三度目の正直は、叶いました。
11時20分頃、表に出てきた女将さんが、指を一本立てました。1人なの?という合図です。
「なんとか、なりますか?」女将さんは、45分始まりなのでその頃きて欲しい、とまた忙しそうにお店に引っ込む。
時間をつぶして、45分にお店に入る。ご亭主はいつものことだが、寡黙に厨房で料理の手配をしている。胡麻の甘みがたっぷり
先客が一人居て、すぐに予約客が5人、テーブルに入ってくる。
元々、そこは4人席だが5人席にしてある。賑やかな英語がその5人客から混じっている。
ミシェラン★の小料理屋でランチともなれば大概の外人は喜ぶでしょう。そのような客がこのところ多かったのは推察できます。
ミシェラン★小料理屋で料理に満足してもらい、このくらい安く上げられるところは皆無でしょう。お造りは綺麗な鯛
席は4人テーブルとカウンター5席の店です。この2ヶ月11時半前に来ても入れなかった理由はそのようなことです。
この日も前菜からお造り、天ぷら、鯛めしご飯、お蕎麦とあい変わらず美味いし、このコースだと2500円出してもまだ客は押し寄せるでしょう。白魚とたらの芽の天ぷら
「もう、大変だから辞めようと思ったのよ」僕の問いかけに女将さんが言う。
<お、っと、それは困る>声を抑えてその賑わいの疲弊度を推し量る。
「マイペースでやらないとね」
僕の言葉は慰めになってなかった。
「このくらいの席数しかないでしょう!疲れちゃって」
「まだ、客は続いてるの?」
「だから、休みを取らしてもらって、やることにしたの」
臨時休業が多くなったのはそのせいだった。アツアツのおこわご飯
われらの間では、(新橋のオアシス)と呼ばれている。そこが、デズニーランドのようになったら困る。
胡麻豆腐もトロンとして微妙な味わいです。鯛の刺身は甘みがしっかりあります。今旬の白魚とたらの芽の天ぷらはふわふわの薄衣で上手に揚がってます。
そして、目当ての蕎麦は、まだ新蕎麦の香りがにおい立っています。どんなに忙しくても手を抜かないから疲れてしまうのでしょう。透明感のある蕎麦
蕎麦はさらに完成度が高くなっています。細さ、蕎麦の切り立ちの具合が進化している気がしたが、それは写真で見ると実証されていた。
「まだ、新そばの香りがあるね」ようやく手の空いたご主人に向けた。
「やはり、なんだか、新蕎麦の出始まりより、12月頃が一番そばとしてはよい気がする」ご主人が答える。
「不思議なものなんですね」少し、ご主人と蕎麦のことやら、他のミシェラン★店の混み具合などをお話しました。
「今まで来られたことの無い客ばっかりで・・、ありがたいのだけど狭い店だから、ね」
ミシェランの★が付いたとき、訪れる客はすべて新顔。
客との会話もなく、それが辛かったようです。
北海道から訪ねた人も居て、その方を満席でお断りしたのは心が痛んだそうです。
反対に田舎のおばあちゃんをこのために招いて来られたお客さんには、この商売とミシェラン★の喜びがあったといいます。
何もかもが多分初めての経験で、そんなことに神経を使うご夫婦なのです。新橋のオアシスと呼ばれるのは、理由があるのです。
僕は蕎麦はないが、やはり夜ご主人の懐石料理を食べてみたいと、このとき思った。すぐに物事に感動してしまうのは悪い癖だが、これは感動しても誰にも叱られないだろう。
夜はもちろん馴染み客しか入れないで、ゆったりした時間を味わってもらう店になっている。
「マイペースでやりますから」
「そうしてください」
「時々来てください」
久しぶりに、よいランチ。新橋のオアシス、1800円。
割烹 ひろ作 港区新橋3-6-13 03-3591-0901
03ー3593-3886 前回の記事
『こだわり蕎麦屋の始め方』
NIKKEINET 日経WAgaMAga記事連載中・働く(起業
ダイヤモンド社刊(検索)
著作・鎌 富志治(かま としはる)
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はぁ~3度目の正直とは恐れ入谷の鬼子母神!
外国人にも日本食の繊細さが伝わるのは嬉しいです。
しかもそんな値段で?!なんてありがたいお店なのでしょう。
ぜひ、ぜひいつか行ってみたいです!
おめめにお星さまキラキラですね。
そば箸さんの目に星が飛び込んでしまいましたか。
ただでさえ、キラキラしたお目めが
キランキランになって、
それが今流行のミシェランアイというんでしょう。
多分、外人さん達は長期出張組で
汐留あたりのオフィス組みなんでしょうね。
そういう方達に蕎麦のよさを持ち帰って欲しいです。
機会があったら、行ってみてください。
そばは、お昼しかありません。