創作 福子の愛と別離 2)

2024年07月18日 07時56分34秒 | 創作欄

実は、静は唯一の親友で同郷の三田晶子の誘いで、宗教団体の信者となった。

実家は禅宗であった。

独身の兄が27歳の時に自殺していた。

そのことが長年、静の心の足かせともなっていた。

さらに、叔母も交通事故死していた。

妹も流産したことで離婚に至る。

心の優しい妹の美祢とは、東京の下谷のアパートで静自身が結婚するまで同居していた。

宗教は時に、人の不幸や不運を口実にして、信仰に導くのである。

晶子は「お互いに幸福になりましょね」と言い静を信仰に導くのである。

「あなたを信頼している」静は救いを求め彼女に告げた。

「そうよ。人間関係はどこまでも、信頼と愛だわ」晶子の確信に満ちた言葉だった。

 

 

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