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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「アりスのままで」「サンドラの週末」を観る~共通するのは『人間の尊厳』をどう守るか

2015年12月11日 07時47分11秒 | 日記

11日(金)。わが家に来てから440日目を迎え、久しぶりにドアップで登場するモコタロです

 

          

            チーっす アップに耐えられるモコタロで~す

 

  閑話休題  

 

昨夜、遅く帰ってきた娘が、突然「退職おめでとう。退職祝いですよ」と言ってプレゼントをくれました

 

          

 

 持ち上げてみると、ちょっと重みがあります お歳暮シーズン、ひょっとしたら1万円札の詰め合わせセットかな?と思いましたが、すぐに「あり得ない」と否定 さっそく開けてみました

 

          

 

Kindle(電子書籍リーダー)が現れました 10月末の退職前後から「退職祝い、どうしよう、どうしよう」とさかんに独り言を言っていましたが、私が普段から本を読んでいるのを知っているので、思いついたのでしょう。遅まきながらも嬉しいものです さしあたって、使用方法が分からないので、画面に出てくるという「ユーザーガイド」を読むことから始めようと思います

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、早稲田松竹で「アリスのままで」と「サンドラの週末」の2本立てを観ました 「アリスのままで」は2014年アメリカ映画で、原題も「STILL ALICE」です

 

          

 

50歳のアリスは高名な言語学者として活躍し、教鞭をとるコロンビア大学でも学生たちから一目置かれる存在として敬われていた 夫のジョン、法科大学を卒業した長女アナ、医学院生の長男トム、ロスで女優を目指すリディアと愛情あふれる家庭を築いていた そんなアリスは突然、物忘れが激しくなり、専門医の診断を受けたところ、若年性アルツハイマーであると宣告される しかも、子供たちに遺伝する確率の高い家族性のアルツハイマーであることが分かる アリスは家族に見守られながら不治の病と闘う。彼女は、まだ意識がはっきりしている時に、パソコンに、近い将来記憶がすっかり失われたときに「アリスのままで」いられるためのメッセージを残す パソコンの映像には、もし家族の名前や誕生日が分からなくなった時にやるべき行動がアリス自身の言葉で語られていた。ある日、朦朧とする意識の中でパソコンを開くと、アリスが語るメッセージが表れる。アリスがアリスのままでいられるためのメッセージとは何だったのか・・・・アリスはこの困難にどのように立ち向かおうとしていたのか・・・・・

 

          

 

この映画を観て、真っ先に思ったのは、この映画は人間の尊厳とは何かを訴えかけている、ということです 自分自身を振り返ってみて、物忘れが激しくなる一方の今日この頃ですが、今後、どんどん記憶が消えていくことに対する恐怖はいかばかりか、と思います まだまだ覚えていることが多いうちは良いけれど、思い出すことの方が少なくなってきたとき、自分の尊厳を守るために自分には何ができるだろうか、と考えてしまいます この映画は、観る人にそのことを問いかけています

さて、興味は音楽です。この映画で唯一使われていたクラシック音楽は、アリスから離れたところに父子が集まり、これからの暮らし方を相談している時に流れていたバッハの「無伴奏チェロ組曲第1番BWV1007」の「プレリュード」です 久しぶりにマイスキーのCDを引っ張り出して聴きました

 

          

 

さて、次は「サンドラの週末」です。この映画は2014年、ベルギー、フランス、イタリア映画です

 

          

 

休職から間もなく復帰するというある金曜日に、サンドラは上司から解雇通告を受ける 16人の同僚のうち半数以上が自らのボーナス(1000ユーロ)を諦めれば復職できるという。同僚はボーナスを取るか、サンドラを取るか、選択を迫られる 同僚の口添えで月曜に投票が行われることになり、サンドラは夫に支えられながら週末の2日間、同僚たちの説得に回る。ほとんどの同僚は、失職するサンドラを助けてあげたいのは山々だが、それぞれの生活がかかっているので、ボーナスを諦めることが出来ない しかし、サンドラは一人ひとりを説得に当たる。果たして彼女は復職できるのか・・・・

          

          

 

月曜日の投票は8対8で過半数に達しないわけですが、サンドラは開票後、社長に呼ばれます 社長は「サンドラの復職を認め、ボーナスも支給する。ただ今すぐにというわけにはいかない」「サンドラの休職の間、仕事は18人でできることが解った。今度、契約期間が満了となる臨時社員がいるので、その時に再契約しないことにすれば、サンドラを雇用することが出来る」という説明を受けます。さて、サンドラはこの提案に対してどのように答えるのでしょうか

この映画も、「アリスのままで」と同じように、人間の尊厳とは何かを訴えかけています 窮地に追い込まれたときに、本当の友人はどういう態度を取るのか、自分自身はどういう態度でそれに向き合うのか、そういうことを考えさせられました

今回は良い映画を2本立て続けに観ることができてとてもハッピーでした

          

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コバケン+早稲田大学フィルでマーラー「交響曲第1番」他を聴く~アマならではの熱演

2015年12月10日 07時34分16秒 | 日記

10日(木)。わが家に来てから439日目を迎え、何かの芯をかじるモコタロです

 

          

              トイレットペーパーの芯にしちゃ 長いよなぁ

 

  閑話休題  

 

昨日の夕食はビーフシチューを作りました あとはいつもの野菜サラダです。ジャガイモとニンジンはいつも通り皮付きのままで、牛肉は、いわゆる”ブロック肉”ではなく、なぜか家族がそろって好きな”切り落とし””です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、上野の東京文化会館大ホールで早稲田フィルハーモニー管絃楽団第73回定期演奏会を聴きました プログラムは①シベリウス「交響詩”フィンランディア”」、②チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」より第1楽章、③マーラー「交響曲第1番ニ長調”巨人”」です。指揮は”炎のコバケン”こと小林研一郎です

 

          

 

東京文化会館大ホールの収容人数は約2,300人ですが、この日はほぼ9割方埋まっている感じです 自席は1階L4列7番、左斜めブロックの右通路側です。が、舞台に対して斜めに向いているので、足が通路にはみ出してしまいます S席でなくA席なので仕方ないのですが、足の下が通路そのものというのは非常に居心地の悪いものです。もう二度とこの席は取らないようにします

私が早稲田大学フィルの演奏を聴くのは20数年前に聴いて以来です。その時は社団S協会にいたときで、後輩の女子職員がオケのメンバーだった(早稲田大ではなくT女子大だったが、なぜか第1ヴァイオリンを弾いていた)ので、ベートーヴェンの交響曲第3番”英雄”のコンサートを聴きにいったのです

オケのメンバーが登場します。男女比で言えばほぼ半々ではないかと思われます。コンマスは男子学生です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスというオーソドックスな態勢をとりますが、管楽器、弦楽器すべて合わせて150人にも達しようとする大規模な編成です

1曲目はシベリウス「交響詩”フィンランディア”」です。金管楽器による序奏で始まりますが、重厚な音楽です。オケのメンバー、とくに管楽器群は、本番で上がっているのか本調子ではありません ちょっと上ずったりしています。それを分厚い弦楽器群がカバーしている感じです。しかし、ここで学生諸君を非難することはできません。彼らは同じ大学生ではあっても、先日聴いた音楽大学の学生ではないのです 専門は法学であったり、経済であったり、文学であったり、要するに音楽を専門としている学生は一人もいないのです。専門分野の勉強という”本来業務”の合間を縫って練習を重ねてこの日を迎えているのです 会場に集まった聴衆(学生オケだけに、聴衆も若い人が多かった)もそのことを十分に理解していると思います

ただし、早稲田のOBでもなく、出演者の友人や知人でもない一人の音楽好きから言わせてもらえれば、入場料(1,000円~2,500円)を取っているからには、そのことを意識したうえで練習に励んでいただき、本番に臨んでほしいと思います

管楽器奏者たちが引き上げ、2曲目のチャイコフスキー「弦楽セレナーデ」から第1楽章が演奏されます。これは安心して聴けます 奏者の人数が多いだけに分厚い音の波が押し寄せてきます。コバケンはテンポをゆったりと取ってじっくりと聴かせます 終盤で、演奏が終わったと勘違いした聴衆が拍手をしていましたが、ご愛敬です

 

          

 

休憩後はこの日のメイン、マーラー「交響曲第1番ニ長調」です。第1楽章・・・仕方ないのですが、やはり管楽器が不調で、思ったように演奏できていません 弦も途中で失速しそうになりました。一転、第2楽章は、低弦の力強い演奏で幕が開き、明るい展望が開けたように思われました 第3楽章冒頭のコントラバスの独奏はやや細い印象でしたが、頑張りました

それまでの不安を払しょくするかのような見事な演奏だったのは、第3楽章から切れ目なく演奏された第4楽章です。シンバルの強打によって開始されますが、弦も管も打も怒涛の如く快進撃を展開します

マーラーは、第4楽章の終盤で金管楽器(ホルン他)を立たせて演奏させるよう指示していますが、コバケンは何と金管楽器全員を立たせて演奏させ、視覚と聴覚から聴衆に音楽の力を訴えたのです こういうところがコバケンのサービス精神のなせるワザでしょう その甲斐あって、熱狂的なフィナーレに聴衆は酔いしれました。終演後は会場いっぱいの聴衆からブラボーと拍手の嵐が舞台上の指揮者とオケのメンバーに押し寄せました コバケンはセクションごとにメンバーを立たせて彼らに華を持たせました。その後、いつもの通り、拍手を制してスピーチを始めました

「今日は多くのお客様にお越しいただきありがとうございました。今日の最後のリハーサルでは完璧だったのですが、本番では良い面と悪い面が出てしまったようです 皆さまの温かい声援を受けて、次はきっと良い演奏をするんだ、と彼ら自身が自覚していると思います 皆さま、今日の彼らの名演、いかがだったでしょうか?」(ここで会場いっぱいの拍手

やはり、指揮者が一番良く分かっているので、彼らを代弁して言い訳をしたくなるのでしょうが、11年ぶりに早稲田大学フィルを指揮して同じマーラーを指揮したコバケンは、何だかんだ言っても大したものだと思います 彼はプロのオケだろうが、アマチュアのオケだろうが、頼まれたら断れない性格なのでしょうね。それに、どのオケからも実力以上を力を引き出す力があるし

アンコールに、第4楽章のフィナーレ、金管楽器が立つところから演奏し、再度会場いっぱいの拍手喝さいを受けました オケのメンバーが解散するまで、席を離れる聴衆は極めて少数でした。アマチュア・オケっていいな、とあらためて思いました

 

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フレドゥン・キアンプール著「幽霊ピアニスト事件」を読む~ピアニストが書いたミステリー

2015年12月09日 07時31分03秒 | 日記

9日(水)。わが家に来てから438日目を迎え、ヒートテックで暖をとるモコタロです

 

          

           寒いときはこれに限るよ って ぼく 着てないんだからサー

 

  閑話休題  

 

昨日の夕食メニューは豚肉の生姜焼き、野菜と生ハムとゆで卵のサラダ、けんちん汁です  生姜焼きは作ったタレに1時間以上漬け込んでから焼いたので味が染み込んでいました 

今年初めて日本酒をお燗して飲みました。そこで、飲みながら一句

     『燗酒は芯から温まるヒートテック』

なんちゃって 冬はやっぱり燗酒が一番ですね

 

          

 

 

  も一度、閑話休題  

 

来年のコンサート日程を新しい手帳に書き込んでいたら、4月14日(木)夜が、読響定期公演と新国立オペラ「アンドレア・シェニエ」とがダブっていたので、オペラの方を20日(水)夜の公演に振り替えてもらうよう手配しました。新国立オペラは年3回まで振り替えができるのでありがたいです ちなみに前年度は3回利用しました

 

          

 

  さらに、閑話休題  

 

毎年春に来日してサントリーホールで演奏する「トヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーン」が来年もまたやってきます ウィーン・フィルのコンマス、フォルクハルト・シュトイデがコンマスを務めますが、メンバーはウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場管弦楽団の楽団員がほとんどです 3月29日から4月8日まで全国ツアーを組んでいますが、東京で演奏するのは4月8日(金)午後7時からサントリーホールの公演(Bプログラム)のみです

 

          

 

Bプログラムは①バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」(Vn:シュトイデ、小林美樹)、②ドニゼッティ「クラリネット小協奏曲変ロ長調」(Cl:ペーター・シュミードル)、③モーツアルト「ピアノ協奏曲第21番ハ長調K467」、(P:山本貴志)、④ベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調”田園”」です 指揮者なしで、コンマスのシュトイデのリードで演奏されます

3日からのサントリーホール・メンバーズクラブの先行発売に合わせてネットでS席を手配、後日コンビニでチケットを引き取ってきました ちなみにチケット代はS席:5,500円、A席:4,500円、B席:3,000円です。これは超お薦め公演です。今から楽しみです

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

フレドゥン・キアンプール著「幽霊ピアニスト事件」(創元推理文庫)を読み終わりました 著者のキアンプールは1973年ドイツで、ペルシャ人とドイツ人の両親のあいだに生まれました ハノーファー音楽大学でピアノを学んだ後ソロ活動に入り、ベルリン・フィルハーモニー・ホールなどで演奏したといいますから、相当な腕前です その後、2001年から08年までカナダの企業で経営コンサルタントとして働き、そのかたわらこの作品を執筆し2008年に上梓したとのことです

 

          

 

青年ピアニストのアルトゥアは死んでから50年後の世界に突然蘇った 音楽大学の学生たちと知り合って共同生活を始めるが、音大でのリサイタル妨害事件や美人ピアニスト殺害事件などが次々と起こる 事件の真犯人は誰か、そもそもいったい自分はどうして50年後の世界に蘇ったのか、そうした問題を解明するためアルトゥアは東奔西走する

著者がピアニストだけあって、この作品には多くの作曲家やその作品が登場します ショパン、リスト、シューマン、バッハ、ベートーヴェン、モーツアルト、シューベルト、プロコフィエフ、スクリャービン、メトネル、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキー・・・・。クラシック好きは、文面に登場するこれらの作曲家の曲を頭に思い浮かべながら読み進めると作品への共感が倍増します

ところで、この作品を読んでいて最後まで理解できなかったのは、アルトゥアは一度死んだ”幽霊”なのに「僕は寝なければならない」と言って寝入るシーンが何カ所かあることです 普通、幽霊は寝ないでしょう。いずれにしても、この本はクラシック好きでなくても十分楽しめる作品です。お勧めします

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映画「サイの季節」と「雪の轍(わだち)」を観る~ギンレイホール

2015年12月08日 07時28分20秒 | 日記

8日(火)。わが家に来てから437日目を迎え、見慣れない箱を見つめるモコタロです

 

         

             ご主人に何か届いたけど おとしくれ ってな~に?

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食に「白菜、鶏肉、シメジのクリーム煮」を作りました あとは、野菜と海藻と生ハムのサラダ、エリンギと豆腐とワカメの味噌汁です。娘に「白菜のクリーム煮を作ったよ」と言ったら、「要するに、クリーム・シチューね」と返され、「なるほど、そう言われてみると そうだな」と思いました 食後の感想は「美味しかった」そうです

 

          

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「サイの季節」と「雪の轍(わだち)」の2本立てを観ました

「サイの季節」はパフマン・ゴバディ監督による2012年イラク・トルコ合作映画です

 

          

 

時はイラン・イスラム革命時、ある男の陰謀によって詩人サヘルは不当に逮捕される 30年後に釈放され、生き別れになった妻ミナの行方を探し始めるが、政府のウソによって彼はすでに死んだことになっていた 一方、夫の死を信じ込まされた妻ミナにある男が結婚を迫る。その男こそがサヘルを監獄に送り込んだアクバルだった

この映画は、実在するクルド系イラン人の詩人サデッグ・キャマンガールの実体験を基に描かれたドラマです 日本語題は「サイの季節」ですが、なぜそういうタイトルにしたのか?たしかに、主人公が乗る車が平原を走っている時、横から飛び出してきたサイを撥ねるシーンがありますが、そのシーンしかサイは登場しません。その真意は不明ですが、映画そのものはどのシーンも映像が美しく、かのマーティン・スコセッシ監督がネームクレジットで称賛しただけのことはある映画です

さて、次は2014年ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督によるトルコ・フランス・ドイツ合作映画「雪の轍(わだち)」です

 

          

                              

親の膨大な遺産を受け継ぎ、トルコの世界遺産カッパドキアで洞窟ホテルのオーナーとして裕福な暮らしを送る元舞台俳優のアイドゥンは、地方紙にエッセイを連載したりして自由に生きている 彼には若く美しい妻二ハルがいるが、どうもそりが合わない 出戻りの妹ネジラも彼の書くエッセイに批判的な意見を言ったりしてうまくいかない さらに家賃を滞納する聖職者一家とのいざこざにも悩まされる。雪に閉ざされた部屋の中では、常に終わりのない会話のやり取りが交わされる

この映画では、なぜかもの悲しい旋律が何カ所かで流れます 私はてっきりエリック・サティの「ジムノベティ」か「グノシュエンヌ」かと思っていたのですが、最後のエンドロールを観ていたら「シューベルトのピアノ・ソナタ」と出てきました 長調の曲であることまでは分かりました。分からないままでは悔しいので、家に帰ってさっそくCDを引っ張り出して調べることにしました。ウィルヘルム・ケンプによる「シューベルト・ピアノ・ソナタ全集」(7枚組)です。7枚を片っ端から聴く暇はないので、「長調」「後期のソナタ」をキーワードに見当を付けて取り出したのが「ソナタ・イ長調作品959」です 第1楽章は「アレグロ」なので違うと思い、第2楽章「アンダンティーノ」をかけると、ビンゴでした 実はシューベルトの曲は滅多に聴かないので、目的のメロディーを突き止めるまで相当時間がかかると覚悟していたのです まさに”リーチ・一発・ツモ”でした

 

          

 

久しぶりにシューベルトのピアノ・ソナタを聴きましたが、いいですね シューベルトの曲って独白だと思います それにつけても、映画を観るとどうしても音楽に集中してしまい、クラシック音楽が流れないかと耳を傾ける癖がついてしまいました

 

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東邦音大、東京音大、国立音大のコンサートを聴く~音楽大学オーケストラ・フェスティバル

2015年12月07日 07時12分22秒 | 日記

7日(月)。わが家に来てから436日目を迎え、人間の衣装を着てポーズを取るディズニーのキャラクターを不思議そうに見つめるモコタロです

 

          

             なんでアヒルやネズミが服を着てるんだ??? 

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊第1面の鷲田清一氏のコラム『折々のことば』は「傷つきやすいというのも能力の一つです」という打楽器奏者・山本毅氏の言葉を紹介しています

「『どーだ』とばかりに、自信満々の演奏をする人がいる。それはそれで立派だが、競争を勝ち抜かないと職につけない音楽界の現状がそうさせているところがあると、打楽器奏者は言う 音楽は人を励まし、奮い立たせもするが、人を慈しみ、慰めるものである。傷ついた心によく共振するのは、傷つきやすい繊細な感受性だ。そもそも音楽は競い合うようなものではない

音楽とは何か?と言った時に、その答えは人それぞれでしょう コラムニストの言うように、ある人にとっては「励まし、奮い立たせる」ものかも知れないし、ある人にとっては「慈しみ、慰める」ものかも知れません。ただ、共通して言えるのは最後の言葉「そもそも音楽は争い合うようなものではない」ということだと思います

私自身が音楽をどのように思っているかと言えば、「何の役にも立たないもの。でも、無くては生きていけないもの」です 同じ芸術でも『美術』は作品を目で見ることが出来て、後に残るけれど、『音楽』は演奏するそばから音が消えていく。CDなどの音のパッケージは別として、2度と同じ演奏は出来ない。そこが良いと思っています。私が生の演奏にこだわるのはそういうところにあります

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、ミューザ川崎で「第6回音楽大学オーケストラ・フェスティバル」を聴きました ミューザ川崎でも巨大なクリスマス・ツリーがお出迎えです。

 

          

 

さて、この日のコンサートは①田中良和+東邦音楽大学がシベリウス「交響曲第2番ニ長調」を、②現田茂夫+東京音楽大学がムソルグスキー/ラヴェル「組曲”展覧会の絵”」を、③尾高忠明+国立音楽大学がラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調」を、それぞれ演奏しました

 

          

 

自席は2階の2LB5列12番、左ブロック右通路側です。会場は7割方埋まっている感じでしょうか 最初は東邦音楽大学の演奏です。演奏に先立ち、お互いのエールの交換ということで、国立音楽大学のブラスにより同大・紺野君作曲によるファンファーレが華々しく演奏されました

学生たちが登場します。総勢60数人でしょうか。学生オケにしては小規模です。何人か学生ではないベテランが混じっています ステージに登場した指揮者・田中良和を見たとき、「彼も随分老けたなあ、あまり覇気を感じないなあ」と思いました

シベリウスの「交響曲第2番ニ長調」は1902年3月8日、ヘルシンキ大学で作曲者自身の指揮により初演されました。その当時から好評を博したようで、現代まで人気が続いています

オーケストラというのは指揮者に左右されるようで 、どうも若く溌剌とした覇気を感じません それでも、後半にいくにしたがって管楽器、弦楽器、打楽器とも熱を帯びた演奏を展開し、感動のフィナーレを飾りました 演奏後、オケのメンバーは立って拍手を受けますが、指揮者が退場してもコンマスが座らないのでオケのメンバーが困った様子でした これも学生オケの演奏会ならではのことで、微笑ましくさえ思いました

20分の休憩をはさんで2番目は東京音楽大学の演奏です 演奏に先立って東邦音大のブラスにより同大・福角さん作曲によるファンファーレが清々しく演奏されました

学生たちが登場します。今度は打って変わって100人規模の大オーケストラです 原田茂夫が登場し、ムソルグスキー作曲ラヴェル編曲による「展覧会の絵」の演奏に入ります 彼は指揮棒を持たず暗譜で指揮をします。この大学は伝統的にブラス・セクションが充実しており、そうした特性を生かした選曲だと思われます

狙い通り、管楽器によるソロの部分は素晴らしく、とくにトランペット奏者の「サミュエル・ゴルデンべルクとシュムイレ」における速吹きはプロ顔負けの演奏でした 100人規模の総合力によってマスとしての力を発揮し、会場の聴衆を圧倒しました

再び20分の休憩を置いて、最後は国立音楽大学の演奏です。最初に東京音大のブラスによって同大・熊谷君の作曲によるファンファーレが高らかに演奏されました

学生たちが登場します。東京音大ほどではないにしても、90人規模の威容を誇ります この日演奏した3つのオケの中で、学生以外の演奏者が一番多かったのがこのオケです。低弦を中心に年嵩の演奏者が目立ちました 考えようによっては、それらのセクションを専攻する学生が少ないということでしょうか? オケの態勢を見て分かったのは、3つのオーケストラに共通していたのは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスというオーソドックスな編成をとっていたということです

指揮者・尾高忠明が登場します。彼もタクトを持たず譜面もありません 演奏するのはラフマニノフ「交響曲第2番ホ短調」です。まさに尾高らしい選曲だと思います ラフマニノフがこの曲を作曲したのは、ロシア革命が終わった後の1906年~07年のことでした。この曲の特徴を一言で言い表すとすれば「ロマンティシズムの極致」です 4つの楽章から成り、それぞれの楽章に特徴がありますが、一番ラフマニノフらしいロマンティックな部分は第3楽章「アダージョ」でしょう クラリネットのソロと、弦楽器によるアンサンブルが素晴らしいロマンそのものの音楽です

学生たちは尾高の指揮のもと、流れるようなラフマニノフのロマンの音楽をダイナミックに、思い入れたっぷりに演奏し、感動の拍手を呼びました

午後3時に開演したこのコンサートは6時25分に幕を閉じました 3つのオケを聴いて気が付いたのは、昨年と比較して、どの学生オケも女子学生が多いことには変わりないものの、男子学生の比率が高くなったということです。これは今年の大きな特徴かもしれません

いずれにしても、学生たちの真摯な演奏は、プロ並みとも言えるようなレヴェルの高いものでした 私が常々言っているように「学生オケをバカにしてはいけない」ということです

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カルミナ四重奏団のモーツアルト「レクイエム」を聴く~モーツアルトの命日に

2015年12月06日 09時27分31秒 | 日記

6日(日)。わが家に来てから435日目を迎え、おもちゃ兼食料の縄ボールで遊ぶモコタロです

 

          

         この縄ボールは食べられるから災害時の非常食になるよ ぼくはいつも食べてるけどね

 

  閑話休題  

 

1か月以上前に某焼き鳥屋でテーブルの角に右手中指をしこたまぶつけ、毎日整骨院で超音波治療をしてきたのですが、なかなか痛みが引かないので心配になり、昨日近くの病院でレントゲンを撮ってもらいました その結果、骨に異常はないとのことで、痛み止めの飲み薬と塗り薬をもらってきました 取りあえず一安心です。が、パソコンを打つ時が辛いです

ということで、昨日の夕食はあまり右手・指に負担のかからない「おでん」にしました。具は極めてオーソドックスで、ダイコンとゆで卵とちくわぶを中心に何種類か入っています

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、読響定期演奏会2016-2017の申し込みをしました 実は、現在定期会員なので、とっくの昔に会員優先受付で手続きが終わっているはずだったのですが、例のパソコン・パスワード事件のドタバタで申し込みが締め切りに間に合わなかったのです したがって、一般と同じタイミングで申し込むことになり大幅に出遅れてしまい、サントリーホールS席=1階センターブロック通路側ではあるものの、現在の席とあまり条件が変わらない席しか取れませんでした つくづくパスワードを忘れると、あらゆるところに悪影響が出るのだということを改めて思い知らされました

 

          

 

                    

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールでカルミナ四重奏団のコンサートを聴きました 第一生命ホールが入るトリトンスクエアのエントランスホールでは、クリスマスツリーがお出迎えです

 

          

 

そして、第一生命ホールでは花のツリーがお出迎えです

 

          

 

さて、この日のコンサートは、モーツアルトの命日(1791年12月5日)に因んでオール・モーツアルト・プログラムで、①バッハの作品による6つの前奏曲とフーガK404a第1番ニ短調、②弦楽四重奏曲第19番ハ長調K465"不協和音”、③レクイエム ニ短調K626(弦楽四重奏版)です

 

          

 

自席は1階9列8番、左ブロック左から4つ目です。会場は9割以上埋まっている感じでしょうか 最初はモーツアルトの「バッハの作品による6つの前奏曲とフーガK404a」より第1番が弦楽三重奏で演奏されます この曲はモーツアルトがウィーン時代にお世話になったスヴィーテン男爵の主催する演奏会で聴いたバッハの音楽をもとに作曲したものです ニ短調の調性からも分かるように、このコンサートのメイン「レクイエム・ニ短調」の前奏曲としての位置づけにあります まさに、「レクイエム」の演奏に導く前奏曲として相応しい選曲です

次に4人のメンバーが揃って、弦楽四重奏曲ハ長調K465”不協和音”の演奏に入ります。この曲は師と仰ぐハイドンに捧げたいわゆる”ハイドン・セット”の最後の曲です 「不協和音」という愛称は、この曲の冒頭が、当時考えられなかった不協和音によって開始されたからです 発表当時「モーツアルトは書き間違えたのではないか」と誤解されたようです

もし私がその時代に生きていて、この曲の初演の現場に居合わせていたとしたら、果して素直にこの曲に理解を示すことが出来ただろうか?と自問すると、まったく自信がありません モーツアルトは天才でした。しかし、当時、彼が天才であることを理解していた人は果たしてどれくらいいたのでしょうか

カルミナ四重奏団の演奏を初めて聴いたのは、2~3年前のサントリーホール・チェンバーミュージックガーデンでベートーヴェンの弦楽四重奏曲を弾いた時でした 極めて緻密なアンサンブルに感心したものです この日のモーツアルトも緻密なアンサンブルで、一人一人の実力がかなりハイ・レヴェルにあることが窺えました

 

          

 

さて休憩後は、モーツアルトの「レクイエム」です。1780年ブラティスラヴァ生まれのペーター・リヒテンタールが編曲したものをベースに、カルミナ四重奏団の第1ヴァイオリン奏者マティーアス・エンデルレが改編したヴァージョンによって演奏されます

プログラムの「メッセージ」にヴィオラ奏者のウェンディ・チャンプニーが次のように書いています

「大編成のオーケストラ、合唱、ソリストからなる『レクイエム』とは違うわけですが、いったんこの弦楽四重奏ならではの親密さに耳が慣れてくると、この作品の魅力が光り輝いて見えてきます」

この言葉は、実際に彼らの演奏を聴いているうちに、まさにその通りに聴こえてきます チェロの通奏低音に乗って、ヴァイオリンからはソリストの歌が、ヴィオラからは合唱が聴こえてきます。これは新鮮でした

この日のコンサートは、モーツアルトの224回目の命日に相応しい素晴らしい演奏会でした

4人はアンコールに①シューベルト「弦楽四重奏曲第13番”ロザムンデ”」から第3楽章のデリケートな音楽を慈しむように演奏し、次いで②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第4番」から第4楽章の推進力に満ちた音楽を溌剌と演奏し、会場の喝采を浴びました 素晴らしい演奏でした

 

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オスモ・ヴァンスカ+読響でシベリウス「交響曲第5番、6番、7番」を聴く

2015年12月05日 07時36分23秒 | 日記

5日(土)。わが家に来てから434日目を迎え、リビング・ルームの迷宮界入りしたモコタロです

 

          

            少しは片づけたらどうなんだよ ったくもう!

 

  閑話休題  

 

昨夕は「ピーマンのチーズ肉詰め焼き」に挑戦しました 料理本に焼き時間の目安が書かれていないので、焼きすぎて下のようなシラフでは直視できない無残な結果になってしまいました 幸か不幸か、昨夕は娘が外食するとのことだったので、犠牲者は私と息子の二人に限定されました あとは、いつもの野菜サラダと、トン汁です 失敗にもめげず、来週も挑戦は続く・・・・・息子、可哀そう

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで読売日響の第553回定期演奏会を聴きました サントリーホールもクリスマス模様です

 

          

 

この日はオール・シベリウス・プログラムで①交響曲第5番変ホ長調、②同第6番ニ短調、③同第7番ハ長調です 指揮は1953年フィンランド生まれのオスモ・ヴァンスカです 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスというオースドックスな態勢をとります コンマスは客員で荻原尚子という女性奏者です。小柄で、髪を後ろで束ね、黒のパンツルックといういで立ちは、指揮者・三ツ橋敬子にそっくりです

プログラム前半は交響曲第5番変ホ長調です。この曲は、今からちょうど100年前の1915年12月8日に、シベリウスの50歳を祝うコンサートで4楽章の交響曲として初演され、その後3つの楽章に改訂されたという曰くつきのシンフォニーです シベリウスの交響曲と言えば、第2番を筆頭に、第1番が人気がありますが、私はこの第5番が一番好きです 何と言っても最後の楽章の最後の6つの和音が強く印象に残る曲です

ヴァンスカの指揮は、どちらかと言えば武骨なぎこちないような指揮ですが、オケへの指示は的確です 雄大で郷愁を誘うシベリウスのシンフォニーをダイナミックに表現していきます 読響は弦も管も厚みのある演奏で指揮者に応えます。注目のフィナーレの6つの和音も的確なテンポで、感動の中で全曲を閉じました

 

          

 

休憩後は、最初に交響曲第6番が演奏されました。4つの楽章から成りますが、第1楽章冒頭の弦のアンサンブルは非常に美しかったです 管楽器ももちろん活躍しますが、全曲を通して感じるのは、まるでシベリウスの「弦楽セレナーデ」のような曲だ、ということです 弦楽器によるメロディーが美しいのでそういう印象を持つのかも知れません

次いで交響曲第7番=シベリウス最後の交響曲が演奏されました。単一楽章の曲ですが、テンポが大きく揺れます。この曲もメロディーが美しく、トロンボーンが大活躍します

 

                          

 

ところで、私は常々「シベリウスの音楽に、なぜ日本人である自分が共感できるのだろうか?」と疑問に思っていたのですが、「読響11月号」に作曲家の吉松隆氏が「シベリウス生誕150周年 なぜ日本で人気があるのか」という小文を寄せています その中で彼は、

「シベリウスの後期の作品群は、文字通り『琴線に触れた』・・・・あるいは、ヨーロッパから遠く離れた極東の島国である日本と、シベリウスの祖国である北欧フィンランドが、西洋文化との距離やキリスト教に縛られない自然観および風土という点で似ているということもあるかのかも知れない

と書いています。「そうなのかも」とも思いますが、それだけでもないような気がします でも、それが何なのかは分かりません

 

          

 

コンサートが終わって外に出ると、サントリーホール前のカラヤン広場にはガラス細工のクリスマスツリーが輝いていました 子どもたちにとってはクリスマス、親にとってはクルシミマスがカウント・ダウンに入りました オノオノ方、覚悟は出来てござるか

 

          

 

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新国立オペラでヴェルディ「ファルスタッフ」を観る~ガグニーゼに尽きる!

2015年12月04日 07時05分03秒 | 日記

4日(金)。わが家に来てから433日目を迎え、バルビローリ指揮ハレ管弦楽団によるシベリウスのCDについて白ウサちゃんとひそひそ話をするモコタロです

 

          

          ご主人が今夜読響で聴くシベリウスの5,6,7番の予習用だってさ

          

  閑話休題  

 

昨日の夕食のメインは「牛肉と大根の煮物」です。あとは野菜・海藻サラダ、エノキダケと豆腐の味噌汁、卵かけご飯です 「牛肉と大根の煮物」は、肉の下ごしらえに手間がかかりましたが、40分以上煮込んだので、我ながら美味くできました ”娘見知ゅらん”からは、今まで私が作った料理の中では最高の出来という評価をいただきました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、初台の新国立劇場でヴェルディのオペラ「ファルスタッフ」を観ました 玄関ではクリスマス・ツリーがお出迎えしてくれました

 

          

 

本公演のキャストは、ファルスタッフ=ゲオルグ・ガグニーゼ、フォード=マッシモ・カヴァレッティ、フェルトン=吉田浩之、ピストーラ=妻屋秀和、フォード夫人アリーチェ=アガ・ミコライ、ナンネッタ=安井陽子、クイックリー夫人=エレーナ・ザレンバ他。指揮はイヴ・アベル、管弦楽は東京フィルハーモニー、演出はジョナサン・ミラーです

 

          

 

歌手陣は海外組、国内組を含めて充実していました しかし、この公演は何といってもファルスタッフを歌い、演じたゲオルグ・ガグニーゼに尽きます ガグニーゼはジョージア(グルジア)のトビリシ生まれのバリトンですが、METライブビューイングで観たプッチーニの「トスカ」におけるスカルピアの入魂の歌と演技が忘れられません 彼の声には独特の艶があります。今回のファルスタッフは、スカルピアに次ぐ彼にぴったりの役柄だったと思います 

 

                           

 

日本人で一人だけ挙げるとすれば、ナンネッタを歌った安井陽子が光っていました 安井陽子と言えば、モーツアルトの歌劇「魔笛」における「夜の女王のアリア」を思い浮かべるほど力強いコロラチューラ・ソプラノのイメージが強いのですが、第3幕第2場で妖精に扮したナンネッタが歌う「夏のそよ吹く風に乗って」では、息の長いアリアを美しく歌い上げて、別の魅力を発揮していました あと特筆すべきは、カナダ出身の指揮者イヴ・アベル指揮東京フィルの演奏です 第1幕冒頭から第3幕フィナーレまで、終始集中力に満ちた演奏を展開し、歌手を支えるばかりでなくオケ自らが雄弁に歌っていました

 

          

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METライブビューイングでワーグナー「タンホイザー」を観る

2015年12月03日 07時18分54秒 | 日記

3日(木)。わが家に来てから432日目を迎え、自分に似た姿・形を発見して興味を示すモコタロです

 

          

                                    あれっ ぼくとそっくりなウサギがいるぞ!

 

          

                                     えっ 本物じゃなくて写真だって?

 

          

              写真って何よ? どれ 匂いを嗅いでみよう

 

          

              写真って本物じゃないってことね 分かったよ

 

  閑話休題  

 

昨日は夕食に鮭を焼いて、野菜・海藻サラダとホウレン草のお浸し、アサリの味噌汁を作りました 野菜・海藻サラダの具は、レタス、キュウリ、トマト、ブロッコリ、ベビーリーフ、ワカメですが、上からオキアミを振りかけてあります 

 

          

 

@@@ 夕食時の娘との会話 @@@

tora 振りかけてあるのはオキアミだよ

娘  オキアミって魚のエサだよね

tora そうだよ。人間にだって食べられるんだよ

娘  (食べた後)あっ 美味しい

tora だろ

ということで、オキアミは美味しいのです

 

                   

 

  も一度、閑話休題  

          

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ワーグナー「タンホイザー」を観ました これは今年10月31日に米ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で上演された公演のライブ録画映像です。キャストは、タンホイザーにヨハン・ボータ(テノール)、ヴォルフラムにペーター・マッティ(バリトン)、エリーザベトにエヴァ=マリア・ヴェストブルック(ソプラノ)、ヴェーヌスにミシェル・デ・ヤング(メゾソプラノ)、ヘルマンにギュンター・グロイスベック(バス)ほか。指揮はジェイムス・レヴァイン、演出はオットー・シェンクです

 

          

 

序曲の合間に、カメラはオーケストラ・ピットの中の様子を映し出していましたが、指揮者レヴァインはヴァオイリン・セクションを左右に分ける対向配置をとっています ヴァイオリン・セクションは半数以上がアジア系の奏者が占めているようです さすがはアメリカのオケだと思いました。これがヨーロッパ諸国のオケだったらもっと比率が低いでしょう

舞台は極めてオーソドックスで、メトの伝統を感じさせる重厚感のある見事なものです 序曲から第1幕冒頭のヴェーヌスベルクの場面につながるヴァージョンによる演出ですが、この場面で官能的な管弦楽に合わせて踊られる故ノーバート・ヴィーザックの振り付けのバレエは大変見ごたえがあり、「官能の世界」を見事に表現していました

このオペラの主人公である歌人騎士タンホイザーを歌ったヨハン・ボータは南アフリカ生まれのヘルデン・テノールですが、恵まれた体躯を十分に生かして明るく強靭な歌声で聴衆を圧倒します 「ヘルデン・テノール」はワーグナー等のオペラで英雄役を務める力強い歌声のテノールのことですが、いつどこで見たのか忘れましたが、「ヘンデル・テノール」と書かれていて、「ヘンデルの曲でもないのに、どこか変デル」と思ったことがあります

地下洞窟ヴェーヌスベルク(官能の世界)の女主ヴェーヌスを歌ったミシェル・デ・ヤングはアメリカ出身のドラマティック・メゾソプラノですが、オペラと交響曲の独唱の双方でグラミー賞を受賞しているだけあって、妖艶な歌声で聴衆を魅了します

タンホイザーを慕うヴァルトブルク城のエリーザベト姫を歌ったエヴァ・マリア・ヴェストブルックはオランダ生まれのドラマティック・ソプラノですが、歌はもちろんのこと、演技が素晴らしい この人は目の動きだけでも演技ができるのではないか、と思えます 自分が歌っていないときの顔の表情や仕草を見ていると、エリーザベト姫に成りきっていることが分かります

タンホイザーの友人で高潔の士ヴォルフラムを歌ったペーター・マッテイはスウェーデン生まれのバリトンですが、METライブではロッシーニのオペラ「セヴィリアの理髪師」におけるフィガロの役が強く印象に残っています ユーモアに溢れ才気活発なフィガロ役も良かったけれど、今回の”真面目人間”のヴォルフラムも素晴らしい とくに第3幕でエリーザベトへの思いを夕星に寄せて歌うアリア(夕星の歌)は、静かに心に沁みわたりました

そう言えば、第1幕の後半、タンホイザーが現実の世界に戻った時に、少年が縦笛を吹いて歌うシーンがありますが、歌っていたのは日本人(あるいは韓国人)だったのだろうか? 最後のエンドロールを注視していたのですが、見逃しました

METの音楽監督で看板指揮者のジェイムズ・レヴァインは、休憩時間を含めて4時間半にも及ぶ”マラソン・オペラ”を、車椅子に座ったまま最後まで指揮を続けたわけですが、すごい気力と体力の持ち主だと感心します 終演後、熱狂する客席の様子を見ると、絶大な人気があることが分かります

ワーグナーの作品は長いので疲れるのですが、観るたびに彼の魅力にはまり込んでいくような気がします。ああ、危険だ

 

                           

 

  最後の、閑話休題  

 

オペラの帰りに池袋まで出て、デパートでお歳暮を贈る手続きをして、新しいコーヒーを買ってきました 今度は、標高1,350メートルの高地で栽培されているというガテマラです。さてどんな味がするか?楽しみです

 

          

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許光俊著「人生最高のクラシック」を読む~日本のオケの人からは嫌われるだろうな・・・・・

2015年12月02日 08時26分27秒 | 日記

2日(水)。わが家に来てから431日目を迎え、ポテチ・タワーに挑みかかるモコタロです

 

          

          なに 20%増量だって? 実は ぼくポテチ食べられないんだよね

 

  閑話休題  

 

昨日は夜出かける用事があったので、前日に続き子供たちのために夕食を作り置きしておきました メニューはメインが「豚肉のアスパラ巻き焼き」、そして野菜サラダ、キノコのけんちん汁です。メイン料理の焼き時間と、黒コショウの振り具合が難しいかったです

 

           

 

  も一度、閑話休題  

        

昨夕、10月末まで勤めていたNPC社の「PCビル10階ホール高天井耐震工事完成打ち上げ会」が中目黒のメキシコ料理店Bで開かれ、元社員として呼ばれたので参加しました 1か月ぶりに社員の方々をはじめ関係者にお会いしました 

私は元の職場で一緒に働いていた管理部のAさんとK君、そしてこのブログにも何度も登場したX部長(またはE部長)と同じテーブルで飲みかつ食べました 生ビール、ハイボール、テキーラともう1種類(忘れた)をちゃんぽんしたので、今日は朝から頭がもうろうとしています(いつもと変わらない、という声あり)。料理の名前は分かりませんが、次はほんの一部です

 

          

 

                       

 

  最後の、閑話休題  

 

許光俊著「人生最高のクラシック」(光文社知恵の森文庫)を読み終わりました 許光俊氏は1965年、東京生まれ。慶応義塾大学で美学を、東京都立大学でドイツ文学を学びました。現在、慶応大学法学部教授です。このブログでは「クラシックを聴け!」と「世界最高のクラシック」をご紹介しました

 

          

 

「クラシックを聴け!」はクラシック音楽入門書として非常に分かりやすく、このブログでも絶賛しました。今回ご紹介する「人生最高のクラシック」は前書「世界最高のクラシック」の姉妹編として書かれたものです この本では超個性派指揮者13人を取り上げ、それぞれの名演奏を紹介しています。これらの指揮者を6+1のグループに分けて解説しているところが、この人の独特なところです

1.「理念のバロック、官能のバロック、退廃のバロック」として、順番にカール・リヒター、パイヤール、クリスティーを紹介しています。

2.「歌の恍惚」としてジュリー二、コルボを紹介しています。

3.「東西武闘派対決」としてショルティ、スヴェトラーノフを取り上げています。

4.「岩のブルックナー、絹のブルックナー」としてマタチッチ、レーグナーを紹介しています。

5.「明晰という美徳、または地中海的リアリズム」としてマルティノン、ベルティー二を取り上げています。

6.「日本で燃え上がった二人の巨匠」としてクーベリック、ムラヴィンスキーを紹介しています。

7.「これを聴き洩らすのはもったいない」としてアーノンクール、ケーゲル、ザンデルリンク、セル、バティス、バーンスタイン、ベームを取り上げています。

ここで取り上げられた指揮者には、それぞれ思い出があります ミシェル・コルボは毎年5月に来日してラ・フォル・ジュルネ音楽祭でフォーレやモーツアルトやバッハの宗教曲を深い感動とともに聴かせてくれます スヴェトラーノフはN響を振ったチャイコフスキーのバレエ音楽やマーラーの第5交響曲が忘れられません(第4楽章「アダージェット」の演奏中に、NHKホールの舞台に蝶が舞い込んできて、アダージェットが終わると去っていった)。ガリー・ベルティー二は都響を振ったマーラー・チクルスをよく聴きに行ったものです

ラファエル・クーベリックは、何を隠そう、私のマーラー入門を手助けしてくれた指揮者です。サンプラー版LPレコードに収録されたマーラーの第5番の「アダージェット」を聴いて、マーラーにのめり込みました クルト・ザンデルリンクがドレスデン国立歌劇場管弦楽団を指揮したブラームスの交響曲全集は、いぶし銀の輝きを引き出しています カール・ベームは80年代に来日した時にNHKホールでウィーン・フィルを振った「君が代」の重厚感が忘れられません

ところで、許光俊氏は、私が好きな指揮者オットー・クレンペラーをあまり評価していないようで、この本では取り上げていません。残念です

この人の本を読んでいて気が付くのは、日本のオーケストラに対して非常に厳しい見方をしているということです 例えば、3「東西武闘派対決」の中で、次のように書いています

「私はスヴェトラーノフとNHK交響楽団のコンサートには行かなかった。日本のオーケストラは、それなりにきれいな音を出すが、音楽に陰影がない。色彩がない。つっ込みがない。迫力がない。ひとことで言って、まるで水栽培の野菜のように味気ないのだ いくら指揮者が変わっても、「バケる」ということがないのを、私は経験から嫌になるほど知っている。このあたりが欧米のオーケストラとの決定的な違いで、欧米のオーケストラはたとえ普段は大した演奏をしていなくても、何かの拍子に豹変して、とんでもない名演奏をすることがあり得るのである(本書ではこのあと、マタチッチの項でNHK交響楽団について書くが、あれなど例外中の例外である)」

( )の中にある「マタチッチ・・・・NHK交響楽団」とあるのは、ロヴロ・フォン・マタチッチがNHK交響楽団を指揮したブルックナーの「交響曲第8番」の伝説的な演奏です

さて、皆さんはこれをご覧になってどう思われるでしょうか。この人は、時間的にも経済的にも恵まれているようで、気に入った演奏家が演奏するのが分かると、海外のコンサートホールまでわざわざ聴きに行っているそうです。また、海外の世界的なオーケストラの来日公演も高い料金を払って聴きに行っているようです。だからこそ、日本のオーケストラとの演奏の比較が出来るのです しかし、そういう恵まれた立場にない”普通の”聴き手は、そのような贅沢な比較が出来ないのが実態です

私などはCDでもFM放送でもなく、”生演奏で聴くことに意味がある”と考えているので、出来るだけ安い料金で質の高いコンサートを見い出すことが大切になってきます 毎年のように来日するようになったウィーン・フィルやベルリン・フィルですが、今の時点では、3万円とか4万円とかを出して聴きに行く価値を見い出せません こちらは年に180回以上コンサートに行くのを目標にしているので、1回のコンサートにそんな高額なチケット代を払っていたら破産してしまいます。私はマイペースを保ちながらあくまでも生演奏にこだわります

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