人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

和田竜著「村上海賊の娘(一,二)」を読む~本屋大賞受賞の傑作

2016年09月01日 07時29分50秒 | 日記

9月1日(木).今日から9月に突入です.わが家に来てから704日目を迎え,大型気まぐれ台風10号の被害を報じる夕刊を見て心配するモコタロです

 

          

            台風の豪雨で死者が出たらしい 随分大きな台風だったんだなぁ

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「肉野菜のオイスターソース炒め」,「生野菜とワカメとツナ・コーンのサラダ」,「冷奴」,「もろきゅう」を作りました 「肉野菜~」は子供たちにも好評でした

          

 

  も一度,閑話休題  

 

和田竜著「村上海賊の娘(一,二)」(新潮文庫)を読み終りました 和田竜は1969年12月大阪府生まれ.早稲田大学政経学部卒.2003年,映画脚本「忍ぶの城」で城戸賞を受賞.07年,同作を小説化した「のぼうの城」でデビューし,直木賞候補となる 14年,本作「村上海賊の娘」で吉川英治文学新人賞および本屋大賞をダブル受賞

 

          

 

時は織田信長が室町幕府最後の将軍,足利義昭を奉じて京に旗を立て,西に勢力を伸ばそうとしていた頃の天正4年(1576年),比叡山焼き討ちから5年,武田軍を打ち破った長篠合戦の翌年にあたる 信長と大阪本願寺の戦いは7年目を迎えていた

その頃,瀬戸内海の島々に根を張り,強勢を誇る海賊衆(因島,能島,来島)がいた.彼らは,瀬戸内海を航行する船から”通行料”を取って生計を立てていた その中でも,能島に拠点を置く村上海賊の当主・村上武吉は乱世にその名を轟かせていた 彼の豪傑と荒々しい気性を受け継いだのは息子の元吉ではなく娘の景(きょう)だった 海賊働きに明け暮れ,地元では嫁の貰い手のない当年20歳の醜女である

しかし,これは当時の”美人”の尺度(ふっくらしてのっぺらした顔)に照らして醜女(ブス)ということであって,実際には彫りの深い目鼻立ちのはっきりした西洋風の美女であることが後に判明する

大阪本願寺に籠城する一向宗の門徒たちに,海路を伝って兵糧を届ける仕事を村上海賊が引き受けることになる.「女は海賊働きをしてはならない」という不文律を破って景は船に乗り難波に向かう 一方,織田方では,泉州淡輪の海賊・真鍋家の若き当主・七五三兵衛(しめのひょうえ)が,村上海賊の行く手を阻む さて,彼らは無事,兵糧を大阪本願寺に届けることが出来るのか

 

          

 

この作品は本屋さんが一番売りたい本として「本屋大賞」を受賞しただけあって,物語として非常に面白い作品です 戦国乱世の時代を舞台に女海賊を主人公にしてストーリーを展開するという独自のアプローチが新鮮です ヒロインの景(きょう)が,戦うと滅茶苦茶強いところが痛快です その反面,どこか抜けたところがあり,セリフや行動が劇画タッチになるところもあって,これがまた別の魅力になっています

また,物語を読んでいると,途中に「〇〇言行録によると」とか,「△△記によると」といった歴史的な文書の引用が出てきます 筆者はこれらの史実に基づいてストーリーを組み立てていることをアピールしています.それだけにストーリーに説得力があります

この作品は第三,第四があるということなので購入したいと思います

「村上海賊」といえば,元の職場(社団法人)のトップに瀬戸内海の因島出身の村上さんという方がおられましたが,生前「祖先は村上水軍かも知れない」とおっしゃっていたのを思い出しました 現地の人は「海賊」ではなく「水軍」と呼んでいたようです 「海賊」と「水軍」とではずいぶん印象が違いますね

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