実は、静は唯一の親友で同郷の三田晶子の誘いで、宗教団体の信者となった。
実家は禅宗であった。
独身の兄が27歳の時に自殺していた。
そのことが長年、静の心の足かせともなっていた。
さらに、叔母も交通事故死していた。
妹も流産したことで離婚に至る。
心の優しい妹の美祢とは、東京の下谷のアパートで静自身が結婚するまで同居していた。
宗教は時に、人の不幸や不運を口実にして、信仰に導くのである。
晶子は「お互いに幸福になりましょね」と言い静を信仰に導くのである。
「あなたを信頼している」静は救いを求め彼女に告げた。
「そうよ。人間関係はどこまでも、信頼と愛だわ」晶子の確信に満ちた言葉だった。
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