トワイメロウ。

おお振りss(阿部受)や日常、音楽関係が多めです。少し腐女子テイストがあります…。

永遠と一瞬。

2005-05-08 00:55:21 | Weblog

今回は二次創作で、ちょっと女性向けを含みます。
苦手な方は遠慮ください。ちなみにエドロイです…。

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子供の頃はひたすらに永遠を信じていた。
今、存在している場所も物も、ずっと変わらないと。


錬金術。
全く何の役にも立たない物から価値の有るものを作り出す。


金を精製する。
きらきらと輝くものを。
だけど、それは罪で。
すべてのものを精錬して、金に変化させようとしたって上手くいきはしない。
だって、元々の素材が違うのだから。

「…何をする気だ」と、ロイは低い声で咎めた。
幼い時に、何の気まぐれかで金の精製法を習ったことがある。
しかし、それは錬金術師には禁じられているという注釈つきで。
手を出してみたいと思ったことは一度も無かったけれど。
石ころに手をかざして少年は。
「ほら」
いとも簡単に金色の硬貨を作り上げた。

ああ、これは?
ひとつの才能。
でも、それは罪の証。
…しかし、私は羨望を。


「これで一ポンド。石ころ一つで林檎が買えるな」
少年が意図しているのは、石ころに一つの意味が生まれたこと。
人が勝手に付けた意味を、少年は破ろうとしている。
罪であるのに。
でも、それは私に咎めようがないことだ。
「…鋼の」
そうやって私は少年の名前を呼んだ。
何?と聞き返すその仕草は、大人のものではない。
だから、そう。
大人が勝手に決めた法に背いたからといって、少年は罰せられない。
「…大佐はいつも物事を難しく考えすぎ」
そう言って、少年はふぃと体ごとこっちを向いた。
「意味なんて簡単なんだよ。例えばほら、こういう風に」


キスをされた。
でも、キスなんて名前が付くような代物じゃなくて、そっと唇が触れただけの軽いも
のを。
「ほら、これだって練成って言わない?」
触れた唇に、甘い熱。
「理論は無意味だと?」
「そういう事。」
ああ、彼は少年だ。
そして、いつか大人へと変わるのだろう。
しかし、その時がいつかやって来たとしても。
この小さな錬金術師は変わらずに在り続けて欲しいと願うのだ。


触れただけの軽いキス。
ほら、罪の味はしない。



例えば、彼は永遠を手にしているようだった。
少年時代という、一瞬で脆く崩れてしまう期間を懸命に生きていた。
彼の少しずつであるが、伸びていく身長が彼の日々の結果を表している。
永遠は有り得ない。
しかし、彼は永遠を信じていた。



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今日は「え」ですね。レミオロメンの「永遠と一瞬」から。また、内容とは関係なし。
希望の色は空色のフレーズが好きです。
二次創作に行ってしまいました。まぁ、元々オリジ書きではないので…元メルマガから再録。
鋼は書きやすかった…。次こそはオリジで。