次の日からの俺はまるで生気が抜けたようだった。
この世で一番信頼していたM先生にあんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
大げさかもしれないがこの時の「俺」には自分の中に「死」という言葉がすぐそこにあった。
寝ていると夜中に突然目が覚め涙が止まらなかったり、突然不安で死にたくなったりしていた。
そんな中俺は生活のためにバイトを頑張った。
本当に生きがいは金曜友人達に会うことだけだった。
死にたい等ということは誰にも言わなかったし、このことは誰にも気がつかれないよう最新の注意を払った。
誰かに同情や心配されるのが何よりも嫌だった。
そしてこれは今から約二ヶ月前(2007年7月)の話なのだが俺はこの時のことをある人達に話した。
すると俺は話している途中で涙が出てきてしまった。
人前で泣くなんてことこれまでめったになかったのだがこの時のことを思い出すといつも涙が出そうになる。
それだけ苦しかったのだろう。
そしてこんな不安定な気持ちの中2002年2月末、ちょっとした事件が起こる。
俺「ただいま~。」
俺がバーでの仕事を終え家に帰ってくるとそこにはいつもの光景があった。
母親「だから何で学校行かないの!!!(ドア叩く)」
A「もうほっといて~(泣いている)」
母親「この出来損ない!!!」
A「うわぁ~(泣いている)」
母親「もう勝手にしたらええやん!」
A「・・・。」
ここで俺が母親と顔を合わす。
母親「おかえり。」
俺「ただいま。」
母親「私これから仕事やから行くな。」
俺「うん、行ってらっしゃい。」
というと母親は仕事に向かった。
俺はこの日金曜だったのでサッカーに備え寝ることにした。
すすり泣くAを無視して・・・。
しかし俺が目をさますと残念ながら雨が降っていてサッカーは中止になった。
この日は久しぶりに家族で夕食を食べることになった。
当然そこにAの姿はない。
俺はてっきりAは部屋に引きこもってるものだと思っていた。
母親「今日は○○おるなんてめずらしいね。」
俺「今日は雨でサッカーないからね。」
母親「あっ!そうや、あんたコンビニ行く用事ある?」
俺「ないけど何で?」
母親「牛乳がないから後で買ってきてくれへん?」
俺「え~、チャリで行くのしんどいな~。」
母親「ええやん、行ってきて~や。」
俺「まぁええけど・・・。」
そんな訳で俺はコンビニまで行くことに。
玄関脇の鍵を置いているところから自転車の鍵を探すが見つからない。
Nに聞いてみることに。
俺「な~な~、チャリの鍵ないんやけど知らん?」
N「Aが使ってるんちゃう?」
俺「A?何で?あいつ部屋ちゃうん?」
N「あの子今塾行ってるねん。」
俺「マジで?どこ?」
N「駅前のM塾ってとこ。」
俺「ふ~ん、そうなんや。」
俺はコンビニに行く途中にあるM塾を少しのぞいてみようと思った。
時間は9時半、おそらく10時には塾が終わるのでついでにAを迎えに行くかと思っていた。
俺はコンビニで牛乳とコーヒーを買い、塾の前でAを待った。
コーヒーを飲みながらAを待っていたのだが他の子達は出てくるのにAは出てこない。
自転車は駐輪場にあるからまだ塾にいるはずなのに・・・。
時刻は10時半、まだAは出てこない。
何してるんだ???と思い塾の中をそっとのぞいてみた。
Aは職員室(?)の椅子に座らされ先生らしき人と話している。
俺はどうせ宿題でも忘れて残らされてるのかなと思ったがどうやら違うようだ。
するとまもなくAと先生が出てきた。
A「さようなら・・・。」
先生「さよなら、元気だすんだよ。」
A「・・・。」
何だか話しかけにくい雰囲気であったが俺はAに話しかけてみた。
俺「お~い、A~。」
Aは振り返りこっちを見た。
A「兄ちゃん???」
俺「コンビニ寄ったついでに迎えにきたで~。」
A「いい。一人で帰れるし。」
俺「なんやねん、一緒に帰ろうぜ。」
ここで俺は先生に話しかけられる。
先生「もしかして○○君???」
俺「はい、そうですけど・・・。」
先生「私私、ほら!M先生のとこの。」
俺「・・・、あ~!!!ありさか!!!」
彼女はありさ。中学3年までH村ピアノ工房で一緒に勉強をしていた子だった。(ちなみに中学は違うが同級生)
ありさ「Aちゃんのお兄ちゃんって○○君やったん?」
俺「そやで、ありさはここでバイトしてたんや。」
ありさ「そうやねん。」
俺がありさと話してる間にAはさっさと帰ってしまった・・・。
俺「あいつ帰りやがった!」
ありさ「あのさ、今時間ある?」
俺「あるけど何で?」
ありさ「ちょっとな、Aちゃんのことで話あんねん。」
俺「(???)ええけど。」
ありさ「じゃあちょっとだけ待っててな。あそこのファミレスで話しよか。」
俺「ええよ。」
ありさ「じゃあ先ファミレスで待ってて。」
俺「うん。」
俺は1人でファミレスに向かった。
何が話されるかなんて気にもとめずホットココアを飲んで体をあたためた。
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