トリCのブログ

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アフガニスタン戦

2016-03-25 12:57:47 | サッカー

金崎に関しては去年の鹿島の序盤では正直、浮いていた。鹿島全体がベテラン主導のノロいペースで遅効に慣れ切っていたばかりに、前線でU17ばりに走り回る金崎を見ると結果としてだが「無駄な仕事」が多くなり、通常の選手のメンタルであれば心が折れ、周囲に合わせるところだった。


ところがシーズン途中から石井監督になったとたんに周囲が金崎の動きに連動し始め、前線が躍動し、みるみるチームが若返った。変な話だがチームが若返ると若手が若手らしいプレーをし始める。


これは俗に「若手を入れればチームは若返る」と認識されているがそうではない。ベテラン主導のチームでの若手は周囲に合わせ急速にダメなベテラン(速度が遅く判断が不正確)になる。濁った水の中に透明な水を入れたところで大して影響がないのと同じだ。


金崎の自身のスタイルを代えないメンタルと濁った水をどうやって洗浄するかを考えていた石井監督の考えが一日で鹿島を変えた。あれは劇的だった、と今でも思う。

 

ハリル監督は去年序盤の鹿島と同じ悩みを抱えている。大抵の代表監督がやる様に水を浄化するには透明な水だけを集めればいい。これで大抵のチームは「躍動感だけ」は向上する。スピードもプレスも良くなった。しかし経験不足が露呈して相手を分析して対応してくる経験豊富な頭脳型チームにはボールを持たされていいように弄ばれることになる。


結局は欧州組に頼るしかないのだが、案の定、またまた若手が急速に老人化し…、というパターンに。


こういう理由で金崎は呼ばれ、使われている。


BSで試合を見ていたのだが解説の山本さんがハーフナーの武器に対して「高さに不調はないんです」という事を言っていたがほんとにそう。しかも敵にも味方にも非常に目につきやすい、という利点もある。


DFの立場になればハーフナーはただでさえ高さがあるので放置出来ない。とすると、ハーフナーとDF1人、あるいは2人の合計3人ほどがハーフナーのいる場所に流れていくとして、という計算がリアルタイムの現場で認識できる。我々視聴者は高い位置から眺められるからどこにスペースがあって、と即座に分かるが選手はそうではない。彼の出来如何に関わらず日本の攻撃には高さが足りない。相手からしたらやはりこういう選手は怖いのだ。

 

相手のレベルが低いから評価のしようがない、は観客ならまだしも現場では通用しない。代表選では圧倒的に格上と戦う機会は少ない。相手云々関係なく自チームの状態を認識する、改善していく能力が必要だ。


日本代表は格下の時に流しつつきれいに崩して得点しようという空気が強くなるので今回の様にアフガニスタン相手に「奮闘した」試合は素直に評価したい。