人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

グザヴィエ・ドラン監督「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」 & グリンダ・チャーダ監督「カセットテープ・ダイアリーズ」を観る ~ ギンレイホール

2020年11月04日 07時16分25秒 | 日記

4日(水)。わが家に来てから今日で2225日目を迎え、最高裁は先週 米大統領選におけるペンシルベニア州とノースカロライナ州の郵便投票を巡り、受付期間の延長を認める判断をしたが、これに対しトランプ大統領が「最高裁の決定は非常に危険な判断だ。不正が放置され、まん延し、法制度全体が損なわれるだろう。街頭での暴力も引き起こすだろう。なんらかの対応が撮られるべきだ」とツイートしたことについて、ツイッターは2日、この投稿の内容は「真偽が問われる」もので「誤解を招く可能性がある」と警告した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの投稿は 支持者に「暴力を引き起こせ!」と煽動しているとしか思えない

 

         

 

昨日、夕食に「真鯛の塩焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました あとは「イカ刺し」と昨日の「豚しゃぶ鍋」の残りです アボカドは柔らかさをよくチェックしてから買わないと、中身が黒ずんでいる時があります。今回は正解でした

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」と「カセットテープ・ダイアリーズ」の2本立てを観ました

「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」はグザヴィエ・ドラン監督による2018年製作カナダ・イギリス合作映画(123分)です

物語の舞台は2006年のニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が29歳の若さでこの世を去る 自殺か事故か、あるいは事件か、謎に包まれた死の真相について、鍵を握っていたのは11歳の少年ルパート・ターナー(ジェイコブ・トランプレイ)だった 10年後、新進俳優として注目される存在となったルパート(ベン・シュネッツァー)は、ジョンと交わしていた100通以上の秘密の手紙を1冊の本として出版する さらに、著名な女性ジャーナリスト、オードリー・ニューハウス(タンディ・ニュートン)の取材を受けて、すべてを明らかにすると宣言する。そしてインタビューでドノヴァンが11歳のルパートだけに告白した過去の秘密を語る

 

     

 

【以下、ネタバレ注意】

この映画は、ドラン監督が幼少の頃、憧れていたレオナルド・ディカプリオに手紙を送ったという経験から着想を得たとのことです

ルパート少年はいじめっ子を見返してやろうと、教室での発表会で、実は5年前から有名な俳優ドノヴァンと文通していると告白するのですが、彼らは嘘つき呼ばわりした上、その手紙を鞄から盗んでしまいます ルパートはそれを取り戻すため、いじめっ子の家に忍び込んで家族に発見され、警察に連れていかれます それがキッカケになり手紙の内容が世間に知られることになります 手紙の束の中にはドノヴァンがゲイで、相手との関係に悩んでいたことや、母親との確執があったことなどが書かれていました ドノヴァンは自身の名声を守るために、ルパートとの文通を否定します。ルパートは大きく傷つき彼に失望します その後、ドノヴァンから久しぶりに届いた最後の手紙には、「君が俳優になることに役立てることはしてあげたいが、今は静かに眠りたい」と書かれていました この時、彼はこの世に別れを告げたのだと思います。結局、人気俳優のドノヴァンは本心を打ち明けることのできる真の友人が11歳のルパートしかいなかったのです いくら人気があろうが、彼は生涯孤独だったのです

傍から見れば華やかに見える人でも、心に抱えた悩みや苦しみは本人にしか分からない ましてやごく普通の人たちならなおさらだ、ということを示唆しているように思います

 

         

 

「カセットテープ・ダイアリーズ」はグリンダ・チャーダ監督による2019年製作イギリス映画(117分)です

物語の舞台は1987年のイギリス・ロンドン郊外の町ルートン。音楽好きのパキスタン移民の高校生ジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は、閉鎖的な町の中で受ける人種差別や、保守的な親から価値観を押し付けられることに鬱屈とした思いを抱いていた しかし、ある日、ブルース・スプリングスティーンの音楽を知ったことをきっかけに、彼の人生は変わり始める

 

     

 

この映画はブルース・スプリングスティーンの音楽に影響を受けながら成長していく少年の事実に基づく青春音楽ドラマです

ジャベドの家族はパキスタンからの移民一家のため、近所の悪ガキから唾を吐かれたり、ドアに小便をかけられたり、家の外壁に「パキスタン移民は街から出ていけ」といたずら書きをされたりと、差別的な仕打ちを受けますが、80年代のイギリスは実際こうだったんだろうな、と想像します また、ジャベドの父親は失業してしまいますが、パキスタン社会は家父長主義のため、父親が一番偉く母親も子供たちも逆らうことが出来ないのです したがって、ジャベドは父親に反感を覚え 一刻も早く街から出て行きたいと思うわけです しかし・・・

この映画の原題は「Blinded by the Light」(光で目もくらみ)ですが、これはブルース・スプリングスティーンのデビュー・シングルのタイトルです これについて、ジャベドはラストシーンで「最初にこの曲を聴いた時はお金や名誉に目がくらんで」と解釈していたが、今は違うように聴こえる 自分はこれまで自分の人生に光が当たることしか考えてこなかった 光が当たらないところで、父も母も家族のために一生懸命に働いてきた 自分が好きなことが出来るのは、家族の犠牲があったからだ。自分はそのことを忘れてはいけないと思う」と語ります。このシーンでは涙を抑えることができませんでした

ジャベドの人生に大きな影響を与えたブルース・スプリングスティーンは、1949年9月生まれのアメリカ出身のロックミュージシャンですが、この映画では冒頭からラストまで彼のヒット曲が流れます 彼のファンにはたまらない映画です しかし、まことに残念なことに、私は1曲も分かりませんでした 当時から、同時代の音楽を聴くメインストリームに乗り切れていなかったことを自覚しています


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