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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

NHK交響楽団「新時代の到来!注目の新星とN響の共演」を聴く~熊倉優の指揮でショスタコーヴィチ「交響曲第10番」、ブリテン「青少年のための管弦楽入門」他~フェスタサマーミューザ

2018年08月05日 07時50分34秒 | 日記

5日(日)。わが家に来てから今日で1403日目を迎え、中国が3日に表明した600億ドル(約6兆7000億円)相当の米製品への報復関税に対し、米国の政財界で反発が広がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     そもそも最初に貿易戦争を仕掛けたのはどこの国か はっきりさせるべきじゃね?

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で「NHK交響楽団 新時代の到来! 注目の新星とN響の共演」を聴きました   これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ブリテン「青少年のための管弦楽入門」、②グラズノフ「アルト・サクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲」、③ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」です ②のアルト・サクソフォン独奏=上野耕平、指揮=熊倉優です

午後4時からの公演に先立って、3時から同じ会場で室内楽コンサートがありました 最初にフルート、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの五重奏によりヨハン・クリスチャン・バッハの「五重奏曲ニ長調作品11-6」が、次にヴィオラ四重奏によりノックス:マラン・マレ「スペインのフォリア」の主題による変奏曲が演奏されました

 

     

 

さて本番です。会場はかろうじて7割くらい埋まっている感じでしょうか N響のコンサートとは言え、ほとんど無名の指揮者なのでイマイチ人気が出なかったのでしょうか

気になる隣席は前日までとは全く違うカップルが座っていました 一つの企業がセット券を2席押さえていて、交替で聴きに来ているのでしょうか。よく分かりませんが、今までの開演直前の不愉快な思いは解消されました これが普通です。あの二人が復活しないことを祈ります

さて、指揮をとる熊倉優は1992年生まれの26歳。桐朋学園大学卒業、同研究科を修了。指揮を梅田俊明、下野竜也に師事しています 第12回ドナウ国際指揮者コンクールで第2位入賞。2016年9月からN響・首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを、同年11月からN響アシスタントとして定期公演等に携わっています

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスはマロこと篠崎史紀です

1曲目はブリテン「青少年のための管弦楽入門~パーセルの主題による変奏曲とフーガ作品34」です この曲はベンジャミン・ブリテン(1913‐76)が、1945年にBBC(英国放送協会)から依頼を受けて「オーケストラの楽器」という映画の音楽を作曲したものです 彼は17世紀に活躍した英国の作曲家ヘンリー・パーセルの劇音楽「アブデラザール」の中の「ロンドゥー」という小品の旋律をテーマとして変奏曲として作曲したのです

若い熊倉が指揮台に上がり、パーセルの主題がオーケストラ全体で演奏されます 指揮ぶりに若干硬さが見られます この曲では一つ一つの楽器が紹介されていきます。その意味ではラヴェルの「ボレロ」によく似ています しかし、聴いていてどうも違和感があります よく考えてみたら、通常この曲はナレーションが入り、楽器が演奏し、またナレーションが入りという形をとるのですが、この公演ではナレーションがなく演奏だけによる形をとっているのです 個々の楽器の演奏は良いのですが、繋がりがイマイチに思えました

2曲目はグラズノフ「アルト・サクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲変ホ長調」です アレクサンドル・グラズノフ(1865‐1936)はサンクトペテルブルグ音楽院の院長を務めていましたが、1928年にソヴィエトを離れ、パリに移りました。この作品は1934年にパリで初演された作品です

この曲は3つの部分からなる単一楽章の作品ですが、第1部「アレグロ・モデラート」、第2部「アンダンテ」、第3部「アレグロ」という構成です

サクソフォンを独奏する上野耕平は茨城県出身、東京藝大卒。第28回日本管打楽器コンクールサクソフォン部門で史上最年少で第1位ならびに特別大賞を受賞、2014年第6回アドルフ・サックス国際コンクールで第2位に入賞しています

管打楽器が退場し弦楽器だけが残ります。上野と熊倉が登場、さっそく第1楽章に入ります 全体的にサクソフォンの温かみのある音色が活かされた穏やかな曲想で、美しいメロディーがいくつもあります 第2部ではカデンツァがありますが、高音から低音までサクソフォンの音色が十二分に活かされた素晴らしい演奏でした


     


プログラム後半はドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906‐75)の「交響曲第10番」です この作品は1953年12月17日にレニングラードでエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルにより初演されました その年の3月にソヴィエトの最高指導者スターリンが死去していて、この曲はスターリン体制への反感の思いを込めて作曲したという説もあります

第1楽章「モデラート」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アンダンテ~アレグロ」の4楽章から成ります

この曲はN響定期でヤルヴィが振っており、その時 熊倉は身近で彼の指揮ぶりを観察していたはずなので、その勉強の成果が期待されます

熊倉のタクトで第1楽章が開始されます この楽章は長大で起伏に富んでいます。この楽章だけでモーツアルトの交響曲が1曲分収まってしまうほどの長さです、熊倉は半端ない集中力でオケを統率します 力が入っていたのは第2楽章「アレグロ」です この楽章をひと言でいえば「闘争」です 全体的に攻撃的な音楽がアグレッシブに演奏されます ショスタコーヴィチの名前が音楽に組み込まれていると言われる第3楽章では、ホルン首席の福川伸陽が素晴らしい演奏を展開しました また、オーボエ、ファゴット、フルートといった木管楽器群も冴えた演奏を繰り広げていました 続く第4楽章は「静から動へ」激しく転換します この転換は異常なほどです。「使用前・使用後」ではないけれど、それまで苦しめられてきたスターリンが死去したことを受けて、「スターリン現・スターリン後」を表しているようにも思えます

勝利の音楽が終わり熊倉のタクトが宙を舞うと、一瞬の間を置いて、会場いっぱいの拍手とブラボーがステージに押し寄せました 熊倉は管楽器の奏者を立たせて賞賛します。次いで、オケ全員を立たせようとしますが、マロが指揮者を讃えて立とうとしません。楽員の皆さんも若き指揮者のN響デビューを讃えて拍手を贈ります 皆さん、温かいですね

N響アシスタント指揮者・熊倉優はまだ26歳。まだまだこれからの若者です 多くの先輩指揮者たちのように一歩一歩着実にマエストロへの道を進んでほしいと思います

 

     

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