取手・医科歯科通信 山本 嗣信 (やまもと つぐのぶ)

医学情報社編集顧問
フリージャーナリスト

創作欄  キンモクセイ(金木犀)が咲く季節

2018年08月13日 09時36分52秒 | 創作欄
2012年10 月25日 (木曜日)
キンモクセイ(金木犀)が咲く季節になると、遠い過去が思い出される
キンモクセイは中国南部が原産で江戸時代に渡来したそうだ。
キンモクセイは東京・大田区田園本町の桜坂の下の、幼馴染の洋ちゃん(清水君)の家の庭にもが2本あり、秋になると芳香を放ち小さいオレンジ色の花を無数に咲かせた。
洋ちゃんの家は近隣でも大きく、屋敷と形容した方がいいだろう。
その広い敷地は貝塚がある小高い台地まで続いていた。
屋敷の離れの部屋には、洋ちゃんのお姉さん(12歳前後であっただろうか?)が結核で寝ていた。
そのころ結核は死の病で、洋ちゃんのお姉さんの自宅での療養生活は世間から隔離されているような状態であった。
「あの部屋には近づかないようにね」と洋ちゃんのお婆ちゃんが言う。
洋ちゃんの父親は大東亜戦争・支那事変(日中戦争)で亡くなっていた。
洋ちゃんの家のとなりが駐在所で、そこのお巡りさんが進駐軍のジープに撥ねられ亡くなったのも秋であった。
洋ちゃんの母親は、どこかに働きに出ていて、お婆ちゃんが家事はじめ近所付き合いをしていた。

「小学校へ入学しても、洋ちゃんと遊んでね」とお婆ちゃんに言われていたが、自分はその後、洋ちゃんを避けるようになった。
なぜ、避けたのか?
いつも鼻を汁を垂らしている洋ちゃんが疎ましくなっていた。
そして、内科医の娘であった奈々子ちゃんと通学するこことなった。
秋になると中学を卒業して直ぐに、大田区役所の支所で働きだした清水君のことが思い出される。
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