ひつじ飼いのキノコ岩との日常

家庭の事情から、トルコ国内のすったもんだまでw

イスメット・ベルカン氏の論説。

2013年11月29日 08時41分22秒 | 事件・事故・宗教・政治
ヒューリエット新聞、解説員
「イスメット・ベルカン」さんの
論説のご紹介♪

ただいまトルコで
加熱している

「予備校・塾を閉鎖する」という
AKP党の案に対して

こんな意見を
呈しております。

11月22日の
ヒューリエット紙に、掲載された論説。


「この地図の色が変わらなければ、トルコが21世紀においつくのは、難しい」

無駄に、大騒ぎしてる、といえる。

首相も、フェットッラ・グレン氏も
「予備校騒動」で、政府を支持する派も
フェットラック派も
無駄に、大騒ぎをしているのだ。

この地図を、
よく見てほしい。

地図中の黄色地区では、国民の平均教育期間が
5~8年間ほどである、そうだ。

地図中、アンカラ県とエスキシェヒール県住民だけが
平均教育期間が、8年よりも長いのが
見て取れる。

これに対して、シャンリウルファ県やアール県では
平均教育期間が、5年にも満たない。

全トルコの平均を見ると
国民が、「学校」で過ごす期間は
たったの、6年半である。

2000年の時点で、この平均値は
5年半だった。

10年間の、AKP党の統治のもと
この数値は、たったの1年、伸びただけである。

しかし、この、同じ期間の間に
ノルウェーでは、平均値が、
11年半から、12年半に伸びた。

ドイツでは、10年半だったのが、12.2年に伸びた。
スイスでは、10.3年から、11年へ。
フランスでは、9.3年から、10.6年へ。
イタリヤでは、8.4年から、10.1年へ、と飛躍した。

「教育」は、
歴代トルコ政府の、最大の失策だ。

どれだけ、予備校を造ったところで、
それどころか、予備校全部が、無料になったとしても

「教育の基本」とは
「学校」で形成されるものである。

学校教育のレベルの低さは
予備校でおぎなえるものでは、ない。

要するに、平行線的なものとして
もとの、学校教育の質が高ければ、

試験などで、予備校の助けを借りて、
「点数の違い」が、出せるのである。

トルコの現状は、これだ。
予備校に通うお客、いわゆる生徒は
一番質の悪い学校からではなく

その反対に、高校、もしくは、中学校で
比較的良い教育を受けて、

次のステップを、更に「上の」学校を
狙える子供達が、予備校へ行くのである。

一方、
わが国での25~34歳の国民、

言うなれば、とっくに、
教育システムを
卒業している世代の、

60パーセントの最終学歴は、
小学校である。

この世代は、2040年まで、
「労働可能な世代」として、数えられる。

しかし、知識も特技もない、教育も受けていない人間が
トルコのために、何の役にたつのだろうか?

工事現場仕事が終わったあとは、
何をするのか。

本当の問題は、ここなのだ。
予備校うんぬんは、その先、の話だ。

トルコを、21世紀に、
世界中の国の間で
繰り広げられる国際競争の間から、
一歩前に抜け出せる国に
したいだろうか?

更なる、繁栄、進歩を、
より幸福な人生を、おくりたいだろうか?

もちろん、そうしたい。
しかし、この願望を、全体として実現するためには、
どうしたらよいのだろうか?

中には、間違いなく、
個人的に、この願望を達成できる人も、いるだろう。

しかし、この地図の、この黄色部分に住む
大部分の国民は、どうなるのだろう?

例えば、この人達は、貧乏で、
安い賃金で労働することを
余儀なくされた、としよう。

それでは、彼らの子供達は、
どうなるのだろう?

政府が、教育の根底を変えるための
策略を練っていて、

予備校うんぬん談義が、
この策略の一部であれば、よかったのに。

首相がテレビに出て、
子供達は、最低でも、20年間、
教育を受けさせたい、と

発言してくれれば、
よかったのに。

今日、5歳の子供が、
トルコで平均的に教育を受ける期間は、16年。

フィンランドでは、この世代の子供が、
20年間の教育を受ける。

願わくば、そういう話題を、議論してくれれば、
良かったのに…。

記事の原文、及び「地図」は、こちらから~。
→→→http://www.hurriyet.com.tr/yazarlar/25177632.asp
(ただし、トルコ語)


ごもっともな意見。
トルコには、確かに、

もっと他に
手をつけなきゃいけない
緊急課題が
山積してるような、気もします…。

しかし。
若い世代の60パーセントが

いまだに、小学校卒、というのは
驚きです。







本日もお付き合いいただいて
ありがとうございます!

左の「トルコ情報」から
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10 コメント

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Unknown (kaori)
2013-11-29 21:22:51
なかなか面白い話です。

トルコ人と一緒に仕事をすると自己主張と言い訳ばかりで努力はしないところに「うんざり」するのは、学校教育の不足から来るに違いないと思いました。

個人に対して不満をもつより教育策の不備を嘆く方がいいのかもしれませんね。
返信する
Unknown (72)
2013-11-29 21:59:11
こんにちは!いつも楽しく読んでいます!

60%がの最終学歴が小学校って驚きました。。
親の層も教育の重要性より早く子供を労働力にって感覚が強いんでしょうかね??
今のトルコは、新聞のコラムなんかはごもっともなこと書くのに、政治の偉い人たちはなんだか後ろ向いて爆走してるイメージです~…笑
返信する
DEEPだなあ・・・ (ラム子)
2013-11-29 22:11:09
小卒60%って、びっくりだ。
都会ばかりの子供たちに目が行きそうだけれど、
パムッカレから100キロ近く離れた集落が
山の中にあるんだけれど、
小学校までは、その村で、
中学校からとなると、隣町までバスを乗り継いで
行かなきゃいけないんだそうで、
それで進学を断念する人も多いんだとか。

パムッカレはかろうじて中学まであるけれど、
高校となったら、ドルムッシュ代も出せない家庭も
多く、中卒の人も多い。

でも、今度、デニずりまでのドルムッシュ代が
学生は無料になるとか。本当にそうなったら
進学率も高くなるかも。

進学率が低いのは、
パムッカレの子供は、家に余裕があっても
高校に進学したがらない子も多いわ。
勉強嫌いな子が多いというのか、
学校に魅力を感じないのでしょうね。

こういう記事を読むと自分のバカ日記が
恥ずかしくなるわ。
早く、抜かしてくれー
返信する
ビックリです (I love 海)
2013-11-29 22:16:46
最終学歴が小学校というのが若者の6割、これはビックリですね。一応、義務教育期間が小学校に通う年数で、希望者は中学に進学出来ていた…という状態だったのでしょうか?進学率が高いのは、大都市に限られているのでしょうかね…。

実は、私の住んでいるところの近くにショッピングモールがあるのですが、その中にゲームセンターが入っています。週に1回くらいのペースで、平日の午後になると、小学校の先生と生徒らしき団体が遊びに来ているんですよ…。学校の課外活動(?)なのか分かりませんが、普通なら学校で勉強の時間でしょう?という感じの時間帯に大勢で遊んでいます。あんなことしているなら、勉強させろー!と思ってしまいますが…。
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Unknown (エレナ)
2013-11-30 14:47:02
私もびっくりしました。この60%という数字に!!でも、これでトルコ人の謎みたいのが少しわかったような気がします。う~ん、考えさせられますね。
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kaoriさん。 (トルコのひつじ飼い)
2013-12-02 16:34:25
初めまして、こんにちわ!コメント、ありがとうございます♪トルコ人の、言い訳が多い、努力をしない、っていう話は、結構聞きますよね~。もちろん、全部が全部、そうじゃないハズですがw仕事をゲットしているからには、そんなに低学歴では、ないはずだけれど、学校での、ソフト面での教育不足が、影響している可能性は、高いですね。
これからも、よろしくお願いします~♪
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72さん。 (トルコのひつじ飼い)
2013-12-02 16:38:16
はじめまして、こんにちわ!!コメント、ありがとうございます!そうですね~。東部の方は、子供、多い家族が普通なので、食ってくだけでも、大変だから、働け!ってコトになる家庭も、多いみたいですね~。うちの村なんかは、学校自体に、興味がない子供とか多くて、途中から、自分の意思で、リタイアしちゃう人も、多かったですね。
歴代の政府同様、現政権も、教育に関しては、あんまり高得点は、もらえない、ってところですか…。
これからも、よろしくお願いしま~す♪

返信する
ラム子さん。 (トルコのひつじ飼い)
2013-12-02 16:44:02
とんでもない~!(笑)ケント君と、エフェス君が、それだけ読者さんを癒してるってことでしょ~(笑)それって、別に恥ずかしいことじゃあ、ないよ♪家にお金があるないに、かかわらず、教育という事に関しての、関心自体が低い、って事実、あると思うんだよね~。
西側はそれでも、少しずつ認識が変わってきてるんだろうけど、東部は、悲惨だよね。
貧困と低学歴の関係は、なかなかすぐに、解決できる問題じゃあ、ないですな。
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I LOVE 海さん。 (トルコのひつじ飼い)
2013-12-02 16:49:31
進学率が高いのは、大都市に限られてるっていうの、間違いないと思いますね。田舎方面では、教育自体に関しての関心が、いまだにかなり低いと思います。たとえば、貧しい家の子供でなくても、自分でドロップアウトしちゃう子供も、多いみたいですよ。
しかし、何でゲーセンに、子供が集まってるんでしょうね~?(笑)うちの学校でも、時々、模擬試験の点数の良い子だけ集めて、先生が特別に、近所のショッピングセンターに、ハンバーガーを食べに連れてってくれたりとか、そういう事するので(そういう事が、ご褒美になる国なんですよ。トルコは)、そういう流れなのかも、しれません(笑)
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エレナさん。 (トルコのひつじ飼い)
2013-12-02 16:51:18
教育は、改革の基本ですからね。トルコが変化していくには、残念ながら、まだまだ時間がかかる、という事ですかね。
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