人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

パーヴォ・ヤルヴィ ✕ シュテファン・ドール ✕ N響でアブラハムセン「ホルン協奏曲」、ブルックナー「交響曲第7番」を聴く ~ N響2月度Aプロ

2020年02月16日 07時24分35秒 | 日記

16日(日)。わが家に来てから今日で1965日目を迎え、ウクライナ疑惑でトランプ大統領に不利な証言をした高官らに「報復人事」が行われていることが一部与党議員らの反発を招いている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     米国はトランプの トランプによる トランプのための政治をいつまで許しておく?

 

         

 

昨夕、NHKホールでN響定期公演11月Aプログラムを聴きました   本日の「バッハ・コレギウム・ジャパン」の定期演奏会とダブったため、昨夕に振り替えたものです プログラムは①アブラハムセン「ホルン協奏曲」、②ブルックナー「交響曲第7番ホ長調」です 演奏は①のホルン独奏=シュテファン・ドール、指揮=N響首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィです

振り替え後の座席は2階L4列3番、会場の左端に近い席です

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスはマロこと篠崎史紀、隣席は伊藤亮太郎です チェロの首席・藤森亮一の隣は辻本玲(元・日フィルのソロ チェロ)がスタンバイしています   名簿上は無印ですが、いずれ首席になるのではないか、と推測します

1曲目のアブラハムセン「ホルン協奏曲」は、デンマークの現代作曲家ハンス・アブラハムセン(1952~)がベルリン・フィルの首席ホルン奏者シュテファン・ドールのために書いた作品です N響、ベルリン・フィル、NTR土曜マチネ、シアトル響、オークランド・フィルによる共同委嘱作品です 今年1月29日にベルリンで、ドールの独奏、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ベルリン・フィルによって初演されたばかりで、この日の演奏は日本初演です

ヤルヴィの指揮で演奏に入ります 全体は3つの楽章から成る20分程度の曲ですが、第1楽章は極めて静かな曲想で、詩的な雰囲気に満ちた音楽が展開しました シュテファン・ドールは息の長いフレーズを ものともせず、抜群のブレス・コントロールで演奏します 彼は第2楽章以降も確かな技術に裏づけられた演奏を展開し、聴衆の圧倒的な拍手とブラボーを呼びました カーテンコールが繰り返される中、会場にいた作曲者のアブラハムセンがステージ上に呼ばれ、ヤルヴィ、ドールとともに拍手に包まれました

 

     

 

プログラム後半はブルックナー「交響曲 第7番 ホ長調」です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1881年から1883年にかけて作曲、1884年12月30日にライプツィヒでアルトゥール・ニキシュ指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ:極めて荘重に、そして極めて緩やかに」、第3楽章「スケルツォ:極めて速く~トリオ:ややゆっくりと」、第4楽章「フィナーレ:動きをもって、しかし速すぎないように」の4楽章から成ります ブルックナーの交響曲の中では一番好きな作品です

ヤルヴィの指揮で第1楽章が、弦のトレモロに乗ってホルンとチェロにより雄大な音楽が奏でられます 大自然を思わせるような かなりゆったりしたテンポで進みますが、ヤルヴィの不思議なところは、いつしかテンポアップしていて われわれが気が付かないことです    つまり、音楽の流れが自然なのです    ヤルヴィは大きな動作で指揮をしますが、わざとらしさはまったくなく、演奏する側は演奏しやすいのではないかと思います   ホルン、トロンボーン、トランペット、テューバといった金管楽器が良く鳴っています     またフルートが素晴らしい    第2楽章は冒頭、舞台右にスタンバイしたワーグナー・テューバとテューバ、そしてヴィオラによって深みのあるメロディーが奏でられますが、このアンサンブルが素晴らしい ブルックナーはこの曲の第1、第3楽章の作曲を終え、第2楽章に取り組んでいた時、ワーグナーの訃報を聞き、哀悼の意を込めて葬送のコラールをこの楽章の終結部に加えました ワーグナー・テューバ、テューバ、ホルンによるコラールの演奏が感動的でした ヤルヴィは間を置かずに第3楽章「スケルツォ」に入ります。ヤルヴィは楽譜の指示通り快速テンポでサクサクと進めます メリハリの効いた明確な指揮ぶりを見ていると、ヤルヴィの統率力の高さを感じます 第4楽章へも間を置かずに移行しました。緊張感を持続させる意図があるのでしょうか 第4楽章では、咆哮する金管楽器、彩りを添える木管楽器、渾身の演奏を見せる弦楽器、ここぞというところで打ち込む打楽器が渾然一体になって、サグラダファミリアのような大伽藍を築き上げました スカッとする快演でした

ヤルヴィ&N響は2月22日から3月4日までヨーロッパへ演奏旅行に出かけますが、ブルックナーの「第7番」はその公演の演奏曲目に入っています この日のコンサートは遠征前の総仕上げという位置づけにあるのではないかと思います その意味では十分に手応えがあったのではないでしょうか

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