取手・医科歯科通信 山本 嗣信 (やまもと つぐのぶ)

医学情報社編集顧問
フリージャーナリスト

性犯罪被害者の手記を映画化した精神科医

2018年06月14日 17時12分50秒 | 社会・文化・政治
ひと
和田秀樹さん

毎日新聞2018年6月13日 東京朝刊
オピニオン

和田秀樹(わだ・ひでき)さん(58)

 「性犯罪を扱った映画は多いが、被害者の抱える心の傷への理解が浅く不満があった」。
精神科医として被害者の本当の苦しみを伝えたい、と映画「私は絶対許さない」でメガホンを取った。

東大医学部の合格経験を生かした受験対策の著作が多く、受験アドバイザーとしても知られる。高校3年の時、勉強の合間に300本を見たほどの映画好きで、2007年に監督デビューした。

 今作は4本目。中学3年だった15歳の時、集団レイプの被害に遭った女性がつづった同名の手記(ブックマン社)が原作だ。
医師として向き合ってきたトラウマ(心的外傷)をテーマに選んだ。

 女性は帰宅中、車に連れ込まれ、激しい暴行を受けた。誰にも相談できず自傷行為や過食嘔吐(おうと)を繰り返した。故郷の東北から上京後、看護師の傍ら、風俗の仕事で働く。
「自分を汚れた存在と思い、大切にできなくなる。
『魂が一度死ぬ』というトラウマの本質が描かれている」と感じた。

 被害者の心境を追体験してほしいと、あえて主人公の女性の姿をほとんど映さず、女性の視点から世界を眺めた「主観撮影」に挑んだ。
家庭や学校での2次被害も描いた。
「『あなたに落ち度はない』と周囲の人が温かく接することで心の傷はやわらぐ」と指摘する。

 女性は原作で「いまだに毎日、トラウマと闘いながら生きている」とつづった。
「性犯罪で苦しむ被害者の心の世界を共有してほしい」と願う。<文・村瀬優子 写真・菅知美>
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