人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでヘンデル「アグリッピーナ」を観る ~ ジョイス・ディドナート、ケイト・リンジー、ブレンダ・レイにブラボー! / 東京藝大モーニングコンサート2020 ⇒ 全公演中止

2020年07月08日 07時18分47秒 | 日記

8日(水)。東京藝大モーニングコンサート2020については、すでに第1回から第8回までが中止となっていますが、昨日、東京藝大音楽学部と、モーニングコンサートのチケット扱い業者のヴォートル・チケットセンターから、2020年度の全13回の公演はすべて中止するとの通知が届きました これに伴って、第9回から第13回までの払い戻しをするので「払戻申込書」に必要事項を記入の上、チケットを同封して返送するようにとの内容でした さっそく返信用封筒により出しておきました。これで私に関わるコンサートの中止は100件を超え、103件(うち延期8件)となりました

ということで、わが家に来てから今日で2107日目を迎え、ブラジルのボルソナロ大統領は一貫して新型コロナウイルスを軽視し、マスクを着用しない態度が問題視されていたが、6日、新型コロナの症状が出たとして、検査を受けたことを明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      コロナに罹っていても 強気の発言をするんだろうな  ブラジルのトランプだから

     

         

 

昨日、夕食に「焼き茄子~バター醤油味」と「キャベツの中華スープ」を作りました 焼き茄子は先日NHKテレビ「ためしてガッテン」で紹介していた料理です フライパンで茄子を表裏各3分、側面各1分を焼いて、切れ目を入れてバターと醤油を垂らすだけのシンプル料理ですが、とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーで、METライブビューイング、ヘンデル「アグリッピ―ナ」を観ました   これは今年2月29日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です この頃はまだ、アメリカにおいては新型コロナウイルスの感染は さほど拡大していなかった時期です

「アグリッピ―ナ」はゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)が作曲、1709年にヴェネツィアで初演され大成功を収めたオペラです 舞台は紀元50年頃のローマ帝国。夫の皇帝クラウディオに代わって、連れ子のネロ―ネをローマ皇帝とすべく、母アグリッピ―ナがあらゆる謀略、策略を巡らせる物語です

キャストは、アグリッピ―ナ=ジョイス・ディドナート、ネロ―ネ=ケイト・リンジー、オットーネ=イェスティン・デイヴィーズ、ポッペア=ブレンダ・レイ、クラウディオ=マシュー・ローズほか、管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ハリー・ビケット、演出=デイヴィッド・マクヴィカーです

 

     

 

紀元50年頃のローマ帝国。皇妃アグリッピ―ナは、ブリタニアに遠征中の皇帝クラウディオが死亡したという一報を受け、連れ子のネロ―ネを皇帝にするために陰謀を巡らす だが、皇帝は武将オットーネに命を救われ、ローマに帰還する 次期皇帝の座を約束されたオットーネは、帝位よりは美女ポッペアとの結婚を望んでいた アグリッピ―ナは邪魔者を排除するため、ポッペアを騙し、「オットーネに無理やり迫られて困っている」と皇帝に訴えるよう、入れ智恵する ポッペアに惹かれている皇帝は、オットーネに帝位を与えるのは止めると約束する。アグリッピ―ナの家臣パッランテとナルチーゾは、アグリッピ―ナに取り込まれて彼女の陰謀に加担していたが、自分たちが彼女に寄せる好意を利用されていたことに気づく また皇帝になるはずだったオットーネは一転、裏切り者の烙印を押されることになってしまう しかし、ポッペアはオットーネの真意を聞き、自分がアグリッピ―ナの罠に落ちていたことを知る アグリッピ―ナは、クラウディオに、ネロ―ネを次期皇帝とすることを承認させる。(以上第1幕)

ポッペアは、自宅へやってきた皇帝クラウディオに「実はネロ―ネに迫られていた」と訴え、ドアの向こうに隠していたネロ―ネを呼ぶ 事情も分からず出てきたネロ―ネにクラウディオは驚き怒る この様子を見たオットーネは、事情を察知しポッペアと愛を確かめ合う かくしてアグリッピ―ナの企ては破綻するが、皇帝クラウディオは、最終的に、帝位より愛を望むオットーネにポッペアとの結婚を許し、ネロ―ネに帝位を譲ることとする。(以上第2幕)

 

     

 

午前10時、4階の1番スクリーンに集まったのは20人強です。コロナが収束しないの中、こんなものでしょうか 場内はとても静かです

イギリスの指揮者ハリー・ビケットがオーケストラ・ピットに入り、軽快な序曲の演奏に入ります これまで聴いてきたMETの音と全く違う「バロックの音」が聴こえてきてビックリしました ビケットはバロック音楽のエキスパートとのことで、特に弦楽器はガット絃(羊の腸)を張って演奏しているのではないかと思うほど柔らかい音が出ていました

主役のアグリッピ―ナを歌ったジョイス・ディドナートは1969年カンザス生まれのメゾソプラノですが、今やMETを代表する看板歌手として君臨しています 久しぶりにスクリーンで観たディドナートはとても貫禄がありました 彼女が悪役を演じるのは初めてではないかと思いますが、なかなか板についていました。さすがは歌う女優です 超絶技巧は完璧にコントロールされており、力強さが加わります

ネロ―ネを歌ったケイト・リンジーは1980年バージニア生まれのメゾソプラノですが、今回の役柄は「主役を食っている」と思われるほど歌と演技が真に迫っていました ひと言でいえば「刺青を入れた ちょっとイカレた街のあんちゃん」といった不良青年を、抜群の身体能力で演じていました 私はかつてMETライブで観た「ホフマン物語」のニクラウス役しか聴いたことがないので、今回のネロ―ネ役との落差に驚くばかりでした

オットーネを歌ったイェスティン・デイヴィーズは1979年生まれのカウンターテナーですが、甘美な声が魅力的でした

ポッペアを歌ったブレンダ・レイはウィスコンシン州生まれのソプラノですが、随所で聴かれるコロラトゥーラは完璧なうえ、全身を役柄に打ち込む体当たり演技が強く印象に残りました

クラウディオを歌ったマシュー・ローズは1978年ブライトン生まれのバスですが、コミカルな演技を真面目に取り組むなど好感が持てました

1966年グラスゴー生まれのマクヴィカーの演出は、時代を現代に置き換えていますが、観ていて何の違和感も感じませんでした こういうケースは珍しいと思います 彼は幕間のインタビューで、時代設定を変えたことについて「悪い奴はいつの時代にもいる」と答えていました (現代のアメリカだと、誰を指しているんだろう。だいたい想像はつくけど)。マクヴィカーの演出は、スムーズな場面転換により音楽を止めることなく、速いテンポで物語を進め、息つく暇を与えません ハリー・ビケットの指揮によるメリハリの効いた古楽器奏法が功を奏しています

ところでアグリッピ―ナとはどんな人物かと言えば、マクヴィカーが幕間のインタビューで語ったところによれば、皇帝ネロの母親なのです つまり、ネロ―ネ=ネロというわけです 結局アグリッピ―ナは息子ネロに殺される運命にあります

10分間の休憩、出演者へのインタビュー等を含めて約3時間55分の上映ですが、時間の長さをまったく感じさせない集中力に満ちた公演でした

このオペラは初めて観ましたが、今回の公演を観て、J.S.バッハと同じ年に生まれたヘンデルを見直しました ドイツから一歩も外に出なかったバッハと、イギリスに渡って活躍したヘンデルの生涯は対照的ですが、それぞれ独特の音楽を作り上げ、後世にその名を残しました

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