魔のバミューダトライアングルの謎を解け!

2012年11月03日 | ショートショート



桶津「皆さん、皆さんは、なにゆえ今回のお話がクライブ・カッスラーの海洋冒険小説の邦題みたいなのか?と疑問に思われているでしょうな」
玖馬「そんなこと気にもしとらん。で?我々を広間に集めたということは、桶津さん、事件は解決したのかね?麻衣&亜美の行方は?」
桶津「ハッハッハッ、焦らない、焦らない。状況説明が済んでいないので読者は置いてきぼりじゃないですか。大富豪の喰生田玖馬(ばみゅうだ・きゅうば)氏から、わたし、名探偵桶津香具郎(おけつ・かぐろう)は、娘の麻衣&亜美さん失踪事件の謎を解いてほしいとの依頼を受け、こちらの豪邸に伺いました。自宅で遊んでいたとばかり思っていた幼い姉妹が忽然と消えてしまうという不可解な事件です。そのとき邸内にいたのは、妻の喰生田墨子(めきしこ)さん、そして玖馬さんの友人、増虜湊人(ぷえるとりこ・みなと)さんの三人でしたな」
玖馬「うむ、間違いない」
墨子「で、娘の行方は?」
桶津「お答えしましょう。実は今回の事件、貴方がたの業が生み出したおどろおどろしい事件なのです。奥さん、あなたは湊人さんを愛しておられますね?お答えにならなくとも結構。だが実は、湊人さん、あなたは同性である玖馬さんを愛している。ズバリ貴方たちは三角関係だ!」
湊人「そ、それが事件に関係があるのか?」
桶津「大アリクイのコンコンチキです。貴方たちの三角関係の負のオーラが結界を築き、魔の怪域を生み出したのです。その怪域に麻衣&亜美さんは飲み込まれ、別の時空へ飛ばされてしまったのです!これぞ魔の喰生田怪域失踪事件!」
玖馬「そうか。そうだったのか。さすがは名探偵桶津香具郎だ。恐れ入ったよ。で?娘たちはどこに?」
桶津「それはわかりません」
墨子「それが知りたいのよ!」
桶津「そう言われても別の時空間・・・」
警部「皆さん、いましたぞ!娘さんたちを発見しました!」
麻衣&亜美「エ~ン、エ~ン。トイレのドアが壊れて閉じ込められちゃったんだよう」
墨子「麻衣!亜美!ああ、無事でよかった」
桶津「いや~、まさか別の時空間が同じ家のトイレだったとは。じゃ、事件解決ということで、わたくし、ドロンさせていただきます」
湊人「き、消えた」
玖馬「う~む、最初から最後までクサイ奴だった」



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