備忘録パッチワーク風  池野徹子

ある日の出来事中の雑感・つぶやき
川の流れのように過ぎる日々。
ファミリーとの共通の思い出。

東日本大震災復興祈念 チャリティコンサート 竹沢嘉明バリトンリサイタル

2011-09-24 14:55:05 | 音楽
9月22日
パリ友4人で久し振りのお出かけ。

本当は1泊の予定だったが、いろいろあって、日帰りにする。

11時半渋谷集合。

真っ直ぐローレルへ直行。半年以上ぶりの、ショッピングコース。

それぞれ、好みをゲット。大満足の様子。すべて8割引。品がよくてしっかりしています。

近くで3時過ぎまでゆっくり昼食。少し雨模様

次に銀座4丁目へ。7時からコンサートなので、それまでホテルでゆっくりと思ったが近くに無いので、銀座三越の上でデザートをいただきながらゆっくり過ごす。

店内を少し見てから銀座王子ホールへ

竹沢嘉明バリトンリサイタル~日本歌曲の夕べ~ピアノ・朗読塚田佳男

私たちは関係者の知り合いで、お知らせがあり駆けつけた次第。

徹子以外は竹沢氏と合唱していたとか。コンクールで賞を戴いた仲間とのこと。

日本歌曲はとにかく難しい。マニアックな曲で、メロディラインが難関。歌う方も聴く方も大変。

「小景異情」室生犀星・詩  原久貴・曲
「青猪のうた」 真壁仁・詩 猪木隆・曲
「シレトコ半島の漁夫の歌」 更科源蔵・詩 伊福部昭・曲
「わだつみの声(抄)中村栄・詩 金光威和雄・曲

         以上

この中で、最後の曲は1942年から1945年にかけて学徒出陣兵や特攻隊として22歳前後で命を終えた学生の詩をうたったもの。

近くの徹子の前の席の女性が涙ながらに聞いていたのが印象的。5人の詩をここに書きます

☆「目には見えぬ嵐が、今」中村栄・詩

目には見えぬ 大きな嵐が  
駆け抜けていく
渦をまいて この身を
見知らぬ世界へ 吹き上げる

ラッパが 高鳴り
幻の 轍をふんで 馬車が
駆け抜けていく
激しい 怒涛にもまれ
投げ出される

わたしは(どうすることもできない)
この 流れの中で もがきながら
押し流され 奪われ・・・・・
やがて この世から
消えていくのか

   運命とは 何か
   死とは 何か

すべてが 刻々 ひしひし 迫ってくる
誰も 何も 言わない
何も 言えない

目には見えぬ 大きな嵐が 今
駆け抜けていく

以下は5人の学徒出陣兵の残したもの

☆「砂の上の足跡」

きみは
砂浜に
どこまでも続く 足跡を
見たことがありますか
どこまでも続く 
 砂の上の足跡

ひと足 ひと足
ふみしめて 歩み続け
交じりあった
  いくつもの足跡

たとえ
波と風とに消される足跡であっても
そこに 足跡の主の
力強い意志と心を見てください
立ち去った人の
たくましい ふみ跡を見てください
  
  私たちの 足跡

☆「小さないのち」

わたしは 少年の頃
モズの雛を何羽もとってきて
毎日毎日 餌をやり
はやく大空高くとべるようにと・・・・・
  楽しみにしていた

ぐんぐん 大きくなった
だが
 一羽だけ 育ちの遅い雛がいた

ほかの雛が
もう一人前の小鳥になって
とび立とうとしているのに
その雛だけは
つき出た腹を
地べたにすって歩くのがようやくだった

ある日
兄は 空気銃で ひと思いに
その雛を撃て!
と わたしに言った

言われるままに
わたしは銃を 構えた
照準の中で
雛はキョトキョト 首をふった

   何も知らぬ 雛

わたしは 引き金が ひけなかった

兄は 鋭い口調で 何か言った
わたしは 遂に
引き金を ひいた
  と同時に 目をつむった

ほかの小鳥たちは
それから四五日 木の上で鳴いていた  が
ある朝
全部 いなくなった

庭に出て わたしは
小鳥たちが
猫に やられたことを知った

あっけない いのちの終わり
小さな いのちが
かくも はかなく
   滅びようとは____

  あわれな いのち!

☆「薄暮」
夕暮れの廣野を
戦車を駆って 西へ 西へ
欅と杉
竹と雑木
畑の匂い 土に匂い
夕餉の 味噌汁の香りがする
若い木の芽の薫り
戦車の 鉄と油と煙と砂塵の中から
かすかに かぎあてた時の うれしさ
この想い
いつまでも そばにいてくれ
 願いながら(戦車の操縦桿を握る)

ああ
 今日も亦  生きていた

☆「さよなら おかあさん」

お母さん
悲しい頼りを 出さねばならぬ時が
   とうとう 来ました

出撃は あさっての 朝

おかあさんのことを思うと
   泣けてきます
私をたのみと
   必死で育ててくれたのに
   死んでいくのが つらいです

お母さん
今宵ひと夜
ゆっくり会って
しみじみ 話したかった
抱かれて ねたかった
うんと 甘えたかった

出撃は あさっての 朝

お母さんに祈って
  突っ込みます

もうすぐ 死ぬ ということが 
  人ごとのように思えます
いつでも また
  会える気が するのです

さようなら
  お母さん

さようなら

☆「霊魂」
いくさで死んだ人は
死んでは いない

雨になって 涙し
風になって 唸る

雷になって 叫び
嵐になって 怨む

苔になって 嘆き
虫になって 哀しむ

いくさで死んだ人は
死んでは いない

以上パンフレットより
残しておきたかったので、書きました!




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