蕎麦本発刊

客層の分析はビジネスでは基本中の基本です。
客層を想定し、その客層の趣向・所得をある程度のデーターを基に組み立てます。特にいわゆる遊興費などの可処分所得といわれるものから、売上の概算を組み立てます。
これが飲食業のビジネスモデルの基本になるものです。
老舗の料理屋などでは客筋といいました。客筋がいいとか悪いとか、その客筋の中にはその客層の概念もおぼろげに含まれていました。

その客筋を想定することは特に手打ち蕎麦屋では不可欠な事です。この概念がそっくり落ちていると継続的な商いを求めるのは無謀なことになります。
商いが10年ほど継続するには客筋の良さが欠かせません。
手打ち蕎麦屋になんとなく「勘」としてはあってもまだこの客筋の概念がないのは歴史が浅いせいです。
手打ち蕎麦屋は歴史が浅いと言うと違和感があると思われるでしょうが、そうではありません。

それは江戸時代後期から明治に掛けては手打ち蕎麦屋全盛で、昭和はほぼ機械打ちに転向したのですから、この間ビジネスモデルが消失してしまいました。
江戸時代には現代に至る典型的な手打ち蕎麦屋のビジネスモデルは存在したのです。

初代の布屋太兵です。蕎麦の芯で作る白い更科蕎麦を開発し、「更科」という屋号のブランディングに成功し、フランチャイジーの概念を初めて導入しました。
太兵は、江戸時代初期に副将軍といわれた保科家の名を使うことを考えました。
この頃は江戸も後期に入っていて、保科家は名前を変えて松平家という徳川親藩の名で存続していました。

彼は名跡「保科」の名と反物屋の沙羅の等級の「更」を取って屋号にして開祖しました。これが後世にまで「更科」の名を高める事に成功しました。
初代保科正之は家康の傍流の孫で家光とは従兄弟同士、聡明な大名で家光から副将軍役を任命されたほどの人物でした。

正之は、軍神武田の軍事を信奉し、彼が武田領から会津領に移籍したときに信州の蕎麦を含めた文化事業を移植し、大いに藩政を潤し、その財力で江戸の河川事業などの市民生活に貢献しました。
家康の薄幸の孫として判官びいきもあり、江戸初期の町民から愛された人でした。
江戸の後期信州と会津といえば蕎麦の二大文化圏で、布屋太兵はその二つを旗印にしてイメージ戦略にも成功したわけです。

会津藩は会津藩で蕎麦や器の地産振興が布屋が広めてくれたのですから神君の保科の名を使ってもそれは当然割に合ったわけです。
だいぶ余談が入りましたが、江戸時代の全盛の手打ち蕎麦屋のマーケットが復活するのは、平成に入ってからだと考えた方がいいでしょう。

以後手打ち蕎麦屋のビジネスモデルを確立したのは、老舗を除けば、柏の「竹やぶ」と高橋さんの個人的な翁、「本陣房」と新しいところでは「大川や」「松玄」の五店くらいだと考えています。
この5店には予め戦略や戦術の概念を見ることが出来ます。 ここにはそれぞれの客筋の概念があって、もちろんその客筋を掘り起こすのは、お店の設計の工夫、蕎麦の探求、メニューの定番化が無くてはありえません。

僕がここで言う客筋とは、元々存在していたものではないというのが前提です。ビジネスモデルというのは新しく客層を生産するのですから、これは大変な苦しい創造性を伴うのです。一般に客がすでに存在するという商いほど楽なものはありません。
ひとつのカテゴリーが成熟すれば、必ずそこにはそこに存在する客の取り合いが生まれるのは簡単な論理です。

成熟→活性化→成熟→・・・とマーケットが広がるのが理想的な展開なのですが、これがうまく行かない例が多いのです。
前回のあとがき③で書きましたパイの行き詰まりの打開には、マインド的にはアマチェアイズムの回帰が必要になる、それと同じ意味です。
布屋太兵が江戸時代に行ったのは極めて現代的なビジネスモデル戦略です。ひとつには新商品で差別化をはかり、もうひとつにはブランドを上げるためのイメージ戦略でした。

個がマス(衆)を作り上げるにはそれ以外手がありません。「こだわり」自体は有効ですがマスを創出するには、付加価値の戦術展開が必要になります。
先日来、大阪と京都の蕎麦屋さんを3店訪問してきました。おそらく関西にはこれから2年で相当数の手打ち蕎麦屋が誕生する事でしょう。
蕎麦の探求や美味しさはもう東京を超える可能性があるかもしれません。

それは意識的でないにしろ、客筋の掘り起しが今面白いように成功しつつあり、客にも熱気があるからだと思います。
その中でも僕は京都あたりに新しいビジネスモデルを持った蕎麦屋が生まれてくるのではないかと期待しています。

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小さくてビジネスモデルを持たなくてはいけない。
客がその店を好きになるのはそれがあるからです。
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

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ミシェランガイド 東京版  なぜか感動が無かった 

2007-11-24 10:14:10 | その他
ミシェランガイドの全店を眺めて(これは文字通り)みて、知らないお店に行って見たいと思わないことに気付いた。
これらのお店の半分に行っているいる人は希だと思うし、日本では特殊な仕事をしているか、会社の接待費で落とせるかどちらかでしょう。

僕の場合★★★で言えば4店に行っているが、その全てが接待です。自分のお金で行こうと思うのは一店でそれは一生のうち一回は、骨董文化的な見方で行きたいと思っているだけの事です。
★★と★になってくると目の玉が飛び出るような支払いの発生するお店は大分少なくなっています。ただ、★★の付いた店でもここに入る価値があるだろうかという店は、少なくとも5店はあるような気がします。

老舗と場所柄と様式的な選定で上がったとしか思えなくて、接待にはうってつけというお店にはちがい無いとおもいますが、特別なお店かというとそうでもない。
 ★になってくるとこれはもう基準がほとんど判然としません。シェ・イノやシェ・松尾がなぜ★★でないのかもどうにもわからない。
★の分とく山よりも落ちる店で★★が付いているのだから、これもよくわからない。

また、どうしてあの店が入っていないのだろうかと思う店が複数あるが、覆面でいくにも満席で予約が取れなかったか、または掲載を断られれしまったか、どちらなのかと思う。
この中には僕が好きなお店が何店か入っていますが、これは嬉しい気もするが基準がはっきりわからないから感動が無い。
第一に全体的に寿司屋が多すぎると思うがどうなのだろう。

蕎麦屋で言わせてもらうとよくわかるが今回入ったのは料理を基準にしていると思われる。蕎麦好きとしてはこれでは異論があると思ってしまう。
文句ばかり言ってしまっているが、これはきっと社会的・文化的に無視できないものになってしまうから、2回目以降が大事になってくると思う。
僕からはこんな事を考えた

目的をはっきりしてほしい日本食のカテゴリーを研究してほしい 対価の正当性などを考慮してほしい。
もっと言うと、日本人(東京)はここに掲載された店以外でも充分楽しんでいるからもっとそこを見てほしいというのが本当の気持ちです。

全体としては偏りがそれだけ多かったと感じるのと店数が多すぎたと思ってます。
店数が多いとこれは食文化の低位化を推進するようなもので、権威や目標とは逆行してしまうことになる。
今後は ★★★が5店★★が10店★が30店がいいところで、まだこれは東京だけで日本食のメッカの関西、その他の地もある。多分、我々が今回のガイドに批評を加えないと日本食の豊かさを変質させることになる。
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明輝 田町  ボデイ感のある水餃子

2007-11-23 09:42:11 | 今週のひと品
今週は夜、お付き合いと会食などで、写真を撮るチャンスがありませんでした。
ミシェランの星の付いた料理屋に2店行きましたが、僕には蕎麦屋のほうがありがたい気がした。
このところ週にランチで一回は行っている中国料理のお店です。そんなに大きいお店ではありませんから、お昼はいつも混んでいます。

ランチのセットメニューは7種類くらいあってそれは中国料理の定番のエビチリソースとか麻婆豆腐とかなのですが、きっちり手を抜かないで出てくる。
ここはメニューに焼き餃子が無いので仕方なく、水餃子をランチとは別にプラスしてみた。
水餃子は普段余り食べない。焼き餃子の美味さに比べてどうももうひとつ頼りない気がして、お湯から上げて酢醤油につけてもビールとの相性がよくないからです。

水餃子は湯から上げられソースが掛かってきた。

水餃子は最初からタレが掛かっていました。タレは酢がベースですが、香辛料が効いていてこれまで食べた水餃子とイメージが全く違っていました。
これだとビールと合います。水餃子の嫌なぬめり感が無く、しっかりとしたボデイ感のある本体でした。
何でも試してみるものだと思いました。
ここは夜にさらに本領があるようです。コースメニューのメインはオーナーシェフ(曽 明星)の創作料理4品と書かれています。
これは、後日報告できると思います。

中国料理 明輝 (曽 明星) 港区芝浦4-12-39 03-3453-3676   
定休日・日、祝

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竹やぶ 柏  時の重みを仕掛ける装置

2007-11-21 10:42:54 | 近郊・神奈川・千葉・埼玉・茨城・長野他


柏竹やぶは玄関近くになると心が騒ぎます。
塀の石瓦や門石にも阿部さんの悪戯心が仕掛けられている。お昼なのでこの日は明るく細かな絵柄やデザインまでよく見えます。




久しぶりのオフ会です。玄関口を最初に入るのは「酔流亭」、この日の手配役で竹やぶとは長い付きあいで阿部さんや女将さんとはすっかり馴染みになっています。
続いて「がじゅ」たん、彼女は初めて竹やぶの門をくぐる。ドキドキが止まらないと言いながら、目を見張って個室のテーブル席に案内される。あとは、「小マメ」さんと最後に「さいとうさん」が席に着く。


(蕎麦味噌、味噌豆腐、山葵醤油漬けなど)

僕はワイン、酔流亭とさいとうさんはビール、小マメさんは日本酒です。肴は鰊とぜんまいをお願いし、お茶を飲む偏食がじゅたんにあわせて、楽しみにしていた蕎麦掻もオーダーした。


(右の四角状の物が煮こごり、左の昆布煮もよい味)

鰊はどうしてこんなに旨いのかと思う。それに今日はその鰊の煮つゆの煮こごりが出色。含むとトロリと口中を滑って鰊の凝縮した旨みが膨らみます。


「がじゅ、おいしい?」
「おいしい、さぁ」
がじゅたんに蕎麦掻の美味しさを聞くと、そんな答え。余りにも平凡な問いかけをして恥じましたが、そんな問いかけしか思い当たりませんでした。
この部屋はどうも特別な部屋のようで、酒器やタンブラー、ワイングラスなどが綺麗に並ぶステンドグラスで設えられた棚があります。
阿部さんの手による変わったデザインの造形物も飾り棚にあります。

玄関、石渡り、廊下、部屋の入り口、部屋の中まで不連続的に仕掛けられた阿部ワールドの装置です。




途中、せいろを2枚取って、新蕎麦の燻されたような香りを聞きます。水切りがよくて手の上に蕎麦をとっても濡れずに口中にすべり、やや喉にひっかかりながら少し振りかけた塩とともに体に消えていきます。



僕は蕎麦を飲んでしまうので時々むせます。だから酒が必要になってしまいます。卵焼きは甘さを極端に抑え、塩も感じないが、かといって味わいのあるものに仕上げられています。



蕎麦屋の老舗とは出汁や甘みの考え方が違っています。阿部さんの出し巻きの考え方が現代手打ちに広がりその主流を作り上げたのでしょう。
その始まりを越えるのは並大抵ではありませんが、それを超えないと阿部ワールドの1人勝ちになってしまいます。


(天ぷらは掻き揚げ、これも技巧を凝らしてあります)

蕎麦も蕎麦掻も鰊も出し巻きもこれは竹やぶそのものでした。
訪問の都度そんな新しい認識をさせられます。



〆は僕はかけそば、ほかはせいろ、田舎、つけとろなどこれほどバラバラなのも珍しいかもしれません。かけは関西風のものとははっきり一線を画した汁です。しかし、辛くはありません。ふくよかなたっぷりとした質感のあるものです。

これは豊かな時間をすごしました。集まった仲間も嬉しそうだ。めいめいが人を気遣い、顔をしっかり見ながら話をしました。
柏の時間、貴重な重みがありました。

竹やぶ
千葉県柏市柏1144-2 04-7163-9838 AM11:45~PM7:45
定休日/毎週木曜日 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

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宇奈根山中 世田谷  ひとつの井戸を掘り続ける

2007-11-18 21:43:44 | 世田谷・杉並・練馬・北・荒川・豊島


最近のお蕎麦屋さんの造りとしては雰囲気が違う感じがしました。
モダンな造作ですが天井などはコテージ風でたっぷりとした空間の広がりを感じさせます。言葉で言うと、ざっくりした感じの設計です。
花まきさんと酔流亭がこのお店にこられて天ぷらの話題になるといつも頭の中に「宇奈根」の文字がちらちらしていました。


成城学園からタクシーで7,8分でしょうか。住宅地の中にお店の配色もアンダートーンで照明も落し気味に隠れるようにあります。
2週間ぶりで小マメ太郎さんとお会いしました。最近はずいぶん蕎麦以外にも多方面に勉強をされていて、天ぷらの勉強もと相成りました。
ヌーボー解禁前日を意識してまずはスパークリングワインからスタートして、お任せのコースをお願いし、途中で蕎麦を一枚挟んでいただくことにしました。

(沖縄の微細な雪塩で甘みを増す海老)

海老から始まり、つゆと塩で熱々のものをいただいていきます。
「若い頃先輩から天ぷらは30秒ほど、待てといわれたが」
先輩の言では少し置くと蒸し焼きになってちょうどいいとのことだが。
「揚げたてが一番うまくなるようにしてるんですよ」
カウンターで目の前にご亭主がいます。
「あれは、じゃ、間違いか!」そんな話で盛り上がります。
ま、がつがつして火傷しないようにとの注意もあったのかもしれない。

きすとヤングコーン・・・


牡蠣は大粒でジューシー・・・


今日の出色のサツマイモ、丁度よい大きさ・・・

サツマイモ、牡蠣が美味しい。旬ものはやはり素材に甘みがあります。日本酒も2合目に入りました。
「その字さん、知ってます」
静岡のその字さんを話題にしたら、天ぷらとそばの店というので雑誌かなにかで3店ほど取り上げられてその字さんの存在は知っていて、意識はされていたようです。

わかさぎが椎茸を枕に・・・

蕎麦は本陣房、天ぷらは天一の修行ですから芯が入っています。
西麻布の「たじまさん、九段の「大川や」さんが先輩ですから話題にあがります。
大川やさんの活況はもちろんですが、最近のたじまさんの好調さも聞こえてくるそうです。
「このところ地元の方も慣れてきていただいて・・」当初は天ぷらがメインの蕎麦屋に地元の方は少なからず抵抗感があったようです。

途中でせいろを一枚いただく・・・

開店2年半、このところ地元のお客さんがずいぶん増えてよい回転になっているとのことです。
一枚目のせいろをいただいてゆるゆるお酒といただきました。時間を置くとその蕎麦本来の香りが立ってきます。
つゆは清冽な印象で口当たりがよいです。天ぷらの間に行儀が悪いのですがつゆをなめながら酒をいただくとこれが口直しになってよい発見をしました。


銀杏がほくほくして口直しのよう・・・

酒からワインに移って天ぷらもますます美味くなる。〆は粗引きそばにしていただいた。本陣房の粗引きの口当たりのよさを生かしながらさらにソフィストケーションされています。
「近くに住む外国の設計デザイナーの方と知り合ってお願いしたんです」
僕が設計の方の名前を聞いた。店舗専門の方でなく大きな上物をデザインされる方だそうです。
最近の蕎麦屋さんにはない感じを受けたのはそのせいでした。繊細なディテールにこだわるというよりはたくましい空間を感じました。

穴子が続きました・・・


掻揚げも油落ちがよく、ワインに合いました・・・

シンプルでストレートがコンセプトだったそうです。たぶん、ご亭主の性格そのままなのでしょう。
「3年とにかく辛抱と教えられましたけど今実感してます」
本陣房の総帥の教えだそうです。3年でその教えがわかったということは花が開き始めたということでしょう。
それは幸せなことで、3年過ぎても蕾のまま終わることが多いのではないかと思う。勢いは自分で作るしかなく自分の中にその種を仕込み続けるのです。

(粗挽きは、美味しくてお代わりをした・・)

それは商い人も勤め人も同じことなのでしょう。ひとつの井戸をどこまで掘り続けられるか、それは僕にも返ってくる問いかけです。それは、きっと底の無い不安になるような井戸かもしれません。
よい蕎麦屋さんを訪問したと思いました。付き合ってくれた小マメさんにも感謝です。なかなか一人だとここまで来るチャンスはないかもしれません。

宇奈根 山中
東京都世田谷区宇奈根3-7-15 03-3416-6620
営業時間 11:30~14:00 17:00~21:00 定休日 日曜 月曜

「こだわり蕎麦屋の始め方」

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明月庵田中屋 銀座  ランチのはしご

2007-11-16 16:20:12 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

写真は蕎麦湯注ぎ

蕎麦を食べる前は茶などを飲まれないほうが良いと、メニューに書いてあります。
微妙なそばの香りや味を邪魔しないような配慮を、ということでしょう。従って、ここでは食事のあとにお茶が来ます。





僕はここでは最初に水をいただきます。お酒を飲みたいところですが、舌味に障りがあるとの蕎麦屋だからここはそのようにするのが客の心理になるというものです。



つゆは蕎麦を立たせるためなのでしょうか、鰹の香り立ちはするもののバランスを考えたものになっています。蕎麦はこしは強めで舌触りがなめらかで、銀座の客には良い評価がとれるものになっています。

どこも突出していない食べやすい蕎麦とつゆです。蕎麦の量はいわゆる普通の手打ちそばやの6分目、100g程度、普通が150gだとすると大人のお腹を満足させるには2枚必要です。
この日は「いわしや」に入ったあとの、ランチのはしごです。量が少ないのもそれは良いこともあるというわけです。 

明月庵 ぎんざ田中屋
東京都中央区銀座6-6-19 TEL&FAX:03-3571-8228

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三島亭 京都  シンプルさこそ力が要る

2007-11-15 22:55:10 | 旅行記(京都・大阪)蕎麦と料理



お正月用のよいすき焼き肉を求めて、師走京都の人が「三嶋亭」の前に列をなします。
僕はその話を三嶋亭の仲居さんから聞いたのか、30歳代半ばにこの店に初めてお連れいただいた方に聞いたのか今は思い出せません。
それはこの後本当の事だと知りました。当時その方にお昼に連れてきていただき、お昼に最高の贅沢を味わって東京にお帰りください。そういわれて三嶋亭の一番いい肉をお昼にご馳走していただいた。

それ以来、一泊で夕方、「喜幸」で日本酒を飲み、朝京都のお寺を回って、お昼に三嶋亭に寄って新幹線で東京に帰る。時々は他の店に行く事もありましたが、それが僕の京都詣での決まりになりました。
実に幅の狭い京都信者なのです。



3人での2回目の京都訪問で一度この肉を見てもらって、小マメさんとルー君に、京都の人たちがいかにすき焼きを愛しているか知ってもらいたかった。
よい野菜の生まれるところにはよい牛が育つ。それはいたずらに牛にビールや穀物を無理強いせずに、豊かに育つ環境を与えることが大切だと感じる。
そんな肉を各地から求めるのは大変な事だろうといつも思っています。

蕎麦屋の亭主がよい蕎麦を求めに各地農家の方を訪問する努力に似ています。妥協を許さない力がやがて客を愛する力に変わるのでしょう。
脂身も肉身だとするとその脂が強くて甘くて適当に赤身に弾力を与えなくてはいけない。巷間言われる溶けるような肉で上肉とされる肉はすき焼きには向きません。


(砂糖をパラパラまいて肉を焼きます)

脂身が適当に溶けて赤肉をその甘みで包み込まなくてはいけないのです。肉が焼けてやせ細ってはいけないのです。肉の大きさと迫力に二人が押されました。
京都では(ここでは)すき焼きは焼きます。煮ません。だから、割り下が重要な意味を持ちます。


肉をさらに香りで包む役割を担っています。卵も重要になってきます。その香りのある肉汁を邪魔しない程度の甘みの卵でなお且つ大きさも中程度の。
それは、最後にご飯に掛けて食べるためにかならず二つ卵を使わなくてはいけません。これほどシンプルで単純な料理は余りありません。



よい肉があればそれで仕舞いだといわれる方もあるかも知れません。でも、それは握りずしも同じです。美味しい寿司にも際限がないようにきっとすき焼きなどのシンプルなものにも芸があるとおもっています。
さて、二人の評価をしばらくしてから、そうですね、半年後くらいに再度聞きたいですね。しかし、その前に多分京都に小マメさんは何回か飛んでいくだろうし、ルー君も頭の中に京都の言葉がリフレインしているだろうから、再び食べて確認することでしょう。

三嶋亭  京都市中京区寺町通三条下ル TEL:075-221-0003

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いわしや 銀座  高級魚定食

2007-11-12 22:49:22 | 和食



いわしやの新しいビルにはいる。
新しいといってもかなり前に改装されていて、前の旧家然とした佇まいを知っているから寂しいものがある。
僕が20代の頃から頑張っていた店で、若い頃は2週間に一度くらいしか入れないような他の定食屋と比べるとやや高い店だった。

魚としては当時はランクの低い鰯を調理の工夫で高級料理に仕立て上げた先駆者です。ランチで出される、つみれ煮スープや、南蛮漬けはなかなか出色の味わいがあり、銀座にオフィスがある者は先輩に必ずここに案内されました。
それほど、鰯料理なるものが珍しかったわけです。
ただし、もう鰯も高級魚に近づいているというのが現実らしい。


鰯のお刺身・・

鰯のフライ定食・・

いくつかランチの種類があるのですが、この日はフライ定食に刺身を単品でつけてもらいました。味噌汁は昔のままの豊かな味です。
いわしのつみれが3個ほど入っていて、京都の西京味噌に他の味噌を合わせてたっぷりした旨みを引き出しています。



ご飯も付け合せの采と新香も神経が行き届いています。
老舗は手抜きがありません。久しぶりに気持ちのよい定食を食べました。

いわしや 東京都中央区銀座7-2-12 03-3571-3000

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肉身のトロトロ食感

2007-11-11 09:47:09 | 今週のひと品
新橋「七蔵」に夜、8時過ぎに入った。
打ち合わせが長くなってお互い空腹だった。酒を飲めない女性の方なので饂飩を食べに行こうと誘った。
酒を飲む人との付き合いは慣れていて温かいお茶があれば2時間ほど大丈夫なのだからいつも感謝している。


鮪の「ほほ肉」は、これは追加したくらいに美味しかった。最初にオーダーしたこの店の自慢の白菜の漬物は彼女も気に入ったようで、これは帰りにお土産にしてもらった。
いつもながらよく客が入っている。昼は学食状態で、夜も賑わっているのだから大成功した部類に入るのではないか。

(みぞれ酒、菊姫だったような気がした)

七蔵 東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館2階
         03-3571-5012 11:20~14:10 17:00~22:00
         定休日 土日祝 前回の記事


浜松町「大天門」は11月の新メニューが並んでいる。
その中では牛の「ほほ肉」と京芋の中華風味付けのスープ煮です。やわらかくプルプルした未体験の食感でした。


最後に坦々麺を食べましたが、料理もそうですが、麺類も当初から比べるとずいぶんスープの味に深みが出て立派な一品になりました。

(辛味に深みも出てきた坦々麺)

大天門 港区浜松町1-24-7 03-3437-7211  前回の記事


これは江戸川高校前「侍」の鍋。ふつうは鱈鍋なのだが、ここはギンダラ鍋です。これは身がほろほろで、酒飲みの腹ごしらえに最適な鍋でした。

ぎんだら鍋のほか、きりたんぽ鍋、ちげ鍋、モツ鍋がある。

スタンド割烹  江戸川区中央4-11-9 03-5607-8871  
                       (年中無休だそうです) 前回の記事

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喜幸 鴨川裏筋  宝物がひとつふえる

2007-11-10 09:14:54 | 旅行記(京都・大阪)蕎麦と料理

京都の夕方は裏通りに、胸を軽く打つような風情があります。
京都らしい旧いお店がある中で、ぽつんぽつんと、新しい斬新な、それでも京都らしいお店が混じってそれが鴨川の夜景に映えます。
この新旧のバランスこそ古都が大事にしてもらいたいもののひとつです。京都に何回きても心が和らぐのは奥の深さに限りがないからでしょう。
汲んでも汲んでも枯渇しない清水のようだからまたその水を汲みたくなります。

喜幸の筋奥に千枚漬けの有名店があるからと、お店に入る前にあちこち探していたら、僕のほうはお店の前にいるご亭主と目が合う。
先方もどこかで見たような顔だからこちらを見ている。小マメさんは一月前に2日続けてご来店だからそりゃ見たような顔でなくはっきり憶えているでしょう。
二人が漬物屋さんを探してる間、ご主人に挨拶して一言、二言話をした。

漬物屋の所在を尋ねると、指を差して教えてもらったが、まったく違う方向を彼らが探していた。漬物を買って喜幸にはいった。今日は常連が3人、新規客が3人ほどすでに席にいた。
「このところ東京のお客さん多なりましてな」よう、遠いところから・・女将さんがわれわれの顔を見てご挨拶される。

(お通しは、具が沢山入ったおから、甘みが詰まった青大豆豆腐)

先日我々のブログを見て訪問された、なかやんさんなども人数に入っているのだろうか。小マメさんの前に昨年、喜幸に2日連続して「行った方」も確実にその数には入ってるでしょう。
今日は絶対食べると決めていたのは鱧鍋です。その前に土瓶蒸しがあったのでそれを先に注文した。


(土瓶蒸し、フタをあけるとたっぷり秋の収穫、手抜きが無い)

ふたを開けると松茸が香る。国産の、それも丹波の松茸を今年初めて食べます。土瓶から酒器椀に注ぐ。松茸や鱧の品のある味わいを殺さないように、薄めのだし汁で仕上げられています。
京の本懐を見るような味付け具合でした。丹波産の松茸は翌日錦市場で見ましたが、その一角だけ松茸の匂いが立ちこめ、匂いだけでもお土産にして帰りたかったですね。

この刺身はヨコ、鰹の上との説明だが、冗談のようで面白い・・


白子焼き、これはこちらではくもこという・・・


ホタテの親戚で、名前は失念・・

昼、「にこら」で2時半まで飲んでいて、5時頃までお腹がいっぱいでした。ルー君などはかなり満腹で喜幸は心配だったのですが、以後歩いた分大丈夫になったのか、それとも目の前に馳走があると俄然そんなことなど忘れてしまうものなのでしょうか。
端から端までメニューを食べる・・この勢いのまま料理は追加されていきました。

(京都のなめこや野菜がたっぷり入った鱧鍋・・


・・・鱧のとろけるような身がポン酢に供される)

鱧鍋は筆舌に尽くしがたしです。こんなに鱧が鍋になると美味しいとは思いませんでした。鱧自身の肉身のこく味が出し汁からまた自身の肉身に還り、淡い味わいが増します。
先月これを小マメさんは一人で平らげ、さらには鱧雑炊にしたのです。この鱧雑炊はこの日の我々のハイライトでした(写真は小マメさんのブログで)。

鴨やきと九条葱は是非物


定番のハヤの唐揚げがおよいできた・・


万願寺は鰹削りをたっぷり散らす・・


旬もの太刀魚の南蛮漬けはよい醤油の香りがしました・・

常連の客が新規客にこの店の美味いものなどの説明をしている。あまり押し付けがましくなってもいけないのだが、常連客がそれだけこの店を愛しているのだろう。親父さんはもう80歳に近い、まだ引退されても困るし、その間に僕は何回喜幸にこれるだろうか。
銀座「奈津」のようにいつでもいける距離にはない。

(この日は混ぜご飯、お新香は翌日、同じものを買い求めに行きました)

先ほど、玄関戸口に立っているだけでも親父さんは京都の風物詩になっている。多分、京都にはそんなお店が数多くあり、そんな御仁もたくさんいるのだろう。
きっとまだその京の奥の深さは僕にはよく知りえていないのでしょう。物のすべてを知ることはできないだろうし、一部分から全体を知るような感性を持ちたいものですが、僕にはどうだろうか。
帰り、割烹着を着たお手伝いさんにお店の前で記念撮影のシャッターを押してもらう。この写真は、僕の数少ない宝ものになることでしょう。

京都 喜幸にて 10月27日 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

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古拙 銀座  水を張りめぐらす蕎麦

2007-11-07 18:17:26 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田
これは、水蕎麦をイメージするとよいかもしれないです。
水切りを忘れたのでは無いと思います。盛られ方を見れば水切りの概念はほぼありません。蕎麦が細いのですから、当然表面張力で水を含みやすくなって、下に行くにつれ水が溜まっています。


(笊の下部に水が溜まっているのがわかる)

前回もそうだったのか忘れましたが、そのときは新蕎麦の栗のような甘い香りに心が奪われていたのであまりよく憶えていません。
が、同じようなものだったのかもしれません。ただ、人によっては水切れを気にされる方もいるかもしれません。


水切れはそばつゆに影響します。蕎麦を2、3回たっぷり浸してしまうともうそれだけでそばつゆが薄くなってしまいます。そばつゆが好きな方はもう一杯お代わりが欲しいかもしれません。
このあたりはどちらを選択するかご亭主の考え方でしょう。
今日も同じように甘いよい香りがしました。この栗のような香りは新蕎麦の時期にしか薫香しないと聞きました。
つゆは前回気がつかなかったのですが余り関東の蕎麦屋にはない醤油です。口に含むと醤油だけでも飲みたくなるよい味がします。
醤油自体に特徴的な香りがあります。


(鮑と若芽の温蕎麦、澄まし汁の考え方)

もりの前に温蕎麦が来ます。これはアワビ蕎麦です。想像以上にアワビの肉片がたくさんあって若芽の味わいと合います。
これは蕎麦椀というよりはお吸い物と感じます。
前菜の二椀、温蕎麦、もり蕎麦が付いて、1575円のお昼の蕎麦御膳。
前菜の二椀はお酒を想定のものかもしれません。

古拙 中央区銀座2-13-6    03-3543-6565 
        11:30~13:30 18:00~20:00(昼夜とも入店)前回の記事

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岩舟 大塚  美味しさは最初から最後まで

2007-11-04 09:03:16 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野



岩舟のお昼は3時まである。それには間に合いそうなので大塚に回りました。
まだ一度も穴子天そばを食べていないのでオーダーした。こちらの穴子はしっかりと身が厚く、穴子だけでもボリュームがある。
身の半分を食べて、後の半分をかけそばに入れる。行儀の悪い食べ方だが、天ぷらの甘みが汁に流れ、穴子の衣が汁を吸って旨みが増します。


一気に食べたので汗が噴出す。ビールで体を冷やしたいところだが、打ち合わせがあるので、そうも行かない。せいろ舟盛り蕎麦を頂いて、からだを冷やす。いつもながらつゆは甘み、辛み、酸味のバランスがよい。
今日のつゆはやや酸味が勝っていたが、このようなつゆが好きな方もいる。


もうお昼仕舞いの頃で少しご主人とお話をさせていただいた。もう、開店5年目に入られたそうでお客さんも考えておられた以上に層が厚くなっているそうです。
次の6年目、7年目で大きな名前のお店になって頂きたいものです。そんな話をゆっくりさせていただきました。二代目でサラリーマンの経験を生かして客を見る目がしっかりありますから、その方向に着実に歩まれているのを感じます。

何が自分の特有のものか、何が足りないか、それを分析する事が5年目のベースになるのでしょう。
大きな名前になることはそれを突き抜けた客の感性に触れなくてはいけないことことですから、もっと自分を前に出すことになるのでしょう。そば湯が美味しい。
最初から最後まで店から出るまでいいから、また大塚くることになります。

岩舟  東京都豊島区南大塚3-53-9 03-3987-9266       
       12:00~15:00 18:00~22:00 定休日 日曜日、第2・4月曜日
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まつや 神田  あわせ技に、はまる客

2007-11-03 15:35:23 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区
「こんなふうなんですか・・!」
席に座るなり彼がまつやの賑わう独特の店内を見渡す。
「でも、いいな!」この半年ほど前から神田「まつや」に来たがっていたルー君をようやく連れてきた。
この日はルー君が京都の御礼をしたいというので僕と小マメさんを招待してくれた。場所はお任せしますというのでまつやにしてもらいました。


まつやはやはり鰊ではじめる・・・

「黒っぽくないからいいですね」黒っぽくないとはスーツ姿の男性客ばかりではなく若い女性も混じっている事を指しています。
確かにここには色んな人が席に座っている。作務衣を着て日本酒を悠然と飲む近所のかた。遠来のガイド本を持ったひと。
男女客がその年齢を超えて「まつや」の江戸気質といった固有の空気感に浸っている。

定番のジューシーな焼き鳥・・・

ぬる燗で始まりました。定番の焼き鳥はタレ焼きで、塩ウニは卵焼きにのせるために最初にオーダーした。彼はこのあたりにクライアントがあって近くまでは来ていたようだが、まつやの存在は知らなかったようだ。
蕎麦にそんなに興味が無い頃だからそんなものなのでしょう。むしろ、直ぐ近くの鳥鍋のお店のほうが興味があったようだ。
その鳥鍋の店に次回は行くような段取りになった。



卵焼きに彼が驚く。これまでの蕎麦屋の出し巻きとは食感が違うから作り方を聞く。
これは説明しても、その通りやって成功する確率はまず無いから、細かな説明をしなかったので悪い事をした。


(親子とじは初めて・・・


饂飩が底にとぐろ巻きされた小田巻き・・・

この日は親子卵とじ、卵焼き、小田巻きと卵尽くしで取り合わせのバランスを欠いたような気がした。集まったのが7時だったので飲兵衛組みには直ぐにラストオーダーになります。
〆は僕は掻揚げ丼。彼はせいろ、小マメさんは胡麻ダレせいろです。
掻揚げは海老の間にイカが挟まって揚げられていて、これもまつやらしいあわせ技です。まつやのこのような何気ない趣向にみんな嵌まってしまうのです


掻揚げ丼は、大きな海老が4本、ご飯がうまい・・・

小分けして食べたのですが、3人とも美味しさに満足。特にまつやはご飯に旨みがあって具材に負けないから丼ものが美味いのでしょう。
帰りはもう一店寄りました。神田は帰り難しというわけです。

神田 まつや 千代田区神田須田町1-13 03-3251-1556                  11:00~20:00(土11:00~19:00)   定休日 日・祝 前回の記事  

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美登里 浅草橋  一人客の茹でピーナツ

2007-11-02 09:29:43 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区
京都に立つ前日に美登里に立ち寄った。
金曜とあってほぼ満席になり、二組ほど入れないような状況でしたが、カウンター席までここはびっしり詰めないで、余裕のある席取りをしてくれる。
このあたりは銀座の「湯津上屋」もそうで、お客にはゆったりと楽しんで欲しいとの配慮がある。これも夫婦お二人の商いだから、ま、これは余裕ということでしょうか。


(滅多に飲まない焼酎を頂く。佐藤の芋と麦、麦の方が好み)

三週間ほど前にも来てはいたが、この時も京都立ちの前日だった気がする。カウンターに僕からひとつ空けてお座りの方は女性の常連客で、この席はいろいろと女将さんが気を使って話しかけてくれる。
女性の一人客には有難い席になっています。見渡すとこの日は男性客が僕を入れて二人、後は女性客が10人だから、空気は華やかで声は黄色い。


(茹でピーナツが甘くて美味しい。家だとこうはいかない)

例によって野菜を出していただく。普段ビタミンやカロテンが不足しているから体が蘇生されていく気がする。茹でピーナツがなんとも豊かな甘みがあって口の中で遊ぶ。一人客にはこの茹でピーナツは間がとれて有り難い。これは帰りにお土産にしてもらった。

いつもの野菜のほかに、茗荷の握りずし


茄子の豚肉はさみ揚げなど、その他沢山・・

自家栽培の蕎麦はこの時点ではようやく少し実がつき始めたころだと言う。今年の蕎麦はどうなのだろうか。蕎麦好きには、蕎麦農家からの便りが気になる。
北海道雨竜や幌加内からスタートして、11月の中旬が信州、下旬が茨城の金砂郷になり、新蕎麦が本格化する。


こしのあるお蕎麦です。新蕎麦でした。

この日もご主人から蕎麦の実の詳しいお話を聞かせてもらう。昨年も同じことを聞いていたような記憶があるが、何回聞いてもそれは楽しい話になるから、蕎麦は不思議だ。
北海道の幌加内の新そばをいただく。この蕎麦にはもうすぐ常陸秋蕎麦の新蕎麦がブレンドされることになる。いよいよ今年も暮れに近づく。

美登里 台東区浅草橋4-4-6草橋4-4-6 03-3851-5141    
      11:30~14:0017:00~21:00  定休日 土・日・祝 前回の記事

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