徹の遅れた青春

2018年09月17日 03時37分58秒 | 創作欄
「浪江を誘惑しないでね。わたしの片腕で、とても大切な人なのだから・・・」
徹は、崇拝する国府田麻耶から釘を刺された。
それがとても心外であった。
徹は麻耶を密かに恋していたのだから、その言葉に複雑な気持ちとなる。
浪江はとびきりの美人であり、性格は控えめ、日本女性の美的要素を湛える魅惑的な女性であったが、麻耶の人間的魅力に比べると少し見劣りがした。
麻耶には、何よりも大物感が漂っていた。
徹は麻耶に理想的な女性のリーダー像を重ね、その活躍に期待していた。
でも、不思議なもので、徹の心は段々と浪江に傾斜していく。
そして、追えば逃げるという例えが現実のものとなる。
麻耶はやがて結婚し、浪江は完全に仕事人間のようにっていく。
麻耶も浪江も何か、徹にとっては手が置かないような高嶺の人となってゆく。


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