蕎麦の散歩道

美味しい蕎麦と、楽しい食の道を歩む。

にこら 京都  懐かしい水車小屋の匂い

2007-10-29 22:20:25 | 旅行記(京都・大阪)蕎麦と料理
2度目の京都旅行はあれから1ヶ月後になった。
その2日間では蕎麦屋は一店、その一店を選ぶのだから相当悩んだが、
「にこら」にした。
名前がいいと思ったのと、やはり最近ブログでやり取りのある「辛汁」さんの評価を参考にさせていただいた。


(石川芋、銀杏、蓮根など、京都らしい前菜になる)

12時に予約でお店に入った。今回の京都旅行は「ルー君」が言いだしっぺでした。小マメさんの京都熱が憑依してうわごとのようにこの一ヶ月会えば京都の話題でした。
その「小マメさん」は今日もルー君の隣にいます。ビールと日本酒で乾杯です。鴨焼きと蕎麦掻は是非物と辛汁さんのブログにあり、そのほか2点ほどオーダーした。
料理は柿と自家製鴨ロースハムなどの白和えとか石川芋と銀杏揚げなど、京都らしいものがあって嬉しくなる。

(柿と自家製の鴨ロースハムの白合え、これはお代わりを)

この肴の合間に蕎麦を入れようと思っていたからオーダーも真剣になります。柿と鴨ロースハムの白和えはこれはかなりの逸品で、柿は僕もたじまで冷かけ蕎麦の具材にしました。

柿は本来料理などにもっと使われてもいいのではないかと考えていました。柿は熟した甘みがあり、鴨のロースハムの塩加減と白和えのバランスがよく、3人とも気に入った料理になりました。


(粒胡椒と塩味の鴨焼き、京はやはり葱です)

後これはルー君がお代わりをした。京鴨焼きは文字通り九条葱を背負って出てきました。塩味は僕にはややきついかなと思いましたが、肉の甘みと相殺できるとの計算があるのでしょう。
せいろを一枚手繰りましょう、との合図で日本酒も新しい銘柄にしました。
手のひらに蕎麦を二筋ほど乗せて顔の前で香りを聞きました。



「これは・・水車小屋の匂いがする」
と僕の鼻腔に懐かしいものが届きました。
「木の匂いだわ」
小マメさんの香りを聞く感性は鋭いものがあります。
「そうだ・・木だ」ルー君もつぶやきます。
それは、木肌の樹液の匂いです。銘柄は忘れましたが、酒は大阪のものでした。その酒にあてながら蕎麦を飲みます。



手のひらに蕎麦を取って、塩を指で上から落として蕎麦を喉に運んで飲みます。相変わらず木の香りが立ちました。
つゆがいりません。つゆは薄味で鰹をきかしてよい味わいがありましたが、せっかくのそのつゆに蕎麦を落とすことなく塩で食べて切ってしまいました。



蕎麦掻きがきました。箸は力を入れなくてもすーと蕎麦掻きの中にはいり、蕎麦掻きはちぎれます。柔らかくとろりとして甘みがありました。
小マメさん、ルー君が物も言わず感動的に蕎麦掻を食べます。こんなときは何も言わない方がいいです。
何かを言ってもその美味しさを解説できるものではないからです。そのあと、やはり京都は鰊とお新香です。



お客は間断なく入ります。大勢の組が入れず帰ることもありました。土曜、我々は最後まで飲んでおります。
このような蕎麦屋は去りがたしの風情です。
〆はそれぞれ違います。ルー君はせいろ、小マメさんはかけ、僕は鴨のつけ蕎麦です。



そのつけ蕎麦も蕎麦を先に手繰ってしまい、肝心の鴨のつけ汁には申し訳程度の蕎麦をつけて食べただけです。
京の初日、我々の予想を超える蕎麦屋に遭遇してしまいました。


にこら 京都市上京区知恵光院通五辻上ル五辻町69-3 
          075-431-7567 定休・水、第三火曜
          11:30~14:30 17:30~20:30

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢八
コメント (8)
この記事をはてなブックマークに追加

流石 銀座  手づくりの権化  

2007-10-26 22:00:49 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田
「いしたにさんに行ってきましたよ」
「それは、ありがとうございます」お昼13時過ぎにお店に入った。
「流石」の女ご亭主に京都に行って来たことをを告げました。ご亭主はいしたにさんがかなり若い時からご存知だそうです。
彼女は石井さん門下の大先輩なのだから姉弟のような関係なのかもしれません。
いしたにさんはなかなか凝り性でお店を半年もかけて自分で作り上げたそうです。

「いしたに工務店と呼んでます」
自分で店を作ったといえば、僕が知っている範囲では眠庵と湯津上屋があります。もうこれは僕の想像の範囲を超えています。
もちろん、竹やぶの阿部さんも土木工事人と言って憚らないのだから、蕎麦屋の究極は手作りの権化になることなのでしょう。

流石のメニューを眺めると料理はすべて手作りものです。石井さんの教えなのか彼女の考え方なのか、これも流石フアンの多い理由でしょう。


(7分盛りの蒸篭にしていただく。新蕎麦の持ち味があります)

蕎麦は北海道の新蕎麦です。香りが薄いかもと、聞きましたが、存外香りもあり新蕎麦のつながりのよさで水の加減量が違うのか、いつもの流石の蕎麦ではありません。
こしも僕が好きなほどほどの感じで味も濃い気がしましたが、これは新蕎麦効果があったのでしょうか。僕はこれは得をした。


(冷酒と鴨なんのよい組み合わせ。これも7分の量で)

鴨なんそばは半量よりやや多めの7分量のものを作っていただきました。葱がどこのものなのか甘味があって美味しいですね。
流石にも鳳凰美田があるから困ってしまう。そばの合間にいただいてしまいました。

今週は京都です。どなたかの京都熱が、僕の知り合いのルー君に憑依したようで彼が熱に浮かされた結果です。
もちろん、僕も彼をそう仕向けたのですから、僕が霊媒となったわけですが。
さて、どんな京都になるでしょうか。

流石 中央区銀座1-19-12 03-3567-0012 
       定休日 月 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

清山 渋谷  蕎麦好きを生産する装置

2007-10-25 21:41:23 | 根津・大塚・文京・品川・目黒・渋谷・中野


渋谷に「竹やぶ」が出現していた。
入り口は京都風の濡れ縁の渡りがあり、そこを伝いながらお店に入る。お店は大テーブルがあり、そこの横を通って地下に案内された。
地下もまた20人はつながれる囲みのカウンターがあり、もういくつかの予約席が出来ていた。

柏の「竹やぶ」が地形や土地を生かしてそこにモダニズムの要塞を作り上げたとしたら、さしずめ「清山」はそれを工学的で幾何学的に移築したように見える。
さしずめ堂々と模倣を展開しているといった風です。
ご亭主はレース界から蕎麦屋に転向した変り種です。何年かを柏の竹やぶで修業して渋谷の穴倉に庵を開いた。



ビールを注文していたら連れが追いついて入ってきた。鳳凰美田があるからと直ぐに追加注文を出す。
料理は定番の卵焼き、目玉商品の牛すじのそば湯煮こみなどをもらう。牛すじは薄味で仕込まれていて、薬味と牛すじの醤油煮が添えられて、足しながら食べるようになっている。

(牛すじのそば湯煮こみ。薬味や牛すじの煮つめ、タレで楽しむ)

酒は別銘柄を追加したが、また鳳凰美田に戻った。この酒は前橋の淺川さんにその美味しさ教えてもらった。


(よく香り味の強い蕎麦でした)

せいろを一枚とる。つゆは切れ味がよい口当たりです。蕎麦はよく香ります。シャープで鋭い顔ですがこしはほどのよいやはり竹やぶ系の粘りのある良さがあります。せいろを手繰ったあと地鶏焼きなどをオーダーして鳳凰美田の梅酒があったのでいただいた。


(一人前に切り分けてくれる。砂糖の甘みを極力抑えた出し巻き)

周りを見る。30代の男女が中心で席が埋まっています。僕らのカウンター周りの女性のほとんどが手打ち蕎麦初心者のようでした。
蕎麦の美味しさに魅了されています。新しい蕎麦好きが毎日生まれる装置のような庵です。
そのためにご亭主はここにレースのマシンのようなお店を作ったのでしょう。かって竹やぶが新しい客を発掘するために柏に蕎麦屋を開いたように。


(これも塩味を抑えて、山葵が添えられています)

落ちついたので仔細に客室などを見た。壁は風の吹く藪をイメージしてあります。遠近感がデザイニングの基本になっていて、それが大きな懐を感じさせるような空間を造り上げています。
お手洗いへの渡りには強化ガラスの下に砂地を敷いてあります。こうしたデザインで初めて来た者が驚く仕掛けも随所にあります。

田舎蕎麦をとります。田舎はせいろより香りが薄い。しかし、不思議な甘みがある。噛むごとにその弾力と共に甘みが口中に広がりました。




最後にやはり竹やぶでの修業だからと鰊そばを追加注文しました。それは丼からはみ出すほどの大きな鰊でした。


(鰊は別盛りできます。それをのせるとこうでした)

帰り久しぶりに雨が降り注いでいました。
入り口の黒塀から覗く竹やぶが雨に濡れスポットライトを浴びて美しい。
やはり渋谷は人工的な光が似合う。

清山 東京都渋谷区神山町10-8 03-3460-0088
        11:30分~14:30分 17時~24時(土曜日は夜のみ)
          定休日 日・祝

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

更里 浅草橋  蕎麦屋の人間招き猫

2007-10-22 20:21:47 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

先週、お昼の更里を覗いた。そんなに席数は多くありません。
4人席のテーブル、2人席のテーブルが二つ。亭主の前にカウンター席が4席。夜の宴会用に4人席の小上がりが用意されています。
1人なのでカウンター席に案内されます。ご亭主が、相変わらず頭をしっかりとタオルのようなもので包んで、厨房で忙しく動いています。
相当な間を空けていますので僕の事はご亭主もうろ覚えのような感じですが、目の前に座ったので思い出されたようです。


この日は僕が招き猫になったようで以後お客さんが席を譲るような形になったくらいに入ります。せいろとゴボウの掻揚げ蕎麦をお願いしました。つゆは常温です。まったりした辛味のあるつゆですが、修業に入られた布恒よりも醤油は抑え気味です。

先週行った銀座「きだ」さんのつゆとも感じが違い、同じ布恒系列でもそれぞれ微妙に差があるものなんですね。せいろはこしがやはり布恒と同じように強くて、そのよさをしっかり守っておられるようです。蕎麦の香りも噛んだ味わいも強いものになっていました。


お客さんは馴染みがほとんどでこの日はその人達が集中したようです。メニューにないとろろ蕎麦などが出るのは馴染みの良さで、
「アレはあるの?」
「注文されたら仕方ないでしょう」
そんな掛け合いも楽しいものです。

ごぼうの掻揚げ蕎麦は、掻揚げが別盛りでくるがこれを蕎麦にドブンと入れる。ごぼうの掻揚げは山盛りに盛られ、箸で容易にパラパラに崩れる。
これは散らし揚げと呼ばれるもので、緩めの天ぷら溶き水に絡めて、油の上に散らすように放す。
箸で回すように真ん中に集め揚げてくる。ゴボウの一本、1本に天ぷらの衣が薄く絡まって全体を組むように揚げるものです。


(牛蒡の掻揚げは、別盛りで山型になってくる)

銀座天ぷら「近藤」の人参の散らし揚げは絶品ですが、この手法は素材の旨みを逃がさないように考えられたものです。
あつ汁はこれ以上濃いものはないのではないかというくらい、これは布恒譲りです。僕のような年齢には全部飲み干すのは心理的に難しい。
布恒系のあつ汁はなぜこんなに濃くて辛いのか、これは僕にとっては大いに興味のあるところです。

布恒修業のお店は「きだ」や世田谷くわ原をはじめ8店ほどあるが、布恒の流れをどこかに感じます。
本陣房を卒業した九段「大川や」や西麻布「たじま」などが全く違う蕎麦屋の形態で展開しているのと比べると面白いものです。
本陣房で学ぶものは本体のビジネスのあり方を学び、布恒には蕎麦の技術を学ぶといった空気の違いがあるのでしょうか。
丁度掻揚げ蕎麦を食べ終わる頃、2,3人の客が入ってくる。やはり常連の方達です。僕もその人達のために席を譲らなければいけません。

蕎麦屋の亭主にあの人は招き猫だと思われたいものです。蕎麦屋の客でそんな客を夜に3人ほど持っていると強いでしょう。
かって夢ハ開業時お二人ほどそんな方が居ました。お1人は週に二回は必ず、お1人は週に一回は必ずお見えになり、たがわずそうなりました。
招き猫の人数が多くて、回数を上げれば、商売は楽な事になります。が、その招き猫は実は綺麗好きで神経質、美味しい物にしか興味が無いのですから、困りものです。

更里 台東区浅草橋1-11-3 03-3863-6288       
          定休・日曜     前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

佐助 小川町  回り道の温かさ 

2007-10-21 08:09:21 | 和食



2年ぶりにお会いする人でした。
夢ハ開業中にある日秘書の方とふらっと通りかかって入ってこられました。その日から、その週はご友人やら部下の方とで毎日来ていただきました。
以来閉店するまでに週2~3回は必ず夜来ていただいた恩人のような方です。客が入ってないのと心配してくれ、客が入っていると体のことを気遣ってくれた人でした。

お1人でくるのが苦手な方で必ずどなたかお連れになりお支払いは領収書がなくこちらのほうが心配になる始末でした。
お店を閉めて会社へご挨拶に行って以来でした。本を出した事などを報告したら本当に喜んでいただきました。



蕎麦屋を辞めた男がどんな生活があるのかをこの方なりに心配されていたのでしょう。このところのお気に入りのお店にお招きいただきました。
「夢ハが無くなって苦労した」そんな嬉しい事を言っていただきました。
カウンターの並びで14,5人ゆったり座れます。テーブル席も4人掛けが3席あるなど比較的大きなお店です。
彼は必ず座る席がお店で決まっています。ここは一番奥のカウンター席で、夢八のカウンター入り口席と違っていました。それは、なぜか直ぐにわかることになります。



山葵一本を丁寧に若い板さんが摺ってくれて海苔を添えてくれます。その海苔に山葵を巻いて酒の当てにします。
後から出てくる自家製の旨みのあるイカの塩辛を巻いてのせる、新しい食べ方を僕が発見しました。
「かとうは7時半に毎日行くぜ」


(自家製の塩辛、味噌を少し効かせて甘みを。お代わりして海苔と)

僕が時々築地場内のかとうに行って塩辛を買う事を板さんに話していたら、入り口付近から威勢のいい声がしました。「オヤジは地獄耳だから」若い板さんは二代目でした。
お店の入り口は親父さんが相手をする常連席、奥が二代目の新しい馴染み席なのです。彼は夢ハの時も必ず毎回同じ席でなくてはいけないので、必ず事前に連絡して席の予約をします。

(カワハギは大きな肝を添えてありました)

ここも4日前に予約していただいたのでしょう。今は二代目をお気に入りだというわけです。二代目は以前和食の板前修業で苦労して、全く違う職業も経験して、店に入ったようです。
その回り道を辛抱強くオヤジさんが待っていたようです。客扱いも丁寧で細かなところに目が行くのはその日々のせいかも知れません。
「回り道も悪くないよね、夢ハさん」
温かい言葉を投げてくれます。


(この日解禁の北海道厚岸の牡蠣)

彼はそんな神経の細かいお店でないと気に入らないのです。二代目に聞くとほぼ週に2回は彼はどなたかとこの席を予約してきているそうです。
僕の酒のお代わりのタイミング、鮨の注文の間合い、酒のお代わりごとの付け水、こまごまとした仲居さんへの目配せ。まだ30代半ばだと思いますが久しぶりに客の顔色を見て良い配慮の出来る職人さんに出会いました。




魚は親父さんの目で選んだものを厳選して出していただきました。金目鯛の握りはちょっとこのところ無い脂の乗りでした。
穴子の1本握りはシャリを包んでいて、つめダレは親父さん25年の年季がありました。
次は彼をどこかお蕎麦屋さんをご案内しようと思いますが、またご馳走になってしまうのでどうしようか、タイミングが難しい。
ひとまず、間を置かずこの店に僕が誰かと行く事にします。
そのことを一番喜ぶのが彼だからです。

鮨処 佐助 千代田区神田小川町2-8  03-3293-6666

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

侍 江戸川高校前  乗り掛かった舟にのる

2007-10-20 09:29:31 | 和食
もう、そろそろ本を読んでくれたのではないかと思って、「侍」に来た。
時間は7時30過ぎ、例によって客は僕一人です。ここの店は客の出足が遅い。9時くらいからぽつぽつ、12時くらいがピークで、朝までという感じらしい。

「なにかある?」冷蔵ケースの前に座って覗く。品のない客だが何か珍しいものを見逃すと後悔するから仔細に見るわけです。
面白いものがいくつかあって、「あと、おまかせ」なんて言ってしまうから始末が悪い客かもしれないです。

(シラスの塩辛、甘みがあり、シラスの風味もある)

しらすの塩辛、これは最後の最後までちびりとやって抜群のものでした。シラスは足が早いからこうしておけば一週間は持つのだそうだ。
アン肝も甘みがあって自家製でよい味を出している。この二つの作り方を根掘り葉掘り聞く。蕎麦についての質問をしっかり答えているのだからこれはバーターです。

(アンコウの肝は手をかけてよい仕上がりになっていた)

ご亭主は梅酒やラッキョウも自家製でお客に出すものはなるべく手をかけて出すのだと言う。
『オムライスも、スパゲッティも出すんです』お店を引けた飲食店の人たちがお腹を空かせてやってくる。肴も悪くないが、彼らはまず腹ごしらえだと言うのです。
ヒラメの握りが出てきた。これもその人たちが夜中に食べるものなのでしょう。

(ヒラメの握り。生姜も昨日漬け込んだ自家製)

「蕎麦教えてくださいよ」
『こだわり蕎麦屋の始め方』には、蕎麦屋の難しさが沢山出てくる。それでもなお蕎麦屋をやりたいのだそうです。
これだけ美味い肴を作れる蕎麦屋があったら僕も通いたくなる。ただ、九州に帰ってやるのだからそれがやや引っ掛かる。遠くて通うのは大変だ。
「蕎麦屋、大変だよ。止めたほうがいいよ」
「なんとか、してくださいよ」
まるでかなわない。本をよく読んでいないのではないかと思った。
乗りかかった舟には乗らなきゃいけない。18日・木曜

スタンド割烹  江戸川区中央4-11-9 03-5607-8871 
                   (年中無休だそうです) 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索 
著作・鎌 富志治(かま としはる) ・夢ハ・
コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

ひろ作 新橋  お代わりが言えない

2007-10-19 09:03:27 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田
先週から2回満席で、帰りました。
特に今週の水曜は、そこから「辻そば」に回ろうとして道に迷っていたら、手打ち蕎麦屋を発見しましたが、残念なことに報告するにはいたりませんでした。

そこで、今日はルー君と11時20分に店の前で待ち合わせ。ルー君は自転車でなんとオフィスから5分だとのことでこれはうらやましいです。
彼は「ひろ作」は初めてなので僕より早く着いてその張り切りようがわかります。女将さんが暖簾を上げたと同時に入店しました。
このところの2回は申し分けないようなお顔のご主人でした。


いくら、なめこ、蕎麦の実などの冷たいおひたし・・


豆乳で火に当てて煮立てた豆乳豆腐・・

黙っていてもお昼はコースになっていて、僕はビールの小瓶、ルー君は自転車とはいえ酒気帯びになりますからお茶です。豆乳豆腐のぐつぐつ煮立ったのがきたりします。小さな椀ですが塩も敷いてあります。残った豆乳を飲み干しました。

ヒラメの味噌漬け、これはお酒が欲しくなる・・


きす、松茸のてんぷら、このあたりでビールがなくなる・・

「夜きたいね」一人だと無理だから僕がルー君を誘う。天ぷらも来ます。よい素材だと食べるとすぐにわかります。
鯛めしが本当に美味しいです。改めて感じました。

鯛めしはご飯のかたさ、粘り気などが秀逸・・

〆は蕎麦です。ルー君が驚いています。これほど透き通った蕎麦を見るのは彼は初めてです。特に今日の蕎麦は美しい蕎麦に仕上がっています。
蕎麦の草いきれの香りが上品にふわりと聞こえてきました。つゆはかなり返しが薄いですが、鰹の甘みがしっかりあって蕎麦によく合います。

綺麗な美しいそばです・・


粉のすり回しがよいのでしょうか・・

「お代わりしたいけど、よそうね」やはり後から来るお客のことが気になって今日も欲張れません。女将さんが栗を七輪で焼いている。
丁寧に皮をむいて蜂蜜水につけた自家製のものです。
「やはり夜来ますか」今度はルー君。それには僕は二つ返事です。


自家製の蜂蜜水につけて、七輪で焼く。秋です・・

栗がなんとも品ある甘みがあって、丁寧に炙ってあって、噛むとほっくりします。これで1500円のコースだから何回来ても頭が下がります。

これからチャリで彼はオフィスに帰って打ち合わせです。
「あの透明な蕎麦は一眼レンズでないと、駄目でしょう」ルー君。
「あ、今度それ持ってきて」僕。それもまた大袈裟すぎるだろうから、冗談の類です。
次回も、楽しみなランチになりそうです。
割烹 ひろ作 港区新橋3-6-13 03-3591-0901 
          03ー3593-3886 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索)
著作・鎌 富志治(かま としはる)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

店に集まる顔の違い

2007-10-15 21:33:14 | 今週のひと品

浜松町には本陣房の支店が2店あって、立ち飲みの殿堂「秋田屋」に近い方が嘉一。
その嘉一は夕方は3、4人だと入店させるが、2人だと50m先の「煌味屋」に送る。
奥から詰めていくということでしょうか。
なかなか上手いやり方ですが余りやりすぎると白けます。もう3回も送られています。連れはこの後仕事で時間も無かったので、仕方なく50m先の店に行く。

(大分のどんこを焼いて煮揚げたステーキ)

煌味屋の2人席に座って、普段食べないものを探した。どんこのステーキがあった。聞くと大分産のものだとのことで、肉厚でどんこの旨みが出ていました。
このほか、小柱の掻揚げがなかなかよい感じでした。こちらもサラリーマンの憩いのお店で、女性客が見当たらず木曜夜ダークスーツだけのお客さんでいっぱいでした。
浜松町 煌味屋 前回の記事


金曜の夜いつもは田端あたりですが、お1人が広尾、もうお1人が横浜にお住まいでそれでは西麻布の「たじま」で、となりました。
到着は8時半過ぎ、入れ代わり客で半分ほど空席だったのですが、15分後には再び満席。
こちらは半数近くが女性客で華やかでもあり浮いた気持ちで酒がすすみます。
たじまさんが長らく本陣房で修業したのだから、客層のその狙いの違いに驚く。

(鴨ロースの上品な仕上げ、茄子の程よい含め煮、薄味の子株、丁寧な仕事)

3000円コースの一品で鴨ロースとなすの含め煮、これはなかなかの逸品でした。
広尾にお住まいの方は女性で野菜のコースにいたく満足。たじまには近いので多分癖になるでしょう。
西麻布 たじま 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

コメント (8)
この記事をはてなブックマークに追加

七蔵 新橋  200人を軽くさばく腕

2007-10-14 21:17:35 | 和食

木曜、何年ぶりかにお会いする方がいて新橋のお昼待ち合わせした。
時間は12時「ひろ作」に急いだが満杯、待つと30分は掛かるというので「七蔵」に向かった。
七蔵は新店舗になって夜は4,5回ほど行っているがお昼は初めてです。入ってびっくりしました。
ほぼ学食状態です。店自体広いのですが、並ぶ人が多い。
しかし、饂飩と丼物のセットメニューなので注文はシンプルだし、売り物の稲庭饂飩は茹でが7分ほど掛かる時間を大鍋で茹で続けていますから、客には直ぐに配膳されます。


(鮪の漬け丼と稲庭饂飩、3分40秒でセットされた)

全く社員食堂のオペレーションでなおかつ順番待ちがスムース。その中で我々はビンビールを注文しました。
ご主人がそれを見て直ぐにビールとコップを持って席を確保してくれます。空いているフロアさんがお膳を運んでくれます。
メニューを早く出して、食べてもらって早く席を空けてもらうオペレーションが徹底しています。カウンター10人席の小さなお店をやっていたときは客を随分並ばせたものでした。
その彼が社食以上のオペレーションを開発したのですから驚きです。
もっとも10人入るお店での客のさばきも素晴らしかったのも事実です。
しかし、根本はおいしさがその生命線を握っているのは言うまでもありません。


(なめこ汁、味噌味と具材の食感のバランスがよい)

稲庭饂飩に独自のあつ汁を開発して名を上げました。この新橋ビル店にお昼どれだけ入るのか今日一日では想定ができせんが、200人近くはいるでしょうか。
スタッフを数えると11人います。それだけでお昼の売上が想像できます。ご亭主の顔色がよいのがわかります。
当時の鮪の漬け丼ほどの品質は無いが、ソコソコのものになっています。
「儲かって仕方ないでしょう」僕が帰り声を掛ける。
「そんなこと無いです」ご主人の答え。
その顔を見ると、笑いの止まらない顔をしておりました。

七蔵 東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館2階     
       03-3571-5012 11:20~14:10 17:00~22:00    
         定休日 土日祝 前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社より6月発刊(検索)

著作・鎌 富志治 1800円(本体価格)

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

松翁 猿楽町  儲けものの、もり蕎麦

2007-10-13 21:47:10 | 神田・浅草・神保町・猿楽町周辺・新宿区

松翁のハゼ(鯊)の天ぷらを食べにきた。
鯊とも書くし、沙魚とも書きます。松翁には沙魚と書いてあります。浅瀬の泥の近くに隠れるように棲息していて、スローな動作ゆえに外敵を避けるため、体が保護色になったといわれてます。
綺麗な底に隠れている種は綺麗な色をしていてハゼの親戚は2千種あると分類には出ています。

(入り口の水槽から職人さんがハゼをすくう)


(ハゼが水槽の上部槽に石に隠れるように泳いでいる)

注文を受けると職人さんが水槽からハゼをタモですくいます。日本種の多くは真はぜといい食して美味いですが、岩の色に近い体をしています。
松翁のは生ハゼです。泳いでいるものを捌いて天ぷらにしますから時間がやや掛かります。
美味いものを作るための調理時間はビールでも飲んでゆっくり待ちますから気にならないものです。ご亭主は打ち場で夜の蕎麦の仕込みですから、揚げ手はこのところ見知った職人の方です。


(左メゴチ、右キス、ハゼは撮り忘れて・・)

きす、メゴチ、銀杏、ハゼとひとつひとつ揚げて油落としに入れて運んできて、盛ってくれます。この日はハゼが来た途端ぱくりと食べましたのでその写真がありません。職人さんも上手に揚げてくれます。


(イチョウの型取りサツマイモ、カリンカリンに揚げた面白い食感)

松翁に修業に来ている方は全員レベルが高いです。愛想もよく、通うとそれなりに顔も憶えてくれます。どちらかというと口数の少ないご亭主や女将さんを、その愛想でカバーしているのではないかとおもいますが、どうでしょうか。

それが松翁の全体のよい雰囲気になって、僕は気に入っています。田舎と並そばの合いもりにしました。
「田舎が80gしかなくて」
としばらくしてから職人さんがその代わりの代案の蕎麦を何通りか僕に示してくれる。一番欲張った回答を僕が言った。
で、出て来たのがこれです。


(十割と田舎の合いもりの真ん中に、更科蕎麦を)

合いもりの変化3色蕎麦です。これはかなり儲けものでした。しっかりした新蕎麦の香り、味の強さが十割にも田舎にもありました。
「すごく得したな」
勘定を払う時に職人の方に声を掛けた。
「ですか」にやりと彼も笑う。
「これから、あの3色のスタイルにしてもらおうかな」
こんな事は滅多に無い事だから今日の打ち合わせはうまく行きそうな気がした。

手打蕎麦切 松翁 東京都千代田区猿楽町2-1-7 03-3291-3529 
          11:30~16:30 17:00~20:00(土)11:30~16:00                      定休日/日・祝  前回の記事

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社より発刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ

コメント (8)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

吟八亭「やざ和」 亀有  蕎麦は一枚にしておく

2007-10-11 21:52:45 | 江戸川・江東・葛飾・新宿・大田区・足立区

所用があって帰り亀有に迂回して「吟八亭」に寄ってみた。
ここは現代的な蕎麦屋らしい先駆的な蕎麦屋という感じでしょうか。十分に客の意表をつく表玄関、一階は言ってみれば渡り廊下のような考え方です。


時間は6時半過ぎ、2階のお店の踊り場が亭主の仕事場で、この日も手挽き石臼を回していました。客は僕が口開けです。
僕は酒を飲むのは初めてです。車でお昼に4,5回ほど蕎麦や蕎麦掻きを食べたことはありました。ここはあまり肴がありません。もちろん、蕎麦前をやるには普通に当ては揃っています。


(蕎麦味噌、胡麻豆腐、鰊の盛り合わせ)

2000円の夜のセットメニューは酒も一合付いた適当なものだったのでお願いしました。冷酒は僕が好きな飛露喜にしてもらいました。
蕎麦味噌、胡麻豆腐、鰊がそれぞれ一皿に盛られています。このセットは酒を一合飲み、適当な量の肴を頂き、せいろを手繰ると言う考え方のものです。
僕の場合は少し物足りなくなります。卵焼きを追加して、九平次を一合オーダーしました。



卵焼きは、これは本当の出し巻きです。嘘の出し巻きはあるのかと語弊がありますが、「やざ和」さんのは辛汁を出汁で薄めたものが相当量入っているようです。
卵焼きを焼かれた人は経験があると思いますが、だし汁が多くなればなるほど、また醤油が濃くなればなるほど卵焼きは焦げやすくなり、巻上げが難しくなります。
よい味の焦げ目をつけてだし汁を逃さず焼くのが職人の腕になります。

最近ではホウロウのもので油に浮かべるように焼き上げるところがありますが、油でなじませた銅のもので焼き上げたものがやはり香りが逃げなくて、卵にくどさが残りません。
蕎麦がきました。つゆは切れ味が鋭い、と思います。生返しが濃いのですが甘みを包み込んでいますから舌にすとんと絡みます。


(細かな器にもこだわりがある)

なたで打つようにドスンと響くようなつゆもいいのですが、この切れ味はなかなか心地よいものでした。蕎麦は水切れに工夫があってなるべく早く香り立ちをさせる意図がありました。


(繊細な蕎麦、水切れも丁寧になっています)

できたら、もう一枚20人前限定の田舎を食べたかったのですが、次回に持ち越そうと思いました。
ここは年に一度ほど二合の蕎麦前と蕎麦一枚が似合う、そんなことを思いました。

吟八亭 やざ和   葛飾区亀有1-27-8 ℡03-3690-8228 
                            営業時間11:30-20:00   定休日 木曜、第3水曜

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索

著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・  

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

古拙 銀座  蕎麦ではない蕎麦を求める

2007-10-10 22:05:27 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

古拙からは「湯津上屋」が目と鼻の先にあります。
表通りに出ると「流石」です。裏に一本入ると「麹也」があります。今日も東銀座からここに来るまでにビールバーのようなお店が新規開店していました。
落合シェフのお店を筆頭にこのあたりはさながら昔のグルメ通りを彷彿させるようになって来ました。


古いビルの2階にお店はありました。内装などはいくつかの木板や職人の手の入った壁、オイル塗りの踏み板など、ご亭主の意見が随所に入った設計をうかがわせます。
お昼はランチで2タイプあります。そばを中心としたものとうどんを中心としたものです。僕はそのひとつで蕎麦膳をいただきました。蕎麦膳は野菜煮物などの二椀に温蕎麦がきて蒸篭が最後につきます。

石井さんは「いし井」から「朴念仁」を開き、弟子のような方も多く今回はその弟子の一人「流石」の近くに古拙を開業されました。
僕は「流石」は何回か行きましたし、石井さんから教えを受けた大阪の「いしたに」には2週間ほど前に行っています。残念ながら僕は石井さんの蕎麦をまだ食べたことがなく、それだけに興味が湧いていて、普段なら湯津上屋か奈津のランチになるのですが、少し探して古拙に来たわけです。

(鱧と松茸の温蕎麦。具材と蕎麦が渾然一体で、お吸い物蕎麦)

蕎麦膳の最初は鱧と松茸の温蕎麦です。鱧の微妙な味わいと松茸の風味を壊さないないようなだし汁に細い蕎麦が隠れるように入っています。
蕎麦の存在感は余りありませんが全体の具材やだし汁などと混在一体化して、これは懐石蕎麦椀のような一品です。
〆にはもりと辛味おろしそばのどちらかですが、僕はもりを選びました。つゆは伝え聞くよりは濃い感じです。


(栗のような甘みのある香りが立っていました)

甘みのほうがやや勝ってはいますが醤油の風合いと鰹出汁が品よく立っています。蕎麦を鼻の近くに取る。これまで聞いたことのない香りがしました。かすかに栗のような香りが立ちます。
強い匂いではありませんが、未知の蕎麦の香りでした。蕎麦は細い、それは流石やいしたにも同じでした。

(この野菜などの二椀は無くても蕎麦2つで満足すると思うが)

石井さんが最初の蕎麦屋を開業されていたときもこの蕎麦だったとしたら、当時は実験的な蕎麦だったのではないでしょうか。
料理人が作る蕎麦の新しさを求める、そんなようにも見えます。
蕎麦ではない蕎麦を求める。そんなものがあるとしたら、それが蕎麦職人の夢だし、また蕎麦職人ではなかった人の目標でしょうか。
近くでは、蕎麦らしい本来の蕎麦。そんなものがあるとした、それを求める湯津上屋がいます。
まさに好対照の二人がひと辻違いにいます。蕎麦はなんとわくわくして面白いものなのでしょう。

古拙 
中央区銀座2-13-6    03-3543-6565 
         11:30~13:30 18:00~20:00(昼夜とも入店)

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢八

コメント (6)
この記事をはてなブックマークに追加

ダンススポーツフェスティバルin東京2007

2007-10-09 21:17:14 | その他
映画でシャルウイダンスが人気出ましたが、次回オリンピックでテコンドーとダンスが正式種目に加わりました。
タイミングよく日本で初めての世界選手権が行われます。


ダンススポーツフェスティバルin東京2007


●ロヂャースPresents 世界10ダンス選手権 10月20日(土)9:45~20:30
●第27回三笠宮杯全日本ダンススポーツ選手権10月21日(日)9:30~20:00
場所は東京体育館で開催されます。この機会にどうぞお出かけください。
詳しくはhttp://www.jdsf.or.jp/kyougi/2007/07tenmikasa/index.html
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

たじま 西麻布  客は蕎麦職人の栄養

2007-10-08 20:02:37 | 麻布・六本木・赤坂・白金周辺・千代田区

この日は土曜、麻布十番あたりがハイキングの方達で大変な人ごみです。
何かのイベントなのでしょうか、おおよそ2,3千人の方が参加しているのではないか。これは赤坂から、六本木、麻布あたりにかけてのコースの設定かもしれない。

なかでも鯛焼きの浪花屋が賑やかでカメラをお持ちの方が周りを囲んでいる。しかし、浪花屋の出来上がり時間を皆さん聞いたようで、一斉に人ごみが崩れる。
浪花屋の土曜お昼前で1時間待ちが落ちかもしれないです。
ここを横に素通りして仙台坂下から坂上に上がり、愛育病院の交差点をヒルズ方面に向かうとすぐ「たじま」です。

ここへは僕のように十番から上がる、六本木からけやき通りで来る、広尾から上がるの3ルートがあります。僕は時間があるときは十番の商店街からけやき通りに抜けてたじまにいきます。

(シャブリのスッキリしたものを野菜料理にあわせる)

まゆみさんはやや遅れそうなので、小マメさんとワインを飲みながら京都の話をする。糸の切れた凧のように京都に1人残った小マメさんがどうしたのか、色々聞いてみたかった。僕は小マメ太郎改め小マメ凧と命名したらどうかと進めたが彼女が気にいったかどうか。
今はすっかり付き物が肩から落ちたと本人は言ってます。その付き物がルー君に憑依した模様です。ここは先週もルー君と来ていた。
そのときと同じようにいい回転でお客さんが出入りする。土曜なので家族も来店する。

パパが小さな子供とせいろを食べている。小マメさんに訊ねると3歳くらいかという。子供用のお茶碗がたじまには用意してあってそこにパパが蕎麦を移す。お嬢ちゃんは小さなフォークで上手に食べる。
これはいつも蕎麦を食べているお子さんだと思いました。いい風景だし、たじまもにはそんな親子連れがよく来るのだな思った。


(小芋の味噌かけ、銀杏の酒蒸し・これが美味かった)

少し時間をおいて「まゆみさん」が来た。銀座湯津上屋に行って以来だから長らくメールやブログだけのコンタクトでした。
相変わらずてきぱきした口調で江戸っ子美人です。野菜は銀杏の酒蒸し、小芋の味噌掛け、人参などの白和えが来て、丁度よい口直しにしめ鯖が来ました。

しめ鯖がくちなおしになる


キノコの玉子蒸し、底に隠れた湯葉が絶妙な口当たり


手前鰊、後の茄子揚げ含め煮はまゆみさんお代わり

鰊と茄子の煮含め、このような料理になるとたじまさんの力量に感心してしまう。この茄子はまゆみさんがお代わりをしてしまうくらい美味しい。
このあたりでもりを一枚いただくことにした。ワインから酒に移ったので丁度良い頃です。蕎麦は洗練されてきました。つゆは醤油の返しがやや強めになっていい感じです。


つゆと蕎麦が合います。酒のあたりに美味しい

出汁が強めですから濃く味がありバランスのよいつゆになっています。蕎麦とつゆがよく合います。鴨焼きが来ました。まゆみさんも鴨が大好きだと聞きました。


鴨は相変わらず美味しいくて、お代わりしたいくらい


鴨は随分厚みがあってジューシーです。まゆみさんの松翁通いの話になります。独身の頃はかなり飲兵衛でしかも1人酒もあったそうですから、その頃お会いしたかったものです。
月島の居酒屋の煮込みのお店にもまゆみさんが是非行ってくれと言う。ブログがストップしたままのmakotaさんはまゆみさんから元気だと聞いてひと安心もした。
色んな話が飛び交いましたが、やはり食べる事になってしまいます。


掻揚げはさらに上手になって、ふわふわでカリカリ

掻揚げが出てくる。久しぶりでしたが、ますますよい掻揚げになってきました。店が忙しく客が多くなると腕もまた上がります。
職人の栄養は客です。しかもよい客が集まると心が晴れ上がりますからますますというわけです。
まゆみさんも先日来からたじまさんを気に入ってもらったようです。

さて、公私多忙なまゆみさんに来ていただいて最後の蕎麦になりました。僕は花野菜冷かけ、もう少ししたら無くなる期間限定ですから名残が惜しい。
まゆみさんとこまめさんはかけそばでした。


菊花が散る、花野菜冷やかけ、柿の甘みが効いている


シンプルなかけそばは、まゆみさんと小マメさんが・・

たじまさんの蕎麦は汁物に強い蕎麦です。冷やかけにも温蕎麦にもきりきりしまって出汁に負けません。 12時からなんとお昼仕舞いの2時半までいました。
お客さんもぎりぎりその頃まで回転していますから大威張りでいても平気です。



最後の客なのでたじまさんも見送ってくれます。僕と小マメさんはまゆみさんをお見送りました。
蕎麦屋酒は終わりがあります。終わりがあるからまたその名残が惜しくてよいのでしょう。
心に残る蕎麦を、それはいつも亭主の思う事です。

たじま 港区西麻布3-8-6 03-3445-6617  
           11:30~14:30 17:30~21:30(祝20:30) 定休・日 
           前回の記事 

『こだわり蕎麦屋の始め方』

ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

コメント (8)
この記事をはてなブックマークに追加

店は誰のためにあるかを、ふと考えてしまった

2007-10-07 11:13:11 | 今週のひと品

井のなかに開店以来だからかなり行ってません。
そこでの料理の一品で秋刀魚の肝づけとあったので注文してみた。実際には秋刀魚の刺身かしらん?と思ったのだが、どうやら肝に秋刀魚をつけて片面を炙ってあるようです。


井のなかにはこのような実験的な料理こそが命で、それは開店当時のエネルギーがそうだった。
そのエネルギーは料理にこそ振り向けられるべきで、それ以上でも以下でもない。 新しい居酒屋のコンセプトが開店当時には漠然とこの居酒屋自体にあったと思う。まだそのコンセプトがはっきりしてこないもどかしさが、お店自体にあるように思うが、どうだろうか。
錦糸町 井のなか 前回の記事

浜松町「俺たちの地鶏屋」定期的に来ているが、開店当時の勢いが戻って来たように思う。出足は少し遅いが、客層が一段下がっていい感じになってきているようだ。定番の「松子のつくね」は健在です。


美味しいと思ったのはぷりぷり胡麻豆腐。豆乳と生クリームをブレンドしての自家製で、チーズのような甘味に仕上がっている。今の客層を厚くするにはもう一工夫がいると思うが、店主二人がしっかりしているので大丈夫だと思う。
ここはもう開店も長く店は誰のためにあるかがきちんと把握されているから、長年の馴染みには嬉しい。
浜松町 俺たちの地鶏屋 前回の記事


ダイヤモンド社刊(検索
著作・鎌 富志治(かま としはる)・夢ハ・

コメント
この記事をはてなブックマークに追加