人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パーヴォ・ヤルヴィ+アレクサンドル・トラーゼ+N響でショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第2番」、ブルックナー「交響曲第1番」他を聴く / サントリーホール「オルガン・カフェ #5 」のチケットを取る

2018年05月20日 07時37分48秒 | 日記

20日(日)。わが家に来てから今日で1326日目を迎え、米テキサス州サンタフェの高校で18日朝に起きた銃乱射事件で、逮捕した容疑者は17歳の白人男子生徒で、銃は容疑者の父親が所有する散弾銃と回転銃だった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

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9月17日(月・祝)午後1時半からサントリーホールで開かれる「サントリーホールのオルガン・カフェ #5」のチケットを取りました  全席指定で2,000円です。プログラムは①バッハ「プレリュードとフーガBWV545」、②三浦一馬「ピアソラの主題によるバンドネオン・ソロ・メドレー」、③ピアソラ「バンドネオン協奏曲」より第3楽章、④メシアン「キリストの昇天」より第2・3曲です オルガン独奏=近藤岳、バンドネオン独奏=三浦一馬、ナビゲーター=川平慈英です チケットはサントリーホール・メンバーズ・クラブ先行購入で手配したので 特典として「ソフトドリンク券」が付いてきました

 

     

 

         

 

18日(金)午後7時からNHKホールでN響C定期演奏会を聴きました   プログラムは①トルミス「序曲第2番」、②ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第2番ヘ長調」、③ブルックナー「交響曲第1番ハ短調」です   ②のピアノ独奏はアレクサンドル・トラーゼ、指揮はパーヴォ・ヤルヴィです

 

     

 

N響はヤルヴィ・シフト=ヴァイオリンが左右に別れる対向配置をとります。コンマスはマロこと篠崎史紀氏です

1曲目はヤルヴィと同じエストニア生まれのヴェリヨ・トルミス(1930‐2017)の「序曲第2番」です 曲はアレグロ・アジタート~ピゥ・トランクイロ~アレグロ・アジタートという形式をとります

ヤルヴィの指揮で演奏が開始されます。冒頭の激しいリズムによる音楽が強く印象に残りますが、全体の印象としては「バトル~休戦~バトル再開」といった感じです

2曲目はショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第2番ヘ長調」です この曲はドミートリ・ショスタコーヴィチ(1906‐1975)が50歳の時(1957年)の作品です モスクワ音楽院ピアノ科の学生だった息子マキシムに献呈され、57年5月10日に本人のピアノ・ソロ、ニコライ・アノーソフ指揮ソヴィエト国立交響楽団により初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

巨漢トラーゼがヤルヴィとともに登場します ライザップに通って、結果にコミットしてもらった方がいいかも、と思わないでもない体形です トラーゼはジョージアのトヴィリシに生まれ、ロシアのモスクワ音楽院で学び、1977年にヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞しています

ピアノ周りを中心にテレビカメラと収音マイクが設置されています 後日NHKで放映するのでしょう

ヤルヴィの指揮で第1楽章が開始されます 開始間もなくピアノが第1主題を奏でますが、ロッシーニのウィリアム・テル序曲を彷彿とさせる軽快なメロディーです 何なんでしょうか、この楽観主義は さて、次の第2楽章「アンダンテ」こそが聴きどころでした トラーゼによってゆるやかなテンポで奏でられる静謐な音楽はとても美しく、「抑制された美しさ」を感じます こうした美学はロシアの奇才アファナシエフを聴いて以来です。トラーゼは、ハンカチを持っていないようで、この楽章が終わるとシャツの両袖で額の汗を拭っていました 激しい音楽を演奏する時よりも、弱音で静かな音楽を演奏する時の方が、より神経を使い汗をかくのかもしれません 続けて演奏される第3楽章は一転、陽気な音楽が戻り アレグロで一気に駆け抜けました

何度かカーテンコールで呼び戻されますが、トラーゼはヤルヴィを中央に押しやって自分は端の方で拍手を受けています   ヤルヴィに促されてやっと中央に移り大きな拍手を受けました   人柄でしょうね   一度でトラーゼが好きになりました

ヤルヴィはトラーゼにアンコールを催促し、自分は指揮台に座り込んでテレビカメラを覗き込んだりしています トラーゼはスカルラッティの「ソナタ ニ短調」を演奏しましたが、これがまた素晴らしい演奏でした この曲は先日ケフェレックの演奏で聴いたのでメロディーを覚えていました

男子トイレに長蛇の列が出来る休憩時間の後は、この日のメインディッシュ、ブルックナー「交響曲第1番ハ短調」(1866年リンツ稿/ノヴァーク版)です アントン・ブルックナー(1824‐1896)は、リンツ大聖堂のオルガニストとして名声を博していましたが、この交響曲第1番を作曲したのは40歳を過ぎてからでした 交響曲では遅咲きのブルックナーです。この作品は4つの楽章から構成されていますが、最初に手掛けたのは第4楽章で1865年1月でした。その後、第3楽章、第1楽章、第2楽章の順に手掛けていったようです 初演は1868年リンツで行われました その後もブルックナーは満足できず1890~91年に改訂作業を行っています。版の問題を言い出したらキリがないし、知識もないので止めておきます 

この曲は第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:急速に~トリオ:ゆるやかに」、第4楽章「終曲:活発に、情熱をもって」の4楽章から成ります

ヤルヴィの指揮で第1楽章が開始されます 弦の刻みによって第1主題が登場しますが、第1番にしてすでにブルックナー独特の世界が出来上がっていることが分かります それが顕著なのは第3楽章「スケルツォ」です。この特徴的なリズムこそ、第3番以降の傑作交響曲群のスケルツォの原点にある音楽だと言えるでしょう ヤルヴィは高速テンポで音楽を進めますが、切れ味の鋭い日本刀のようです 弦楽器、とくに佐々木亮氏率いるヴィオラ軍団と藤森亮一氏率いるチェロ軍団の躍動感あふれる演奏は、この演奏に命を懸けているかのようです 第4楽章に至っては、藤森氏は弓の糸が切れて垂れ下がっているのを切り離す暇もなく演奏に集中しています ホルン、トロンボーン、トランペットの咆哮とティンパニの強打によるフィナーレは まさに音の大伽藍そのものでした

ヤルヴィは楽章間をほとんど空けることなく演奏を続けていました  これは演奏する側の楽員のみならず 聴く側の集中力を持続させるのに有効な手法でした  速めのテンポと相まって、長いブルックナーの交響曲を 長いと感じさせない演奏を可能にしていました。これはヤルヴィの音楽作りの大きな特徴と言っても良いかも知れません

ところで、N響のプログラム冊子 Philharmony 5月号の「今月のマエストロ」でヤルヴィが取り上げられていますが、満津岡信育氏によるインタビューの中でヤルヴィは、

「『サウンド』は、演奏を成功させるための3つの材料のうちのひとつだと思っています サウンド、リズム、テンポの3つが的確に揃っていないと『いい』演奏にはなりません。作曲家が誰なのか、その楽曲に対する自分の哲学のようなものに合致しているかどうかが問われます。ブラームスやマーラーでは、すごくいいサウンドが出せても、それがハイドンやラヴェル、またドヴォルザークに合っているとは限らないのです 絶対的な『いいサウンド』は存在しないと思っています。ある作品を指揮する際には、様式的にも時代的にも、このサウンドで正しいのかということを、私は特に意識しています

と語っています。これは何となく分かるような気がします 例えば、ブラームスの「交響曲第1番」が演奏される時、私は「その音がブラームスの音になっているかどうか」を第一に判断します。それが「サウンド」の意味だと思います もちろん、これは交響曲のような管弦楽曲に限らず、ピアノやヴァイオリンの独奏曲、あるいは歌曲や歌劇などでも言えることでしょう   さらに、オーケストラそのもののサウンドがあると思います

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