トリCのブログ

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若者にしとけば丸く収まる

2008-09-22 21:04:50 | 事件

 毎度の事ながら識者に犯人像を語らせる意図は

●世間的に凶弾しても不都合ではない連中を仮想犯人にしておきたい
●現実的な犯罪確率を真正面から知りたくはない
●外れても識者のせいに出来るので自分の希望を識者に託す

があるのではないか。これらの要望を満たさない識者のプロファイリングは不要のはずだ。例えばマスコミに登場する識者が以下のように犯人像を想定したとしたらどうだろうか。

「子供を狙った犯罪は、まず母親による可能性が高い」と指摘。そのうえで「子供とうまく付きあうことができない母親が、自分の不満を晴らそうと子供に向かうのではないか」と話す。さらに「複雑な社会にうまく適応できない母親が不満を抱え、自分より弱い者に刃を向けるケースも考えられる」とも述べた。

「最近は、社会から疎外された気持ちを強めた母親が自分の存在を誇示する手段として、遊び感覚で、手っ取り早く自分よりも
弱い子供を狙う犯罪が多い」と分析。「マスコミで事件が取り上げられることで、自分に同情が集まり、何か達成感を得たような気持ちになっているのではないか。こうした傾向は30代までの母親に強い」と話している。

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さて、こういったプロファイリングをしたら(たとえ当たったとしても)識者に聞きに行くマスコミは皆無になるだろう。上の●印で示した一定の層の要求に全く当てはまらないからだ。そう考えれば識者の方も答えは安全パイに流れるのは当然であって「無軌道な若者」にしとけばいいや、と。

当然の事ながら母親が捕まったら「若者派」はばつが悪い。その空気を読んでマスコミが次に差し出すネタは「母親は世間的に阻害され窮地に陥っていた」「子供の事で悩み続けていた」という同情論にシフトする方向付けだ。

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今回の犯人である母親もこういった層を利用する方向性は一貫している。捕まる前は「また弘輝を産みたい」と通夜で泣いてみせ「すぐどこかへ行ってしまうから、手をつないでないといけない」と自身の管理責任に保険をかけ「布団から起き上がれないこともある」と病弱である事を周囲に漏らし同情を一身に集める被害者たらん事を強調している。

子供が死んだ場合真っ先に疑われるのは自分だと認識し心情的に「若者の犯行」にしておきたい層を取り込み世間に本音を言わせない空気を作る。加害者はバカな犯罪をしでかしたから単純という訳ではなく自分の知恵と演技を総動員し何とか人を欺こうとする。

次は裁判だ。今度はどうやって世間の一定層を取り込もうとするのか彼女の生き残りをかけた戦いは続く。