1/22(金) 9:15配信
毎日新聞
茨城県内の開業医などで構成する県保険医協会は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県内の医療機関の悩みについて調査した結果、発熱患者が事前連絡なしで来院することを懸念している医療機関が108施設に上ったと発表した。院内感染のリスクを減らすため、協会は「発熱などの症状がある場合は受診前の連絡に協力してほしい」と呼びかけている。【鳥井真平】
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協会の調査は昨年12月25日~今年1月6日、会員で医科の医療機関776施設を対象にアンケートを送付し、182施設から回答を得た。
今冬の診療で困っていることや新型コロナウイルス感染症対応についての要望があるか聞いたところ、「ある」と回答した医療機関は、8割を超える156施設に上った。
困っていることの内訳は、複数回答で、「事前連絡なしでの発熱患者の来院」が最多の108件。クラスター(感染者集団)発生要因などの情報共有が74件▽感染症対応の影響による職員の疲弊が63件▽防護具などの資材不足が47件と続いた。
院内感染で地域医療に影響が出ることを防ぐため、県医師会などは、発熱などの症状がある患者は医療機関に事前連絡し、地域の発熱外来を受診することを推奨している。しかし、連絡せずに来院し、受診後に「昨日は発熱していたが、今日は解熱しているから受診した」「市販薬を服用して解熱している」などと伝える患者もいるという。
情報共有については、「クラスターの発生情報を地元の医療機関に知らせてほしい」「近隣の学校で陽性が出た後、濃厚接触者の検査で陽性が何人確認されたのか情報が入ってこない」などの意見があった。
感染症対応への要望では、医療従事者が院内感染した時の休業補償制度の創設が123件と最多で、危険手当制度の創設が100件、発熱外来の増設が74件と続いた。
協会所属の医療機関の多くは中小病院や診療所で、協会は「平時の医療に加え、コロナ禍で感染対策や検査、診療対応なども求められ、多くの機関が何らかの困りごとを抱えている」と分析した。