Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

日中関係とメディア

2005-12-14 06:10:19 | 政治
いつものようにネットで新聞を読んでみた。どの新聞にも民主党の前原代表の海外訪問が予期した成果を得られなかったと伝えてある。特に中国では今までの民主党代表が要人との会談をセットできたのに、今回は会ってくれなかったそうだ。
読売の社説では、前原代表は筋を通した、と評し、朝日の社説ではこれでは小泉と変わらんでないか、と批判した。同じ事柄でもこれほど社説で意見の相違が出てくるのは珍しい。
中国側は、時間の都合がつかなかった、と言い訳をしているようだが、将来民主党が政権に就けば、彼らと正面から向き合う可能性のある野党第一党の党首が、わざわざ自分の国にまで足を運んできて、話し合いましょう、と言っているのにこれではあまりに礼を失するのではないか。中国は礼節の国を自負していたと思うのだが。
小泉首相が靖国神社を参拝していることを理由に、日中の外交は途絶えている、と中国は主張するが、今回前原代表は訪中前に閣僚の靖国参拝を批判していたにもかかわらず、これほど冷遇するとなると、そこに中国の本音が見える。「靖国問題がなくなれば外交問題の7割は解決できる」と主張する中国に対し、じゃあ今回、前原代表は靖国に行かない、と言っているのに、会わないと言うのはどういうことですか、と問いたい。結局今の中国政府と意見が異なれば気分が悪いから会ってやらない、と言うことではないだろうか。前原代表は訪中前に中国政府を批判する発言をしていたようだし。日本の新聞各紙ももう少しその辺を突いてもいいと思う。どうして日本のメディアは何か外交問題があると日本側のせいにしたがるのか私には理解できない。それこそ良好な両国関係の妨げになると思うのだが。
われわれ日本人にとって中国は歴史上最も関係の深い国の一つであると思う。われわれの今使っている漢字も、元をたどれば中国からもたらされたものだ。今でこそアメリカが日本にとって最重要な国であるが、地理的にも、歴史的にも中国のほうがずっと近いはずである。私も三国志演義が大好きで、その奥の深さ、スケールの大きさを見て、中国とは偉大な国だなあーと思っていた。
ところが最近の中国政府のやり方は少々横暴に過ぎないか。対日デモを放置したり、油田の問題でもまったく話し合いに応じようとしていない。そういう中国の姿勢をもっとメディアは社説で批判すべきではないか。自国政府に対する批判には積極的で、他国のそれには消極的では中立であるとは思えない。
国際社会では私は小泉首相のように、信念を貫く姿勢をはっきり示すことが長い目で見てお互いを利することになると信じる。私は今の中国政府のやり方は好きではないが、もともと中国には親近感を覚えるほうである。いつか仲良くできると信じている。

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