All Photos by Chishima,J.
(以下すべて オオハム 2011年5月5日 北海道十勝郡浦幌町)
「シロエリオオハム(その1)」の記事で紹介した同種の直前に飛んで行った個体。脇の白斑は写真からは不明瞭だが、長くて大きな嘴、厚みのあるボディ、chinstrapやventstrapの欠如などは本種を示唆していると思われる。全体的な大きさも大きく見えた。もっとも大きさにはかなりの個体差があるので、注意が必要である。渡りの群れを見ながら仲間と「あれはオオハムだろう」、「前から二番目は特大だからハシジロアビでないか」などと盛り上がった後で、画像を確認したらすべてシロエリオオハムだったことがある。
雨覆には幼羽と思われる、外側が淡色の羽毛が見える。第1回夏羽の若鳥であろう。
後頸の茶色の色合いは本種若鳥に多いように感じ、シロエリオオハムであれば、早い時期にはより濃色なチョコレート色、遅い時期であればより銀白色に近い印象があるが、個体差や羽毛の磨滅・褪色の程度とも関連するのでよくわからない。
アビ類と飛翔時のシルエットや羽ばたきが最も近いのは、大型カイツブリ類であろう。大型カイツブリ類は、通常の光線条件であれば次列風切や翼前縁に白色部が見える。アビ類で上面に白が出るのは、主に夏羽の背、肩羽、雨覆などであり、部位、見え方とも異なる。ウ類は通常の光線であれば、シルエットは似ていても全身黒色のため見間違うことはないが、逆光であったり、遠距離のウミウ若鳥は時にアビ類のように見えることがある。
(2011年12月6日 千嶋 淳)
*一連の写真は、日本財団の助成による十勝沖海鳥調査での撮影。
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