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医師掲示板より (憂う人)
2006-10-19 22:31:54
患者さんは予定日超過で入院し、入院当日からPGE2の内服で分娩誘発されていて、当日の午後に服薬を終了、自然に経過観察していたところ、準夜帯から自然陣発したとのこ とです。ところが、午前0時頃に突然意識消失のような症状が出現したため、産科当直医が院内の内科当直医に診察を依頼し、内科医の診察を受けました。

内科医が対光反射や一部の神経学的所見を診たところ、意識レベルが低い(痛み刺激には反応あり)ものの他の異常所見が無く、また陣痛発作時には産婦が声を上げて痛がるなど したため、産科医と内科医で「陣痛発作に伴う失神だろう」と判断したとのことです。この際に「内科医がCT検査を行うことを主張したが産科医が拒んだ」などと報道されてい ますが、両者の間でそんな押し問答のようなやりとりはなかったようです。その時点では血圧は正常で、子宮口も4cm程度開大していたため分娩経過を診ることになり、産科医 は当直室に戻ったとのことです。



しかし、その約1時間半後に痙攣発作が生じ、この時点では血圧が180前後まで上昇していたため、産科医が子癇発作と判断し、マグネゾールを静注して奈良医大病院に搬送を 依頼ました。ところが、奈良医大の産科病棟が陣痛待機室のベッドまで入院患者が溢れるほど満床であったため受け入れることができず、また、容易に搬送先が見つかりませんで した。大淀病院の産科医の先生はいつでも搬送できるよう、今か今かと「受け入れ先が見つかった」との連絡を待ちわびていたらしく、CT検査ももちろん考えたようですが、( 今、患者を動かして再発作を起こしたら母児ともに危険かもしれない)(CT検査に行っている間に搬送先が見つかったと連絡が来るかもしれない)など考えて躊躇されたようで す。苛立つ家族に囲まれ、産科医自身も大阪の高次医療機関に数件電話するなどしたようですが、全て断られたとの事でした。最終的に搬送先が見つかったのは、搬送を申し入れ てから二時間余り過ぎた後でした。

医師掲示板より抜粋 マスコミの報道とかなり差がありますね。実際脳出血と疑えた状況なのかわかりませんが、医師個人の資質より大きな問題が全国的に発生しています。あなたがこのDrだったらどうしますか?
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コメントありがとうございます (監督@とりがら管理人)
2006-10-20 06:24:11
興味あるコメント、ありがとうございます。

先日、大阪南部のある公立の病院を仕事で訪れました。

全館改装中でいかにも予算がありそうな病院でしたが、実際は市の予算も乏しく、市民への信頼維持および回復のために少々無理をして行っているような感じに受取れました。

ところが、予算そのものの問題よりもここ数年で医師がいなくなり、いくつかの科では患者さんを他の民間総合病院に移ってもらったというんですね。

で、玄関に「医師不足に関する断り書き」が貼られており、なんでこんな大阪のど真ん中で?と考えさせられた次第です。

で、今回のたらい回しの件ですが、医師というか病院というのか、そういう医療施設というのは個々が独立運営しすぎていてネットワークが上手く構築されていないんじゃないかと思うんですね。

受け入れ先がすぐに見つからない、というのはこういう事態を日頃想定せず、何もしていなかった、としか言いようはないと思います。

最近目に余る役人の危機管理意識の無さに相通じるものを感じずにはおれません。

私が医師なら?

事前にネットワーク作りに取り組むでしょう。

収入は少なくないはずだから自腹を切っても前身できるはずです。
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自腹ですか? (勤務医師のひとり)
2006-10-20 08:57:19
RSSリーダーの検索にかかり、訪れさしてもらいました。「医は仁術」は永遠の正論です。でも、もう事態は、精神論だけでは解決しないほど悪くなっています。今年は後に「医療崩壊元年」と振り返られると思えるほど象徴的な出来事が医療界でたくさんおきています。ネットの情報は、玉石混合ですが、新聞やテレビなどの既存のマスコミでは知りうることのできない声(特にブログ主様が思っているほど所得は高くない勤務医の声)があふれていますので、それも知った上で、また考察をお願いします。(今日はまだ暇な勤務医のひとりより) 
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自腹はいいすぎですね (監督@とりがら管理人)
2006-10-20 12:23:04
勤務医師のひとりさん、こんにちは。

ま、自腹はやりすぎかもしれませんが、我々一般企業に勤めるものの中には、会社が予算をつけてくれないような、それでいて効果的な改善ができると思われるのもには、みんなで少しづつ金を出し合って、何かをすることもあります。

まあ、手弁当程度ですけど。



私は身内に三人ほど医療関係に従事しているものがいます。

三人ともいとこなんですが、一人は某県立病院で外科医を、一人は薬品会社のプロパーを、そしてもう一人は大阪の私立病院で看護婦をしています。

確かに外科医をやってる従兄弟を除いて、収入は一般的で、肉体労働の割りにかなり厳しいものを強いられてはいるようです。



ま、医者の給料とパイロットの給料は特別なところがありますから、一般人からは「なぜ?」という声が出やすいことも、事実です。



で、ネットの件ですが、以前、知り合いの開業医の先生に「なぜカルテの共有だとか、薬品情報の共有、病院の

アライアンス締結って、ないんですか?」と聞いたところ、医療は個人情報の塊なので、なかなか難しいという話をしてくれたことがあります。

難しいことほどチャレンジすべきなのでは、と思ったことがありました。



医者がいない。

病院をやめる。

責任を持たない。

というような世の中にはなってほしくない。

そんなどこかの国のようになってはいけないと思いがあります。



なお、大宇陀町じゃなくて大淀町ですね。

この病院、仕事で二回ほど行ったことがあります。

訂正いたします。
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医療破壊活動ご苦労様です。 (都筑てんが)
2009-06-14 22:39:21
「病院の傲慢だ!」

「それでも医者か!」

「『医は仁術』は死語になったのか」

「命より金儲けのほうが大事なのか」

「患者を受け入れられない病院は看板を返上しろ」

「殺人病院だ!」

「病院が妊婦を殺した!」

「ベッドが無い?そんなの理由になるのか!」

「ベッドが無ければ廊下に寝せればいいじゃない」

「熱意が欠如している!」

「救いたい!という気持ちが無い!」

「ドラマのような熱意のある医者はいないのか!」

そういう、今の医療の窮状に無理解な輩の暴言が、限界状況で頑張っている医師の心を折った事で、医師不足(具体的に言うと、勤務医不足)に拍車をかけているんですよね…。

こうして救急受け入れ問題は更に悪化する…と。

医療破壊活動ご苦労様です。
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精神論、根性論はもううんざり (都筑てんが)
2009-06-30 23:56:27
実際に人の命を救うのは「仁術」でも「使命感」でも「奉仕」でもなく、「マンパワー」「リソース」「キャパシティ」である。

その事から目を逸らして、「竹槍でB29を落とせ」というような精神論ばかり言ってる愚民には、医療は必要ないんじゃないかと思います。

以前は「医療崩壊を防ぐために自分に出来ることはないか」と色々と考えてきましたが、最近は、牟田口症候群のあまりの多さに失望し、「全国のお医者さん逃げてー!」というスタンスに変わりつつあります(って、現時点で既にそうなってますけど)。

もしも自分や自分の家族が必要な医療を受けられずに命を落としたとしても、医療従事者を酷使し疲弊させ続けた愚民を恨みこそすれ、命を削って頑張ってきた医療従事者を恨むことはありません。
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